近況報告は爆破して早速GO!
掘っ立て小屋の一部屋、その片隅にあった棚もどきからそれは始まった。
運営学、心理学、軍略、戦記、艦艇図鑑、歴史書。そんな最低限の本がかつては寂しそうに並んでいた。
そんな木っ端は姿を変えることはなく、場所を変えて今も僕の隣にいる。
図書室が地下に増設されたのは、割と記憶に新しい。具体的に言うと、僕が鎮守府業務を熱心にこなさず人間である彼女らに居場所を与えることを是としたスタンスに切り替え始めて数ヶ月経ったころだ。
地下に行くには昔はエレベーターのみだった。明石曰く、増設するコストはこっちの方が安上がりとかなんとか。詰問すると施設自体は既に作ってあるから後は穴を開けるだけとかなんとか。ぶっちゃけ、時系列がめちゃくちゃで頭が理解を拒んでいる。
現在、地下に移動するには外付けの非常階段とエスカレーター、最近点検したエレベーターが使える。
今日も僕はエレベーターに乗りながら、明らかに三階分は動いてるのではと何百回めの愚問を呈する。だって、かなり動いてるのにB1Fの表示が出るの遅いんだもん。
蛍光灯や床のメンテナンスが行き届いた廊下を通り、ドアノブを捻る。途中、海防艦たちが絵本を持って出ていくのがみてとれた。
「廊下は走らないでねー。」
『はーい!』
申し訳程度の注意。朗らかな返事にほっこりだ。
「おっすー。」
「うーい。」
向こう側からエスカレーターに乗ってきた北上。
「大井は?」
「しおりを忘れたとかなんとかで後から。そーゆう提督は?」
「……現実逃避?」
「ふふふ、なにそれ。」
「んま、やりたいようにさ。」
「あいあーい。」
「うー」
会話ととれない胡乱なやり取り。これで練度最大なのだから、北上が底知れないのか、僕がにぶちんなのか……。案外、どっちも溶岩だったりするとかなんとか。
まあ、それはそれとして、今日も守り神様…………もとい、この鎮守府の古い備品にお参りする。……顔を見せるの方が正しいか?
最近修繕された軍艦図鑑に手を伸ばす。
目的無く見ているためかページを送る速度が異様なのは自覚していた。ただ、時たま止まる手に意識を向けると聞いたことのあった軍艦のページにてよく止まっていた。そんな艦たちを見かける度にふと笑みがこぼれてしまう。
パタンと本を閉じて、そうっと戻す。叢雲と険悪だったあの頃から劣化が進んでかなりボロボロな最初の本棚。どのくらいボロボロかと言うと、本を取っても戻してもきしむくらい。
ただ、何故か同じタイミングに同じところにいたというだけに妙に親近感を覚えてしまう。妙なのは僕か。
周りには、ニスでコーティングされた本棚や手入れがされているフローリング、貸出に使う新しいコンピュータ……。ポツンと放り出された化石がごとき最初の本棚に日々建造されていく艦娘に囲まれた自分を重ねてしまっている。だから、妙だと自覚しているのだが。
歳を重ねて老いていくだけの本棚と僕自身……全盛の頃に産み出された彼女たち……重なってしまう。……妙だって。
……ふと、気になった。
子供用コーナーが賑やかだったからだ。
のぞいてみると、童話をぬいぐるみに読み聞かせてあげる海防艦や駆逐艦たちがそこにはいた。かわいいね!
ちょっとおませな子は読みやすい文学作品を読んでいた。
「……」
最近、ヴェールヌイをよく見ている気がするが似た者同士だからだろうか。もちろん、変わり者同士ということで。
さわさわと膝上を撫でていることから、やはりおわすのかぬいぐるみ。うかつにのぞこうとするとプライベートパーツの侵害になるからやらないけど。小学生のスカート見に行くやつis何って話だ。うーん、脳内めちゃくちゃ。
新しい本棚たちの中から面白そうなのをピックアップして、貸出カウンターの担当に声をかける。
こんこん
「……いつまで?」
「無期限で。」
「……ふーん。」
「冗談、二週間。」
「……最初からそう言って。」
「ごめんって、弥生。」
「……はい、大事にしてあげて。」
「ありがとう。」
「……うん。」
小学校あたりの『当番』ってやつ……という訳ではないのだが、回り持ちを決めている。今日の図書室の係が弥生だった、それだけなのである。
用件も終わったから帰ろうと踵を返したところ、北上と大井がイチャイチャしながら本を読んでいた所を目撃した。ここに割って入ると自称憲兵が介入してくるともっぱらの噂だ。触らぬ百合に祟りなし、だ。他にも余計なことを考えたが考えなかったことにした。うんうん。
……なのに、今度は僕が図書室で金剛と一緒に本を読んでいる。執務室ではないからかなり抑え気味だが、はたから見たら十分に惚気の内なのはご愛嬌ということで。
今日はここまで!(最近久々にプレイを再開したので、そこでやらかしたことを次回あたりに書いてみます。)
表現について聞きたいです。
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難しいと感じる(やさしく書いて)
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今のままでいい(書きたいように書いて)
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簡単すぎる(文学に寄せて)
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キチゲ解放求ム
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