クラス丸ごと異世界漂流記~神と勇者と禁断の果実~   作:レイブラスト

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たった1人のサバイバル~準神との激闘

「―――あむっ! はぐ、んぐ……!」

 

転移してから一ヶ月が経過した。今日も俺はレイズウルフの肉を焼いて食べている。この長いようで短い日々の中で様々なことがあった。

最初に食料と水を見つけてから、雨風を凌げそうな洞窟を発見しそこに住み着いたこと。食料入手を兼ねてレイズウルフと幾度となく戦い、少しずつ戦闘に慣れていったこと。

そのお陰でレベルとステータスがこれまた少し上がったこと。どれだけかと言うと、

 

 

 

夕凪一真

種族 人間

性別 男性

年齢 17

レベル 15

格闘 60

射撃 60

防御 60

技量 60

回避 60

命中 60

魔力 0

 

特殊スキル 偵察

 

アイテム 戦極ドライバー メロンロックシード

 

 

 

ご覧の通りだ。レイズウルフのレベルが大体10~14なので、順当な結果だと思う。各種パラメータもそれに準じて上がってるが、計算すると1レベル毎にプラス4ということになる。この調子だと、100を超えるのにはどれぐらいかかるのか……魔力が0なのも痛い。この先自分の腕だけで戦っていかなきゃならないからなぁ。

 

「ま、そん時はそん時だ。とりあえず、そろそろ休むとしますか」

 

水を飲み、横になったその時だった。

 

「んっ?」

 

不意に洞窟の奥から風が吹いたような感じがした。妙だな……前に調べたけど、この洞窟は行き止まりの筈だ。風が吹くなんてあり得ない。

 

「気のせいだとは思うが、念のために調べとくか」

 

ゆっくりと奥へと進んでいく。昨日まで壁があった筈のところまで行くと、人1人が通れそうな穴が空いていた。一体誰が、いつ空けたんだ? 疑問に思いながら俺は穴を潜る。

 

穴の向こうは広い空間になっており、明るく見通しが効くようだ。そして何より、目の前にボロボロのマントと鎧を着た金髪の男が立っていた。

 

「あ、アンタは……?」

 

「ようやく来たか。お前が夕凪一真だな?」

 

「何で俺の名前を?」

 

「ゼウスの奴から話は聞いた。お前が黄金の果実に値するかどうか、戦って確かめろとな」

 

「っ!?」

 

雰囲気が変わったことで直感的にわかった。わかってしまった。この男は俺と戦う気だ。それも完全に殺す気で。逃げようにも、穴を潜っている間に殺されかねない。どうするか……その前に偵察でステータスのチェックだ。

 

 

 

カイル・アース

種族 準神

性別 男性

年齢 200歳

レベル 3855

格闘 30682

射撃 30615

防御 29476

技量 31695

回避 22712

命中 34827

魔力 46559

 

特殊スキル 黄金の果実(弱)

 

アイテム なし

 

 

 

……………………………………え? 何このバカげたレベルとパラメータ? 種族の準神って何!? 神様の一歩手前って訳!?

 

「か、勝てる気がしねぇ……!」

 

冷や汗で全身を濡らしながら言った直後、男―――カイルが猛スピードで近づき俺の頭を右手で掴んだ。

 

「うわっ!?」

 

「お前は妙な道具を使って戦うからな。それに合わせる為に少々お前の知識を借りるぞ」

 

そう言って手を離したカイルは、逆の腕に金色に輝くリンゴのようなものを出現させた。あれは…鎧武で見た黄金の果実そっくりだ。ただ輝きが少ないだけで。

 

「俺の中の果実の力はほとんど残っていないが、これらを作る程度なら造作もないな」

 

カイルは果実を少しちぎって掌に乗せると、それは戦極ドライバーとロックシードに立ち所に変化した。ま、まさか、俺の記憶を読んで再現したのか!?

 

「確か……こうすれば良かったかな?」

 

果実を仕舞い、戦極ドライバーを腰に装着するとロックシードを解錠する。

 

『ゴールデン!』

 

「変身……!」

 

『ロック・オン!』

 

空中にリンゴを模したアームズが現れると、カイルはロックシードをドライバーにセットしカッティングブレードを倒した。

 

『カモン! ゴールデンアームズ! 黄金の果実!!』

 

ロックシードが展開すると同時にアームズが被さりライドウェアが出現。ゆっくりとアームズが広がり、カイルは『仮面ライダーマルス ゴールデンアームズ』に変身した。

 

って、よりによってマルスかよ!? 余計勝てる気がしないんだけど! とにかくステータスチェックじゃ!!

 

 

 

カイル・アース

種族 準神

性別 男性

年齢 200歳

レベル 3855

格闘 30682×10+40

射撃 30615×10+40

防御 29476×10+40

技量 31695×10+40

回避 22712×10+40

命中 34827×10+40

魔力 46559×10+40

 

特殊スキル 黄金の果実(弱)

 

アイテム 戦極ドライバー 金のリンゴロックシード

 

 

 

…………何この絶望感!? ただでさえ高いのに全パラメータ×10とか鬼か!? しかもプラス40って何!?

