闇影の軌跡   作: 黒兎

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今回の内容はほぼ無い様なモノですww
おかげでタイトルが思いつかんのですww



《白兎》

 《帝国軍情報局》

 名の通り、エレボニア帝国が保有する情報・諜報機関であり、帝国政府代表《鉄血宰相》の異名を持つギリアス・オズボーンにより肝いりで設立された組織だ。

 帝国政府の外交政策・国防政策・内政政策の決定と遂行に必要な情報の収集や工作を主に担当しており、合法非合法問わずに国内外で工作を計らっている。

 組織構成は国内防諜の『第一課』、情報分析の『第二課』、国外諜報の『第三課』の三つである。が、工作の関係上、そこまでの情報しか開示してない為、大半が謎に包まれている。

 だが、同じ帝国軍の《鉄道憲兵隊》との連携が凄いのは、紛れも無い事実。

 現に、四月の特別実習でゼダスが連絡を入れる前に予兆を見抜いていたらしいし(それでも実的証拠が無かった為、突入するには直接ゼダスが連絡を入れる必要があったらしい)。

 流石と言うべきか、厄介なまでの技術を持った奴らが大半で、結社所属のゼダスとしては出会いたく無い相手。だが、世界とは個人を有利にする様に回らないのは周知の事実だったのだ–––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘………だろ………」

 

 会ってはいけない者に会ったかの様な感じに言うはゼダス。

 事の顛末を理解したゼダスは、他のメンバーに伝えようと居場所を察知。そして、発見した丘を登った先に居たのが他のメンバーと外見的には十代前半の少女が一緒にいたのだ。そして、その少女は–––

 

「あ、ゼダス。お久しぶりー‼︎」

 

 と元気発剌に喋りかけてくる。それに頭を抱えたくなった。面識があるとか言うレベルじゃない。最悪、会いたくない人ランキングベスト10に入るかどうか位に苦手な奴なのだ。

 名をミリアム・オライオン。

 《帝国軍情報局》の《第一課》に勤めていて、《白兎(ホワイトラビット)》の異名を持つ、クレアと同じ《鉄血の子供達(アイアンブリード)》の一人。

 諜報員かと疑いたくなるの程の元気っぷりを見せていて、こいつ大丈夫か?とも思う。だが、それを諜報員にとって短所だとは思わない。何故なら、一流の諜報員なら相手と己を騙しきり、演じ、対象から欲しい情報を掠め取れる。そう、こいつみたいに素がこの元気発剌では無ければ………

 この元気発剌の所為で、ペースが狂い、大変だから会いたく無かったが、今の状況では使える物は使うべき。普通に受け答えする。

 

「久しぶり、ミリアム。それにアガートラムも」

『#Sh$kp』

 

 相変わらず、何を喋ろうとしているか分からない銀色の浮遊傀儡(アガートラム)

 

「ゼダスさんは、ミリアムちゃんと面識があるのですか?」

「ああ、少なからずは………な。というか、ミリアムちゃん?何、お前らもう打ち解けてんの?」

 

 エマの問いに答えながら、言葉の中で引っかかりを覚えた部分にツッコミを入れておく。すると、

 

「さっき、ここを飛んでたから追いかけたんだ」

「そしたら、戦闘になってな………辛くも勝利を収めた」

 

 四人がかりとは言え、アガートラム相手に勝てるとは思わんかった。だって、アレ–––産だろ?ちょいと驚く。

 

「なるほどな………で、ミリアム。分かりきった質問をする様で何だが、どうしてここに居る?」

「そこのシカンガクインの人達にも話したけど、昨日に起きた爆破事件の調査だよ。真夜中に叩き起こされたから眠たいんだよね〜」

 

 目をゴシゴシ擦りながら言うミリアム。

 こいつ、サラッと情報を漏らしてやがる。このままのペースで質疑を続けたら、色々聞けない事とか聞けるんじゃね?

 

「ふーん。俺らと一緒か。お前、手口は掴んだか?」

「それについては、バッチリと共有済みよ」

「なぁ、アリサ。何でお前が情報を流してるんだ?ま、良いけど。俺も独自で掴んだが、ちょいと答え合わせがしたいから、報告させてもらうぞ」

 

 ゴホンと態とらしく咳払いをした後、ゼダスは語り始める。

 

「事件が起きたのは、帝国軍の監視塔付近。確か、あそこの近くに遮蔽物が影になって、迫撃砲が二門設置されていた。それに加え、共和国側にも迫撃砲が二門。多分、中古品だろうが、安くは無いよな?」

