とりあえず木曾に転生してみた   作:フリーザ様

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演習と風呂

 

 

「演習?」

 

翌日。提督に呼ばれ、今は執務室である。ちなみに目の前の提督はまたボコボコになっている。また隣にいる加賀さんのおっぱいでも揉んだか?いや、揉む前にボコられたか。

 

「そうそう。いきなり出撃するわけにはいかないでしょ?」

 

まぁ、そりゃそうだ。銃の撃ち方もわからんのに出撃したって敵の的になるだけだ。

 

「大丈夫だよ。対人戦やらせるわけじゃないから。なんていうの、こう……的撃ち?的な?」

 

「わかりましたよ。何時からっすか?」

 

「今から」

 

「嘘でしょ」

 

「本当。演習場に川内とかいるから、教わってきな」

 

「いややる前に人を頼るのは俺のポリシーに反するわけで……」

 

「いいから行け」

 

 

 

 

木曾が去った後の執務室。提督は加賀に聞いた。

 

「ねぇ、加賀ちゃん。どう思う?」

 

「何が?」

 

「木曾よ。口調とか」

 

「どうもなにも、他の鎮守府の木曾も男性のような口調であったとは思いますが」

 

「そういうんじゃなくてさ、なんか……うちのは本当の男っぽくない?高校生くらいの」

 

「………いえ、私は余り男性と話したことがありませんので」

 

「あーそういやそうだったね。変なこと聞いてゴメンね」

 

「まぁ、あまり気にする必要はないのでは?」

 

「そだね。じゃ、加賀ちゃん。おっぱい揉ませ……」

 

殴られた。

 

 

○△

 

 

俺は1人、演習場に向かう。説明書にこの鎮守府の地図が書いてあったので、食堂とかトイレとかお風呂とかそういうのの場所は把握してある。そういえば昨日、風呂入らないで寝ちゃったな。今日は入らんと。

で、到着。演習場では何人かが的撃ちなり、水上でS字クランクみたいなことをしていた。えーっと……何、どうすりゃいいのこれ?

どうすればいいのか分からず、腕を組んで「なるほど……」と呟きながら何か仕事してるふりをしてると、声をかけられた。

 

「おーい、そこの仕事してるふりしてるの!」

 

ひどい声のかけられ方だった……。声のする方向を見ると、くノ一のコスプレした女の子が駆け寄ってきた。

 

「昨日着任した子でしょ?私は川内。今日1日あなたの面倒見るように言われたんだ。よろしく!」

 

「は、はぁ。俺は……」

 

「あーわかるわかる。木曾だよね?提督から聞いてるよー。じゃ、さっそく練習しよっか。一番奥が空いてるから」

 

元気良くその人は俺の手を引いてその場所へ案内してくれる。いやほんとに元気一杯アンパンマンみたいな人だな。

 

「じゃ、あの的を狙ってみて」

 

言われて俺は艤装を装備する。で、なんか腰のあたりから伸びて肩のあたりにある単装砲?って奴で狙いを定めた。

 

「最初は外しても仕方ないから。気楽にね?」

 

「ターゲット確認、これより破壊する」

 

そのままボフンッと音を立てて砲撃。撃った砲弾は大きく的を外して明後日どころか来週あたりの方向に飛んでった。

 

「……………」

 

「ま、まぁ最初はそんなもんだって。それを当てられるようにするのが演習なんだからさ」

 

慰めてくれる川内。いや別に気にしちゃいねぇよ。いや若干気にしてるわ。だって明後日を超えた方向だもん。

 

「ほら、やってみなって」

 

言われてもう一度狙ってみる。

 

「ロックオン・ストラトスとガンダムデュナメス、目標を狙い撃つ!」

 

スカッ

 

「今度は外さないッ……!」

 

スカッ

 

「グゥレイトォッ‼︎」

 

スカッ

 

「………………」

 

「………………」

 

「俺、艦娘辞めます」

 

「だから落ち着いてって!仕方ないよ!最初のうちは!」

 

「………いやでもさ、上達しないにもほどがあるでしょ……」

 

「いや上達も何もまだ四発しか撃ってないからね⁉︎」

 

それもそうなんだけどさ……やっぱスタートが肝心じゃん?あからさまにテンションが下がったわ。

 

「仕方ないなぁ。見ててみ」

 

そう言うと川内は自分の腕に着いてるちっこい砲台を的に向ける。

 

「砲雷撃戦よーい、てー!」

 

そう吠えると、ボボンッと音を立てて砲撃。それが見事に的を撃ち抜いた。って、待て待て待て。

 

「こんな感じ……」

 

「いやこんな感じじゃねぇよ!俺と全然、砲撃の形がちがうじゃねぇか!参考にならねぇよ!」

 

「そんなこと言われてもなぁ……。球磨型はみんないないし……。練習あるのみだよ!」

 

