のんびり艦これ   作:海原翻車魚

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 これが出る頃には、新年を迎えた頃でしょう。
 明けましておめでとうございます。良いお年と言って執筆き納めと思ったら執筆き始めしてるので因果なものです。
 まさかの連日投稿です。(まあ、予約投稿なんで前もって書いてた訳なんですが。)
 一口にしようとおもったら三口くらいになりました。
 それではどうぞ。


ひとくちのんかん~3~

 こたつって良いよなあ。

 鎮守府に勤続することになって早数年。家具コインって通貨を集めて購入した雀卓兼こたつに顔以外のほぼ全身を突っ込んでそんなことを考えていた。

 そして、そんなやんわりとした思考を窓から吹き込む冷たい風がたしなめる。

 今は麻雀をしないため、木の板を二枚かませてこたつとして使っている。ただこたつで安穏としている、というのはいささか誤解がある。今、僕は文字通りの常在戦場の気構えでいる。

 卓の面子には暴食の化身三人集、大和、赤城、加賀がおわすのだから……。

 何故こうなったかというきっかけなんて語る必要がない。

 旨そうな匂いがする、通りかかった、それだけだ。

 ぐぅ~

 ぐぐう~

 ぐるるるる~

 文字に起こせばそんな感じの腹の虫を鳴かせながら、目の前の七輪で火責めを受ける椎茸に目線をそそぐ三人。いや、キチンというなら僕を含めた四人である。

 鳳翔が期限が1日ほど切れた椎茸をどうにか有効活用出来ないかと言った相談にのった。結果、普通の人が一人で食べるには余りあるほどの量をもらった。田舎のご近所さんかなとも思ったがおいておく。

 七輪と調味料と木炭をもらい、執務室。

 色々準備して、「賞味期限ってあてにならない」とか、「こたつ温かい」とか思ったところに例の闖入者だ。

 「どうして……」

 ポツリ、漏れた。

 そんな小声は三人には聞こえないようだった。

 じっくり一個ずつ焼いていた七輪には雑多に散らされた椎茸に溢れていた。風情の欠片は犬に食わせたんか?

 さらなる悲しいことに乱入されたものだから膝の上にいたオスカーはどこかへ行ってしまった。ぽやしみ。

 いつの間にか持ち込んでいたマイ箸や備え付けている割り箸でパクパク食べている三名。

 食らう者には言葉は不要ということらしい。現に量を食べれば落ち着くと僕がたかをくくった面子はいつの間にか調味料を用いて箸を進めていた。意外とグルメさんたちでした。

 あっけにとられていても仕方ないと思い、ある程度火が入った椎茸の傘に醤油を一滴し。グツグツと煮える醤油と椎茸のハーモニーが鼻腔をくすぐる。

 頃合いを見計らって自分の小皿に持っていく。余分な醤油はこっそりと木炭にこぼしたが、匂いでバレバレである。うーん、スモーキー。

 「おいひいでふえ!」

 赤城が口一杯に頬張ってもにゅもにゅ喋る。

 「行儀悪いわよ。」

 「赤城さん、飲んでください。」

 「赤城さん……」

 三人からたしなめられると、急に口を動かし始めて飲み込んだ。流れとしてはコミカルに見えるが、その実化物である。こっわ……。

 『えー……』

 ぶっちゃけドン引きである。

 「美味しいですね、提督。」

 「そうだね。」

 「確かに、美味しいです。」

 「むぐむぐ」

 仕切り直す赤城、同意する僕と大和、うなずきながらよく椎茸を食べている加賀。

 「水を差すようだけど、これ賞味期限切れてるよ?」

 「一日くらいなら賞味期限なんて気にしません!」

 なんか残念なことを言い始める大和(撫子)……まあ、いつぞやかのクリパの片付けで一緒に風呂に入ろうとしてたことからなんとなく分かってたことではあるのだが。

 コクコクと首肯する一航戦。こっちも残念だった。なら僕も残念な人なのかしら…。まあ、頼まれたからといって期限切れ食品を独り占めしようとしていた時点でそうなのだろう。ひとよんで、残念会…なんちて。

 いきなり暴食の化身が三人も来た事で大量の椎茸の底が見えてきてしまった。

 そういう訳で切り札その1を切ることにした。家庭用のサイズにランクアップした冷蔵庫から水カステラの一升瓶を取り出す。もちろん分類名に大和を関する国名が入ったヤツだ。