「ええ、少なくともそこら辺のチンピラが買える値段では無いわね」

「それで実行犯は爆撃をする事により、国家間の混乱を招き、戦争の発展させようとした。が、兵器の動作不良の所為かは分からないが砲弾は外れて、逃走を図る。そこを俺らは追ってる訳で、敵が隠れている場所も検討が付いた」

「へぇー、因みに何処?」

 

 目を輝かせながら、訊ねるミリアムに若干の場違い感を感じるが、答える。

 

「石切り場。名称からは察しにくいだろうし、ガイウス。説明よろ」

「高原の北東部に存在する採石場だ。確かにあそこなら影も薄いし、身を隠すには最適だろう」

 

 この中で一番、土地勘がある奴の言質も取った。これでほぼ確実。

 その事実にゼダスは、不適切と分かっていながらも微笑み、言葉を続ける。

 

「そして、引き際も弁えている所から、相手は多分、猟兵崩れ。大雑把にまとめて、こんな感じじゃね?」

「流石、ゼダス‼︎ボクの予想とピッタリだよ」

 

 ミリアムは嬉々しながら燥ぐ。ゼダスにとって、この行動は煩わしい以外の何物で無く、鬱陶しいの一言で片付けれる。

 

「それじゃあ、早速石切り場に向かうとしよう」

「その前に集落に寄っていいか?」

 

 ガイウスがそう尋ねるのも無理は無い。

 どちらにせよ、集落を経由してしか辿り着けないのだし、ゼンダー門にこの事件の真相についても報告する必要がある。ただ、ガイウスとしては危険地帯に赴く前に家族に会っておきたいのだろう。別にそれを弱さと言うつもりはない。未練を断ち切っておく事は、熟練の戦士にとっては常時の事。

 

「ああ。だが、ゼンダー門に連絡を入れてる間だけにしてくれよ。出来る限り、時間を巻かないと厄介な問題になりかねないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーあーもしもし。連絡通ってます?」

 

 集落に付いたⅦ組一向+ミリアム。ゼダスは一人、即座に連絡機を取り、通信を繋ぐ。すると、返答が返ってきた。

 

『こちらはゼンダー門の指揮を務めているゼクス・ヴァンダール中将だ。そちらは?』

 

 ゼダスは内心、毒付く。面倒な位の人が出てきたな、と。

 ゼクス・ヴァンダールといえば『帝国の武の双璧』と呼ばれるヴァンダール流の使い手で、帝国軍第三機甲師団を束ねる師団長。先の言葉通り、位は中将。

 本来なら、名乗りたく無いが、ここで無言を貫くとかえって怪しまれる。だから–––

 

「こちらは先程、ゼンダー門に許可を求めに行ったトールズ士官学院生のゼダス・ラクファリエ(・・・・・・)です」

 

–––偽名を使う事にした。

 軍の上層部となれば、結社の存在については知っているはず。そして、ゼダスの名前(そこ)から《天帝》とバレる危険性を含んでしまう。なら、どうする?簡単な話だ。分からない名前に偽装すればいい。

 

『ほう………先程、その様な生徒がいた覚えは無いのだが』

「それもそうでしょう。先程、私は出向けませんでしたので。ですが、今回の件についての真相の推理は出来ました」

『言ってみてくれるか?』

 

 そう尋ねられ、ゼダスは事の顛末を余さずに全て話す。ここで隠す意味も大して無い上、使える物は–––例え、帝国軍とはいえ–––使う。わざわざ、会いたくないから使わないなんて我が儘を言ってられる状況でも無い。

 

『なるほど………確かにそれなら、合点が行く。だが、こちらの兵力を割けそうにもない』

「何故………か、聞いてよろしいですか?」

『そちらの推理通り、今は共和国側と緊迫した状態が続いている。そんな中で兵力を割れない上、今からそちらと合流しても間に合わないだろう』

「それもそうですね。なら–––こちら側でカタをつけるので、もう少し時間を下さい。あと………そうですね、二時間位は欲しいです」

『………非常に大変だが、了承しよう。だが、絶対にその時間で片付けてくれ』

「了解しました。それでは、そちらも御武運をお祈りしています」

 

 捨て台詞の様に言い残し、通信を切る。

 果たして、バレたか?いや、バレてないと思いたい。フゥと溜め息を吐く。

 

「貰えた時間は約二時間。あー面倒過ぎる。でも、やるしか無い、か」

 

 一人で気合を入れ直したゼダスは、他のメンバーに時間制限を伝え、決戦の地となる石切り場へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぇー。確かにこれなら隠れ蓑としては最適だね」

 

 石切り場に到着したⅦ組御一行+ミリアム。最初に発言したのがミリアムだった。

 その言葉に全員は同意を隠せない。

 確かに周りに比べ、陰湿な感じがしていて、近寄り難さを醸し出している。その上、この付近は古代遺跡の様な摩訶不思議な建造物が点在していて、不気味極まりない。出来る事なら近寄りたくないが、ゼダスとしては未知に煽られてワクワクしていたりする。

