とりあえず木曾に転生してみた   作:フリーザ様

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野球3

 

 

 

結果、2点取られて今は2対0。3番から1アウトで天龍はよく踏ん張ったと言うべきだろう。それに、天龍には流れを変えるための隠し球を教えておいた。万が一にも対処出来るはずだ。さらに俺がめちゃくちゃな投球したおかげで向こうは右中間には打ってこれないはずだ。

 

「しまって行くネェ〜ッ‼︎」

 

金剛が言うと、守備全員が答える。特に比叡の声がデカイ。地球の裏側まで聞こえてるんじゃないだろうか。

威勢良くベンチから出ようとする天龍に俺は言った。

 

「天龍、1球目は見逃せよ」

 

「おう!」

 

威勢良く返事をして、天龍はのっしのっしとバッターボックスに向かった。

 

「テメェらァッ‼︎今から天龍様の逆転劇を見せてやっからなァッ‼︎」

 

「無理でしょ一人じゃ。ていうかヘルメットかぶれヘルメット」

 

俺が冷ややかに突っ込むと、赤面して戻ってくる天龍。もしかしたら天龍って可愛い子なのかもしれないな。で、ヘルメットを被る。

そして、再びバッターボックスに立った。ピッチャーは提督。いいフォームで振り被り、1球目を投げた。俺の言いつけ通り、1球目は見逃してくれた。ストライク。フリーダム。意外にも速いストレートだった。

 

「うおっ」

 

声を漏らす天龍。うーん……どうしたもんかなこれ。まぁ天龍みたいなバカタイプはこれでいいや。

 

「天龍、思いっきり振ってけ」

 

「おうッ!」

 

俺が言うと、再び構える天龍。

 

「いいの?木曾ちゃん」

 

扶桑さんが声をかけてきた。

 

「? 何がです?」

 

「そんなサイン出しちゃって」

 

「平気ですよ別に。ああいうバカタイプは習うより慣れよってタイプでしょ。思いっきり振らせてたまたま当たったら万々歳」

 

「たまたま頼みなのね……」

 

「それにそのうち自分の感覚で合わせますって。それより扶桑さん、よーく提督の球見ててくださいね」

 

「えっ?」

 

「俺が繋ぎますから」

 

「…………」

 

「……なんすか?」

 

「本当に女の子?なんか、頼りになりすぎて……」

 

「やぁだぁ、扶桑ったら何言ってんのよあたしれっきとした女の子よ、う〜け〜るぅ〜〜〜」

 

『気持ち悪い』

 

ベンチ全員、三振して戻ってきた天龍にまで言われた。

 

「悪かったな……」

 

流石に自分でもあれはないなと思い、頭を下げて後悔してると、くいっと裾を引っ張れた。

 

「木曾」

 

響だ。慰めてくれるのか?

 

「何か、アドバイス」

 

………もはや興味なしだった。

 

「………。ああ、そうだな。全球大きく振りな」

 

「了解。響、出撃する」

 

ぶかぶかのヘルメットを被ってバッターボックスに向かう響。

 

「ウラー!」

 

三振してきた。俺を恨みがましい目で見るが、その響の頭を撫でた。

 

「サンキューな響」

 

「?」

 

「お前の三振のお陰で打てそうだ」

 

言いながら俺はバッターボックスに入った。

 

『3番、ライト木曾』

 

「「「「木曾オオオオオオオオッッ‼︎‼︎打てエエエエエエ(クマーかにゃー)ッッ‼︎‼︎」」」」

 

うるせーよバカ姉貴共。言われなくったって。言いながら俺はバットを構える。提督と俺は静かに睨み合った。どうする、扶桑さんのために一球見逃すか?いや、打とう。一球でも空振りしたら、チームの不安に繋がる。

 

『振りかぶって、投げたァッ!』

 

提督はボールを投げる。ストレート。それに合わせて俺はバットを繰り出した。なんだ、見た目より遅いな。この程度の速さなら、問題な……いと思った時、ボールが落ちた。

 

「っ」

 

思いっきり空振りした。フォークか……。

 

「すとらーいく!」

 

おばあちゃん発音の鳳翔さん。どうやらカタカナは上手く発音出来ないらしい。

 

「木曾ちゃん、今日の晩御飯抜きです」

 

「えっ、いやそれは……」

 

「抜きです」

 

エスパーかよこの人……。と、思ったらバスっと間抜けな音がした。

 

「すとらーいく!」

 

見ると、ミットの中にボールが収まってる。

 

「え?いやもう始まってたの?」

 

「油断大敵ですよ」

 

マズイな……審判を敵に回した。提督も勝った気でニヤニヤしてやがる。

 

「コラー!木曾ー!アレだけデカイ口叩いて三振する気かぁーっ!」

 

うるせえよ天龍。心配そうにすんな。確かに素人にしちゃ提督はすごい。けどな、俺をあまり舐めるんじゃねぇ。俺はもう一度提督を睨んだ。ケッ、まだニヤニヤしてやがらぁ。

 

「さぁて、これで押さえるッ‼︎」

 

勢いの良いフォーム。そのままビュッ‼︎と思いっきり投げてきた。確かに速い、けど分かってるんだ。その勢いの良いフォームはフェイクだろ?あからさま過ぎるぜ。

 

「ッ」

 

俺は思いっきり振り抜いた。その瞬間、グァギィンッ‼︎と鋭い音がした。

 

「えっ?」

 

提督から間抜けな声が聞こえた。そりゃそうだ。ストレートの振りをしてフォークで三振取るつもりが、あっさり打たれたんだから。狙いはレフトとセンターの中間。当然、足の速い島風は取ろうとするし、気合満々の比叡も取ろうとする。二人で取りに行ったらどうなる?カバーする奴がいないだろ。打球は狙い通りショート、レフト、センターの間に落ち、大きくバウンドした。

 

「うそぉっ⁉︎」

 

「ひえーっ!」

 

2人揃って取りに行った結果、バウンドして2人の頭を飛び越えた。その打球を見ながら俺は走った。だが、島風が速いのは足だけではなく反応速度ものようだ。すぐにバウンドした球を取りに行き、ワンバウンドでキャッチすると、比叡に中継させた。俺もズザザザッと三塁ベースでスライディング。

 

『スリーベース!スリーベースヒットです‼︎』

 

衣笠が興奮したように言った。

 

「よくやったクマアアアアッッ‼︎‼︎」

 

うるせえよバカ姉貴。

 

「見事だな、木曾」

 

サードの利根に褒められた。

 

「別に普通ですよ」

 

「ふふ、しかし簡単に点をやるわけにはいかん。ここからだぞ」

 

「そーですか」

 

2アウトランナー3塁。ここで4番の扶桑さん。イケる。野球は2アウトからだ。

 

「きゃあっ!」

 

「………あれ?」

 

扶桑さんがデッドボール。あっ……しまった。打順にあの人達の不幸度を入れるの忘れてた。ってことは次も……、

 

「きゃあっ!どうして私ばっかり……!」

 

翔鶴さんもデッドボール。ってことは……、

 

『満塁!満塁です!2アウトから満塁!ここで6番大鳳!』

 

青葉が良い感じに盛り上げる。さて、想像以上だ。これなら勝て……!

 

三振した。

 

 

 

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