 取り皿に煮えたぎる醤油を吸いきった椎茸を取り、猪口に般若湯を注ぐ。

 ゴクリという生唾の唱和を聞き、片目を少し開けると視線はこちらに注がれていた。

 特に気にせず、熱々の椎茸にかぶり付き狂い水をあおる。

 キまる。形容するなら……いや、形容出来ない。キまる。

 「ふぅ……………。」

 恍惚。その二文字が頭に出る。

 うっとりとした目で天井を仰ぎ見る。

 そして、目線の方向から腹の虫がけたたましく聞こえる。

 「少し融通してもらえません?」

 「おひゃけ……」

 「竹葉なんてずるいです!」

 「知らぬ、存ぜぬ、解せぬ。」

 "うるせー!知らねー!"で通した。勿論、全員膨れっ面である。可愛いなこいつら。

 「君たち可愛いね。」

 ほぼ変換なしで口に出力してしまった。どうも一石どころか土砂崩れを投下してしまった。

 赤城と加賀が顔を赤くしながら出ていってしまった。

 「あー……お二人とも練度高いですもんね。では、私から一言……誤解されるのでお嫁さんだけに言って下さい!」

 「えー」

 「えー、じゃないです!………私も危なかったんですから……」

 「後半なんて?」

 難聴系のフリをしてしらばっくれる。いかに見た目が好みとは言え立てた誓いを違えるほど終わってるつもりはない。ただ、欲しい言葉が分かってしまうだけなのだ。

 じゃあ、切り札その2を切りますか。

 ポケットに入れていたするめいかを取り出す。

 「それ何です?」

 「するめいか。」

 「はあ……」

 和製ハードドリンクを猪口に注ぎ、固形燃料に着火するためのライターの火の尖端で軽くするめいかをあぶる。

 自己処理したときの臭いがし始めて思うところが出てきてしまったが無理やり頭の片隅にぶん投げる。

 あぶったいかをかじり、猪口の液体をあおる。

 「ふいぃー……」

 味わった風味を、楽しんだ光景をため息で馳せる。これもイイ。

 「なんでそんなに美味しそうに食べるんですか!」

 「ぎも"ぢい"」

 「医療班呼びましょうか?」

 「ひっでえ」

 大分距離感がバグってる気がするが……。これか?これなのか?威厳無くなることの原因?

 悲しくなったついでに切り札2.5を切る。

 あぶったするめいかにマヨネーズをつけて食べる。

 「……それ、美味しいんです?」

 「ほれ。」

 新しいいかをちょいとあぶり大和に渡す。

 「どうも。」

 口元を隠しながらかじったようだ。長さがほとんど変わってないことから意外と一口は小さいのかもしれない。いや、冷静になると気持ち悪い観察眼だ。

 「美味しいです。」

 「じゃあ、おまけ。」

 大和の取り皿に欠片ほどのマヨネーズをたらす。

 「頂きます。」

 ちょんちょんと白い物体にいかをつけて、また小動物のような一口でいかをかじる大和。

 「意外と合うんですね!」

 「口に合って良かった。」

 調子にのって切り札2.75である。

 あぶりするめいか、マヨネーズ、七味唐辛子。

 そして、〆に九献を飲む。

 「おいしーかもー!」

 「……ぅぅ、いじわる。」

 ちょっと真意に気づいてもらえないので、ネタバラシといこうか。このままじゃ僕はただの畜生だ。

 「あのな、大和。」

 「…………はい。」

 「皆の健康を損なう可能性があるから僕が処分してるの。」

 「……自分を大事にしない人にそんなこと言われたくないです。」

 「耳が痛いなあ」

 「ともかく、夕飯食べれなくなるからそろそろお開きにするよ。」

 「まだやれます!」

 昭和のスポコンかな?今のご時世にはノリが違うと思う。

 「はいはい、片付けしとくからお開きね。」

 「むうううううううう!!!!!!」

 なるべくプライベートパーツに触れないように立たせて執務室から出した。

 

 期限の切れた菌糸類を食べて体調を崩すと思っていたが、そんなことは無かったことをここに追記する。




 お目汚し失礼しました。
 作者はこれから本業に力を入れるため、また数ヶ月単位で遅れます。ほんとすんません。
 アンケートの方も引き続きお答え頂ければ有難いです。
 お気に入りや感想を頂けると喜ばしい限りです。


 それではまたいつか。

表現について聞きたいです。

  • 難しいと感じる(やさしく書いて)
  • 今のままでいい(書きたいように書いて)
  • 簡単すぎる(文学に寄せて)
  • キチゲ解放求ム
  • 対象年齢上げて(タグ増加)
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