 一同は移動に使っていた馬から飛び降り、辺りを見渡す。

 

「それにしても、ここ。表の草原と違って肌寒いわね」

「それもそうだ。陽が当たらない分、気温が上がりにくいのだからな」

 

 アリサが体感温度の低さに観点を置き、話を進めるが、ガイウスが事実を打つける。そんな中、ゼダスはエマに耳打ちする。

 

「なぁ、エマ」

「………いきなり何ですか?」

 

 エマはゼダスの耳打ちに若干、怪訝な表情を浮かべるが話の先を催促する。そして、互いに声量を落とし、会話を続ける。

 

「この付近さ。何か、感じたりする?」

「何か………ですか?………言われてみれば、魔力の濃さが妙に増してる様な気がします」

 

 流石《魔女の眷属(ヘクセンブリード)》。魔力感知においては有数の性能だな、とゼダスは内心感心する。

 

「ふーん………《魔女》のお前が言うんなら、間違いないんだろ」

「茶化さないで下さいよ………バラしてませんよね?」

「今はまだ、な。まぁ、バラしても意味無いし、隠してても良いんだよ」

 

 笑いながら言うゼダスにエマはある考えに至りつく。

 

 

–––それなら、隠す意味もありませんよね?

 

 

 だが、それを口にする事はなかった。そんな事にゼダスが気付くはずもなく、遺跡群の奥にある巨大な石扉を発見する。多分、素手でどうこう出来る物では無いだろう。

 

「硬いな。こうなったら–––………」

 

 腰に携える魔剣レーヴァティンにゼダスは手を添える。若干の氣を集中させ、振り抜こうとしたその瞬間、

 

「はいはーい‼ それじゃあここはガーちゃんにおっまかせー♪」

 

 ミリアムが威勢良く前に出て来て、ゼダスは止む終えず攻撃を停止させる。ゲンナリしているゼダスに全く意を介さず、ミリアムは右手を上に掲げると、虚空からアガートラムが出現する。

 それを確認してから軽くファイティングポーズを取り、そのまま握った右腕を前へと突き出した。

 

「いっ、けぇー‼」

 

 完全にミリアムの動きに連動したアガートラムの銀碗は、無慈悲に石扉をブチ破る。

 どう取り繕っても隠し様の無い破砕音が辺りを埋め尽くし、砂煙が舞う。一同は体内に取り込まない様に手で払う。すると、目の前にあった筈の石扉は完全に姿を消しており、中へと続く道が現れた。

 その破壊力に一同は唖然とするが、これで進めるのだから、特に問題は無い。現れた道に進もうとした瞬間、背後から発砲音が。実行犯が使用していた迫撃砲の様な爆裂音じゃなく静かに、それであって無慈悲に対象(ターゲット)を死に招く狙撃銃の音。

 発砲音とほぼ同時に飛来する弾丸をゼダスは魔剣を振り抜き、弾き落とす。そして、紫がかった双眼が狙撃手の方に向けられる。

 乱立する遺跡群の上に立つ二人の人影。逆光で姿を完全に視認する事は出来無いが、誰かは分かる。ゼダスを死の淵まで追いやった張本人共–––守護騎士と従騎士。先日に雪辱を味わわせてくれた忌々しくも、久しく戦闘の熱を帯びさせてくれた奴ら。

 

「………フフッ」

 

 負けを頂いた奴らだと言うのに、不謹慎にもゼダスは笑ってしまう。

 やっぱり疼くのだ。建前とか互いの関係とか、七面倒な事よりも戦士として、全力で挑んで勝てるかどうかの相手に会えるのは。

 

「お前らに実行犯共の確保は任せる。だから、この一件は………頼むぞ」

 

 開かれた道を振り返り、真正面から守護騎士と向き合うゼダスの言葉。全員が何と返して良いか迷う中、口を開くアリサ。

 

「ええ、任せておきなさい。だから–––次はバシッと勝ってきなさいよっ‼︎」

 

 その言葉にゼダスは気を引き締める。

 

 

–––そうだ。二度も同じ負けを繰り返すのは生憎、俺の趣味でも趣向でも無い。なら、負けれないよなぁ、ゼダス・アインフェイト

 

 

 自分に自分を言い聞かせ、ゼダスは魔剣に力を入れ直す。そして、全身全霊を賭して、第三回特別実習の幕引きに相応しい戦いに身を投じるのであった。




次回、最終決戦。
ゼダスの––––––で奮闘してもらいますよww←ネタバレの為、敢えて公言しない方針に………

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