闇影の軌跡   作: 黒兎

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新オリキャラであるシノブ回。
中々、書いててツラい一話でした………後、新設定が登場します。






尖兵の実力と禁句

 

 

 

 すっかり陽も落ち、帝都は闇に包まれていた。

 今頃、リィン達はあのオリヴァルトと晩餐に舌を打っているのだろうと思うと、若干キレたくもなるが、オリヴァルトの変な話を聞かなくて済むのだから、良しとしよう。それに加え、今は仕事中。私情は挟まない様にしないと………また下手を打つかも知れない。

 

「………」

「………」

 

 無言で路地裏を歩くゼダスとシノブ。交わす言葉が見当たらないのでは無い。気を張り巡らして、テロリストが張ったであろう装置を探しているのだから、会話に意識を割くのは効率が悪い。そう考えての事だった。

 

「なぁ、見つけたか?」

「いや、さっきの空間破壊で大半が潰れたんだろう。全く見つからない」

 

 シノブの尋ねる言葉にゼダスは否定の意を込めて返答する。

 事実、見つからない。見つかっても、壊れている。本格的にやる事がない。

 

「帝都中の空間を掌握するって、やっぱりぶっ壊れだよな、《七の至宝(セプト=テリオン)》って」

「お前………色々と知ってるみたいだが、全部レクターの入れ知恵か?」

「まぁ、そんな所だ。あいつには色々と借りがあるしな………」

 

 言葉を発したシノブに若干、影が差した様に見えた。

 多分、その事辺りが、シノブの強さの源泉であるのだろう。だが、聞く訳には行かない。聞ける訳が無い。そんなに親しい仲では無いのだから。

 

「で、どうするよ。こんな所で油を売っててもラチが開かねぇぞ」

「そうだなぁ………なら、地下道に行くか」

 

 ゼダスの提案にシノブは首を傾げる。

 

「何で地下道なんだ?」

「地上付近の浅い所は《輝く環(オーリオール)》が干渉し切ってる。今、実際に目で見て思ったからな。だから、干渉し難い地下道なら、少しばかり残ってるんじゃないかなぁ、と思ってさ」

「なるほどな。それなら、地下道に行こうぜ。オレもゼダスと戦って、血が疼いているしよ」

「結局、お前も戦闘狂(バトルジャンキー)か」

「それ止めようぜ」

「それ?」

「うん、それ」

「それって何だよ」

「“お前”って呼び方。オレはゼダスの事を“ゼダス”って呼んでるんだから、オレの事も“シノブ”って呼べよ。折角、名乗ったのにさ………」

「お前が勝手に呼んでるんだろうが」

「良いから良いから」

「………分かったよ、“シノブ”。これで良いか?」

「ああ、文句無し」

 

 満足そうな表情を浮かべるシノブにゼダスは、

 

「(俺に“弟”が居ればこんな感じなのかなぁ………)」

 

 と思ったりしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゼダスは認識を改める。こいつは–––––シノブは、中々の手練れだ。

 地下道に湧く魔獣の数々。夜行性の個体も多いのか、大量に湧いてきたのを完全に均等に分担し、魔獣を狩っていた。勿論、その時も“執行者”状態で、だ。だが、シノブはゼダスに全く遅れずに魔獣を狩って行く。

 身のこなし方も中々の物で、くるくると踊るかの如くに舞い、得物である小太刀で捌いていく姿は、艶やかにも見える。

 

「シノブ。やっぱり、凄い腕だな。全く無駄が無い」

「まぁな。この程度でへばってたら、母様に示しが付かねぇ」

「母様か………お前の力と関係あるのか?」

 

 戦闘中に聞いてみた普通の質問。だが、答える声は無い。それを不思議の思い、ゼダスは目線をシノブの方に移す。背を向けていて、表情までは見えないが、小太刀を振るう腕が僅かに震え、攻撃の一つ一つが荒々しくなっているのだけは分かった。

 

「悪い。変な事、聞いたな」

「別に………気にしてねぇよ」

 

 ぶっきら棒に言い切るシノブの声は少しばかり、震えている様に思えた。軽々しく聞いてはいけないのだろう。

 

