俺とバカと召喚獣   作:屋代屋

14 / 30
第十三話

「では、両名共準備は良いですか?」

 

今日はここ数日の戦争で何度もお世話になっている、Aクラス担任かつ学年主任又の名を『文月の氷の女王』高橋女史が立会人を務める。正直言って、もの凄く苦手なタイプだ。

 

「ああ」

 

「・・・問題ない」

 

一騎打ちの会場はAクラス。Fクラスの腐った畳だとTPOに欠けるとの意見によってAクラスに決まった。

 

「それでは一人目の方、どうぞ」

 

「アタシから行くよっ」

 

向こうは・・・・・優子だ。なぜだろう・・・全身が異様に震えるのは。対するこちらは――――

 

「ウチの出番ね!」

 

島田が優子の相手らしい・・・・うん。

 

「はい、終了ォーーーーーーーー!!」

 

「小此木、言いたい事があるから後でこっちに来てくれない?」

 

「では、教科は数学です。―――――――始めっ!」

 

「「試獣召喚っ!!」」

 

高橋女史のかけ声と共に優子と島田が同時に叫ぶ。二人に似た召喚獣が、それぞれ武器を持って出現する。優子は西洋鎧にドでかい槍、島田は軍服にサーベルだ。

 

「ウチ、数学だけは自信があるのよ!」

 

「あら、ごめんなさい――――――

 

電子掲示板に点数が映し出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『 Fクラス 島田美波  数学 132点

      VS

  Aクラス 木下優子  数学 357点  』

 

 

 

―――――――私も得意分野なの」

 

圧倒的点差だ・・。点数に驚いたのか島田の召喚獣の動きが鈍い。しばらくの打ち合いの後、優子の召喚獣に島田の召喚獣が敗れた。

 

「ごめん・・・・負けちゃった・・・」

 

「気にすることないって、勝負はこれからだよっ!!」

 

落ち込む島田を明久が励ましている。その様子を遠くから見つめている姫路。修羅場だな・・。

 

「では、次の方どうぞ」

 

「私が出ます。科目は英語でお願いします」

 

Aクラスからは斉藤が、我等がFクラスからは・・・

 

「よし。頼んだぞ、遼平」

 

「おう!・・・・・・・・・・はい?」

 

幻聴だ、幻聴に決まってる。

 

「大丈夫だろ?」

 

自信たっぷりの雄二の言葉。

 

「でもな・・k「それでは、始めて下さい」って、おいいいい!!」

 

俺の言葉を聞かずに開始を告げた高橋女史。はーー・・・やるしかないか・・・。

 

「「試獣召喚っ!」」

 

お決まりの召喚ワードを言えば俺の足元に幾何学模様が現れ、召喚獣が姿を現す。相手の斉藤の召喚獣は優子と同じ西洋鎧で二刀流だ。

 

「小此木君」

 

「なんだ?」

 

斉藤が話しかけてきた。

 

「私は絶対に負けません」

 

「そっか・・・・・俺もだよ!」

 

電子掲示板に点数が表示される。

 

『 Aクラス 斉藤美穂  英語 358点――――――

 

 

ザワッ

 

『無理だ、358点なんて勝てるわけがない』

 

『俺達には無理だったんだ・・・』

 

『姫路さん達に賭けるしかない』

 

Fクラスの連中が次々に諦めていく。おいおい、俺の点数まだだろーが・・・。

 

「まずいな・・・・さすがの遼平でも・・・」

 

「大丈夫だよ、だって―――――」

 

 

 

 

 

 

 

――――Fクラス 小此木遼平  英語 862点』

 

 

「英語は得意だもん」

 

シ――――――――――――――――――――――――ン

 

Aクラスが静まりかえる。

 

「今回は低かったね」

 

「うむ、いつ見ても凄いの」

 

「これだけは凄いのよね」

 

明久、秀吉、優子がそれぞれ感想を述べている。

 

「あ・・・・あの・・・・え?」

 

最初に立ち直ったのは斉藤だった。さっきから『え?』たら『はい?』なんて言葉を連発している。何言ってんだコイツ?

 

「ちょっ、おま・・・遼平、なんだその点数はっ!?」

 

雄二が後ろで騒いでいる。慌てぶりが清々しい・・・・ハハハハハハハ!!

