ちょうど日の影になる木の下、そこはある年からなぜか動物が集まる場所として校内の有名なスポットとなった。もともとそこは日の影になる事と青々と生い茂った芝生がある事でちょっとした隠れ家的スポットだったのだが動物が集まる事により校内では知らない人がいないほど有名になってしまった。しかしなぜそんなに動物が集まるのか、それは決まって一人の人間がいるときに起こる。
とまぁそんな説明はここまでにしておいて時は放課後。その木の下では一人の男が気持ちよさそうに、とはいかずとても寝苦しそうに寝ている。それもそのはず彼の周りには何匹もの犬や猫、鳥といった様々な動物が寝ている。そんな中一人の生徒が彼に近づく。
「…ぐ…い。め…りせ…い。迴先生、迴先生起きてください、怪我人です」
白い髪のちっこい生徒が彼もとい巡先生に話しかける。本当に高校生なのだろうか?
「…んあ?ウンウン俺も好きだよ?いぶりがっこ。」
「そんな事は言っていません。とにかく怪我人がいるので来てください。先生がいないと保健室が使えませんので」
起きた後のお決まりのボケは華麗にスルーされ少ししょんぼりしながらも立ち上がり保健室へと向かう。そからへんは保健医らしい。
「ああ、そうなのね。その割にはあまり慌ててないようだけど」
「それは私が怪我人だからですよ。ほら」
生徒が手の甲を見せると青くアザになった場所がある、しかも両手だ。
「ほんと毎回思うんだけどなんでそんな場所にアザ作るの?君女の子だよね?実はおとこぉっ!」
「失礼なこと言わないでください。私はれっきとした女の子ですよ」
「…まぁ胸はつるぺたストーンだけどね」
「何か言いました?」
「いえ何も!何も言ってないのでその拳を下ろして!」
「まぁ次言ったら潰しますから。だいたいそんな先生ほど女の子みたいじゃないですか」
「(何を!?)いやいや自分の場合顔が男とも女とも取れるだけでの曖昧な顔だよ」
彼の顔は男とも女とも取れるどっちつかずの顔である。これだけでも女の人と間違えてしまいそうなのに、さらに拍車をかけるように巡という名が付いているのだから女と言われても違和感は感じない
そんな事はどうでもよくて、なんだかんだで保健室につき早速生徒の治療を始める。と言っても青アザになっている場所に氷嚢をあてて冷やすだけなのだがこれだけでも結構違ったりする
「ほい、じゃ後は腫れが引いてきたら今度は温めてね。塔城子猫さん?」
「ありがとうございます巡先生。それでは」
生徒、塔城子猫は保健室から出て行くさいに一礼して去っていった。
「ほんとなんであんな小柄な子が青アザ作るかね?確か彼女の部活ってオカルト研究部のはずでしょ?ボクシング部ではなかったはず…まぁいいや。さっ!また動物達と戯れてこよっと!」
と言って彼は保健室を後にした
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時は変わってその日の夜
彼は勤務を終え自分の住むマンションに戻っていた。余談だがなぜかこのマンション物凄く安いのだ。そのくせして中はとても広くペット可のマンションで最初はアレな物件かと思ったが違ったらしい。ちなみに名前はサーゼクスマンションだ、語呂が悪い
彼は家に帰ると真っ先に同居人?である猫と蛇がいると思われるリビングに行く。リビングの中には黒猫と黒蛇がソファーの上でくつろいでいた。ちなみにどちらもメスである。
「たっだいまー!寂しかったよぉ〜黒歌ぁ〜オーフィスぅ〜」
見つけるやいなやダイブをかます彼だがひらりと躱されソファーでワンバウンドし床と激しいキスをしてしまう
「いたたた…まったくひどいじゃないかぷんぷん」
『リアルにぷんぷんなんて言う人初めて見たにゃ…それに巡が飛び掛ってくるのが悪いにゃ』
『…我、別に平気、けど、苦しいの、や』
と言いながら黒歌と呼ばれた黒猫は顔に猫パンチをペシペシとくらわせ、オーフィスと呼ばれた黒蛇は首に巻きつき締め上げていた
「お、オーフィスさん…ぎ、ギブです。だから…離して…」
彼の顔が白色を通り越して土気色になり始めた頃にやっと解放された
『まったくこれからはしないでよね!私だって毛並みが崩れるのは嫌なんだからね!』
『次やったら巡の、命…ない』
「リアルに死刑宣告された!?…とまぁおふざけはここまでにしておいて、さてとご飯作るからちょっと待っててね」
今までの一連の流れがふざけてた、なんて言える事がすごいと思うが。話を戻して夜も遅い時間となりそこまで手のかかったものは出来ないので冷凍保存しておいた白米を解凍して適当に野菜で付け合わせを作る。ついでに二匹のために冷蔵庫からネズミとササミを取り出しそれぞれ調理をする。そこまでする事はないが。
「さてと食うか!んじゃいただきます」
『いただきます』
『いただき、ます』
三者三様今日あった事を話したり、料理の感想を言ったり、ひたすら食べたり。そして三人ともご飯を食べ終えたら、今度は三人一緒にお風呂へ向かう。ちなみにこれは彼女達がこの家に来てからの日課だ
風呂では彼が二匹を洗いその後に自分を洗う。そして湯せんで疲れを落とし上がる。いくら彼女達がメスだからといってさすがに動物には興奮はしなかった巡である
そして出た後は黒歌の毛を乾かしたりもう眠いオーフィスを先に布団に運んだり歯磨きしたりとちゃっちゃと済ませようやく残りの1人と一匹も布団へ潜る。電気を消す前に巡が黒歌に聞いた
「明日は家にいるのか?」
『う〜んどうだろう?朝早くからはいないと思うけど巡が帰って来る頃にはいると思うよ?』
彼は黒歌とオーフィスがどんな子をしているかは知らない。ただよくいなくなる事だけは知っている。彼もそれを了承しておりわざと聞かないでいる。それでも寂しいものは寂しいのである
「…そうか。じゃ、おやすみ黒歌、オーフィス」
『…うん、おやすみ巡』
『…zzZZ…ぉや、す、みぃ』
そして電気を消しあたりは真っ暗になり何も見えない
ただランランと輝く二つの金色の瞳だけはよく見えた
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