後半アニメ10話のあれ
フライパンには刻んだ玉ねぎとニンジン、ベーコンを炒めており隣にはトマトとコンソメの素で煮込んだスープの鍋が沸騰している。
炒めた材料をスープに投入してさらに煮込む。
「これで5~6分すれば完成かな?」
別の鍋にはマカロニが茹でており茹で上がったら鍋のお湯を捨ててざるにのせる。
トマトピューレ缶を開けてフライパンに投入。水を少し加えマカロニをいれる。
「あとは塩胡椒で…」
玄関からチャイムがなる。
「そろそろかな?」
手を洗ったあと火を止めて玄関にむかい扉を開ける。
「きたわよエミル」
「こんばんはエミル君」
マミとほむらが玄関前にいた。
「いらっしゃい。もう少しで出来るからはいって」
二人をリビングのテーブルに招くとエミルはキッチンにむかう。
「そういえばエミル君が料理する姿はじめてね」
「前にエミルの家で一緒に食べたんじゃないの?」
「あのときはエミル君のお母様が作ったの」
塩胡椒で味を調えると皿に盛る。
「出来た。」
皿をテーブルに置いた。
「スープも持ってくるから」
底が深い皿にスープをいれる。
「パスタがペンネアラビアータ?でスープはミネストローネ」
「本格的ね」
「美味しそう」
「一人のときはけっこう手抜きだから久々に本格的に作ったよ」
「手抜きの場合はどうなの?」
ほむらが質問すると
「フライパンにひき肉を炒めてトマトピューレを入れて茹でたパスタと混ぜる」
「私が思った手抜きと違った」
「ほむらさんはどう思ったの?」
「普通にパスタとレトルトのソースを茹でるかと思ったわ」
「それだと作った感がないから」
「手抜きの桁が違いすぎる…」
ほむらは頭に手をおいた。
全員が席につくといただきますと言う。
「人が作ったものを食べるの久しぶりね…」
「暁美さんもしかしてずっとレトルト?」
「そうね…料理しようと考えもしなかったわ」
「僕の場合はお父さんとお母さんが共働きだから」
「私は…」
マミはしたにうつむいた。
「そういえばエミルの私服みるのはじめてね」
ほむらは話題を切り替えて不穏な空気にしないようにした。
「あ、そういえばそうだね」
ほむらの考えを察知したエミルは話に合わせる。
「けっこう落ち着いた色をした服を着るのね」
エミルの格好は黒のポロシャツに青のズボンというかなりラフな格好だった。
「制服とラタトスクの騎士になるときの服しか見せてなかったしね」
「エミル君すごく似合っているわ」
「そ、そうかな?」
「えぇ、とても似合ってる」
「ありがとう」
エミルは照れている
食事を終えるとマミとほむらが手伝うと言ったが
「二人はお客さんだからゆっくりしてて」
やんわりと断わられエミルはエプロンを付けて食器と鍋、フライパンを洗う。
「こうして見るとなんだか専業主夫みたいね」
「そうね」
ソファからエミルが食器を洗う姿を見ている。
「暁美さん。話って何かしら?」
「それはエミルが来てから話すわ」
食器を洗い終わったエミルがソファに座る。
「ほむらさん」
「えぇ、巴マミ。ソウルジェムの穢れをグリーフシード移さないといけないか知っている?」
「魔法が使えなくなるから?」
「いえ、それは違うわ」
ほむらは首を横にふる。
「グリーフシードが限界まで穢れを溜めると魔女になるのは知っているわよね?」
「えぇ、そうなる前にキュゥべぇにグリーフシードを処分させるの」
「疑問に感じなかったかしら?グリーフシードが魔女を産むのに」
「それはソウルジェムの…」
マミは口を閉ざす。
「マミさん?」
「暁美さん…もしかしてソウルジェムが穢れをグリーフシードに移す理由は…」
「魔女にならないためよ」
「嘘よ!」
マミは動揺している。
「それじゃあグリーフシードはソウルジェムだと言うの!?」
「えぇ、今まで倒してきた魔女は全員-」
マミはほむらをリボンで拘束して魔法少女に変身しマスケット銃を向ける。
「ソウルジェムが魔女を生むならみんな死ぬしかないじゃない!あなたも!私も!」
マスケット銃の引き金をひいた。
「駄目です…マミさん…」
エミルがマミを押し倒して腕を掴んでいた。
弾はほむらが座っていたソファにあたり弾痕をつくった。
「離してエミル君!暁美さんのソウルジェムを壊して私も…!」
「死んだら何もかも終わりじゃないですか!」
「だけど私は…!」
「そんなの関係ない!」
エミルは大声で叫ぶ。
「マミさん。あなたが魔女を倒してくれたおかげで何人の命が助かりました。僕や鹿目さん、美樹さんもみんなマミさんに命を救われたんですよ?」
「それは…」
「僕はマミさんみたいに勇気がある人になりたかった」
「私にそんな勇気なんて…」
「あります。魔女を戦うのにとても勇気が必要です。僕はそんなマミさんに憧れました」
エミルは押し倒したままマミを見つめる。
「それに僕はマミさんと同じ存在なんです」
「同じ?」
エミルは自分の正体と自分が住んでいた世界を話した。
「そんな…エミル君は…」
「人間じゃありません」
「エミル君…そんなことを言われて何とも思わなかったの?」
「僕もマミさんと同じように酷く動揺しました。けど立ち直れたのは仲間がいたからです」
「仲間?」
「みんなはそれでも僕のことをエミルだと言いました。僕はその言葉のおかげで自分と向き合えました」
「…」
「マミさん。あなたが魔法少女でも魔女でも僕を助けてくれたのには事実です」
「だけど私は魔女になるのよ!だったら…!」
「悲しむ人がいるんですよ!」
腕を強く掴む。
「鹿目さん、美樹さん、ほむらさん、テネブラエ…みんな悲しむんですよ!僕もマミさんには死んでほしくありません…」
エミルは涙を堪えていた。
「だからお願いです…死ぬことだけは絶対に…しないで…くだ…さい…」
堪えきれず涙を流すとその涙がマミの顔にあたる。
「エミル君…」
エミルが力を緩めるとマミはリボンの拘束を解いてエミルの頭を抱き締める。
「エミル…くん…」
マミも同じように涙を流した。
「テネブラエ…」
「はい」
「あとはお願い」
「わかりました」
テネブラエはうなずくとほむらは家を出る。