最低でもエミルは参加します
しばらくして落ち着いたほむらはエミルから離れる。
「ほむらさん」
「なにかしら?」
「この事はみんなに話したほうがいいかと思う」
「そうね。でも話すのは一人づつのほうがいいわ」
「みんな一緒にいるとき話せば手っ取り早いと思うよ?」
「いえ、それが一番危険なの」
「危険?」
「もし魔法少女の真実を話して魔女になるかもしれない。それに一番厄介なのは巴マミ」
「マミさんが?」
「巴マミは魔法少女の真実を知ったとき私をリボンで拘束して佐倉杏子のソウルジェムを壊した」
「そ、そんなこと-」
「私はそれを経験したの」
否定しようとしたが口を閉ざしてしまう。
「巴マミはとても繊細な人よ。もし魔法少女の真実を知ったら死ぬつもりでいるわ」
「どうすればいいの?」
「だからエミルの力が必要なの」
「僕の力?」
「巴マミの心を守ってほしい。もし真実を乗り越えれば巴マミの心は強くなる」
ほむらはエミルの手に触れる。
「巴マミの事をお願いできる?」
「もちろん。マミさんは任せて」
「ありがとう」
昼休み
「エミル」
午前の授業が終わるとほむらはエミルの席に近付く。
「貴方いつもまどか達とお昼をとっているのよね」
「そうだけど」
「私も一緒にいいかしら?」
「それじゃあ一緒に屋上に行こうか」
「えぇ」
エミルはほむらを連れて教室を出る。
屋上
「ほむらちゃん?」
「なんで転校生も一緒に?」
「ほむらさんが一緒に食べたいって言ったから一緒に来たんだ」
まどか達が座っているベンチの隣のベンチに座るとほむらもエミルの隣に座る。
「ほむらちゃん…それ…」
ほむらが手に持っていたのはコンビニの袋だった。
「両親が共働きでそれに私あまり料理が得意じゃないの…」
ほむらは顔を真っ赤にする。
「あ~えっと、ほむらさん。明日から僕がご飯作ろうか?」
「エミルは料理出来るの?」
ほむらはエミルが料理が出来るのかと聞くとマミとテネブラエが話す。
「エミル君はお母様から料理を教わっているのよ」
「エミル様の料理はとても美味しいです」
「そうね…お願いしようかしら…」
さらに真っ赤になり身を縮こむ。
「ねぇ、エミル」
お弁当を食べ終わるとさやかがエミルに話しかける。
「お願いがある」
「お願い?」
「私に剣を教えてほしい」
「急にだね。どうして?」
「昨日の路地裏で会ったあいつに手も足も出なくて。それが一番悔しくて」
さやかは手をにぎりしめる。
「私…強くなってまどかやマミさん。恭介を…そしてこの街に住んでる人達を守りたい。だから私に戦い方を教えてほしいの」
真剣な眼差しでエミルに頼む。
「わかった。僕が戦い方を教えてあげる」
「けど、マミさんが一人で…」
「大丈夫よまどか。私が巴マミと一緒に魔女退治するわ」
「ありがとうほむらさん」
「暁美さんあのときはごめんなさい。私、暁美さんの忠告を聞いていれば…」
「もう過ぎたことよ。気にしてないわ」
「暁美さん、これからよろしくね」
「えぇ、こちらこそ。それとまどか、あなたはエミル達と一緒に行動しなさい」
「どうしてなの?」
「魔女退治は危険なのはわかっているでしょ?エミルと美樹さやかの修行なら少なくとも危険じゃないわ」
「魔女が出ない場所で修行しようと考えてあるから」
「うん…わかった」
放課後
エミルはまどかとさやかと一緒に学校を出る。
「エミル。どこで修行するの?」
「刃物とか持っている姿を見られたら警察とかに通報されるから廃墟とか人がこない場所にしようかなって考えてる」
「まさか誰もいない場所で私とまどかを-」
「それはないから安心して」
さやかが言いきる前にキッパリ否定する。
「ちっ、エロ同人誌みたいってに言う前に否定されたか」