「そんなつまんねぇ事を聞く前に装置はあったのか?」

「有ったよ。でも、やっぱり壊れてる。《輝く環》様様だなぁ、おい」

 

 執行者として私情を挟むつもりは無かったが、何故かシノブを放っておく事が出来なかった。何とか雰囲気を保とうと言葉を選ぶが、シノブは依然、こちらを向く気配が無い。

 周囲には魔獣の気配は無い。しばらく安息出来るが、全くコッチを向かないシノブの所為で、気持ち的には休まらない。

 

「(こういう時は………)」

 

 拗ねた………機嫌を損ねた子供のあやし方などを学んだ覚えは無い。だが、こういった場面が無かった訳では無い。そして、大抵の場合は–––––

 

「悪かったから、機嫌を直せよ。子供か」

 

 ゼダスはシノブの髪をワシャワシャし、頭を撫でる。いきなりの行動にシノブは驚き、ゼダスに顔を向け、睨む。紅玉の如くの真紅の瞳がゼダスを映す。

 

「………餓鬼じゃねぇし」

「餓鬼なんて言ってないだろ………つーか、ようやくコッチ向いたな。良かったよ」

 

 ニコッて笑うゼダスにシノブは、

 

「………––––––ッ⁉︎」

 

 と息を呑む。

 よくよく考えれば、頭も撫でられている。それに加え、ニコッて笑われたら………

 

「(ヤバい………オレが完全に焦ってる)」

 

 意識してしまうだろう。そりゃ、少なからず、後ろめたい過去があるとはいえ、恋ぐらいはしたい年頃だ。そんな時にあんな落ち着く様な笑みを浮かべられたら………

 

 シノブは顔を赤らめ、ソッポを向く。それにゼダスは、

 

「恥ずかしかったか?悪い悪い」

 

 と軽く謝る。それにシノブは、

 

「(こいつ………まさか鈍感か?)」

 

 と思ったそうだが、ゼダスが気付くはずも無い。何故なら、ゼダス視点から見れば、シノブは性別が男と分類されているのだから。

 『オレ』という一人称に男勝りな言動。それらが上手い具合に交わり、性別が見事に誤認されている訳だ。

 つまり、シノブから見れば、ゼダスは意識してしまった対象で。

 ゼダスから見れば、放っておけない弟分。

 一つの食い違いから、謎の歪な相互関係が生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、ゼダス。何で結社に身を置こうと思ったんだ?」

 

 地下水路を探索している時に、不意に発したシノブの質問。それにゼダスは答えるべきか悩んだが、隠す意味も無い。結社に与している事が露見しているなら、何故入ったか、ぐらいの情報を漏らしても痛い話では無いのだから。

 

「俺を助けてくれたからな」

「助けた?それだけ強くてか?」

「何言ってるよ。俺は………多分、誰よりも弱い」

 

 そう言える根拠なら、ある。

 ゼダスは今までの全てを『こうすれば最善だ』『これが一番理想的なパターンだ』と内心で決め付け、ひたすら逃げてきたに等しい。それは、何も持たぬが故。

 記憶が無い。それが最初の記憶。

 その矛盾を理解出来ず(・・・)–––––––否、理解する事をせず(・・・・・・)、ただ原因たる喪失した記憶を取り返すべく、力に溺れるという形で逃げてきた。

 だが、その生き方は肯定もされず、否定もされなかった。それもそうだ。他人から見れば、ゼダスの人生、生き様など、所詮他人の物。そんな物に口を挟む訳が無い。

 しかし、その評価されない生き方にゼダスは虚無感を覚えた。まるで認識されていないのでは無いか、と錯覚する程に。

 だから、更に力を求めた。記憶を取り戻す為に………そして、認められる為に。

 結果、ゼダスは強くなり、反比例して弱くなった。

 確かに戦闘能力という名の力という面では強くなったと言える。単純な剣戟から、戦闘中の駆け引き。純粋な戦闘を好む者から見れば、奇策、邪道と蔑まれる技も磨いたのだから。

