のんびり艦これ   作:海原翻車魚

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 毎度どうも作者です。
 書いてて「毎回主人公の人格が違うんじゃないの?」っと薄々感じてきてしまったのを気づいたとです。
 変化は大事なのは分かっていますが、一貫性に欠ける云々と語るのはここまでにしておきます。

 主人公の感情の汲み取り方が異常に正確なのは主人公がHSPであるのと、毒親家庭の一人っ子であることをここに明かしておきます。(発明品の件のとこでの不自然な会話はこれを察知したものです)
 どういうことか分からないという方は『HSP』や『毒親』について調べて頂くとよろしいかと思われます。(作者がそうであろうということは……中の人のTwitterを覗いて頂けたら幸いです。)
 
 のんびり出来ない要素の開示になりますが、これを承知の上でご覧になって頂くとありがたいです。

 最近、別の二次創作をしようかなと思っています。『こっちに専念してくれ』という方や『それはそれで見てみたい』という方はコメントの方でやんわりとお願いします。
 閑話休題
 それでは、長くなりました挨拶をここで締めて本編どうぞ。
 (読んでくれてる人おるん?)


何か軟化してきた目線の人

 僕は、この海洋国家日本に生まれて海を何回も、何十回も、何千回も見ている。この立場に任ぜられる前も見てはいるのだが、整備されているためか景観が損なわれているほどの海辺は見たことがなかった。

 見に行った場所が単に観光地だったからかもしれない。

 

 執務室から覗いた出入口の門から通用口にかけて、サラサラとした砂から多種多様な雑草が所狭しと生えていた。

 見た目がよろしくない海辺だ。

 たけが低い雑草が多いのだが、着任当初の砂浜に無骨に建つ鎮守府の方が景観としては好ましいのではないかと思い、幹部に相当する艦娘に召集をかけることにした。

 幹部と言えば物々しいが、ある艦種の古株、金剛に叢雲、赤城に隼鷹、大淀と明石といったいつものメンバーを執務室に呼び出した。

 

 一階の床に響く足音が大きくなる。

 上座、下座を気にするのは面倒であるため、執務室の中心にちゃぶ台一つとその円に沿うように座布団を七枚敷いて、全員が来るのを待った。

 

 待った結果なのだが全員が集まるのに二分とかからなかった。

 驚いた。

 午前8時という早い時間帯に集合をかけたのにそれにかかった所要時間が短いことにまず驚いた。

 ただ、驚いたことは他にもある。というより、驚きのウェイトは次の事柄が占めていた。

 隼鷹が素面だったことだ。いつもなら千鳥足になるまで呑んでいるか、二日酔いの頭を抱えてることが日常茶飯事。これには思わず、僕を含めた隼鷹以外の全員が口を開けて驚愕していた。

 その光景にやはりと言うべきか隼鷹がキョトンとした顔で疑問の声をあげた。

 「え?顔に何か付いてる?」

 『何も付いてないよ。』

 「?」

 唱和していた。

 そこには驚かない自分を無視して、全員が席に着いたのを確認してから今回召集したテーマを僕は口にした。

 「最近、雑草が多くない?」

 フランクな話し方で始めた、はず。

 だって皆顔を合わせてヒソヒソし始めるんだもん。

 頭の中までフランクというかソフトになった。

 「ようやくなの?」

 やや不満げというか呆れている様子の叢雲が最初に口を開いた。

 「…はい。」

 「Hey!提督。」

 金剛が威勢よく手を突き上げた。突き上げる風に見えるように挙手した。

 「私はコーディネートだと思ってたネー。」

 「う"っ…。」

 さらりとフォローをいれてくれたのだろうが、思い切りハートブレイク。

 ちらりと工作艦コンビを見ると、

 「~♪」

 「………。」

 口笛を吹いてそっぽを向く明石と、対照的に無言でそっぽを向く大淀。

 「はいはーい、アタシからも有るよー!」

 勢いに乗る隼鷹。何が飛び出すかと覚悟していると、

 「面倒なのがキライなアタシから言うのならこのままでも良いと思う。」

 覚悟していたものとは真逆の意見が出た。少し防御が弛んだその刹那。

 「でも、商船だった私からすれば汚いのはどうかと思うなー。」

 「うぐぅ…。」

 ガードを抜けてボディブローが飛んできた。

 「行ってきます…。」

 悲しくなった僕はすぐに皆に背を向け、執務室から飛び出した。

 

