クラス丸ごと異世界漂流記~神と勇者と禁断の果実~   作:レイブラスト

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脱出~最終決戦

卵を生み続ける巨大なソレ―――エイリアン・クイーンによって呼び戻されたエイリアン達は、クイーンを拘束している機械を壊そうと四苦八苦していた。ややあって、あるエイリアンが別のエイリアンへと顔を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺跡内部を進んで行くと、そう時間がかからずに巣へと辿り着いた。ここまでエイリアンが一切出て来なかったのもあるが、内部構造を理解しているプレデターが先導してくれたからだ。

 

「ここが巣か……思ってたより湿気が多いな」

 

「足下に気をつけて。うっかり転んで卵を倒したら、とんでもないことになるから」

 

そこかしこに置いてある卵を見ながら紫音が言う。同じエイリアンでないと開けずに運搬することができないんだっけか。

 

「お、おーい! 聞こえる!?」

 

誰かの声が聞こえた。声のする方向を見ると、繭に磔にされた深田がいた。変身を解除して戦極ドライバーを外しながら近づくと、その周辺には同じく磔にされたクラスメイトが何人か見えたが、全員胸に穴が開いて死んでいた。

 

「良かった、気づいてくれて! 早く助けて! ね、お願い!」

 

必死に助けるよう懇願して来るが、俺や他のみんなは見てしまった。彼女の足下にフェイスハガーの死骸が落ちているのを。

 

「少し待っててくれ。変身」

 

『メロンエナジー!』

 

ゲネシスドライバーを装着し、メロンエナジーロックシードを解錠する。

 

『ロック・オン!』

 

『ソーダ! メロンエナジーアームズ!!』

 

斬月・真に変身するとソニックアローを構え、弦を引いてポインターを深田の胸に合わせる。

 

「えっ? な、何で私を狙うの!? 助けてくれるんじゃ!」

 

「助けるさ。エイリアンの苦しみから」

 

「そんな……う゛っ!? げほっ、ごほっ!」

 

咳き込み苦しみ出す深田を見て、俺は躊躇なくソニックアローを放つ。胸を貫通し、小さく「ギィ!」という声が聞こえたことから、中にいたエイリアンも死んだ筈だ。

 

「悪いな、こうするしかなかったんだ……にしても、よく戸惑いもせずにやれたな。俺だったらかなり悩んでたよ」

 

感心したように竜也が言うが、俺も自分でやっておいて驚いている。先ほどのことといい今といい、セシルや竜也達が同じ目に遭っていたら俺は間違いなく助けようとするだろう。だが俺はその他のクラスメイトに対して何の慈悲も抱かず殺害した。そしてある考えが浮かんだ。他のクラスメイト達は皆、死んでしまったのではないか?と。すると妙に清々しい気持ちが込み上げてくる。……やはり真に怖いのはエイリアンではなく、人間なのかもしれない。自分を虐めていた人間が死んだ事実に清々しているのだから。

 

「カタカタカタカタ……」

 

そんな俺の心境を知ってか知らずか、プレデターは俺をじっと見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、クイーンを逃れさせる為にエイリアンの一体が他の一体をインナーマウスで何度も刺し貫いていた。刺されたエイリアンは悲鳴を上げ、血を撒き散らしながら死んでいくが飛び散った血が拘束具を溶かし、それによってクイーンは拘束から脱し、卵管を切り離して凄まじい叫び声を上げた。

 

「キシャァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこからか凄まじい叫び声が聞こえた。多分クイーンが動き出したんだろう。となると、こうしてはいられない。

プレデターもそう思ったのか、コンピューターガントレットを操作してこれが爆発することを手のジェスチャーで表した。

 

「爆発するってことか……よし。このクソッタレ共を全部吹き飛ばしてやれ!」

 

セシルの言葉と共にプレデターはガントレットを外し、投げる。カウントダウンは既に始まっているので、急いで遺跡の入り口に向かって走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先導を迷わず走るプレデターのお陰で真っ直ぐ外へ続く坂道の下まで来られたが、後ろにエイリアンの群れが近づいていることに気づいた。

 

「しっかり捕まってて下さい!」

 

「くっ! 絶対離すんじゃないぞ!」

 

「セシル、乗れ! アンタはこれに!」

 

竜也はディオナさんを、ソウジは紫音を抱え、俺はサクラハリケーンにセシルと共に乗り、プレデターにはダンデライナーを展開して貸し渡す。驚いていたが、似たようなものに乗っているのか跨がるとすぐに順応した。

そして全力で地上へと向かう。途中で爆音と熱風が迫るが、振り向かずにひたすら進む。やがて俺達は洞窟から勢いよく飛び出した。

 

「わっ!? そ、ソウジ様! 一体何が―――どひゃあああああああ!?」

 

「何だこの爆風は!? ど、洞窟が崩れていく……!」

 

外で見張っていた四天王の2人が慌てるが、そんなことよりも俺達は無事脱出できた事実を噛み締めていた。とりあえず変身を解いて一息つこう―――そう思っていた矢先だった。

 

突如として瓦礫が蠢くと、そこから巨大なエイリアン……エイリアン・クイーンが現れた。

 

