クラス丸ごと異世界漂流記~神と勇者と禁断の果実~   作:レイブラスト

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この作品は私が初めて書いた小説にいくつかの修正点を加えて投稿したものです。なので話の流れとかは無茶苦茶になるので覚悟しておいて下さい。
具体的には

・こんなの読者のことを考えて作った作品じゃないわ! ただの稚拙な文の羅列よ!
・だ っ た ら 読 ま な き ゃ い い だ ろ !

という感じです。


始まり

「あはは! 食らえデブ!」

 

ドガッ!

 

「ぐはっ!?」

 

「くたばれよブタが!」

 

バキッ!

 

「ゲフッ!?」

 

某有名高校の教室にて、俺は集団リンチを受けていた。どうしてこんなことになっているのか? それは順を追って話さなければならない。

 

まず俺の名前は夕凪(ゆうなぎ)一真(かずま)。高校二年生だ。俺の通う高校は私立校で、アイドル等の育成を全面に押し出している(勿論普通科もちゃんと存在している)。故に在学している人間は誰もが美男美女という訳だ。……いや、訂正する。俺以外が美男美女だ。

 

俺はこの高校に通う生徒の中で唯一のデブでブサメンの出で立ちなんだ。俺より不細工な奴はここにはいないと断言できる程不細工だ。加えて俺はちょっとしたオタクだ。そんな男が美男美女の中にポツンと居るのだから、当然バカにされ、虐められる。言っとくが俺だって好きで入学した訳じゃあない。狙っていた別の高校に落ちて、滑り止めで受けたこの高校が受かってたんで入学したんだ。だから、俺がここに居るべき人間じゃないのは他ならぬ俺自身が一番わかっている。ただ1つだけ我慢できないことがある。それは俺の名前だ。

 

何だよ夕凪一真って。聞いただけだとカッコイイけど、見た目が名前負けしてるからそれでも虐められるんだよ! 一番気にしていることなのに!! ……まあとにかく、俺は入学してから今までほとんど毎日周りにバカにされ、虐められてきた。が、どんな時も前向きに考えて生きてきた。毎週日曜は大好きな仮面ライダーが見られるし、スパロボの新作だって必ず買っている。……そういえば今度の新作はどんななんだろうか? ちと楽しみになってきた。

 

「何コイツ、ニヤニヤしてんだけど」

 

「うわ、キモッ! さっさと消えてよ!」

 

ドカッ!

 

「ぐっ!」

 

また蹴られた……毎度毎度思うけど、いい加減にして欲しいなぁ。そう思った時だった。

 

「おい、お前等何してる! 一真から離れろ!!」

 

「カズ兄! 大丈夫!?」

 

「チッ。またお前等か……」

 

助けに入って来てくれたのは、幼なじみで数少ない親友である如月竜也とその妹の如月紫音。2人ともイケメンと美少女だが俺と趣味が合ったことで仲良くなり、紫音に至っては俺をもう1人の兄のように慕ってくれている。

 

「ああ、何とかな……いててっ」

 

「無理しちゃダメだよ! こんなに痣が出来てるのに……!」

 

「っ、今度という今度はもう許さないぞ! 覚悟しやが「やめろ竜也!」一真!?」

 

今にも殴りかかりそうな竜也を慌てて制止する。ふらつく足で体をどうにか支えながら立ち上がると、俺は笑って見せた。

 

「俺はもう平気だから、これ以上俺に関わらない方がいい。紫音もだ。でないと、今度は2人が目をつけられることになる」

 

「でもカズ兄―――」

 

「いいから」

 

半ば強引に2人から離れ、席につく。竜也と紫音はいつも俺を助けてくれるが、俺はそのせいで2人が虐めの標的になることを懸念し、敢えてその度に問題ないように言っている。そんな俺と離れた場所で唇を噛み締めている竜也と紫音を見て、クラスの連中は余計ニヤニヤしていた。いつもこんな感じで竜也を止めてるから、調子づいているんだろうな……と、そう思った時だった。

 

 

キィィィィィン……

 

 

「ん? 何だこの音?」

 

「さあ……?」

 

突然耳鳴りのような音が聞こえ、直後に教室全体が大きく揺れ出した。

 

「な、何だ!? 地震か!?」

 

「いや、外は何も異常がない! これは一体……うわあああああああああああ!!」

 

目の前に強烈な閃光が走り、俺達は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれぐらいの時間が経っただろう。俺はゆっくりと目を覚ました。周りの皆も既に目を覚ましつつあった。

 