 倉庫からゴミ袋と鎌と熊手と軍手を調達した僕は外に出ようと廊下を歩いていた。

 ふとゆっくり横切る小さな複数の影。

 とことことパジャマ姿の第六駆逐隊が寝起きのまぶたを擦りながら歩いていた。その手には、イルカやサメ、マンボウにフグのぬいぐるみ。

 「司令官、おはようなのれす。」

 眠気が強いのかろれつが怪しい電。

 「お早う。」

 しゃがんでから挨拶。駆逐隊の目線に頭をもっていく。

 「司令官?お仕事なら手伝うわよ。」

 ハキハキと喋り始めたのは一つ上の雷。

 「大丈夫。もう少し寝てて。」

 雷電の頭を優しく撫でて、ついでにぬいぐるみの頭も撫でて、部屋の方向に行くようにうながす。

 「ураааааа……」

 尻下がりにテンションが落ちた響は夢の世界に行きかけていた。現に支えないと倒れて頭を床にぶつけているところだ。

 「むにゅぅ…。れでぃ…。」

 夢うつつの暁はいつものフレーズ。姉という自覚のためか響を僕の腕から自分に移して部屋に帰り始めた。長女にならって雷電も後をついていった。

 

 梅雨時のジメジメと湿った空気が凶器になる前の時間までに一段落させておこうと思った僕は外に出てすぐに作業を開始した。

 早い話、むし暑さがピークになる前にさっさと終わらせる腹積もりだ。

 生えている草を絶妙な力加減で手早く抜く。自分で絶妙と言うのも変だとは思う。といっても経験からなる技術だから変ではないのだろうか、などと思いつつ軽やかに雑草を抜いていく。

 

 天球の水色が空を占めるようになって暑さが増してきた頃。飛び出してからもう三時間くらい経っているだろうか。

 長時間に渡る作業で痛めた腰をリラックスさせようと立ち上がる。ついでに成果としてどれだけの草を刈り取れたかを見ようと振り返る。完璧主義が災いしてあまり進んでないが砂しか無いと断言出来るレベルの仕上がりだ。

 この調子でやっていこうと己を鼓舞したところですっかり見慣れたダイアモンドがこちらに近付いてきた。

 「お疲れ様ネー。」

 労いと共にタオルと1Lの水筒が手渡された。

 頭から滝のように流れる汗をすぐに拭って水筒の中身を一口飲む。

 味からしてスポーツドリンクだろうか。甘さの中にほんのりとした塩気が感じられた。渇いた体が少し潤ったのを感じた僕はポツリと一言洩らした。

 「うまい。」

 「Your welcomeネー!」

 「金剛が作ったのか?」

 「Yes!」

 快活に肯定した金剛の手には軍手がすでに装着されていた。水筒の手渡しの時は渇きからそっちに目がいってて気がつかなかったが、潤った今は細かい所に目がいく。

 「手伝ってくれるの?」

 質問の答えは行動で示すと言うように、白ジャージ姿の金剛は草むしりを始めた。

 

 少し経ち、正午のチャイムが申し訳程度に鳴る。

 申し訳程度なのは呑兵衛達の頭に響くということと、寝ていて仕事をしない人間に秘書艦をつけるのは手間だろうという僕の判断で軽いチャイムをごく短時間鳴らすという形式に変えたことの2つが理由だ。

 やや蒸してきた日射しの中、黒い柴犬のような艦娘がこちらに来た。柴犬というのは勝手なイメージなのだがどこか犬っぽい初月が生えているたけの低い草を見て目を輝かせていた。

 「イナゴはいたのか、提督。」

 「……初月か。」

 暑さで頭がやられてきたのか、初月の発言で酷く驚いたのか今ははっきりとしない。レスポンスが悪いなあと鈍い考えがまろびでる。

 秋月型の性なのだろう。戦時中のデータが参照されているとはいえ食料ですらないものをそれとみなすのは今では有り得ないことだ。飽食の時代の人間とそうでない真逆の人間のギャップに小一時間思考に入るのが僕としては普通なのだが、今は頭が働かない。

