真・恋姫†演義~舞い降りる賢君~   作:残月

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太公望、占いをする

 

 

 

幽州啄郡の町に到着した太公望と雛里。

しかし、切実な問題があった。

 

 

「路銀が足りぬか」

「はい、私と朱里ちゃんで路銀を半分にしていて、私は本と食料を買った時に襲われたので……」

 

 

太公望はこの時代の通貨を所持していないので雛里頼りだったのだが雛里も手持ちは少なく宿も取れない状態で有る。

 

 

「うーむ……ならばワシがなんとかするか」

「え、師叔がですか?」

 

 

 

腕を組み悩む仕草を見せた太公望だが自分が何とかすると宣言したのだ。

雛里は太公望の態度に驚かされる。

 

 

 

「うむ、ワシも昔は路銀が無くて有ることをして稼いだものだ。雛里、手伝ってくれ」

「は、はい!」

 

 

 

太公望の過去を聞くと共に自信満々な容姿を見た雛里は太公望の手伝いをすることになる。

 

 

 

 

 

 

◇◆数分後◇◆

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

 

 

雛里は道行く人の衆目に晒されていた。

隣には太公望も居るが多少なりとも目立つ事になっているのは恥ずかしがり屋の雛里には酷である。

太公望と雛里は町の大通りに出店を構えた。

店の看板にはデカデカと『占い有ります』

看板の下で客待ちをする形になる太公望と雛里は兎に角目立っていた。

その光景に道行く人がチラ見してしまう程に。

しかし太公望はそんな物は何処吹く風。

道行く人をジッと観察していた。

 

 

「おうおう、何見てんだ小僧」

 

 

そんな中、一人の薪売りが太公望に突っ掛かる。

 

 

「見て分からぬか?占いよ」

「ハッ!インチキ臭い占い屋が。んなもん当たるかよ」

 

 

太公望の言葉に薪売りは鼻で笑う。

 

 

 

「ふむ。ならば薪売りよ、お主を占ってやろう」

 

 

太公望は立ち上がると薪売りの商品の薪を1本手に取る。

 

 

 

「まーきー、まーきー、教えたまーえー」

 

 

打神鞭で薪を叩く太公望。

その衝撃で薪からは火花が散り、やがて薪に火が灯る。

 

 

 

「ふぅむ……薪売りよ。この先の通りに柳の木がある。その下で客が薪を普段の2倍の値で買い、餡饅と酒を付けてくれるであろう」

 

 

 

火を見詰めながら占いの結果を薪売りに説明する太公望。

薪売りは胡散臭そうな顔をしながらも柳の木がある道へ歩いて行った。

 

 

「師叔、大丈夫なんですか。あんなこと言って」

「かかかっワシの占いは当たるのじゃよ」

 

 

不安げに太公望を見上げる雛里と笑みを返した太公望。

 

 

所変わって薪売りは柳の木の下に来ていた。

 

 

「へっ馬鹿馬鹿しい……今時薪を二倍で買ってオマケまでする客なんて……」

 

 

等とぼやいていたが客が現れる。

 

 

 

「薪を買いたいのだが良いかな?」

「あ、はい。これくらいでどうでしょう?」

 

 

薪売りは客に薪の値段を告げる。

 

 

 

「うーむ、ちと高いな……んっ!?」

 

 

客は難色を示そうとしたが薪売りの薪を見て驚愕する。

 

 

「こ、これはカマキリの卵!なんと縁起が良いんだ!実は娘が結婚したばかりでね子宝に恵まれるに違いない!薪は先程の値の倍で買わせてくれ。なんならさっき買ったばかりの餡饅と酒も付けるぞ!」

 

 

捲し立てる様に薪売りに金と餡饅と酒を渡す客。

薪売りは上機嫌で去っていく客の背中を呆然と見ていた。

 

 

 

「占いが……当たった?」

 

 

薪売りは呆然としつつも占いが完璧に当たった事態を飲み込んでいた。

 

 

 

「はっ!……行かねば!」

 

 

 

薪売りは慌てて先程の占い屋に急行した。

 

 

 

 

 

 

再び、太公望の占い屋だが客足は遠く、中々人が寄りつかない状態だった。

 

 

「師叔……やはり無理があるのでは?」

 

 

コソッと太公望に耳打ちする雛里

 

 

「安心せい、そろそろ来る頃じゃ」

「う、占い師様!」

 

 

 

太公望が雛里に大丈夫と言ったと同時に先程の薪売りが餡饅と酒を抱えながら戻ってきた。

その光景に先程の占いを見ていた町の人々は驚愕する。

胡散臭そうな占いが的中したのだから。

 

 

 

「う、占い師様!申し訳ありませんでした。先程の占い代を払わせて頂きます!」

 

 

 

薪売りは先程の無礼な態度を改めて太公望に占い代を支払う。

 

 

「うむ。じゃがお主の薪が売れたのはお主の普段の行いが良いとも言えるからじゃ。精進せいよ」

「は、はい!」

 

 

太公望の言葉を受けた薪売りは嬉しそうにその場を後にした。

 

 

 

「占い師様、私も占って頂けますか?」

「ア、アタシも!」

 

 

 

先程まで妖しいと客が寄りつかなかった太公望の占い屋だが当たると分かったと同時に客が殺到した。

 

 

 

「うむ、一人ずつ並ぶが良い」

 

 

太公望はニヤリと笑うと先頭の人物から占いを始めた。

雛里は押し寄せた町の人々を誘導して列を作る。

太公望の占いは瞬く間に人気店となったのだった。

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