「あら?こんなところに人間なんて珍しいわね。」
絶望に浸っていたら女の声が聞こえた。俺は声の方へも向かずに問いかけた。
「あんた…だれだ?」
「あらあら、まずは自分から話すものじゃないの?こうゆうのって。」
「あぁ、それはすまないな…俺は風霧 遊。運悪くここに閉じ込められたバカな人間さ。」
「ふーん…私は八雲 紫。幻想郷で唯一の妖怪の賢者よ。」
「妖怪?…馬鹿げた話だな。」
「私ならあなたをここから出してあげることも可能よ?」
「本当かっ!?」
「ええ…」
「なら、今すぐにでも…」
「でも、あなたの元の世界ではあなたの存在は無かったことになってるわ。覚えてるのはあなたと一緒にこの空間に入ったあの二人の女の子だけかしらね。」
「は?存在が無かったことに?」
「ええ、あなたはここに来るときどうやってきたのかしら?」
「神社の賽銭箱の上にあったすきまみたいなのをこじ開けて…」
「それよ。あなたは無理やり空間を引き裂いたの。それじゃあ何かしら異変がおきても仕方ないわね。」
「じゃあどうすれば。」
「あきらめなさい。少し酷だけど元の世界にあなたの居場所はもう無いわ。けれど私がいる幻想郷なら、新しく居場所を作ることも可能よ。」
「…」
「どうする?」
俺の居場所はない?…もう蓮子やメリーにはあえないのか?
幻想郷?そんな場所は聞いたことはないしな…どうする?
「幻想郷ってのはどうゆうとこだ?」
「そうねぇ。人間や妖怪、さらには神様までいろんな種族がいるところよ。」
「俺は…そこで何ができる?」
「何ができると言われても…あなたができることなら何でもできるんじゃないかしら。」
「ふむ…わかった。ならその幻想郷とやらにいく。」
「幻想郷では私が面倒をみるとかはしないからね。」
「ああ、一つだけ…いいか?」
「ええ、いいわよ」
「蓮子やメリーは俺のことを覚えてるんだよな?お前なら、手紙くらいは渡せるよな。お願いしたいんだけど。」
「まぁ、それくらいはいいでしょう。じゃあ、幻想郷に行くためのスキマ出すわね。」
そういって紫が指をクイッと動かしたら目の前に、紫色の空間が生まれた。
「さぁ飛び込みなさい。この先が幻想郷よ。」
「ああ。わかってる。」
それから俺はその空間に飛び込んだ。
これが俺がここにくるまでの記憶だった。
そして坂本さんに会い、今に至る。
「あ…あ…そう…だ…俺は…」
「思い出したようね。それじゃ、あなたがするべきことはわかるでしょ?」
「ああ、ありがとう。紫。一つだけ…いいか」
「あなたの力のこと?それなら霊夢にたのんだら?」
「あ゙ぁ゙?なんであたしが面倒みなきゃならないのよ?紫がやってよ。」
「やーよ、面倒くさい。」
「こっちだってめんどくさいわよ。」
「霊夢さん、お願い…できませんか?」
「うぅ…仕方ないわね。やってあげるわよ!それと紫!あとで報酬はもらうからね…」
「わかってるわよー報酬はお米でいいかしら?」
「いいわよ。ちゃんとよういしなさいよー?」
「はいはい。じゃ、あとはたのんだわよー」
そうして、紫はスキマの中へと帰っていった。
「まずはあなたの能力から、あなたの話を聞く限り、あなたの能力は
『希望と絶望を操る程度の能力』ってところかしら。」
「そうですね。」
「じゃあまずはそのエネルギーを具現化させてみなさい。」
「はい。やってみます。」
俺は体中に力を込めて剣をイメージしながら、手をはじめとする前に出した。
金色のもやもやが手のひらから出てきているのが見える…それはだんだん棒状になっていき…剣の形にはなった。
「初めてでそこまでいくなんてすごいじゃない!あとはイメージをもっと強くするだけよ。」
「はぁ…はぁ…そう…ですか。がんばってみます。」
「今日はもうやめておきなさい。今のあなたは1日1回が限界みたいね。疲れがひどいわね。また明日。ここに来なさい。」
「わかりました。ではまた明日。」
「ええ。」
そして俺は自分がどうしてここに来たのか、そして、能力のこと、さらには能力の強化まで、明日からする事になった。予想以上の収穫だ。
そのまま俺は、坂本さんの家に帰った。
「ただいま戻りました。奈々枝さん。」
「あら、お帰りなさい、遊くん。どうだった?」
「予想以上の収穫でした。記憶も戻りましたし。」
「それはよかったわね!それで帰る方法とかはわかったの?」
「そこらへんはまた食事の時に。」
「そうね!じゃあ用意するわね。」
「手伝います。」
そして、奈々枝さんの手伝いをして、坂本さんも帰ってきたところで俺はみんなに今日あったことをすべて話した。
「そうか…じゃあ風霧くんはもう帰ることができないのか。」
「ええ、なので幻想郷で暮らそうかと思っています。」
「じゃあ遊くんはここにくらすの?」
「楓ちゃん、それは遠慮しておこうと思ってるんだ。あまり迷惑をかけたくないからね。」
「じゃあどこにすむんだい?」
「霧の湖のほとりに紅魔館ってあるだろ?その近くに空いてる土地があるらしいんだ。だから、そこに家をたてようと思う。」
「そのためのお金は?あるのか?」
「幸いここは文から円まで日本のお金が使えるらしいから。しかも円はかなり高いらしいね。一応五万円までは財布に入ってるから家をたてるのは楽じゃないかな。」
「五万!?そんな大金持ってたのか…大丈夫だったかい?盗賊とかもいるしねぇ」
「大丈夫ですよ。誰もそんな大金持ってるなんて知らないしね。」
「それでいつここを出るんだい?いつまでもいてもいいのに。」
「そうですね。家をたてるまでなんであと一週間くらいはお世話になりそうです。」
「一週間…短いね…さみしくなっちゃうね。」
そんな話をしてから一週間、俺は毎日、博霊神社に通い、力の使い方について修行をして、過ごした。
つづく
また中途半端なとこで切ってしまった…
すみません。にゃにゃしきです。
次回から主人公の一人暮らしはじまります。
お楽しみに!