 だが、強くなった為に、心は弱くなった。『あそこまで強くなったんだ。負ける訳には行かない』という普通で………そして、常人を超える心理的重圧(プレッシャー)から、『ここで何の手を打ったら、最終的にどうなってしまうのか』という力を持ち過ぎた故の未来予知真っ青な予測。それが結果的にゼダスを縛っている。そう………ゼダスが己の事の一切をⅦ組に明かしていない事の様に。

 

「結局、俺は逃げてばかりの人生だったからな。それを力という絵の具で塗り潰そうとしただけ。見苦しいだけの悲しい物だよ」

「オレには、そうは思えないんだけどな」

 

 ゼダスの言葉にシノブは真っ向から否定を掛ける。それに首を傾げるのは勿論、ゼダスだった。

 

「………何でそう言い切れる?」

「だって、ゼダスの剣はオレの技と拮抗出来るんだぜ。確かに心の面では弱いかもしれねぇけど、その力は純粋なモンだしよ………何つーか、よく分かんねぇけどさ。お前って………ああっ‼︎言いたい事が纏まらねぇっ‼︎」

 

 頭を掻き毟り、ううっと唸るシノブに不意にもゼダスは笑ってしまった。笑うゼダスにシノブもニコッて笑い、言い放つ。

 

「ほら、ゼダスだって笑えてるじゃねぇか。笑えてるって事は–––––––まだ戦えるって事だろ?。諦めてない奴は弱くなんてねぇよ。それはオレが保証する」

「シノブ………くく………あっははははははぁっ‼︎お前も大概、クサい台詞を吐けるんじゃねぇかよっ‼︎」

「なっ………そこまで大爆笑する話かよ⁉︎ったく………心配して損した………」

「悪い悪い。でも、ありがとな。今の言葉で………少しは吹っ切れたかも」

「そっか………なら良かったぜ」

 

 探索中の地下道には、二人の笑い声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クレア、報告に来たぜ〜〜」

 

 鉄道憲兵隊の詰所に戻って来たゼダスとシノブ。その二人の雰囲気は、クレアの眼には、先程とは違って見えた。

 

「それで装置は残ってましたか?」

「いや、残ってなかった。やっぱり、《輝く環(オーリオール)》って凄いなぁ、と感心出来たよ」

「そうですか………なら良かったのですが、少し聞いていいですか?ゼダスさん、執行者状態って、解けてますか?」

「執行者としての自覚が残ってるから、まだ冷徹なままだと思うけど」

「それにしては………随分、普段通りに話す様な………」

「ん?………ああ、そこの話か。うん、シノブが掛けてくれた言葉が影響してるんだろうな。今の俺は–––––執行者状態でも、普通で居られる。寧ろ、学生の制御(リミッター)が曖昧になったよ。おかげでⅦ組にも………もう少しは素の俺(・・・)で向き合える。そんな気がするよ」

 

 普段のゼダスの笑みに、クレアはホッと息を下ろす。すると、ゼダスの横に立つシノブのピースを浮かべて、笑っている姿が目に入る。

 

「(シノブちゃん………初恋の相手を闇から引きづり出されたのは、ちょっと妬きますが………有難うございます。やっぱり、闇に堕ちた者の気持ちを一番よく理解するには、同じ闇を抱く者が一番なんでしょうね)」

 

 クレアはそう思い、気持ちを切り替える為にも一度咳払いする。真剣な表情に成り、労いの言葉を掛ける。

 

「ゼダスさん、シノブちゃん。お疲れ様でした。今日の所はこれで大丈夫だと思います」

「そうか………なら、俺は帰って休んで良いか?まだ明日に実習が控えてる」

「実習って………ああ、そうか。ゼダスは学生だったなぁ。学校って楽しいか?」

「少なからず、楽しいとは思うよ。とは言え、俺の属するⅦ組は中々の異端児揃いなんだがな」

「へぇ………例えば?」

「将校の息子とか、留学生。そういや、帝都知事の息子も居たなぁ〜〜。それに学年一の天才に………帝国貴族の御子息と猟兵崩れも居たな」

 