 

「コレか?前に言っただろ?数学と物理と英語は得意だと」

 

「得意不得意以前の問題だぞ!?」

 

「うるせーな・・・それ!」

 

雄二の言葉を無視して俺のもう一つの武器ダーツの矢を斉藤に向けて飛ばす。

 

 

 

プスッ!←(ダーツの矢が斉藤の召喚獣に刺さる音)

 

 

ボキュッ!←(斉藤の召喚獣が消える音)

 

 

「――――Fクラス 小此木君の勝利です」

 

俺の勝利を淡々と告げる高橋女史。もっと騒いでも良いんじゃないの?

 

「よくやったぞ、りょうh《ブスッ》ぎゃああああああああああああああああああああ!!」

 

俺が勝つことを諦めていた雄二に目潰しを喰らわせてから明久と秀吉の方に近寄る。

 

「ふー疲れた~~~」

 

「お疲れさま」

 

「うむ」

 

秀吉がタオルを渡してくれた。なんて気の利いた娘(?)を持ったんだろう((泣

なんて考えてると三回戦が始まったみたいだ。Aクラスからは工藤?っていう奴が出てきた。ボーイッシュな女だな・・・・。我等がFクラスからは寡黙な性欲者・ムッツリーニが出るらしいが、大丈夫か??

 

「おい・・・・ムッツリーニ大丈夫か?」

 

「う~~~~ん・・多分大丈夫だと思うよ?」

 

「なにやら話しておるようじゃぞ?」

 

三人で考え込んでいると工藤がこっちを振り返った。

 

「そっちのキミ、吉井君だっけ?勉強苦手そうだし、保健体育で良かったらボクが教えてあげようか?もちろん実技で」

 

何を言い出すんだコイツ。

 

「フッ。もちろん望むとこr―――――――」

 

スッ ←(明久の背後に姫路と島田が回りこむ音)

 

ボキギャキボギャッ ←(明久のいろんな関節が外される音)

 

バタッ ←(明久が倒れる音)

 

明久は静かに倒れた―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――白目で。

 

 

「明久ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

「アキには永遠にそんな機会なんて来ないから要らないわよっ!!」

 

「そうです!永遠に必要ありません!!」

 

「お前等には血も涙もないのか!?」

 

倒れた明久を抱き起こす俺の隣で、二人が更なる追い討ちをかけていた。俺達のやりとりに事の発端の工藤が苦笑いをしてこっちを見ている。

 

「なんか・・・・ごめんね・・・・」

 

「お前が手を出したわけじゃないから良い。くっ、とりあえず保健室に・・・」

 

「それでは始めて下さい」

 

「状況を見ろよっ!!」

 

明久が倒れたにもかかわらず工藤VSムッツリーニの戦いが始まった。とりあえず俺は明久をAクラスの端にあるソファーに寝かせて召喚獣の戦いを見守ることにした。

 

「うぬ?遼平、ムッツリーニの戦いは見ぬのか?」

 

後ろから声がかかった。振り向くと、秀吉がヒエピタを持って立っていた。

 

「ああ、ムッツリーニは勝つと思うからな・・・・保健体育だけは」

 

「うむ、否定はできんの・・・」

 

秀吉の持ってきたヒエピタを明久のおでこに貼る。関節なのにヒエピタ張っても意味無いじゃんとか言うなよ。

 

「はぁ・・・・・・・・・・」

 

「ぬ?遼平?」

 

「いや、ちょっとな・・・あn『ワアアアアアアアアアアアア!!』ん?」

 

俺の言葉は大きな歓声によって遮られた。どうやらムッツリーニが勝ったようだ。これであと一勝すれば俺達Fクラスの勝利になる。

 

「どうやら勝ったようじゃの」

 

「ふ~良かった~~~」

 

「う、ん・・・・・あれ?・・・ぼ、く・・・」

 

タイミング良く明久が目覚めた。どうやら関節を外された時の記憶がスッポリと抜け落ちているらしい。なんて都合の良い・・・・・・。

 

「明久起きたか!!」

 

「僕なんで・・・・戦争は!?」

 

「今、二勝目じゃ」

 

「次の対戦者出てきなさい」

 

高橋女史の呼びかけにFクラスからは姫路が出てきた。

 

「俺の予想だと・・・ここには久保が出るはずだ」

 

「うわっ!雄二、いつの間に・・・」

 

「ぬあ!?遼平!あ、あれは!」

 

「どうしtWhy?」

 

秀吉が指差した方を見るとそこには黒髪をなびかせて凛とした表情のAクラス代表・霧島翔子が前に出ていた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。