とある恋人達の日常   作:愛歌

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皆さんはじめまして、もしくはこんにちは!
愛歌です。
今回はとあるです。
やっと書き終わったので、投稿しました!
タグにあるとおり、上琴一直線です。
ではでは、よろしくお願いします!


君の暖かさ

△▼△▼△

 

終業式が終われば、待ちに待った楽しい夏休み・・・

 

「わからん・・・」

 

・・・なんてものは、成績ド底辺の男子高校生であるツンツン頭の少年には存在しなかった。

外は炎天下、太陽がめらめらと輝いているにもかかわらず、補習が行われているこの教室には扇風機が一台回っているだけ。

冗談抜きで脳みそが溶けそうになりながら補習を受けている少年、上条当麻は、精一杯背伸びしながら教科書を読んでいる少女・・・否先生に抗議の声を上げた。

 

「先生・・・何だって夏休みにまで補習があるんでせうか・・・」

「それは上条ちゃんがおバカだからなのですよー」

 

可愛らしい顔をして辛辣な言葉を放つのは当麻の通う学校の名物、小萌先生だ。

補習の担当の先生、そして当麻の担任でもある。

 

「上条ちゃん、このままだと進級できなくなっちゃうのですよー?」

「・・・・・・・」

「それが嫌なら、黙って勉強するのです」

「・・・・・・」

「返事をしない子には、補習プラス2時間なのですよー」

「・・・はい・・・?」

「一緒にがんばりましょうね、上条ちゃん♥」

どこまでも容赦ないその言葉に、当麻はがっくりと肩を落とし、いつもの言葉を吐き出した。

「不幸だ・・・」

 

 

▲▽▲▽▲

 

「はぁ・・・」

 

常盤台中学の学生寮、空調が利き快適な空間にいるにも関わらずもれる溜め息。

その原因は、溜め息をついた張本人のもとに先ほど届いたメールにあった。

 

「補習で来れないって・・・これで何度目よ・・・」

 

送られてきたメールの本文には、『補習が長引きそうだから今日は無理そうだ。ごめんな。』という、素っ気ない文章がただただ表示されているのみである。

メールの文を読み返し、御坂美琴は携帯を閉じた。

 

世間は夏休みだというのに、補習続きで一向に会えない。

勿論、当麻の学力の低さは、美琴も承知している。

今までの度重なる欠課などを考えれば、むしろ補習ですんでるのが不思議なくらいである。

 

だが、さすがに1か月近くまともに会えてないとなると、話は別だ。

 

「(会いたいなあ・・・)」

 

我慢しなければいけない、頭ではわかっていても、そう簡単に割り切れる問題でもなかった。

何ともいえないジレンマに、美琴は小さく呟いた。

 

「・・・本当、ついてないわ」

 

 

 

△▼△▼△

 

「やっと終わった・・・」

 

永遠に思えた補習も終わり、げっそりした様子で1人帰路を歩く。

 

そんな中、いつもの自動販売機に寄りかかる少女の姿が視界に入った。

明るい茶髪に、常盤台中学の夏服。

見間違えるはずもない、愛おしい彼女の姿。

御坂美琴がそこにいた。

 

先ほどまで体中を満たしていた疲労感など一気に吹っ飛び、変わりに押さえていた思いが溢れ出てくる。

そんな思いをかみしめるように、当麻は彼女の名前を呼んだ。

 

「美琴!!!」

 

 

▲▽▲▽▲

 

今日は『風紀委員(ジャッチメント)』の仕事で、ルームメイトである白井黒子も不在であったため、美琴は部屋で完全にひとりだった。

そんな孤独感を少しでも紛らわそうと、今は外に出てきている。

 

しばらくぶらぶら歩いていれば、いつの間にかいつもの自動販売機のそばまできていた。

少し休憩をとろうと、美琴はヤシの実サイダーを一本買い、自動販売機に寄りかかる。

 

「(そういえば、あいつにとってはここが私と初めて会った場所なのよね・・・)」

 

彼、上条当麻は一度記憶を失っている。

といっても、記憶をなくす前のことはいっさい覚えてないため、実際には一度ではないのかもしれないが。

とにかく、美琴との本当の初めての出会いは、彼は覚えていないのだ。

 

「(でもま、ナンパされてるところを一方的に助けられた、なんて今時少女漫画でもないわよね~)」

「(・・・そういえば、『あの時』って当麻は私とほとんど面識0だった訳よね?)」

「(正直その前も仲がよかった訳じゃないけど・・・)」

「(それなのに私を助けようとしてくれたのね、あいつは)」

「(こう考えると、やっぱりあいつってばどうしようもないくらいに馬鹿よね)」

 

そこまで思考を巡らせると、美琴は不意に優しく微笑んだ。

 

「まあ・・・」

「美琴!」

 

ひさしぶりに聞く、愛しい彼の声に、美琴は振り返る。

そこには、何ら変わりのない、優しい笑顔を浮かべた彼がいた。

 

「(あんな馬鹿を好きになっちゃった私も、大概なんだけどね)」

 

計り知れない絶望感と、あまりにも重すぎる罪に、一人孤独に押しつぶされそうになったあの日。

 

きっと彼が助けに来てくれなければ、私は今ここにいなかっただろう。

 

こうやって、幸せを感じることもできなかったのかもしれない。

 

そう考えると、どうしようもなく寂しくて、私は気づけば彼に抱きついていた。

 

「あのー美琴さん・・・?」

「何?」

「こうやって甘えてくれるのは上条さん的には嬉しいのですがね」

「だったら別に問題ないじゃない」

「・・・率直に聞く。何かあったのか?」

 

少し声色が変わった。

・・・どうして彼は、こういうときだけ、妙に勘がいいのだろう。

 

「別に、何も・・・ただ少し、寂しかっただけ」

「・・・そっか、ごめんな」

 

そう言って、彼は私の頭をなでる。

気恥ずかしくて、本当なら電撃を浴びせたいところだが、彼はちゃっかり右手で私の頭をなでていた。

 

ああ、またいつものように、彼に呑まれていく。

 

彼の暖かさに、甘えてしまう。

 

「・・・馬鹿」

 

顔を上げれば、優しく微笑む彼がいて。

夕焼けに照らされた2人の影が、重なった。

 

                  -to be continued-

 




最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
いやあ、すっきりしました!

突発的に書いたので、誤字脱字があるかもしれません。
その時はすぐに教えてください!
修正します!
あと、感想、リクエストなどしてくださると嬉しいです。
ではでは、今回はこの辺で。
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