GOD EATER 2 RB 〜荒ぶる神と人の意志〜   作:霧斗雨

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第6話です。
ついにここまでこれました。


第6話 邂逅、そして覚醒

ギルがかなり引くレベルでエミールと対人戦をした後、エミールと自分にさっさと回復錠を投与し、ミッションに出た。

そもそも、エミールがここに来た理由は、フライアの進行方向に多数のアラガミ反応があり、まだ全員揃っていないブラッド隊だけでは処理しきれないという理由で、極東支部に応援を頼んだのである。

それで来たのがエミールという訳であって、じつは、こんなことをして遊んでいる場合ではないのだ。

今回は鉄塔の森でのウコンバサラとドレッドパイクの討伐で、そこまで苦戦することもなくすんなりと終わった。

これで、作戦エリアに群がっていたアラガミはあらかた討伐しただろう。

レイとギルは周囲を見渡す。

 

「あらかた片付いたか?」

 

「かな。全く持って歯ごたえがないねぇ、もうちょっと何とかならないか」

 

「無茶をいうな。ん、あれは……?」

 

ふとギルが、鉄塔の森の奥を見る。

 

「うわあああああ!!」

 

エミールが何かに吹っ飛ばされて登場した。

追いかけてきたのは、ウコンバサラである。

 

「くっ!闇の眷属どもッ!ここは僕のッ!騎士道精神にかけて!お前を土に還してやるッ!」

 

ぐっ、と立ち上がりながら、エミールは仰々しいセリフを吐き、再びウコンバサラに飛びかかる。

 

「ぐわーっ!」

 

そして、再び吹っ飛ばされる。

 

「おのれ、なかなかやる……ッ!だが、今度はこちらの番だ!必殺!エミール・スペシャル・ウルトラッ」

 

再び、ブーストハンマーを振りかぶって飛びかかるが、ウコンバサラはあっさりとはじき返した。

 

「ぐえーっ!尋常ならざる怪力……!」

 

そんなエミールを見ながら、レイは苦笑いを浮かべた。

なんだこいつ、舐めてんのか。

 

「あいつのセリフ、突っ込みどころしかねぇや」

 

「チッ、一人で突っ走りやがって……さっさと片付けるぞ」

 

そう言って、ギルが歩みを進めようとすると、エミールがこちらに叫んできた。

 

「こいつは僕に任せてくれ!僕の騎士道精神を、君たちに、示してみせる!!」

 

そう言って、エミールは再びブーストハンマーを構えた。

 

「いいだろう。こちらも死力を以って相手してや……」

 

セリフを言い切る前に、ウコンバサラの突撃に合い、吹っ飛ばされる。

よくあんだけ喰らって立ち上がれるな、あいつ。

レイはその頑丈さに少し感心した。

流石は極東支部からの援軍、といったところだろうか。

 

「お前の騎士道精神とやらに、つきあってる暇はないんでな。さっさと終わらせてもらうぞ」

 

再度、エミールの助太刀に入ろうとするギルを、レイは片手をギルの前に出して止めた。

 

「ん?」

 

「ま、いいじゃねえか、ちょっと見ててやろうぜ」

 

「お前……勝手にしろ」

 

レイの顔を見て、ギルが少し呆れたように言った。

そうこうするうちに、エミールはゆっくりとだが立ち上がり、ブーストハンマーを構える。

 

「ゴ……ゴッドイーターの戦いは……ただの戦いではない……この絶望の世に於いてッ!神機使いはッ!人々の希望の依り代だッ!正義が勝つから、民は明日を信じッ!正義が負けぬから皆、前を向いて生きるッ!故に僕は……騎士は……ッ!絶対に、倒れるわけにはいかないのだ……ッ!」

 

瞬間、エミールは大きく跳躍し、ハンマーを思いっきりウコンバサラの頭に叩きつけた。

それが決定打になったらしい。

ウコンバサラは、大きく断末魔をあげると、その場に倒れふした。

 

「あーあ、あいつ、やっちまった」

 

「バカなりに、筋は通った奴みたいだな」

 

ギルと顔を見合わし、レイは笑った。

 

「や……やったぞ!騎士道の!騎士道精神の勝利だ!うおおおおぉ!」

 

エミールは歓喜に雄叫びを上げる。

 

「帰投しようぜ。あいつはほっといて。五月蝿い」

 

レイが煩わしそうにギルに言った。

その顔が、悪戯っぽい笑みを浮かべていたのを見て、ギルは苦笑しながらレイに言う。

 

「冗談もそこそこにしておけ。そういうわけにもいかないだろう」

 

「流石。よくわかったな」

 