「あいたた……無事か? 紫音、一真」

 

「う、うん」

 

「ああ。でも一体何が…………!?」

 

そこで外を見た時、俺やクラスメイト達は絶句した。何故なら窓やドアの向こうに見える筈の景色が何もなく、歪んだ異次元のようなものになっていたからだ。

 

「な、何だよこれ……どうなってるんだ!?」

 

「私達、夢でも見てるの!?」

 

「どういうことなの!? 何が起きたのよぉ!?」

 

みんなが混乱し冷静さを失っていく中……突如として何者かの声が聞こえた。

 

『人間達よ。混乱する気持ちはわかるが、まずは落ち着いて話を聞いてくれ』

 

その声に反応した時、教室の中心に大人程の大きさの黄金の人物が現れた。…………え? あ、あの人ってまさか……。

 

「だ、誰だアンタは!?」

 

『私か? 私は、全知全能の者。君達を守り、導く者…………我が名はゼウス。しかしてその実体は、Zマジンガー!』

 

「「「ぜ、Zマジンガー!?」」」

 

俺と紫音と竜也は驚きの余り口をあんぐりと開けた。そう、現れたのは『真マジンガー 衝撃!Z編』に出てくるゼウス神そのままだったのだ!

 

「Zマジンガーってのはわかんないけど、ゼウスって言ったらギリシア神話に出てくる神様じゃないか!」

 

「えぇ!? マジかよ! そ、その神様が、どうしてここに? 俺達の身に起きてることと何か関係があるのか!?」

 

神様なんてのは普通は信じられない存在だが、この状況ではみんなそういう結論に至ったらしい。

 

『あるとも。話せば長くなるが……君達の居る地球とは別の次元の地球で、蘇ったミケーネの神々と神にも悪魔にもなる魔神を駆る人間が、人類の命運を掛けた戦いを繰り広げていた。だがその最中。ミケーネの神が1人、ハーデス神を倒した際に発せられた強力なエネルギーが、極小的な次元震を引き起こし君達の学校の、君達の教室部分だけを転移させてしまったのだ』

 

凄い……本当にあったんだ。別次元で、ミケーネとマジンガーZの戦いが。その余波が俺達を襲ったということ……になるのか?

 

『結果、君達はこの次元の狭間に囚われることとなってしまった。すぐにでも元の世界に帰したいが、力のほとんどを失った私にはそれができない。が、1つだけ方法がある。丁度別の次元の地球型惑星で、勇者召喚というものが行われようとしている。そこで君達を召喚できるようにすれば、少なくともここからは脱出できる』

 

ゼウス神の語った言葉に周りがざわめく。勇者召喚なんて、ドラクエとかでしか聞いたことがないから当然だ。

 

『その世界では君達の世界にあるゲームで言う、ステータスやレベルや特殊な力といったものが存在している。そこで君達にも、私の持つ力の全てを使って力を授けよう。具体的には自分のステータスを自分で確認できること。所有物を無限に収納できるアイテムボックス。言語解読能力と他の人物のステータスを閲覧できる偵察。そして、勇者として戦う為の力だ』

 

「勇者としてって……どんな?」

 

『自分の中の勇者のイメージがそのまま武器や防具等の形になるものだ。論より証拠、着いたら実際にやってみるといい。……さて。どうやら私が君達と会話できる時間も限界が近づいてきたようだ。そろそろ転移させなければならないが、済まないが幾つかのチームを組んではくれないか? 安全に転移させるにはそうした方がいい』

 

身体がどんどん透けていくゼウス神はそう言って一枚の紙を作り出すと、そっと目を閉じた。あれにチームを書き込むのか……困惑しながら顔を見合わせていると、クラスのリーダー格であるイケメン、柏木(かしわぎ)裕哉(ゆうや)が仕切り始めた。

 

「みんな! 驚くのは無理はないけど、現実を受け入れよう。まず彼……ゼウス神の言うことが真実なら、ステータスを確認できる力が備わっている筈だ」

 

柏木は言い終えると目を閉じ、何かを強く念じた。すると彼の目の前に薄いモニターのようなものが現れた。

 

「ほ、本当に出た!」

 

「これがステータスか……よし。急いで確認し合ってチームを書き込もう。なんせ40人も居るからね」

 

こういう時に仕切ってくれる人が居るのは安心できるな。例え虐めの主犯であってもなくても。ともかく、俺も確認してみよう。俺のステータスはと……。

 

 

 

 

夕凪一真

種族 人間

性別 男性

年齢 17

レベル 1

格闘 1

射撃 1

防御 1

技量 1

回避 1

命中 1

魔力 0

 