「さやかちゃん…」
まどかは乾いた笑いをする。
廃墟
「ここなら誰もこないね」
「それじゃあさっそく」
「ちょっと待った」
ソウルジェムを持って変身しようとしたさやかを止める。
「修行するときはこれを使う」
エミルは木刀を取り出してさやかに渡す。
「なんで木刀なの?」
「修行なら魔法少女じゃなくてもいいでしょ?」
「まあ、確かにそうだけど…」
「まずは剣の持ち方と基本の振り方を覚える。技を教えるのはそれから」
「は~いせんせい」
「先生って…」
思わず苦笑いする。
「だって私に戦い方教えてくれるんでしょ?ならエミルは先生じゃん。」
「好きに呼んでいいよ」
エミルは諦めて気持ちを切り替える。
「んじゃあ、ご指南ご指導よろしく御願いします!」
さやかは木刀を両手で持つ。
「基本の構え方は両手。右手は鍔近くの柄、左手は端の柄を持つ」
「つか…つば?」
さやかは首をかしげる。
「簡単にいえば右手は持つところと刃の間にある丸い部品の近く。左手は端の持つところを握る」
エミルは両手で木刀を構えるとさやかも同じように構えた。
「振り方はまあ…実戦だね」
エミルはいつも通りに片手で構える。
「好きに振ってみて」
「それじゃあ遠慮なく!」
木刀を構えたさやかは走りだし縦に木刀を振る。
「うん、そんな感じ」
エミルは木刀で受けとめる。
「遠慮せずにどんどんきて」
さやかは斬り上げ、斬り下げ、突きと思う存分木刀を振る。
エミルはそれを避けたりせず全て木刀で受けとめカンッカンッカンッと木と木がぶつかる音が響く。
「はあ…はあ…」
「女の子だとかなり疲れるよね」
息が上がっているさやかに対してエミルは疲れた顔をせず汗一つかいていない。
「エミル、もう少しやらせて」
「わかった」
さやかは木刀を構えて走る。
「うぉぉぉぉ!」
木刀を横に振ると受けとめられる。
「振り切ったあと隙があるよ」
エミルは木刀を振り上げるとさやかは数歩下がってしまう。
「おっとと…」
なんとか踏みとどまり再び構える。
「そこで転んだら終わろうと思ってた。」
「さやかちゃんはまだまだ修行したいんでね!」
脇に構えて木刀を振り上げる。
エミルは受けとめるが
「まだまだ!」
さやかは力を込めて遠心力を利用して回転斬りをする。
「おっと!」
エミルはバックステッブをして避ける。
「いまの良かったよ」
「そ、そう?」
「きりがいいし終わろうか」
「つかれた~」
さやかはぺたんと地面に座る。
「基本の構えと振り方は覚えたから明日から本格的に技の修行だね」
「は~い」
「さやかちゃん大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、疲れただけだから」
さやかはゆっくり立ち上がる。
「帰ろっかまどか」
「そうだね」
エミル達は廃墟を出る。
「それじゃあねエミル君」
「エミル、明日もよろしく」
まどかとさやかは自宅の帰路に向かう。
エミルも帰ろうとしたらスマホから着信音がなる。
「誰だろう?」
スマホを取り出すと画面に『暁美ほむら』とでていた。
「もしもし」
「その様子だと終わったようね」
「うん、必要最低限のことは教えた」
「そう。それとね今日あのことを話そうと思う」
魔女の正体のことだとエミルは思った。
「マミさんはいるの?」
「いるわ」
「なら今日は僕の家に来なよ。ご飯用意するよ」
「エミルの家に?」
「予定がはやまったけどご飯作ってあげる」
「そ、そう…わかった。巴マミに伝えておく」
「マミさんは僕の家知っているから大丈夫だよ」
「わかったわ」
通話をきるとエミルは自宅に帰らないでスーパーに向かう。
私のなかではほむらは料理が「出来ない」ではなく「しない」です