レイがククッ、と笑い、ギルもつられて笑う。

そのままエミールを呼び戻し、3人はフライアに帰投した。

 

ーーーー

 

「もう居ないかねっと」

 

ぐるりと周りを見渡す。

今のところ、アラガミの気配はない。

 

「こりゃもう終わったな」

 

ふぅ、とレイは1つ息を吐いた。

今回のミッションは、コンゴウ2体の討伐だった。

その他にオウガテイルが数体おり、混戦は必至。

訓練で散々コンゴウ型のダミーアラガミと戦ったし、混戦の訓練も散々やったため、コンゴウの攻撃はほぼ避けるかバックラーを展開して弾くかして対処し、バンバン攻撃を叩き込むことであっさりと終了した。

厄介だったのは、2体とその他を同時に相手したという事位だった。

実戦での初めての中型2体と小型複数の混戦は、ギルとエミールのアシストとフランのオペレーションのおかげで上々の結果である。

討伐が丁度終わった時、フランから連絡があった。

近くに新たなアラガミの反応が出現、そちらの討伐に向かってくれ、という事だった。

ポイントは3箇所だった為、3人は分かれて捜索を開始する。

ギルは一番遠いポイントに現れたアラガミを討伐しに行ってしまったし、エミールに至っては何処のポイントに行ったかもわからない。

いきなり、ここは僕に任せろ的なことを言って飛び出していったのである。

仕方なく、レイはフランの指示に従って移動し、出現したオウガテイルとザイゴートをさっさ蹴散らし、周囲の索敵をしているのだ。

居そうな気配は全くなければ見当たりもしないし、することがない。

とりあえず、ぼーっと此処に留まるより、エミールを探した方がいいかもしれない。

そう思った瞬間だった。

 

「うおわぁぁぁぁぁ!!!」

 

「っ!?……なんだあ?」

 

黎明の亡都の奥から、エミールが叫びながら必死に走ってきた。

その後ろから、真っ白い狼のようなアラガミが追いかけてきている。

見た目はガルムに似ているが、それ以上に凶暴そうな面構え、背中に生えた赤い触手、暇な時に見ていたデータベースの中には明らかに記録されていなかったアラガミだ。

レイは咄嗟に援護射撃による援護、そして白いアラガミと応戦しようとしたが、そのアラガミが一吼えした瞬間、銃形態に変える前にガシャン、と神機が急に重くなり、動かなくなった。

 

「はぁ!?」

 

「なぜだ!なぜ神機が動かない?ピンチだ、まさにピンチだこれは!!うわぁぁぁぁ!!」

 

白いアラガミは、エミールを右前足で凪ぎ払った。

アラガミからすれば、それはひっかいただけなのかもしれなかったが、エミールはその一撃で吹っ飛び、うつ伏せに倒れ、動かなくなった。

 

「エミール!!」

 

レイは慌てながらエミールの名を呼んだ。

微かに、胸の辺りが動いているのが見え、死んでいないことが分かり、ホッと胸をなで下ろすと、そのまま白いアラガミの方に視線を戻す。

白いアラガミは、動かなくなったエミールから興味が失せたのか、レイの方にゆっくりと歩を進めてきていた。

レイは、普段のように変化させようと躍起になって動かすも、ピクリともしない。

 

「何でだよ!オイ、言う事をきけコラァ!」

 

レイの焦りとは関係無く、神機は全く動かない。

ショートブレードだったのが幸いしたのか、まだぎりぎり持ち上げることの出来る重さだ。

但し、持ち上げる事が出来るだけ。

これでは、走って逃げる事も、応戦することだって不可能だ。

突如、白いアラガミがレイに向かって走り出し、飛びかかってきた。

レイは咄嗟に後ろに飛ぶ。

その一瞬、レイは白いアラガミから視線を外してしまった。

ゾッとし慌てて顔を上げた時、目の前には白いアラガミの尻尾が迫って来ていた。

 

「ッ!」

 

慌てて神機を持ち上げ、直撃を避ける。

しかし衝撃は大きく、後ろに吹っ飛び背中から地面に叩きつけられ、くるりと半回転し、四つん這いの姿勢になった為に咄嗟に踏ん張るが、それでも衝撃を殺せず後ろに滑る。

攻撃を受けた右手は痺れていて、叩きつけられた背中がズキズキと痛む。

 

「……ってぇ」

 

ヤバイ、レイは本能的にそう思った。

あの頑丈なエミールが一撃で意識を失ったのがよくわかる。

神機を手放さなかっただけマシだ。

 

「……ハハッ」

 

レイは、思わず笑った。

この状況で、どうしろというのだ。

今から全力で逃げるか?

