のんびり艦これ   作:海原翻車魚

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 今回は序盤にタイトル詐欺まがいの文章が紛れ込んでます。
 「ふざけるな!」と思う方は戻って頂いて、「たまには良いかな」と思う方は読み進めて下さい。
 今回はSSと本編の方でリンクする話になります。ただ、本話投稿時点ではリンク先がないです。すみません。
 前回と前々回ではすっぽかしましたが、今回は描写から見て『風雨』です。
 
*ここで白状しますが、このシリーズは筆者の縛りプレイ兼地力上げの場として投稿しています。過去にやらかしたことがあって描写を抑えて投稿するようになっていることから『止まった雲』呼ばわりする羽目になってます。
**アンケートの結果、成人向けの制作を決めました。別の名義は規約違反となるようです。そのためこのアカウントで投稿します。ただ、作者が端末を触れない時間がかなり多いためお時間を頂きたく存じます。
***上記の内容に付随した告知:こちらの登場人物は精神強度70%くらいで書いてますが向こうでは25%程度の強度で運営されます。
****同じ作者か疑いたくなるレベルのものをお届けしてしまう可能性が極めて高いです。ご了承を……。

 長々と失礼しました、ごー!


ひとくちのんかん~12~

 足しげく通う明石のラボ。足しげくすぎて足挫きそうなどと益体のないことを考えて二の句で韻を踏もうとしている辺り自分でも意味が分からない。

 理解出来るメタ認知のフィルターにかけるのならば、『テンションが上がっている』ということだ。

 「うー」

 『よう』とも『うぃーっす』とも区別がつかない胡乱なあいさつ。これをあいさつと形容してはいけない気がするが…

 「頭が固くなりつつある人ってあいさつをまともにしなくなるらしいですよ。」

 「分かった、仕切りなおす。」

 一旦退室。

 「こんにちは、明石」

 「はい、こんにちは提督。」

 いつもの茶番……というにはちょっとトゲがあった気がするがたしなめられたと自省し彼女を見据える。

 「で、どうしたの?」

 「誕生日プレゼントです。」

 結論ベースで来た。

 「毎度ありがとう。」

 「いえ、いつぞやかのアンケートにお付き合い頂いてるので。」

 このアンケートの話は今は置いておく。少し長いからだ。

 「確かに、アンケートにしてはA4三枚の両面刷りだったねえ。」

 「そこまででは……ありましたっけ?」

 明石が先ほどのテンションよりかは持ち直したように見える。なんというか少し苛立っていたように見えた。

 「個人的な体感だけど、それくらいあったかなぁ。」

 「うぅ……」

 「それはさておいて、誕プレって?」

 「……こちらです。」

 桐の箱に入った何かを渡された。細長い形状から万年筆のように思えてしまうのはバイアスだろうか?

 「開けても良い?」

 「ええ、あのアンケート結果から弾き出した最適解です。」

 謹製も謹製のようだ。虎の子とも言えるかも。

 濃紫のクッションに鎮座しているのは黒く細長い棒状のもの。

 「何これ?」

 素朴かつ言いたいこと。

 手にとっていじってみると、何やらボタンのようなものが指に引っ掛かる。

 押してみると光が出た。光の先には壁があったため失明のような大事故には繋がらなかった。

 「レーザーポインター?」

 「うーん、20点!」

 「酷い採点だ。」

 「とりあえずサンプルの動画を再生しますので、そちらの中の指示したものに光を当てて見てください。」

 「???」

 明石の顔がPCの光に当たり、明らかになる。少し隈が出来ていた。寝不足なのだろうが、今の彼女にそれを問うてまともに返事が来る気配がない。

 早送りされていく動画から生理的に受け付けないであろう声か音がしきりに聞こえてくる。

 何が来るのかと身構えようとした時、明石が口を開いた。

 「この動画の"私"に光を当ててください。」

 直視を避けてきた映像が等倍の速度で動き始める。

 凄絶というか筆舌に尽くし難い生命に対する冒涜的な光景を見せられている明石が発狂している動画だった。この文言を紡ぐことがはばかれる。そして、ここの"明石"は何故僕にこの動画を見せたのか……、今は情報が足らない。