 

 

 

金のリンゴロックシード:特殊アイテム。戦極ドライバーと併用して使用する。使用した人間の全パラメータを40アップさせる。

 

 

 

「チートじゃねぇか!!!!」

 

俺のメロンロックシードの効果が霞んで見えるよ! てかさっきから気になってたけど特殊スキルの黄金の果実(弱)って何!? これ以上チートだったら泣くよ!?

 

 

 

黄金の果実(弱):自身の能力を少量引き上げ、少量のダメージを自動回復する。またある程度の事象を操作することもできる。

 

 

 

泣きたい……マジで泣きたい……! 少量引き上げてこの化け物ステータスな上にダメージ自動回復!? おまけに事象操作!? わーい、勝てる未来が見えねぇー!!

 

「どうした? 戦わないのか?」

 

「……どうせ逃げようとしても襲って来るんだろ? だったらやるしかないだろ!! 変身!!」

 

『メロン!』

 

俺に勝ち目は無いかもしれない。それでも、何もせずに死ぬよりは足掻いて死んだ方が何倍もマシだ!

 

『ロック・オン!』

 

『ソイヤッ! メロンアームズ! 天・下・御・免!!』

 

斬月に変身し、無双セイバーを右手に持ちバレットスライドを引く。

 

「いい覚悟だ。行くぞ……!」

 

「! うおおおおおおおおおおおお!」

 

互いに走り出して接近し、無双セイバーとソードブリンガーがぶつかって火花が散る。マルスは押し切ろうとしてくるが俺もどうにか押し戻し、自然と顔の距離も近くなる。いやテレビだとカッコイイけど、実際はプレッシャーが半端ないなこれ!

 

「良い線はいっているが、この程度か! ふん!!」

 

「ごはっ!!」

 

腹に蹴りを入れられ、距離を取られる。すぐさま無双ショットを放つが回避され、今度は無双セイバーで斬りかかろうとしたが、アップルリフレクターで防御した上にソードブリンガーの一撃を貰った。

 

「ぐああああああああっ!?」

 

あまりに重い攻撃に一気に壁まで吹っ飛ばされ、ぶつかって地面に倒れ込む。何て桁違いの強さだ……絶対ラスボスだろうが、コイツ……! 何でレベル15でエンカウントするんだよ俺!

 

「かはっ……! はぁ、はぁ…………」

 

何とか立ち上がろうとするが、息が切れて膝をつく。ここ一月サバイバル生活をやってはいたが、元々運動は苦手な方だ。むしろよくスタミナが持った方だと思う。

 

「どうやらここまでのようだな。やはりお前は、果実を持つに値しないか。……先人としての情けだ。苦しまずに死なせてやる」

 

『カモン! ゴールデンスカッシュ!!』

 

カッティングブレードを一回倒し、ソードブリンガーにエネルギーを溜めていく。ああ、ここで死ぬのかな、俺……まだ17年しか生きてないのに……。

 

(嫌だ……! 死にたくない! こんなところで…………死んでたまるかぁぁぁあああああああ!!)

 

『メロンスカッシュ!!』

 

拳を強く握って心の中で叫び、カッティングブレードを倒すと同時に無双ショットをマルスに放つ。

 

「っ!?」

 

マルスは面食らったようだが、すぐにアップルリフレクターで防ぐ。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

その隙にメロンディフェンダーを前に出して接近する。すぐさま振り下ろされるソードブリンガーをメロンディフェンダーで受け止める―――と見せかけて、俺はメロンディフェンダーを手放した。

 

「何っ!?」

 

驚いて動きが鈍ったところで、ソードブリンガーを左手で掴んで強引に止める。そして―――

 

「はぁぁぁああああああああああああああああああああ!!」

 

「し、しまっ―――」

 

―――無双セイバーで、金のリンゴロックシードと戦極ドライバーごとマルスを貫いた。

 

「…………………………………」

 

「…………………………………」

 

しばらく無言が続く。やがてソードブリンガーが地面に落ち、空いた右手で無双セイバーを握り締めながらマルスは言った。

 

「ふ、ふふ……ははは……! 俺が負けるとは……さすがはゼウスが目を掛けた男と言うことか……!!」

 

俺が勝った―――その事実をまるで夢のように思い、呆然と立ちすくむ俺に向かいマルスは先ほどより輝きの強い黄金の果実を取り出し、俺に歩み寄った。

 

「奴との約束通り、これはお前にやろう……そして、礼を言うぞ……お前のお陰で、ようやく妻に会える…………」

 

「え……」

 

押し当てられた果実が身体に吸い込まれ眩い輝きを見せる。目も眩む程の光の中で俺が見たのは、変身が解除されて穏やかな顔をするカイルと、流れ込んで来る彼の記憶だった―――

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