俺とバカと召喚獣   作:屋代屋

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第二十三話

初めてアイツに会った時、俺は思った。

 

 

『コイツはどうしようも無いほど馬鹿だ』

 

『そして、どうしようも無いほどに―――――優しいんだ』

 

 

だから、アイツが他に優しい分、俺がアイツの裏側になろう。

 

アイツが悲しまない様に、心無い言葉に傷つかない様に、利用されない様に。

 

俺が・・・・・・。

 

そう、心に決めたのは桜が舞い散る春だった。

 

 

 

―――――――――――

――――――

 

「・・・・遅い」

 

「明久め、何をしておるんじゃ・・・」

 

厨房で調理している俺の耳にムッツリーニと秀吉の声が聞こえた。ヒョイと顔を出してみると、秀吉が眉間にしわを寄せていた。どうしたんだ?

 

「どうした?トラブルか?」

 

「おぉ、遼平。いや、倉庫に茶葉を取りに行った明久が遅いのじゃ」

 

「明久が・・・っ!!」

 

「ぬぁ!?ど、どこに行くんじゃ!遼平!!」

 

秀吉の言葉を理解した瞬間、俺は調理していた料理を投げ出して走り出した。後ろから秀吉の驚いた声が掛かるが、気にしてられない。驚く客を押しのけ、転がるように廊下に出る。目指すは、倉庫。

 

『キャッ!』

『うおっ!?』

『あ、危ねぇだろ!!』

 

悲鳴や罵声が掛けられる。はっ、邪魔だ。倉庫の扉が見えた。すると、ふと、声が聞こえてきた。

 

『しめた!やっちまえ!!』

 

ブツンと俺の中の何かが音を立てて切れた。それが明久に対して掛けられた言葉かどうかなんてしるか。スピードを維持したまま、扉へと突っ込む。

 

 

 

 

《バゴォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!》

 

 

 

心地よい破壊音と共に倉庫の端に飛ばされる扉。顔を上げると、座り込み顔の前で腕を交差させ防御の姿勢を取っている明久と、明久に殴りかかろうとしていた野郎3人の姿が入った。

 

 

「「「「         え?        」」」」

 

 

ゆっくりと明久と三人組が俺の方を見る。

 

「明久、無事か?」

 

まず、第一に明久の無事を確認するが、明久は呆然としたまま答えない。どうしたんだ?・・・まさか、既に腕が折れたとか、あばらを数本折られたのか!?コロス。

 

「おーい、明久。大丈夫かー?」

 

「ふぇ!?あ、う、うん。大丈夫だ・・・よ?」

 

「聞いてるのに、疑問系で返すな」

 

明久の様子に安堵の息が漏れる。この様子だと、本当に大丈夫なんだろうな。アイツ、嘘つくの下手だしな・・。明久の方へと近付こうとした俺の前に三人組が立ちはだかった。

 

「何だ?お前ら・・・」

 

「無視してんじゃねぇぞコラァ。テメーもコイツの仲間か?」

 

「仲間なら悪ぃが、俺達にボコられろ」

 

と、言うと同時に三人の内の一番デブが殴りかかって来た。明久が何か叫んだが、問題ない。ヒョイッとデブの拳を避け、後ろ側に周り腕を捻った。

 

「いででででで!!は、はな――」

 

「黙れデブ、折るぞ」

 

凄みを利かせて言うと顔を青くしながら黙った。

 

「明久ー、こっち来い」

 

「え、あ、うん」

 

「行かせるかよ!!」

 

細い奴が明久の行く手にたちふかがる。邪魔だ。本当に邪魔だ。

 

「明久を通らせろ」

 

「ふざけんzy―――」

 

「おい、聴いたか?アイツはお前の腕を折ってくれって言ってるぜ?ご要望に応えないとなぁ?何処がいい?右か?左か?」

 

「や、やめろ!!と、通せ!通してやれ!!」

 

俺の呟きが聞こえたのか、青い顔をさらに青くしながら叫ぶデブ。すると、細い奴・ガリが明久に道を譲った。どうやらデブがリーダー格の様だな・・・。

 

「遼平・・・」

 

「明久、本当に本当に怪我は無いか?」

 

「うん。遼平が来なかったらボコボコだったけどね」

 

苦笑しながら言う明久。ほぅ・・・ボコボコねぇ。

 

「明久、茶葉は持ってるか?」

 

「え?コレだけど?」

 

手に持っている茶葉を俺の前に差し出す。しっかり茶葉は持っているお前は偉いよ明久。

 

「じゃぁ、先に教室帰ってろ」

 

「でも、遼平!!」

 

「何だ?明久は俺が信用できないのか?かなしぃーなぁー」

 

「うぅ・・・分かった。けど、早く帰ってきてね!!」

 

「了解」

 

そう言い残すと、明久は倉庫を出て行った。これで、明久への心配が無くなったな。一息つく俺にデブがニヤリと笑った。

 

「ハッ、余裕こいて一人で何ができんだよ!!」

 

「腕捻じられてるデブが何言ってんだよ」

 

そう言い、デブの腕を放しがら空きの腹に蹴りを叩き込む。息をつめ、吹き飛ぶデブ。肉弾〇車みたいだなー。

 

「さぁ、お楽しみの時間だ」

 

頬が上がるのを自覚する。片づけが終ったら鉄人でも呼ぶか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「    It is the beginning of pleasant show.       」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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