 ゼダスの発した言葉に、思わずシノブは身体を硬直させてしまった。

 背筋は凍り、冷や汗が滴れる。身体が少しばかり、震え始め、思考が上手く回らなくなる。そして、脳裏に浮かぶ“惨状”。

 

「うぐっ………………」

 

 口元を押さえ、膝を折るシノブ。いきなりの行動にゼダスは驚き、駆け寄るが、

 

「………………な」

「何て?」

「………近寄んなっ‼︎」

 

 ゼダスの差し伸ばした手を強引にシノブは叩き落とす。突然の行動にゼダスは驚きを隠せないが、次の瞬間、シノブは走り、鉄道憲兵隊の詰所を飛び出して行った。

 

「………………」

 

 その光景をゼダスは、ただ立ち尽くして見ている事しか出来なかった。目を白黒とさせるゼダスにクレアは、

 

「ゼダスさん、追い掛けなくて良いんですか?」

「追い掛けるって………まず、何であいつは–––––シノブは走り去って行ったんだ?そこが理解出来ない」

「ゼダスさんとシノブちゃんは仲良くはなったけど、過去までは話してなかった様ですね」

「………何か過去に触れたのか?」

「ええ。しかも、盛大に」

 

 悔しそうに歯嚙みするゼダスにクレアは声を掛ける。

 

「でも、初見で気付ける様な物では無いですし、仕方ありません」

「クレア………教えてくれ。あいつに何があったんだ⁉︎」

「本来なら本人から聞くのが一番ですが………今回ばかりは話します。ですが、これは情報局から伝え聞いた話です。何処からが真実かは分かりませんが宜しいですか?」

 

 その質問にゼダスは即座に頷く。真実だろうが噂だろうが、それを判別するのはあくまで自分自身。今は聞けるだけの情報を聞くのが一番の策だ。

 そして、クレアは淡々と語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昔––––––と言っても、数年前。ゼムリア大陸最東端に位置する島国、ジャポネシア自治国には、要人警護を主とした家系があった。名を『エンラ家』と。

 『エンラ家』は古くから要人警護に特化しており、この家紋を背負いし者全てが要人警護、つまりボディーガードの職へと就いて行った。

対象を護る為の流派、『永全不動八門一派(えいぜんふどうはちもんいっぱ)閻羅七惺流(えんらしちせいりゅう)隠業忍術(おんぎょうにんじゅつ)』が興ったとされるもの、この家が起源らしい。

 先代、先々代も要人警護の職に就いて行った為、シノブの母親、アカネ・エンラも同じ様に職を手に入れた。父親の方は、シノブが産まれてから直ぐに倒れ、他界したらしく、シノブ自身は女手一つで育て上げられた事になる。

 一人で子を養う事は決して容易では無いはずだ。だが、アカネは凄かったのだろう。その表れとして、シノブは今も生きているのだから。

 そして、ある時、アカネに一つの仕事が依頼される。それが『カルバード共和国の重鎮の護衛』という物だった。どうやら、その重鎮は帝国との外交を率先して行おうとする–––––つまり、共和国と帝国の険悪さを放って置けない様な人だったらしく、共和国は勿論、帝国でも少しばかりは名の通った人だったらしい。

 だが、そういった思想によって有名になってしまった者というのは、支持者と共に反対者も生んでしまうのが世の常。この場合は、帝国と共和国の険悪さによって稼ぎを得る事の出来る職の方々。具体的に言えば、武器商人や………それらから税収する帝国貴族、とかだ。

 悪い予感が当たる。良い予感に比べたら、圧倒的にこっちの方が割合的には多い。それはこの件にとっても例外では無かった。

 一つの帝国貴族が、共和国の重鎮相手に猟兵団(イェーガー)を雇って、差し向けたのだ。最悪の場合は殺しても良い、と付け加えて。

 もし、猟兵団の立場なら、絶対に失敗してはならない。何故なら、雇われた身だから。その様な身でミスしては、どうなったか分かったものではないから。

 そんな理由があるなら、一番確実性の高い策を講じる。それが猟兵団特有の物量作戦。

 だが、それにも屈せずにアカネは戦い続けた。当時、流派の皆伝持ちだったアカネにとって、物量作戦など相手にすら、ならなかったらしい。

 講じた作戦も意味を成さず、追い詰めるつもりだったはずの猟兵団が追い詰められ始め、とうとう後が無くなった。雇われた身としては失敗はならない。故に………形振り構わない方法を取り始めた。圧倒的な実力を誇るアカネを止める手段。それは人質の確保。そして、その犠牲となったのは実子であるシノブだった。