「こ、コイツ生きてたのか!」

 

「慌てるな! 冷静に、奴を倒すぞ!」

 

俺達の思考は驚く程冷めていた。アドレナリンのせいで恐怖感が麻痺してしまっていたのかもしれない。だがそれは、奴に攻撃するのに良い状態を与えてくれた。四天王2人は身の危険を感じて退避したみたいだし、好都合だ。

 

「まずは大人しくして貰おうか! うおりゃあっ!!」

 

「一発貰っておけ!!」

 

初めにリミッター解除したセシルがクイーンの尻尾を掴み、動きを止める。そこへディオナさんが顔面に右ストレートを食らわす。大したダメージにはなっていないが、怒りで我を忘れさせることはできたようだ。

 

「行くぞ! インフェルノギガブラスタァァァァアアアアアアアアアア!!」

 

「コイツを食らいなさい、この化け物が!!」

 

ソウジによるインフェルノギガブラスターと紫音によるチャージコンボ、ソニックブームが炸裂し身体の表面に傷を与える。

 

「ブロウクン、ファントム!!」

 

『ロック・オン!』

 

「お次はこれだ!」

 

『メロンエナジー!!』

 

次に竜也のブロウクンファントムと俺の斬撃が直撃する。が、竜也は更に追撃を続ける。

 

「今だ、ゴルディーマーグ! ぶっつけ本番だが頼むぞ!」

 

『おう! システムチェーンジッ!!』

 

召喚したゴルディーマーグというロボが変形してハンマーと腕に分かれ、竜也に腕が合体しそれでハンマーを握る。

 

「ハンマーコネクト! ゴルディオンハンマァァァァアアアアアアアアアア!!」

 

全身が金色に輝くその姿に、クイーンは強く吠える。

 

「光になれぇぇぇええええええええええええええええええええ!!」

 

勢いよく振るったハンマーがクイーンの下半身を直撃し、光にして消滅させる。

 

「ギィアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

 

苦しみながらも上半身だけで逃げようとする。しかしその前に、プレデターがスピアを持って立ちはだかった。

 

「グルルルル!」

 

クイーンの脳天をスピアで串刺しにする。クイーンはビクビクと痙攣し、やがて動かなくなった。

……冷静に考えて、竜也だけで良かったのでは?と思ってしまったのは内緒だ。

 

「…………………………」

 

プレデターは変身を解除した俺達を見つめると、ヘルメットに繋がる管を外して手をかけ、その素顔を明らかにした。

映画でお馴染みのインパクトのある素顔に若干気圧される。

 

「ウオオオォォォォォッ!!」

 

突然プレデターが吠えた。思わずビクッとしているのを見て満足そうにカタカタ言ってるのを見るに、単に驚かせたかったらしい。苦笑しながら顔を見合わせると、プレデターは所持しているフェイスハガーの死骸から指を一本千切る。俺達は戦士の証を刻むのだと思い、頬を差し出す(セシルとディオナさんには目配せで促した)。彼は手早く刻んでくれたが……正直、酸で皮膚を溶かすのがここまで痛いとは思わなかった。ちょっと涙が出てしまった。

 

―――その直後だった。近くに光学迷彩を解除して別のプレデターが現れ、更に他のプレデター達や巨大な宇宙船そのものが光学迷彩で隠れていた姿を見せていく。俺達と共に戦ったプレデターは、最初に出現した長老のようなプレデターの前へと行く。長老が頷くと、プレデターは宇宙船の中へと歩いて行った。長老は俺達につけられた証を見ると、武器を渡してきた。

ソウジと紫音にはレイザー・ディスクを、竜也とディオナさんには短剣を、俺とセシルにはスピアを。渡し終えると長老は宇宙船に入って行き、その宇宙船も空の彼方へ飛び去って行った。

 

「あ、あのー……一体何があったんですか? ていうか、生き残ったのってソウジ様達だけですか?」

 

「できれば詳しい話を聞かせて欲しいのですが……」

 

「そうだな。帰ったらゆっくり聞かせるとしよう」

 

戸惑い気味に尋ねて来る四天王の2人に苦笑しつつ、俺達はシュタリウスへと歩き始めた。

 

「なあ竜也」

 

「何か?」

 

「さっき、私を抱えてくれたよな? あの時の君は、小さい頃夢見ていた勇者にそっくりで……カッコ良かったよ」

 

「そ、そうですか?」

 

「そうだとも。ふふっ」

 

何やら竜也とディオナさんが良い雰囲気になっていらっしゃる。

 

「ソウジ。さっきは私を抱っこしてくれて、ありがと。正直、惹かれちゃった」

 

「俺だって、奴らに臆せず戦っていた紫音に、惹かれ始めてる」

 

こっちもいい雰囲気だ。戦い終わって、絆が強まったのかな? 吊り橋効果って奴?

 

「どうした一真?」

 

「いや。帰ったら結婚式でも挙げようかなって」

 

「そ、そりゃまた随分と急だな。でも……お前となら嫌じゃないぞ」

 

恥ずかしげに言うセシルと手を繋ぎながら俺は歩き出した。遙かな未来へと―――




終わりです。
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