 とかく、話を進めるには光を当ててみる必要がありそうだ。

 サンプルの動画の明石にレーザーを当てる。

 『処分ヲ、開始、シマス。』

 合成音声が耳に来る。

 異物感が強くなりゆく手を見ると、四連装のロケットランチャーが手にあった。

 『処分ノ、権限ヲ、委譲、シマス』

 右手の人差し指にはトリガーが冷徹に当てられていた。

 「……ふむ、様子から見ると調整は上手くいったみたいですね。」

 サンプルの動画がぶっきらぼうに中断されると物々しいロケットランチャーはレーザーポインターに戻っていた。

 「明石、どういう……」

 どういうことだと聞こうとした僕は寝落ちしている明石を見て得心がいった。

 急ピッチで仕上げた誕生日プレゼントの調整で眠れなかったのだろう。で、珍しく不機嫌だったと。愛、だねえ。

 バッテリーが切れた明石に彼女の膝元に置いていたブランケットをかける。

 「さて…」

 少し思案する。ここには例のごとくメールで呼び出されている。けども、呼び出した側が正気じゃなかった。様々なパターンが頭をよぎるなか、僕が選択した答え。

 

 数時間が経過し、その出来事が頭からすっぽり抜けた頃、職場用の端末から着信音。

 「もしもし」

 「司令官、少しお話が…」

 明石だった。電話越しの対応のため確信が持てないが、戸惑い、混乱、焦りを感じる声色だった。

 「落ち着こ?」

 「……。」

 電話を置き、深呼吸をするのがかすかに聞こえてきたが僕は何も聞いていない、断じて。

 「落ち着いた?」

 「ええ、おかげ様で。ともかくラボの方へお越しください。」

 さて、第二ラウンドの始まりだ。

 「おはよう明石。」

 「おはようございます、司令官」

 「どうしたの?」

 「えぇっと、単刀直入に聞きますね?ここで何か見ましたか?」

 「……。」

 いったん考える。僕は数時間前、見せられた動画ファイルはそのままにして誕プレは箱に戻して明石側に置いておいた。ただ、動画ファイルを放置したのは失策だったかもしれない。とぼけて話を逸らすことが不可能になるからだ。