特殊スキル 偵察

 

アイテム なし

 

 

 

 

……………………………………………びっくりするぐらいゴミだな!? レベル1はまだわかるよ! 全パラメータ1って何なの!? 魔力に至っては0!? こんなのでどう生き残れと言うんだ!? 死ぬしかないじゃん!! ……い、いや落ち着け俺。逆に考えるんだ。みんなもこれぐらい悪い筈だと―――

 

「うおっ! 全パラメータ150越えだ!」

 

「あ、私も! でもそれって凄いの?」

 

「わかんないけど……」

 

……俺がゴミなだけか。悲しいが、これって現実なんだな……。

 

「ぷっ! あははははははっ! ちょっ、夕凪のステータスヤバくね!?」

 

と、その時、1人の男子が腹を抱えて笑い始めた。ってまさか、俺のステータス見たのか!?

 

「え? ……あ、本当だ! ぜ、全ステータス1って……ゴミどころじゃないじゃん!」

 

「い、いかん……わ、笑いが止まんねぇ!」

 

周りのみんなも次々と笑い転げていく。そんなに笑わなくても良いのに……と思っていると、竜也と紫音が近くに寄ってきた。

 

「カズ兄。私達とチームになろ?」

 

「えっ?」

 

「お前のステータスじゃ、戦闘になったらすぐやられちまう。幸い俺達のステータスは高い方だから、俺達でお前を守るぜ」

 

「2人とも……」

 

一筋の光に感動しながら手を伸ばした―――その瞬間だった。

 

「あー、悪いけど、そういう展開は無しね」

 

鬱陶しそうな柏木の呟きと共に竜也と紫音の肩が無理矢理引っ張られ俺から離される。

 

「柏木!?」

 

「あのさ、そうまでして君達がアイツを助けたい神経がわからないよ。あんなデブのクズなんて、別に死んでもいいじゃんか」

 

「な、何てこと言うの!」

 

「お前、自分が何言ってるのかわかってるのか!?」

 

「ああわかっているとも。社会の役にも立たないクズは、1人で惨めに死ぬのがお似合いなのさ!」

 

「だな。あんな奴いなくても誰も悲しまないぜ」

 

「ホント。早く死んで欲しいよね」

 

……いや、わかってはいたよ? みんながそう思っていることは。でも実際言われると辛い……。

 

『……そろそろ時間だ。チームは……む? 1人を除いてほぼ5人一組で決まったのか。まずいな、1人だけだとランダムにどこかへ飛ばされてしまうが……仕方がない。これで行くとしよう』

 

「何だって!? ま、待ってくれゼウス! 一真も、一真も俺達と!!」

 

『すまんが決め直す時間がない。まずチームが決まった者達から一斉に転移させる』

 

「そんな! カズ兄! カズ兄ぃぃぃいいいいいい!!」

 

竜也と紫音の叫びを飲み込み、俺以外のみんなは姿を消した。本当に転移したんだな……。凄いと思っていると、俺の身体も光り出す。ランダムって言ってたけど、どこなんだろうな……と思いながら、俺はどこかへと移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラスメイトが全員転移した後、ゼウス神は大きなため息をついた。その近くには赤と黒のジャケットを着込んだ青年が立っていた。

 

『行ったみたいだな』

 

『ああ。……君は彼らをどう思う?』

 

『自分より弱い者を圧倒し、自分が強いと思い込んでいるクズ共だな。……いや、あの3人だけは違ったな。特にあの夕凪という奴は、どことなくアイツに似た雰囲気だった』

 

『そうか……』

 

ゼウス神は目を閉じると、掌に黄金のリンゴのようなものを作り出した。

 

『……貴様、何をするつもりだ?』

 

『私の肉体は元々消滅する一歩手前のものだ。だがそれ故に、彼を救うことができなかった。だからこれは、彼へのせめてもの手向けだ』

 

『ふん、まあいい。幸い奴の転移先の近くにはダンジョンがある。その中に居る奴に渡せばいい』

 

『彼もまた森の侵略を生き延びた者だったな……わかった』

 

強く念じ、ゼウス神は黄金のリンゴをどこかへ飛ばした。するとその姿がいよいよ消えていった。

 

(ハーデスよ。お前の言う通り、人間は愚かで救いようがない生き物なのかもしれない。だが私は、信じている。人のみが持つ無限の可能性というものを)

 

笑みを浮かべながらゼウス神の身体は消滅し、後にはため息をつく青年だけが残った。

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