「……練習あるのみとかさ、努力とかさ、捉え方によっては無責任なだけだよな」

 

「斜め下すぎるよその捉え方!」

 

それは俺も思う。

 

「それに、練習あるのみっていうのは本当だよ。ぶっちゃけ私は感覚派だからどう撃てばいいとかわらないんだけど、それでも練習を何度も繰り返して、自分なりに工夫して、それで当てられるようになったもん」

 

「………」

 

なるほどな。そういうのもあるのか。

 

「まぁ、1回でも当てられたら間宮アイス奢ったげるから、頑張んなよ。私も分かることなら教えてあげるし」

 

「はぁ?アイスかよ」

 

「あー、あれか。間宮アイスまだ食べたことないのか」

 

「………なんだよ」

 

「まぁそれなら何も言わないほうがいいかもね。騙されたと思っておとなしく奢られなよ」

 

「はいはい……」

 

なんだよ……劇薬でも入ってんの?

 

 

 

 

3時間後、俺の肩付近から飛んだ砲弾が、見事に的をブチ抜いた。

 

「いよっしゃぁッ‼︎やぁっと一発だぜ!」

 

「おおー!おめでとう!」

 

うおぉ……なんだこれ、気持ち良いなオイ。まぁそれまでに150発くらい撃ってるけど。いくらなんでも当たらなさ過ぎか。

 

「でも、一発でも当たればなんかコツとか掴めたっしょ?」

 

「いや全然?テキトーにやってたから」

 

「それ意味ないじゃん……まぁでも約束だからね。アイス奢ってあげる」

 

あぁ、そういやそんな約束してたな。

 

「じゃあまずはお風呂に入ろう!」

 

「はぁ?なんで風呂?」

 

「アイスはお風呂上りに食べるのが一番美味しいんだよ!ほら行こ?」

 

「ああ、そう」

 

しかし、艦娘も風呂とか入るのか。ん?待てよ。

 

「ま、待った。あんたも風呂はいるのか?」

 

「ん?そーだけど?」

 

澄ました顔でなんてこというんだコノヤロウ!

 

「いやいやいやいや!待て待て待て待て!落ち着けアホ!」

 

「? 何そんなに慌ててんの?」

 

「風呂はマズいだろ!俺はまだ通報されたくない!やめて!俺が悪かった!」

 

「通報?なんで?」

 

「そりゃお前、俺はおと……」

 

……こじゃないんだよなぁ、今は。いやでも流石に風呂は……理性とか抑えられっかな。いや抑えられるわけないよね。ボク、15サイ。まず自分の体すらまともに見れないのに………、

 

「いいから行くよ!」

 

川内が俺の手首を握って引っ張り始めやがった。

 

「ま、待て待て待て!俺はまだ犯罪者には……!」

 

脱衣所。結局、引きずられてきた。あー……やべぇよ、どうしようこれ。大丈夫だよねこれ、怒られないよねこれ。いや誰に怒られるんだよ。………神様?いやいやいや違いますよ神様、これ俺の意思じゃなくて引きずられてきただけですから。心は男、体は女の立場を利用しようとしたわけじゃないんですよ?わかるよね?一部始終見てたよね?見てたよね?

と、頭の中でめいいっぱい言い訳してると、後ろから声が掛かった。

 

「おーい、入らないの?」

 

「あ?」

 

振り返ると、タオルで前を軽く隠してる川内が立っていた。

 

「………? ッ‼︎ ッ⁉︎」

 

「? 何赤くなってんの?」

 

「い、いいから早く風呂入れ!」

 

「はぁ?」

 

「先に入ってていいから!」

 

「………まぁいいけど」

 

そのまま川内は風呂に入っていった。よし、第一関門突破。さて、服を脱ぐか。大丈夫、服くらい目を閉じてても脱げるだろ。あとは目を閉じたまんま、タオルを体に巻けばいい。

そのまま作戦通りにタオル一枚になった。途中、胸に触って鼻血が出そうになったが堪えた。もう目を開けても平気だろう。

風呂場のドアを開けた。ここでも、川内の全裸を見てしまうなんてフラグは回収しない。ちゃんと目を閉じてる。

 

「おっ、やっと来たね木曾……なんで目閉じてんの?」

 

「ほっとけよ」

 

と、足を風呂場の床に着いた時だ。豪快に滑ってぶっ倒れた。

 

「テキーラァッ‼︎」

 

「だ、大丈夫⁉︎何やってんの⁉︎」

 

慌てて近付いてくる川内の足音。

 

「ってぇ……」

 

「大丈夫?」

 

この時、反射的に目を開いてしまった俺を誰が責められよう。目の前には全裸の川内がしゃがんでいて、俺の体に巻かれていたタオルは完全に剥がれている。

 

「……………」

 

「木曾?」

 

「グハッ」

 

鼻血を吹き出して俺は気絶した。

 

 

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