俺とバカと召喚獣   作:屋代屋

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第九話

俺達は目の前で起きている光景に愕然とした。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

俺と明久と秀吉は顔を見合わせる。

 

「わわっ、つ、土屋君!?」

 

姫路が慌てて、配ろうとしていた割り箸を取り落とす。

 

「・・・・・・・・・・(ムクリ)」

 

慌てていた姫路の前でムッツリーニは起き上がった。

 

「・・・・・・・・・・・(グッ)」

 

そして、姫路に向かって親指を立てた・・・多分、『凄く美味しいぞ』と伝えたいのだろう・・・。

 

「あ、お口に合いましたか?良かったです!!」

 

ムッツリーニの言いたいことが伝わったのか、姫路は安心した様に笑った・・・でも、俺達は笑えない。なぜなら、いま立っているムッツリーニの足が初期微動のように震えているのを見たからだ・・・。産まれたての羊かっ!!

 

「良かったら、ドンドン食べてくださいね」

 

姫路が笑顔で勧めてくる。正直に言うぞ・・・・・何があっても食べたくないっ!!!!

 

(明久・・秀吉・・・・・どう思う・・・・)

 

姫路に聞こえないくらいの小さな声で二人に話しかける。

 

(・・・・・・・どうって・・・・・そりゃ・・・・)

 

(・・・・・・・演技では・・・・ないの・・・・・・)

 

(じゃぁ、一つ聞く・・・・コレを食べて生きていられると思うか?)

 

((五分五分だね/じゃな))

 

表情は当然笑顔のままだ。姫路に知らせるにはあまりにも過酷過ぎるからな・・・・ムッツリーニを殺ってしまったなんていえないな・・・。

 

(明久。お前、身体に自信はあるか?)

 

(外は頑丈だけど、身体の中は自信が無いよ・・・特に胃はね・・・)

 

(ならば、ここはワシに任せてもらおう)

 

俺の隣で勇気ある秀吉の台詞が聞こえた。

 

(待て!お、落ち着け!)

 

(そ、そうだよ!危険すぎるよ!!)

 

(大丈夫じゃ。ワシは姉上のおかげで存外頑丈な胃袋じゃしな。コレくらいなら・・・大丈夫じゃ  多分)

 

(アレは、アレで危ないがコレは尋常じゃない!!下手したら死ぬぞ!!)

 

(安心せい。ワシを信じてm―――――)

 

外見は美少女でありながら、誰よりも男らしい台詞を言おうとしたところで、

 

「おう、待たせたな!へー、こりゃ旨そうじゃないか。どれどれ?」

 

雄二登場。

 

「あっ、ま、待て!!それは!!」

 

「あっ、雄二」

 

俺と明久が止める暇も無くあの多分残酷な結果を起こすであろう卵焼きを口に放り込んだ。

 

 

 

 

 

 

パク          バタン―――ガシャンガシャン、ガタガタガタガタガタガタ

 

 

 

第二の犠牲者が出てしまった。

 

「さ、坂本!?ちょっと、どうしたの!?」

 

遅れてやってきた島田が雄二に駆け寄る。・・・・なんで現場に血が流れなきゃいけないんだっ!!

 

「・・・・遼平・・・コレは・・・・・」

 

「どうやら・・・・本物だ・・・」

 

ムッツリーニ同様激しく震える雄二を見下ろす。すると、雄二は倒れたまま俺と明久の方をじっと見て、目でこう訴えていた。

 

 

『毒を盛ったな』と。

 

 

『残念だが、毒は盛ってない・・・・姫路の実力だ・・・』

 

『もしも盛ったなら、雄二は今頃アッチだよ』

 

俺と明久も目で返事する。なんだかんだ言いつつも一緒に行動している俺だからこそできる技。こういう時は凄く便利だ。

 

「あ、足が・・・・攣ってな・・・・・」

 

姫路を傷つけないようにウソをつく雄二。そんな雄二を温かい目で見る明久・・・なぜ??

