廃墟
「とりあえずソウルジェムの穢れをグリーフシードに移さないとね」
「暁美さんこれ使ってみる?」
マミがグリーフシードをとりだした。
「これにソウルジェムの穢れを移しましょう」
ほむら、マミ、杏子はソウルジェムを取り出してグリーフシードに穢れを移すとグリーフシードが限界まで穢れが溜まり魔女が孵化された。
魔女の結界に飲まれると壁や床、オブジェクトがお菓子で出来ていた。
「ここの魔女はなんだ?」
「おそらく病院と同じ魔女ね」
「病院?」
杏子は首をかしげる。
「そっか杏子ちゃんは知らないんだよね」
「この魔女と戦っているときエミル君に助けてもらったの」
「エミルが?」
「エミル君がいなかったら私はここにはいなかったわ…」
エミルは死を感じたことを思い出したマミの震える手を触る。
「ありがとうエミル君…」
「行きましょう」
変身して魔女がいる奥まで進む。
最深部
扉を開けると魔女がいた。
「なんだこれなら楽勝じゃん」
「待って」
マミが杏子の手を掴む。
「あれは油断させるための罠よ」
「ならどうするんだよ」
「私に任せて」
「巴マミ、あなたじゃ…」
「お願い、一人で戦わせて。あの魔女は私が立ち向かないと自分自身が変われないと思う」
マミの固い決意のようだ。
「わかったわ」
ほむらはうなずいてマミは深呼吸をして魔女に近付く。
魔女の口からあのトラウマである本体が現れた。
マスケット銃を大量に召喚して構えようとしたら甲冑を纏ったケンタウロス
ダークライダーが隣にいた。
「エミル君、私は一人で戦うって-」
「魔物は人じゃない。だから召喚しました。それに…これぐらいのお節介はさせて?」
「ありがとう…エミル君」
マミは魔女と対峙する。
「私はあなたを倒して乗り越える!」
ずっと独りで戦っていたが今は背後に仲間がいる。
今のマミはもう
「私はもう一人ぼっちじゃない!」
マミside
マスケット銃を魔女に向かって放つ。
直撃すると魔女は脱皮して襲いかかる。
「くっ…」
リボンを使って移動しながら撃つ。
「ティロ・ボレー!」
大量のマスケット銃を召喚して一斉射撃する。
全弾命中
「この調子なら…」
煙から黒い物体が現れた。
「えっ…」
魔女が目の前にいて口を大きく開けた。
「(はやく逃げないと…!)」
そうわかっていても足が動かない。
もう駄目だと思い目を瞑る。
ガキン
なにかが引っ掛かる音がした。
目を開けると
「…」
ダークライダーがランスをつっかい棒にして魔女が噛み付くのを守ってくれた。
「ありがとう!」
私はすぐさま離れると魔女はランスを吐き捨ててダークライダーを睨み付ける。
ダークライダーは盾を両手で構える。
「私も行くわ」
ダークライダーに乗ってマスケット銃を構える。
「エスコートお願いできる?」
ダークライダーはうなずくと助走をつけて魔女に向かって走った。
魔女は再び口を大きく開けて噛み付こうとする。
ダークライダーは盾を振り回して顔を殴り、噛み付きを回避させて私は口の中に向けて撃ち込む。
「このままお願い!」
私の言葉を理解したのかまた魔女に近付いて顔を殴る。
私はマスケット銃を片手に一丁づつ持って撃つ。
エミルside
「マミさん…」
僕は遠くからマミさんが戦うのを見ていた。
ダークライダーは盾で魔女の噛み付きを防いでマミさんが攻撃している。
長期戦になるかもしれないが勝てるかもしれない。
「(マミさん…頑張ってください…)」
マミside
内側から攻撃しているのか魔女の動きが鈍くなりはじめている。
けど油断は出来ない。
このまま集中して倒すのに専念しないと
「きゃあ!」
魔女の噛み付きを盾で防ぐが反動が大きかったのか私はダークライダーから落ちてしまう。
「はやく立たないと」
すぐに立ち上がるが魔女が近付いてきた。
私の足じゃ追い付いてしまう。
「(決めるしかないわね!)」
リボンを使って巨大な大砲を造る。
ティロ・フィナーレ
魔女に止めを刺すのに使う私の必殺技。
魔女はティロ・フィナーレを使うのに気付いたのか左右に動きながら近付く。
あてなければ私は負ける。
引き金に触れる指が震えている。
もしあたらなかったらここでまたあのトラウマが
魔女が口を大きく開けた。
「(今…!)」
引き金を引こうとしたらお腹周りを抱き抱えられて足が地面から離れる。
「えっ?」
見上げるとダークライダーが私を抱き抱えていた。
「なんで邪魔したの!」
私は思わず声をあげる。
あのとき邪魔しなければ…!
「…!」
ダークライダーが私を見ると全身から寒気が感じた。
兜から見える目から殺気を感じる。
「私を助けたの?」
魔女から離れると私を降ろした。
「ごめんなさい…」
助けてくれたのに酷いことを言ってしまった。
「…」
ダークライダーは盾を捨てた。
「何するの?」
私のほうを一度みたあとダークライダーは魔女に向かって特攻した。
「無茶よ!」
追いかけるが私の足ではとても追い付けない。
私との距離から離れてゆく。
魔女は口を大きく開けてダークライダーに噛みつこうとする。
「…!」
ダークライダーが口の先端を掴んだ。
魔女は鋭い歯でダークライダーの身体を噛みつこうするがダークライダーは負けじと腕に力を入れる。
「(私が助けないと!)」
はやくもっとはやく!