 自分でもどうしてそうしたかは分からないが、僕は初月の頭を軽く抱き寄せて、

 「もうイナゴはご飯じゃないんだよ。」

 と言った。

 彼女の両肩に手を置いて向き合ってみると、しょんぼりとしているようでどこか嬉しそうな複雑な表情をしていた。

 「間宮と大和に言ってご飯とラムネをご馳走してもらいな。」

 「あ、ああ。そうするよ。すまない、提督。」

 初月は顔を赤くして涙を浮かべていた気がする。暑いからだろう。きっとそうだ。

 意識がふわふわとしてきた。体も力が入らない。たおれるだろうなあ。でも、めいわくかけられないなあ。

 しゃがんでた僕は地面に腰をつけてへたりこんだ。

 ぼやけた視界に水筒のビジョン。取ろうと伸ばした手は視界に無い。

 声がした。だれの声だか今の僕は分からない。

 水筒の色が視界を染める。

 口に異物の感触。

 口に液体が入る。

 塩気と共にぼやけた視界と意識が形成される。

 口に水筒をねじ込んだのは近くに居た金剛だった。

 「HEY!」

 「……お。」

 渇いた唇が動かない。

 給水したことで湧いたわずかな気力で金剛の手から水筒をもらって中身を少し流し込んだ。

 「すまん、助かった。」

 「休憩するネー。」

 問答無用で僕の手を引っ張る金剛の顔は悲しそうに見えるようでその実、怒っている風にも見えた。

 

 冷房が効いた府内に戻った僕は金剛にたしなめられた。

 なんやかんやで古株メンバーからも重労働を一人でやるなとたしなめられた。

 まだ自分を変えられてないのかと自戒するも、非生産的だから止めるようにしようと決心した。

 頭がボーッとしてそのくらいの記憶しか府内に戻ってきて覚えてることは無かった。

 

 頭を物理的に冷やすために廊下を歩いていると、六駆の部屋の前に布団の山があった。

 布団から四人が頭だけだして眠っているのだが、段違いに積み重なった上で四方から頭を出していた。

 『Zzzzz……。』

 寝息が重なる。

 あまりにも気持ち良さそうに寝ているものだから悪戯心が湧いてしまった。

 湧いただけだ。

 断じてほっぺをつつこうとした訳ではない。断じて。

 しゃがんで第六駆逐隊の様子を見ていた僕に近づこうとする足音が二つ。

 「よっ!提督。」

 「うぃ。」

 遠征隊長か幼稚園の教員と呼ぼうと思ったが、天龍本人が良くても脇の龍田が黙ってなさそうだと即座に判断し、短く呼応した。

 「お前ら、そろそろ起きろー。」

 「みんな~、お布団干すわよ~。」

 黙ってるかどうかとこちらが思案した割には二人とも教員然としていた。

 もぞもぞと布団の山が蠢く。

 布団が四人を産み落とそうとしたその時、己が速さを誇る駆逐艦が疾駆した。いや、正確には違う。

 快走していたのは違いない。

 避けようのない物体Xが彼女、島風の疾走を妨げた。

 勢いそのままにボウリングで倒れるピンを連想させるが如くの悲劇に進展した。

 端的に言い換えるならば、島風が布団の山にダイブするように転んでしまったのだった。布団の山は勢いに任せて崩れてしまった。

 「おうっ!」

 布団の一枚がクッションとなったのか、島風はピンピンとしており再び走り始めた。

 「廊下は走るなー!」

 天龍がそう呼び掛けた時には島風は廊下一辺の半分ほどの箇所にいた。走るのに夢中だったわけではないのだろう。天龍の声かけに手を振って留意する旨の言葉が投げ掛けられたからだ。

 さてボウリングのピン、物体Xもとい布団の山は島風の強襲により崩れていた。当然と言えるが、布団に飲まれていた第六駆逐隊は皆冷房で冷えた廊下に投げ出されている。

 あの事態が起きてなお、眠そうな駆逐隊は緩慢な動きで布団に戻ろうとしていた。

 「…ったく。そんなに気持ちいいか?」

 やれやれと言いたげな天龍だったが、布団の魅惑に捕らえられてしまったようだった。今まさに物体Xに手を食べられて恍惚とした表情を浮かべている。

 「みんな~早く起きないと次の遠征のお土産がなくなっちゃうわよ~。」

 龍田がふんわりとした口調で言った。

 その瞬間、弾かれたように四人が躍動した。

 布団は運びやすいように積まれ、幼い四人の身支度はあっという間に終わった。

 よほど聞き捨てならなかった内容らしい。

 …って。

 「お土産?」

 初耳だし聞き捨てならない。

 5W1Hの詰問をしようと二人を見ると朝の明石と大淀のように目をそらし口笛を吹いて誤魔化していた。

 このパターンなら逃げられると思われると後々余計に面倒になるだろうと踏んだ僕はさきほどの6通りの質問とは別のものを考えた。

 「その費用はどこから?」

 二人の口笛が荒く、かいている汗が加速。

 「ねぇ?」

 一歩。

 「ねえ。」

 一歩ずつ。

 「ねえ!」

 一歩ずつ詰める。

 声も大きくなる。

 二人ともぎこちない笑顔で顔をプルプルと横に振る。

 いつぞやの那珂みたいな怯え方をしている二人。

 そこまで怖いだろうか。

 