 悪質かつ卑劣な猟兵団の行動にアカネは屈した。仕事よりも子を優先した。親としては間違っていないだろう。

 結果、依頼主であった共和国の重鎮は殺された。後に、この一件から帝国と共和国の仲が埋めようも無い物と化したらしい。

 だが、それで終われば、『エンラ家』としては良かった。要人警護を主とした家系に泥を塗った様な物だが、子は守れたのだから。しかし、事態は更に悪化する。莫大な被害を被った猟兵団がアカネに恨みを持ち、シノブを人質にある提案を提示してきた。それは–––––

 

『子であるシノブを返して欲しければ、親であるアカネが猟兵に囚われろ』

 

 というもの。

 当時のアカネにとって、シノブは唯一の拠り所だった。先代は死路に着き、最愛の夫も失った。そんな中での唯一の光。だからこそ、失う事が出来なかった。そして、アカネはその要件を承諾した。しかし、その様な交渉を持ち掛ける奴らがマトモに受け入れるはずも無いと言う事に、冷静さを欠いていたアカネが気付く事は無かった。

 そして、囚われたアカネは様々な辱めを受けた。綺麗だった身体も隅々まで犯された。猟兵に買った恨みを全て受け入れさせられたかの如くにまで徹底的に。最終的には猟兵達の玩具(オモチャ)にされ、惨殺された。

 しかも、何よりも厄介だったのは、当時はまだ幼かったシノブの眼の前でアカネに数々の辱めを受けさせ、殺した事だった。親が受ける暴力に何も出来ない無力感に苛まれたらしい。加え、同じ様な事をシノブ本人も受けたそうだ。そして、大き過ぎるショックで生死の境を彷徨う中、助けが入る。それは帝国軍だった。具体的には帝国軍情報局の特務大尉であるレクター・アランドールが率いる特別作戦部隊だった。

 特別作戦部隊。固有名称、『霞剣の叛団(アルマスタリオン)』。

 レクター自身が集めてきた異形な生い立ちの実力者が数多く在籍する秘密部隊で、帝国軍内でも上位クラスの人しか知らないらしい。因みにトップはレクター。

 帝国に仇なす者を表に出さず、制圧する事を主な目的としている。そんな部隊に目を付けられ、その猟兵団は数時間足らずで制圧されたらしい。

 その部隊の奴らの話によれば、生存者は一人。でも、その一人は死にかけの上、心を失った所謂抜け殻の様な状態だったと言う。これは勿論、シノブの事だ。そんな抜け殻状態のシノブを治療したのは、これも『霞剣の叛団』で、それにレクター本人も立ち合ったらしい。そして、シノブは一命を取り留めたが、数々の失陥を抱える事となった。

 まず、元々は綺麗な黒髪がストレスにより、色素が薄れ、白髪となった。その上、受けたショックの大きさで外見的生育が止まってしまったらしい。シノブの実年齢は現在17歳。ゼダスの眼から見たら、とてもはそうには思えなかった。

 こんな体験をしたから、シノブにとって『帝国貴族』と『猟兵』の二言は禁句となった。これが………ゼダスの聞いたシノブの辛い過去の一部始終だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







と、抽象的にですが、シノブちゃんの過去を書かせて頂きました。書いてた私が言えた事ではありませんが、中々酷いです。ですが、これはあくまでクレアが知る限りの事であって、本人の口から話されたものではありません。もう少し後には、本人からも話してもらいたいものです。

あと、サラッと『霞剣の叛団(アルマスタリオン)』とかいう部隊を作ってしまいましたww
後悔はしてません。ここに属するキャラも複数は決めてますし………中々、混沌とした場面を作れますよ、これ。
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