魔力を足に集中させてスピードを上げるが魔女の口が少しづつ閉じられる。
「(このままじゃ!)」
リボンを使って再び巨大な大砲を造ろうとしたがこのまま撃てばダークライダーが巻き込まれる。
「(どうすればいいの…)」
ダークライダーは私のほうをみた。
「撃て…?」
ダークライダーはうなずいた。
「あなたも巻き込まれるのよ!」
ダークライダーは首を横に振る。
私が魔女に止めを刺すために特攻して自分を…
「(ダークライダーは私のために自分を犠牲にしてまで…)」
私はマスケット銃を巨大化させる。
「(なら、それに応えないと!)」
不思議と引き金をひく指の震えが止まっていた。
「ティロ・フィナーレ!」
マスケット銃から巨大な弾が発射されダークライダーと共に魔女に命中した。
魔女は力が抜けるように地面に横たわり
ダークライダーは消失した。
「ありがとう…ダークライダー…」
私は一筋の涙を流した。
エミルは魔女に手をかざして魔方陣を召喚させると結界が光に包まれる。
???
周りにはお菓子が積まれており
チョコ、クッキー、ビスケットその他にもたくさんのお菓子があった。
「(だけど私が食べたいものがないのです)」
彼女が食べたいのは目の前にあるお菓子じゃない。
「(私はチーズが食べたいのです)」
チーズが食べたいがどこを探しても見つからない。
「(なんでチーズだけはないのですか?)」
彼女はチーズが食べたいのになぜないのかわからなかった。
「うわ…お菓子だらけだな」
声がする方向を見ると彼女よりも背丈がある少年が周りを見渡していた。
「お兄ちゃんは誰なのです?」
「僕は…契約者かな?」
「契約者?」
「君はキュゥべぇと契約して魔法少女になったんだよね?」
「そうなのです」
少女はうなずいた。
「ごめんね…僕は君のことを一度殺したんだ」
「私を?」
「魔女になった君を僕が殺した」
少女は警戒する。
「私をまた殺すのですか」
「違う。僕は君と契約したいんだ」
「なぜなのです」
「僕は君を絶望から救いたい」
自分を殺しといて助けたいと言い出した。
信じられるわけがない。
「お兄ちゃんの言うことは信用出来ないのです」
「そうだよね…僕が君を殺しといて救いたいって言っても信用しないよね」
少年は涙を流す。
「ごめんね。辛かったのに…僕が君のことを殺して…本当にごめんね…」
少女にもわかる。
本当はしたくなかったが仕方なくやった。
そのことを後悔するように泣いている。
「お兄ちゃん…泣かないで」
少女は少年にハンカチを渡す。
「ありがとう」
ハンカチを受けとると涙を拭いた。
「私もお兄ちゃんの気持ち分かるのです。私も魔女を殺したのです」
「君もなんだ」
「お兄ちゃんはなんで私と
契約したいのですか?」
「魔法少女の契約は絶望を産む」
「私も最後は絶望して魔女になったのです」
「だから僕は希望を産み出したいんだ」
「お兄ちゃんは私の希望になってくれるのですか?」
「君がそう望むなら」
少年は手を差し出す。
「チーズ…」
「…?」
「私はチーズが食べたかったのです。けどここはチーズがないのです」
「チーズが食べたいの?」
「食べたいのです」
「なら僕の先輩に頼んでチーズケーキを作ってもらおう」
「チーズケーキ?」
「僕の先輩はケーキ作るのが得意なんだ。それでチーズケーキ作ってもらってそれをみんなで食べよう」
「私もいいのですか?」
「もちろんだよ」
「なら…」
少女は少年の手に触れた。
「契約するのです」
少年が輝き出して少女を包んだ。
廃墟
結界がなくなると魔女が消えた。
エミルは魔方陣を召喚すると小学生ぐらいの女の子が現れた。
女の子は目を開けるとゆっくり身体を動かす。
「ここはどこなのです?」
女の子は周りを見渡す。
「大丈夫?」
「お兄ちゃんは誰なのです?」
「僕はエミル。君の名前は?」
「なぎさ…百江なぎさなのです」
「なぎさちゃんだね。今の君は魔法少女とは違う存在なんだ」
「魔法少女と違う?」
エミルは契約の内容を話した。
「それじゃあなぎさは…」
「もう魔女と戦わなくていいんだよ」
なぎさはおそるおそる聞く。
「お兄ちゃんはなぎさと契約したのですか?」
「そうだよ」
「お兄ちゃんがなぎさの希望になってくれるのですか?」
「僕がなぎさちゃんの希望になるよ」
なぎさは幸いにも帰る家があるらしく捜索届も出ていた。
エミル達はなぎさの家までついて行き彼女が家族と再開すると家族も同じように涙を流した。
「お兄ちゃん…もう行っちゃうのです?」
「うん、あとは僕達に任せて。なぎさちゃんはもうあんな怖いことはやらなくていいんだよ」
家族から離れるとエミルに抱き付いた。
「なぎさちゃん?」
「チーズ…」
「チーズ?」
「まだチーズケーキを食べてないのです」
エミルはなぎさがチーズを食べたいと言ってマミにチーズケーキを作ってもらうと約束したことを思い出した。
「マミさん…お願いがあるんですが」
「なにかしら?」
「なぎさちゃんのためにチーズケーキを作ってもらってもいいですか?みんなと一緒にチーズケーキを食べるってなぎさちゃんと約束したんです」
マミはクスリと笑うとなぎさの同じ顔の高さで話す。
「なぎさちゃん。私がとびきり美味しいチーズケーキを作ってあげるね。それでお祝いしましょう。なぎさちゃんおかえりパーティをね」
「はいなのです!」
なぎさは元気な声で笑顔をみせた。
魔物だって活躍するんだよ!