 この後、怖がりながら間に入った暁たちによって経緯が示された。

 簡潔に言うと、遠征先で何かしらもらっているらしい。もらっているというのはパラレルワールドで誰も存在しないから不自然に商品が置かれている店から好きなものを頂戴しているとのこと。

 金銭に関しては面倒事にならないように代金を置いていっており、その領収はこの鎮守府に請求しているとのこと。

 「そういうことはもっと早めに言ってくれないと。」

 『すいません。』

 二人の謝罪が被る。

 「隠すと面倒なことがいろいろ湧いてくるから今後はきっちり報告すること。分かった?」

 『はい…。』

 「暁たちは早く布団干しに行きなさい。」

 『はーい!』

 割とどうでもいいようなどうでもよくないような事実が浮き彫りにはなった。まあ、些事かもしれない。

 全くの余談だが、島風が秋月と初月と入れ違っていた。もう少し遅く島風が布団の山を崩していたなら、彼女らも巻き込まれていたかもしれない。

 というか、今のあの二人は布団に入るんじゃなかろうか。この鎮守府に来てからずいぶん軟化したというか俗っぽくなったというかそんな感じがする。

 

 この出来事から数時間経った時、窮屈そうに廊下に置いてある大きな大きな大きな笹に短冊を結びつけた。

 助力を頼んでから草が一切無くなった庭の真ん中で笹を燃やし、煙が空を巻くのを見ながら願い事を朧気に反芻したのは別の話である。

 

 とんでもなく奇妙な夢を見ていた。

 起き抜けの今なら如何程の冒涜的な夢かを解説出来るがどこからか圧力がかかりそうなので止めておく。

 あまりの不快さに目が覚めるとやたらと人がいた。人というか部下というか同僚というか……。ともかく多くいた。

 腹部に微妙な鈍痛。

 その痛みを和らげるかのような慣れた温もりも同時に存在した。

 あお向けなのを確認して上体を起こし状況把握。

 真っ先に見えたのは僕の腹に頭突きをかましてる金剛。何だか分からないがずいぶんととろけた笑顔を浮かべていた。

 右を向けば幾回も見た壁。

 「HEY!提督ぅ!」

 鳴き声が聞こえた真ん中を通り越し左を向く。

 先述の通りの人人人。

 人々の目が僕を見ていた。

 

 先程の状況確認から読み取れたことをここに示す。

 ・暁が絵本を持ってたじろいでいた

 ・響が長めの物差しにゴムを数本かけてたものを持っていた

 ・叢雲が顔を赤くしてこちらの視線を切ろうと必死だった

 ・川内が吹けていない口笛をしながら露骨にこちらを見ていない

 ・神通と那珂が謝り倒している。

 ・大和が手で隠しながら指の隙間からこちらを見ていた

 ・武蔵は姉を見かねていた。

 ・金剛以外の三姉妹は三者三様の顔をしていた

 パッと見でここまでの情報。

 他の子もいるのだが、何かしていた訳ではないので示してない。

 

