今年の初投稿のタイトルはラタトスクの騎士の代名詞
勇気は夢を叶える魔法です!
昼休み
まどかはあれから家に帰り明日になったらさやかに謝ろうとしたが
「そう…美樹さん今日休んだのね」
「私のせいでさやかちゃんが…」
「まどか、誰もあなたのせいだと思ってないわ」
ほむらがまどかの背中を優しくさする。
「美樹さやかには少し頭を冷やす時間が必要なの。今は待ちましょう」
「うん…」
教室
授業中ほむらが立ち上がる。
「どうした暁美?」
「すみません…少し気分が悪くて…」
「このクラスの保険委員は?」
「エミル君ですが今日は欠席しています」
「ならクラス委員が…」
「あ、あの!私が代わりに行きます」
まどかが席を立った。
「ん、そうか」
教師は何も言わずまどかとほむらは教室を出た。
「ありがとうまどか」
「ううん、ほむらちゃんがしようとしていたことがなんとなくわかったから」
授業中の学校を歩く。
「さやかちゃんを助けに行くんだよね?」
「えぇ」
「ごめんね…これぐらいしか出来なくて…」
まどかは泣きそうになる。
「私…弱くて…さやかちゃんのことを思ってたのに傷付けて…最低だよね…」
「そんなことないわ」
ほむらは優しく声をかける。
「あなたはただ優しすぎるだけなの。他人のことを思って泣いてくれるとても優しい心の持ち主よ」
「ほむらちゃん…」
「美樹さやかは任せて」
「うん…先生には早退したって伝えるから」
ほむらはうなずくと歩きだす。
「(ごめんなさいまどか…)」
彼女はまどかに心の中で謝罪した。
放課後
エミルとさやかはあれから学校をサボった。何かするわけではなく時間が過ぎていた。
「あ…」
「どうしたの?」
さやかが見ている視線を確認すると恭介と仁美がベンチに座って話していた。
「そっか…今日、告白するって言ってたっけ…」
「告白?」
「昨日、仁美が恭介のことが好きって言ったの覚えているでしょ?」
「うん」
「それでね。仁美が昨日、私に時間をくれたの」
「くれた?」
「恭介に告白する時間をね」
「美樹さんもしかして」
「うん、恭介のことが好きなの」
エミルは自分を責めた。自分のせいでさやかに告白するチャンスを潰したからだ。
「い、今でも遅くない。はやく告白しようよ!」
「いいの。もう告白する時間は終わったから」
「駄目だよ!僕のせいで恭介に告白するチャンスを潰したんだよ」
「なんでエミルが慌てるの?」
「それは…」
「エミルには関係ないことでしょ?」
「そうだけど…」
「なら行こう…」
さやかはその場から離れようとした。
「勇気は夢をかなえる魔法」
「えっ…?」
エミルは突然、わけわからない言葉を口にした。
しかしエミルにとってはとても大切な言葉だ。
「今の美樹さんには恭介に告白するには勇気がないからだよ」
「私はそんなこと…」
「なら告白しに行けばいい」
「けど時間は…」
「時間なんて関係ない。それはただ告白する一歩が踏めないだけ」
「…」
「僕はこの言葉のおかげで自分が変われた。この言葉を美樹さんにもあげる。その一歩が踏み込めないなら僕がその一歩を踏ませてあげる」
「エミル…」
「ほら、志筑さんが告白する前に行かないと」
「ありがとうエミル…!」
さやかは恭介と仁美が座っているベンチまで走る。
「実は私…上条君のことを…」
「待って!」
仁美が告白する寸前でさやかは息を切らして二人の元まで来た。
「さやか?」
「さやかさん…」
「昨日言うつもりだったけど迷っていて。けど、先に私から言わせて!」
呼吸が出来ない。
頭が真っ白になる。
口のなかがカラカラに乾いていく。
「私…」
「(勇気は夢を叶える魔法…勇気は夢を叶える魔法…勇気は夢を叶える魔法…)」
何度も頭の中で繰り返してようやく口にする。
「恭介のことが好きなの!」
恭介は突然の告白で驚いていた。
「さやかが…僕を…?」
「小さい頃からずっと恭介が好きだった。だけど伝えるのが怖くて…」
「えっと…」
「何も言わないで」
さやかが先に言う。
「仁美が相手だとかないっこないってわかってた。けど…それでも恭介が好きなの!」
「さやかさん…」
「ごめん仁美…ズルしちゃって…」
「さやかさん本当の自分に向き合えましたのね」
「うん…どんな結果でも後悔しない」
さやかは離れようとする。
「待ってさや…」
「こないで!」
さやかに拒絶される。
「恭介に本当のことを伝えられた…それだけでもう十分なの…」
さやかは走り出しその場から離れる。
「良かった…告白出来たんだ」
エミルはさやかが告白するのを遠くで見ていた。
「(リヒターさん。あなたが僕にくれた言葉のおかげで美樹さんは告白出来ました)」
さやかは走り出してエミルがいる方に来る。
「美樹さ…」
さやかはそのまま走り去る。
「待って美樹さん!」
二回目の追いかけっこをするはめになった。
アステルからリヒター
リヒターからエミル
エミルからさやか
この言葉は永遠に語り継がれる言葉だと思います