打たれ強いだけの人間が幻想入り   作:霧夜

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そういえばタイトルが日本語じゃなくなったのは一応理由があります
まあ、そこまで大した理由ではないんですがね

あと完全に描写し忘れてたのですが、一章の初めが5月頃、終わりのほうが12月〜1月頃です


Ep.2 Reminiscence

 

"私"は小屋の中のイスに座っていた。

窓から見える景色や高さを考えるに、山の中だろうか。

 

"私"はテーブルの上に紙を置き、絵を描いている。

子どもが描くような下手くそな絵だ。

 

しばらくすると、一人の女の人が料理を持ってやってきた。

 

『千華、ご飯できたよ』

 

はぁいと返事をし、紙や色鉛筆を片付ける。

 

テーブルにパンや肉、スープなどが置かれ

いただきますと言い食事が始まる。

 

『そういえばさっき、何を描いていたの?』

 

『ん?あれはねー、おかーさまとわたし!』

 

元気よく"私"はそういう。

 

『見してくれる?』

 

『だめ!』

『おわったらみせるから!』

 

『そう、楽しみに待ってるわ』

 

女の人は優しく微笑む。

この笑みに絶対の安心感を感じてしまう。

何の根拠も無い、安心感。

それでも───

 

 

 

 

「お母…様……」

 

「あら、起きたの?」

 

私はその声で意識が覚醒する。

バッと飛び起き、辺りを見渡す。

一体ここは…?

 

「あなた、家の近くで倒れてたのよ

私の人形が見つけなかったら今頃雪の中ね」

 

危うく死ぬところだったんだ…

この人にお礼を言わなければ。

 

「助けてくれてありがとう

ところであなたは…?」

 

「私?私はアリス、まあ覚えなくていいわ」

 

「あ、えと、私は雨上千華(あまがみせんか)」

 

「千華ね

それより、何でこんな猛吹雪の日に外にいたの?」

 

いた理由は私にもわからないので、記憶喪失の事を伝えよう。

 

「それが、私にもわからない

目が覚めたら名前と一般知識以外覚えてなくて、ここがどこかもわからず歩いていたら力尽きた

って感じかな」

 

「記憶喪失…また面倒な

ああ、千華だっけ」

 

「うん?」

 

「そろそろスープとかできるけどいる?」

 

「あ、その…良いの?」

 

見知らぬ人を助けてもらって、ご飯まで出されると相手に悪い気がしてくる。

 

「構わないわ

いらなければ私が飲むつもりで作ってたし」

 

「それじゃ、あの、いただきます…」

 

なんだか、気恥ずかしくなってしまう。

 

 

スープがテーブルに置かれ、私はそれを取り、飲む。

美味しい。そして、どこか懐かしい味がする。

いや、その懐かしい味とは少し違うけど、何か思い出せそうな…

 

ズキッと鋭い痛みが私の頭に響く。

反射的に空いている片手で、頭を抑える。

 

「どうしたの?」

 

「ちょっと頭痛が…」

 

「横になりなさい」

 

「そこまでじゃないから、大丈夫…」

 

ズキズキと、私の言葉とは裏腹に頭痛が襲う。

 

「あなた、自分じゃわからないでしょうけど

今、酷い顔してるわよ」

 

「え…」

 

アリスに鏡で自分の顔を見せられる。

確かにこれは酷い。

 

「うわ…こんな顔してたんだ……」

 

目が充血し、瞳は死んだ魚のようだ。

そして隈は酷く、顔色も悪い。

まるでトイレのタワシみたいな顔。

 

「蒸しタオル持ってくるからそれで目を温めなさい」

 

「ありがとう…」

 

 

アリスから蒸しタオルを受け取り、目へとのせる。

 

温かい。何故人は、温かさを感じるとリラックスできるのだろう。

この安心感。

 

安心感…そういえば、あの夢は一体なんだったんだろう。

 

山、小屋、お母様。

私の無くなった記憶に関係あるかもしれない。

雪が止んだら探しに行こう。

 

 

 

 

どうやら、私は寝てたみたいだ。

リラックスしすぎたかな。

疲れがたまっていたのかもしれない。

ソファで寝たはずなのに、ベッドにいるということは運んでもらったみたいだ。

後でお礼を言っておかなきゃ。

 

外を見ると既に雪は止んでおり、晴れている。

昨日の猛吹雪が嘘のよう。

 

 

アリスを探し、下の階へと降りる。

昨日、寝てしまったソファの所にアリスはいた。

 

私に気づくと「おはよう」と声をかけてくれた。

なので私も「おはよう」と返す。

 

「うん、顔がスッキリしてるし、大丈夫そうね」

 

「あ、ベッドまで運んでくれてありがとう」

 

「どういたしまして

それで、雪は止んだけどどうするの?」

 

「どうするって?」

 

「記憶喪失なんでしょ

帰る場所はあるのかどうか」

 

「あっ」

 

そういえば帰る場所無いんだった。

いや、正確にはあったのかもしれないけど、記憶に無い。

どうしよう…

 

「住む場所見つかるまで私の家にいる?

家賃代わりに家事とかの手伝いしてもらうけど」

 

「いいの?見ず知らずの私なのに」

 

「人畜無害そうだし別にいいわ」

 

馬鹿にされているのかされていないのか、よくわからないけど気にしないことにした。

 

「それじゃあお世話になります」

 

「うん」

 

「あ、質問なんだけど」

 

「何?」

 

「ここってどれくらい山があるの?」

 

「さあ?でも結構あるわよ

それで、なんでいきなり?」

 

「私の記憶に関わることがあるかもしれないから」

 

「へえ、それじゃあできることなら妖怪の山、ここで一番大きい山なんだけど、そこはなるべく避けた方がいいわ」

 

妖怪…?

 

「何か問題があるの?」

 

「ええ

あそこ、基本的に部外者は立ち入り禁止だから

無理矢理行くとなると武力行使して止めてくるわよ」

 

何それ怖い。

できる限り近づかないようにしよう。

 

「わかった

それじゃあ行ってくるね」

 

「あ、待って」

 

「ん?」

 

「あなた飛べるの?」

 

「えっ?」

 

 

To be continued…




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ちなみに二章主人公の能力
既に伏線があります
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