 誰から聞こうか……。

 まあ、地固めから始めよう。

 「金剛。」

 「?」

 にんまりと笑う家内に目線を合わせる。

 「何してんの?」

 「モーニングコールネー。」

 「そのコールの後ろに物理ってついてるでしょ?」

 現行犯発見。

 軽口ついでにため息をつきそうになったが、空気が悪くなる。やめておこう。

 金剛がやっていたというのは分かった。けど、説明不足が過ぎる。目の前の人だかりに説明がつかない。

 さてと…、一番よく分からない響に話を聞こう。

 「別府。」

 「なんだい?」

 タブレット端末でのヴェールヌイの表記が余ってしまいどうしてもアルファベットの『Bep』に見えてしまうことから『別府』という俗称が存在するとかなんとか。

 僕の鎮守府の響改二はこの別府の語感に対して気に入ったらしく、このあだ名で呼ばれると反応する。

 閑話休題。

 「何してたの?それとそのゴムと物差しのセットは何?」

 「これかい?これはギターさ。」

 ベンベンとゴムを弾いて得意気に音を奏でるヴェールヌイを見て、彼女と僕を除く全員から苦笑がこぼれた。

 「物差しでギターは懐かしいなあ。」

 口からそんな言葉がついて出た。というよりようやく分かった。小さい頃に自分がやってたことじゃん。

 『?!』

 何者何様だか分からないが驚きの声が唱和した。

 「これが分かるのかい?流石だ、同志。」

 ヴェールヌイの小さい手が目の前に差し出される。その愛らしい手にそっと手を添え、固く柔らかい握手を交わす。

 「で、ギターを持ってここで何をしてたの?」

 「暁がある本に感化されてしまってね。演奏中に連れてかれてしまったんだ。」

 弾き語りでもするかのようにベェンとゴムを弾くヴェールヌイ。

 そこで暁の腕の中にある本に目を向ける。

 腕の隙間から赤い絵が見えた。

 自前の眼鏡でははっきりと見えなかったため、枕元の明石謹製眼鏡をかける。フレームのボタンに指をかけ絵本の赤い絵を注視する。

 赤い絵の正体はりんごだと思われる。

 となると白雪姫の絵本だろうか。

 「暁。」

 「な、なにかしら?」

 「白雪姫読んでたの?」

 「ふえぇぇ…。」

 首肯した直後に怯え始めた暁。怯えは僕ではなくもう少し彼女の視線から見た左奥。丁度……。

 「金剛、脅かさない。」

 「…What?」

 「めっ!」

 しらばっくれたので軽くしかる。

 「oh…」

 白雪姫と言えばあのシーンだろうか。今この直前に起ころうとしていたのは丁度起こそうとしたシーンの再現とか。

 で、見かけた金剛が暁を威圧してダイビングプレスを僕にかましたと。

 にしてはこの人数の説明がつかない。いても最小限の三人だけだろう。大和や川内が来る理由が分からない。

 暁のベーゼにかなり時間がかかったとしたら?

 「暁、ちょっと耳貸して。」

 「?」

 暁の耳元で声を小さくして先程の疑問をぶつける。

 「うん…。」

 帰ってきたのは肯定。

 「そうかあ……。」

 布団の暖かさの束縛を惜しみながら抜け出し立ち上がる。

 「はい、解散解散。着替えるから出た出た。」

 川内や叢雲、金剛を除く三姉妹はすぐに出ていったが大和が中々出ない。武蔵に無理矢理彼女を連れていくように言うと最後の最後まで粘っていた。

 初めに質問した三人は残っていた。

 暁は言いたいことというかやりたいことというか要望があるらしい。どうも僕と金剛の口づけが気になるとかなんとか。ゴニョゴニョ言ってたので意訳なのだが。それを艦娘が出ていく最中に耳打ちしてきたのだった。

 見た目からしてやらかしたら憲兵行き確定の艦娘にそういった行為を行うのは非常にまずい。

 なので、唇をすぼめてネズミの真似をして寄り目をしたら暁が逃げていった。

 ヴェールヌイは『なるほどね』と何か納得をして執務室を後にした。

 金剛のみになった執務室。

 先程の変顔をすると金剛は爆笑していた。

 「これはこれとして着替えるのは本当だから出た出た。」

 「かぶ」

 「ダメ。」

 心にオッサンでもいるのだろうか、このピンクダイヤモンド。




 秋月型をコンプしたいけど、イベント参入考えたらスペースが足りない中の人です。
 まるゆが切るに切れない中の人です。(最初の潜水艦ってだけもうね)
 2-4が登竜門じゃないかと思っている中の人です。

 イベントで丁が実装されて久しい中、どうしても丙以上で走ろうと意固地になってます。というか、金剛の改二やりたいのに素材がなくて悲しくなってます。スペース拡充するためのリアルマネーもないから指輪も買えてないしなあ。
 
 そんなぼやきが出る私です。
 今回も一万字は超えなかったけれど、そこそこの内容にはなっていると思います。
 次回もしばらくお待ち頂けると幸いです。

 この話の投稿日を見て気づいたのですが、この小説が五周年を迎えていました!(頻繁にあげられず本当に申し訳ないです。)
 五年もやってこんだけしかあげてないのは平にご容赦をば。
 
 最後に読者の皆様には新型コロナウイルスにくれぐれも気をつけて頂いてご自愛してほしい旨を今回の締めの挨拶とします。

 読んで頂き有り難う御座いました。

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