 「見た。」

 腹を括る。覚悟さえ決めればどうということはない。温泉に足を突っ込む気軽さで地獄の窯にダイブ。

 「何を?」

 「他の明石を。」

 「この動画ですか?」

 コンピューターに出されたのは明石を寝かせる判断をした直後のタイミングで暗転していたものだった。

 「そうだよ。」

 「……。」

 今度は明石が考える番になった。

 数秒、数分、どのくらい経ったかわからない。沈黙はそれを生み出した者によって切り裂かれた。

 「私はここでお世話になっている身です。司令官が知る必要のないことにまで向き合って話してくださった…。なので、覚悟を決めました。一切合切をお話します。」

 「……。」

 なんていうか、刑事もののゲームでよくある選択肢が追加されるシーンを錯視した。益体のないことを考えていると気取られない内に本腰を入れて本丸に討ち入ることにした。

 「じゃあ、こっちも単刀直入に聞くよ。あのウチの鎮守府とかけ離れた環境の動画は何?」

 この質問を皮切りに僕はとある情報を手にした。

 ただ、口頭で伝え聞いた事柄を列挙すると長くなるため箇条書きでまとめる。

 ・司令官の人柄が反映されるパラメータは明石が代表的

 ・明石たちのモニタリングは定期的に行われている

 ・良い環境ならジャンクいじりの好事家な友人として、悪い環境なら狂気の破壊者として変化を遂げる

 「で、さっきの動画は悪い環境の一例と?」

 「そうです。」

 「動画を見て時間が経ったから言えるけど、同じ人間とは思えないね。」

 「……。」

 「ごめん、違う自分が被害に遭っていることを考えてなかった。」

 「いえ、司令官が気にすることではありませんから。」

 沈黙。

 静寂。

 「ただ、司令官がそういうことに嫌悪感を示してくださることが人間とは言い切れない我々艦娘にとってはある意味救いなのかもしれませんね。」

 「何をどう間違えてもあんなことしないよ。」

 明石の顔に赤さが戻ったところで話題転換といこう。

 「で、一個前のメールの件ってなんだっけ?」

 「司令官のお誕生日プレゼントの件です。寝不足の時の私ってお見せしてなかったんですか?」

 「レーザーポインターがロケランに変わったから夢でしょ。」

 「…あーだから」

 『動画を再生したのか』「でしょ?」

 「当てないでください。」

 今なら聞けそうだ。

 「あの誕プレって結局何なの?」

 「正直これ以上無いくらいの傑作です!」

 「質問聞こえてた?」

 「分かりました、答えましょう。以前お渡しした刀よりかはロマンと実用性を増強させた提督用の装備です。」

 「装備、ねえ?」

 『レーザーポインターが?』「と言いたいんでしょう?」

 「当てないで」

 お返しかな?

 「レーザーポインターとしても使えますが、レーザーを当てた対象によって手にする武装が変化するロマン武器です!」

 「例えば?」

 「川内さん相手ならいつもの麻酔銃、深海悽艦なら専用徹甲弾を装填したロケットランチャーといった具合です!」

 「ちょい待ち、じゃあなんであの明石にはロケランになった?」

 「説明が足りませんでした。レーザーを当てることで対象の脅威度を測定するんです。そのせいかと」

 「普通に実弾入りのハンドガンが適している気がするけど」

 「えぇっと……装備者である提督から起算してるんです。」

 「ってことは、この装置が僕から見て確実に排除した方が良い対象って判断してるってこと?」

 「慧眼ですね。その通りです。いわば、『可変式レーザーポインター型戦闘兵器(仮称)』です!」

 「仮称ってことはまだ正式じゃないんだ。」

 「ワクワクしません?」

 「する」

 「だからですよ。」

 忘れていたがあのアンケートから作られた兵器だ。僕のミームが遺伝してる。

 「改めて、ありがとう明石。」

 「いえいえ、感謝の気持ちです。それで、どうです?お試しとして私に向けてみません?」

 「オートアサシノフィリアは関心しないぞ?」

 「そうじゃないです、ここにいる"私"なら脅威としてはみなされないと胸を張って言えるからです。」

 「……分かったよ。」

 箱から取り出して明石に光を向けてみる。もちろん目や顔には当てない。

 カチャリ、カチャリと音をたて構造を変化させていく仮称兵器。そして組上がったのはレーザーポインターを二周りほど太くしたものだった。

 「そい」

 「せ……まぶしいです!」

 懐中電灯に変形していた。成功した、と明石に言わせないあたり僕の意思が入ってる風にも思えてしまう。スイッチを切って安否確認。

 「大丈夫?」

 「……はい、色々と。」

 含みが多いな。

 「とりあえず、実地試験と行きたいところだけど明石はご飯食べて寝てもらって。」

 「…………ちなみに、あの映像見せた時の私ってどんな感じでした?」

 「結構尖ってた。」

 「すいません、休憩入れます。」

 「お休み。」

 「うん、お休み。」

 二人してラボから出ると水平線に太陽がかかる頃だった。橙色のグラデーションと熱を持った空気から夕方なのだろうと思った。

 そういえば、変形するのはロマンとして良いのだがそのための素体の素材はどこから来てるのだろうか?

 「明石」

 「なんですん?」

 疲労が来てるようだ。

 「変形したときの周りのパーツの素材ってどこから?」

 「政府から送られてきた資材があふれたものですよ。」

 「左様か。」

 「左様にて。」

 一体どの程度の変形でどの程度の資材を使うのか……今は考えないでおこう。

 この日の終わり際オスカーとレーザーポインターで遊んだ。




 末尾に書くことになりますが、アンケートのご協力ありがとうございました。そして、トラウマに立ち向かう機会をくださったことに平に感謝を。
 
 こちらのシリーズは投稿者の旧Twitter(現X)にて更新告知をしますが、向こうのシリーズの告知は検討中です。
 
 それでは、次はリンク先本編かカレー本編かその他のSSでお会いしましょう。

表現について聞きたいです。

  • 難しいと感じる(やさしく書いて)
  • 今のままでいい(書きたいように書いて)
  • 簡単すぎる(文学に寄せて)
  • キチゲ解放求ム
  • 対象年齢上げて(タグ増加)
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