アリーナで一夏達を倒した俺達は山田先生に一組の代表を辞退することを伝えて寮の部屋に戻ろうとしてドアに手をかけた。
「うん?鍵が開いている...」
「え?本当だね...」
俺達はお互いの顔を見合せ頷くとISの武器を手に出し刀を構えた風の後ろにアサルトライフルを持った俺が周囲を警戒しながら部屋に入っていった。
すると...
「いや~大活躍だったね~」
「「いや、ちょっと待って何で帰っていないの束ねぇ」」
何故か束ねぇが俺達の部屋のベッドに座りアップルパイを食べながらペットボトルに入ったミルクティーを飲んでいた。うん?...アップルパイとミルクティー...?。まさか‼。
俺がとある事に気がつき部屋の冷蔵庫へダッシュして駆け寄り扉を開けて愕然とした...。
「束ねぇ...一応聞くけどそのアップルパイとミルクティー冷蔵庫にあったもの?」
「そうだよ~?それがどうかしたの?」
「どうかしたじゃないよ‼それは俺が昨日作って食べるのを楽しみにしていた物だし、おまけにミルクティーも俺がアップルパイと一緒に飲もうとして買った午前の紅茶の大きいサイズのやつじゃん‼」
そう束ねぇが食べていたアップルパイは俺が昨日1ホール作っておいた物だったのだが全て食べられており、ミルクティーはその材料を買ったときに買ってきた物だった。ちなみに何でその二つがある理由はその二つが俺の好物だからだ。俺にそう言われた束ねぇは眼を少し泳がせながら言い訳を考えているようだった。
「は~....また作るしミルクティーは買い直すからいいけどさ~...飲みたかったな...ミルクティー...」
「どうぞ」
「あっ、ありがとう」
俺がぼやいていると右側から出てきたコップを受け取り中に入っているミルクティーを飲み干す。うん?誰がこのコップとミルクティーをくれたのか?と疑問に思いを右側を見ると...。
「クロねぇ何時からいたの?」
「束様と一緒に来ていましたよ?ただISを使って姿を隠していましたけど」
いつの間にか来ていたクロねぇが首を傾げながらそう言ってきた。少し恥ずかしいのだろう顔は少しだけ赤くなっていた。
「まぁ、二人の事が心配できているんですがね...」
「心配してくれてありがとうでも大丈夫だよ。なぁ風?」
「そうだよ。大丈夫だから心配しないで大丈夫だよ」
風もそう言うとクロねぇはそうですかと言いながら束ねぇの隣に座った。
「で、束ねぇは何で何でまだいるの?」
「それはね~雷くん達に唯一仕様の使い心地を直接聞いてみたかったからね~で、どうだった雷くんの暴風の風使いと風ちゃんの流星の
束ねぇが言っている風使いと流星群って言うのは俺の暴風と風の流星の唯一仕様の事だ。効果としては暴風の風使いはその名前の通り風を操って攻撃とかに使う能力だ。用途としては一夏達にしたように竜巻を作ったり軽いものを運んだりかまいたちを飛ばすなどの使い方がある。そして風の流星群は『流星は一つだけど流星群になればいっぱい降ってくるよね‼』と束ねぇが言った事から作られた唯一仕様で効果は自分を五人に分身させその分身に指示をするには頭で思うだけと言うシンプルな物だが此方にはデメリットがある。それは、自分を分身させる時に自分のISのエネルギーを五等分に分ける為打たれ弱くなりさらに分身がやられれた場合は分身が消えるだけだが本体である風がやられれば全ての分身が消えてしまうという点だ。
「俺は問題なかったよ」
「私も攻撃を受けなかったし問題ないよ」
「それなら良かった~。出来れば雷くんの陽炎の唯一仕様も試したいんだけどね~」
「仕方ないよ。そっちの方はまたの機会にに試そう?」
そう言うと束ねぇは仕方ないよね~と言いながらクロねぇと一緒に窓辺に向かって歩き二人とも窓枠に足をかけた。
「それじゃあまた来るね~」
そう言い終わると束ねぇ達は窓から飛び降りて綺麗に着地し俺達に手を振った後モノレール駅に向かってこっそりと歩いて行った。
「束ねぇも帰ったし...とりあえず...」
俺と風はまた顔を見合せた後にため息をつきながらこう言った。
「「皿とか片付けしようか」」
それから俺達は、束ねぇが食べたアップルパイの乗っていた皿や束ねぇがベッドに食べこぼしたアップルパイの欠片を片付けて過ごした。