無理だ、神機を手放して走ったとしても、たかが人間。

大型のアラガミとはそもそものリーチが違う、あっという間に追いつかれて今度こそ殺られる。

それに、エミールを見捨てる訳にはいかない。

どれだけウザい輩でも、死なせるつもりは無い。

二度と、自分の前で人を死なせてたまるか。

 

「……はぁぁぁぁぁッ!」

 

動かない神機を構え、レイは白いアラガミを睨み付けながら静かに気合を込める。

白いアラガミは、ゆっくりとレイとの距離を詰める。

こんなところで、死ぬ訳にはいかない。

 

(動け、一瞬でいい、今、生き残る為に、誰も死なせない為に、頼むから動け!)

 

そう神機に念じた瞬間、レイの中で何かが弾けた。

 

ーーーー

 

フランからの緊急連絡を受け、ギルは慌ててレイの元へ向かっていた。

 

(データベースにないアラガミだと……!?まさか……!)

 

ギルの脳裏に、あの日のことが浮かぶ。

もし、あの日のアラガミだったなら。

その時、ギルは何かを感じた。

同時期、同エリアで別のミッションをしていたロミオ、ナナもそれを感じ取っていた。

 

「何だ……この感じ……」

 

「これ……あの時の隊長と同じ……」

 

ジュリウスは、倒したコンゴウから目を離し、レイのいる方角を見る。

 

「血の力……遂に覚醒したか!」

 

そのまま、ジュリウスはナナとロミオに現場に急行するように指示を飛ばし、自身も現場に向かって走り出した。

 

ーーーー

 

白いアラガミが、レイを押しつぶそうと右腕を上げたその瞬間、神機が起動し、レイは動いた。

 

「でやあああああっ!!」

 

思い切り地面を蹴り、白いアラガミの顔面を狙って飛び、その左眼を斬り上げた。

その衝撃で、白いアラガミは後ろに吹っ飛んでいく。

 

「……ざまぁみろ」

 

はは、とレイは力なく笑った。

着地には成功したが、足に力が入らない。

やっと動き始めた神機は、動かなかった時よりも重く感じる。

呼吸も乱れている。

正直、立っているのがやっとだ。

白いアラガミは、左眼を切り裂かれた事に怒り狂い、今度こそレイを殺そうと迫る。

だが、レイはその場から動けない。

今度こそ死ぬ、そう思った瞬間、白いアラガミの右側を誰かが撃った。

そちらに目をやると、知らせを受けて駆けつけたギルが、アサルトを構えながら駆けてくるのが見えた。

レイの横をロミオとナナが通り抜け、3人はレイの前に立ちはだかるように並ぶと、銃を白いアラガミに乱射した。

がくり、とレイは右膝をつく。

そこにジュリウスも到着し、レイを支える。

思わぬ反撃に、白いアラガミはたまらなかったのか後ろに飛び退き、建物の上に退避し、レイたちを見下ろした。

ここにいる全員の銃の射程圏外。

レイは、ジュリウスに支えられながら、なんとか立ち上がり、白いアラガミを睨む。

白いアラガミは、暫く5人を見下ろすと、興味が失せたのかくるりと身を翻し、姿を消した。

レイは、それを確認すると同時に体から力が抜けるのを感じた。

堪らず、両膝を地面につく。

 

「大した奴だ……よくやった」

 

微笑みながら、ジュリウスが言う。

そのまま、ギルとジュリウスがレイの肩を支え、ナナとロミオがエミールの安否を確認しに行った。

ナナがレイたちに向かって手を振った。

どうやら、レイの予想通り気絶しているだけらしい。

レイはホッと息を吐き、重く、鈍くなった足を動かした。




マルドゥークキターッな第6話でした。
さて、本作のレイは、非常に安々と討伐ミッションをこなしておりますが、私はそうではなかったりします。
もうやられるやられる。
リンクエイド常習犯だったりします。
最近滅法マシになりましたが。
マガツには行く勇気はありません。
無理、勝てない。
もう少し装備揃えてからにします。
レイもブラッドアーツを使えるようになりましたし、もう少しサクサクいきたいところではありますが、ペースはこのまま、ゆっくりと勧めていこうと思います。
この話で、書き溜めていたものは終わりですので、ここからの更新は遅々となりますがご了承ください。
そういえば、GOD EATERリザレクション、発売しますね。
私は2からなので、是非是非プレイしたいところです。
プレイしたら、そちらもこうやって書きたいと思います。
それまでに、もっと進んでおかないといけないので、頑張ります!
お気に入りに追加してくださいました方、ありがとうございます。
感想、お待ちしています。
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