 

「え・・・で、でも・・坂本ってこれ以上ないくらい鍛えられてると思うけど」

 

事情のわかってない島田が不思議そうな顔をする。っち・・・・排除するか・・。

 

「と、ところで島田さn「おい、島田」遼平!?」

 

「ん?なによ、小此木??」

 

「ほら、食ってみろよ。雄二の倒れた理由が分かるぜ・・・・・・・」

 

「ちょっ!りょ、遼平!何てこと言うんだよ!!!」

 

明久が慌てて言い返してきた。

 

「へ?瑞希のお弁当でしょ?なんで・・まぁ、いいわ。いただきま~す!」

 

俺の言葉に疑問をもちながらも姫路の兵器を口へと運ぶ。

 

「ま、待って!!島田さん!!」

 

「待つのじゃ!島田!!」

 

明久と秀吉の止める声も聞かずにアスパラのベーコン巻きを口に放り込んだ。

 

 

 

 

 

パク         バタン―――   シ――――――――――――――――ン

 

 

 

 

 

島田は仰向けに倒れ、動かなくなった。

 

「島田あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「ぬあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「ど、どうしよう!!遼平いいいいいいいいいい!!!!」

 

「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

屋上に響く阿鼻叫喚。青い空の下、俺達は何をしているんだろう・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう~~・・・私のお弁当で皆さんを・・・・うう~~~~~」

 

「でも、凄いぞ?あの、坂本雄二を倒したんだからな」

 

「はう!!うぅ~~~~~~~~~~~~~」

 

「フォローになっておらぬぞ・・・・・遼平」

 

取りあえず倒れた島田を保健室に運び、復活した雄二とムッツリーニを交えて今後の事を話し合っていた。

 

「そういえば雄二、次の目標って・・・なんでBクラスなの??」

 

「ん~~~俺も思うんだが、ココはAクラスじゃないのか??」

 

俺達の目標はAクラスだ。通過点に過ぎないBクラスを相手にする必要はない筈。

 

「正直に言おう」

 

雄二が急に神妙な面持ちになる。

 

「どんな作戦でも、うちの戦力じゃAクラスに勝てやしない」

 

戦う前から降伏宣言。雄二らしくない・・・・・・・だが・・・。

 

「一理あるな・・・俺や姫路がいてもアイツは厳しいからな・・・・」

 

アイツ・・霧島翔子。アイツの力は俺よりちょっとだけ上だ←(ここ重要)一対一ならまだしも、他の奴が手を出さない可能性は極めて低い。

 

「じゃぁ、最終目的はBクラスに変更ってこと??」

 

Aクラス程じゃないがBクラスの設備も立派過ぎるほどに立派だ。Fクラスの奴等は不満じゃないだろう。

 

「いいや、そんなことはない。Aクラスをやる」

 

「ハッキリ言いやがれ」   

 

《バキャッ!!》←(雄二に裏拳を決める音)

 

「ぐぼらばっ!!」

 

「さっさと話せ。この天然危険物野生全開極悪非道のホモ野郎が!!」

 

「読みにくっ!!読みにくいよ、遼平!!」

 

「しかしじゃの・・・・・遼平。今の攻撃で坂本がのびてしまったぞ?」

 

秀吉に言われて横を見ると、本日二度目の気絶を体験している雄二がいた。

 

「チッ、浅かったか・・・・・・」

 

「何が!?何が浅かったのっ!!」

 

「しかしBクラスと戦うにしても今日はテストじゃからな・・・」

 

「それだと・・・明日ですね?」

 

立ち直った姫路が答える。

 

「じゃぁ・・・宣戦布告を言いに行く奴は・・・・・・須川でいっか?」

 

『『『異議なし(じゃな/です)』』』

 

こうして、大事なところを省いてサクサクと作戦会議は進んでいった。その後、目覚めた雄二をもう一度気絶させて、須川と丁寧な話し合いをしてBクラスへの宣戦布告使者になってもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くあ~~~~~~やっと終わった~~~!!」

 

「明日はBクラス戦だね・・」

 

「まぁ、なんとかなるだろ?」

 

「・・・・・そうだね!!」

 

 

 

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