魔法少女まどか☆マギカ ラタトスクの騎士   作:如月ユウ

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ほむらが自己嫌悪中エミルも自己嫌悪していた


33話 自己嫌悪

「(僕は…最低だ)」

 

マミの家を出て自分が言ったことを後悔した。

 

「(本当はこう言いたくなかった。なぎさちゃんは普通の生活に戻ってほしいと言いたかった)」

 

彼女達はキュゥべえと契約して魔法少女という魔女になる化け物と戦う運命を課せられた女の子だと

 

彼女達の戦う意味を否定した。

 

マミは生きたくて

 

さやかは恭介の腕を治したくて

 

杏子は父親の話を聞いてほしくて

 

なぎさはもう一度チーズが食べたくて

 

ほむらはまどかを魔法少女にさせないようにするために

 

キュゥべえに命を捧げて死と隣り合わせの戦いをすることで契約した。

 

エミルはそれらを否定してしまった。

 

「(僕はもうみんなといないほうがいいかもしれない)」

 

今さら謝っても彼女達は受け入れるかわからない。

マルタは一緒に旅をしてお互いを理解していたからときに衝突しても決別することはなかった。

しかしまどか達とはまだ1ヶ月すら過ごしていない。

そんな人が彼女達の願いを否定して謝りたいなんて虫が良すぎる。

 

「(もう少しぶらつこう)」

 

家に帰っても自己嫌悪になる。

今は何も考えないでぶらぶらしたほうが良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に喉が渇いたりお腹が空いたりしてないがコンビニにはいった。

 

「(適当になんか買うかな)」

 

ペットボトルとお菓子を持って会計をしてもらおうとしたら会計の前で女の子がお金を落とした。

 

「あ…」

 

急いでお金を拾うがオロオロしてなかなか集まらない。

 

「はやくしてくれない~?」

 

「後ろつっかえてますよ~?」

 

「(そう思うなら手伝えばいいのに)」

 

何もしないで文句を言うカップルを睨んでエミルはお金を拾う。

 

「これで全部?」

 

「う、うん…」

 

女の子は拾ったお金を財布に戻した。

エミルはペットボトルとお菓子を会計してもらいお金を払ってコンビニを出た。

 

「待って」

 

コンビニを出るとさきほどの女の子がエミルを追いかけた。

 

「えっと…さっきはありがとう…」

 

「どういたしまして。それで僕になにか用?」

 

「その…ただお礼を言うのが遅れて…」

 

「お礼?」

 

「その…ごめんなさい…」

 

「なんで謝るのかな…?」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

女の子は目をそらして謝るとエミルはプッと笑ってしまう。

 

「わ、私なにかおかしいこと言った?」

 

「ごめん、昔の僕とそっくりだったから」

 

「昔の?」

 

「僕も君みたいにおどおどしてた頃があったからそれを思い出して」

 

「そ、そうなんだ」

 

「ごめんね。君のことを笑って」

 

「気にしないで」

 

「じゃあ僕は行くね」

 

彼女と話したおかげで少し気分が晴れた。

家に帰ろうとしたが彼女がエミルの手を掴んだ。

 

「も、もう少しだけ話してもいいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園

コンビニで話すわけにいかず公園のベンチに座った。

 

「それで話ってなんですか?」

 

「えっと…その…」

 

「あ、名前を言うのを忘れてたね。僕はエミル・キャスタニエ。見滝原中学校の二年生です」

 

「呉…キリカ。エミル君と同じ学校の三年生…」

 

「さ、三年生!?ごめんなさい!タメ口で話して!」

 

「い、いや!いいんだよ!私が言わなかったのが悪いんだから」

 

「けど先輩とタメ口で話すのは悪いですよ」

 

「そ、そうかい?」

 

「そうですよ呉先輩」

 

「エミル君が言うならそうかもね」

 

疑問に感じながら一応納得してくれた。

 

「エミル君はさっき昔の僕と似ているって言ってたけど本当なの?どうみても真逆だと思うんだけど…」

 

「ちょっと僕の昔の話してもいいですか?」

 

「う、うん」

 

「昔の僕は呉先輩みたいに臆病だったんです。自分の言いたいことが言えないで一人でうじうじして」

 

「それは昔の君だろ?今のエミル君は明るくて言いたいことをしっかり話してるじゃないか」

 

自虐的に言うとキリカは即否定してくれた。

 

「ありがとうございます先輩。そのとき僕に手を差しのべてくれた人がいました。その人からある言葉をもらったんです」

 

「ある言葉?」

 

「勇気は夢を叶える魔法。僕はこの言葉を信じたおかげで自分が変われました」

 

「すごく良い言葉だね」

 

「はい。もしその人と出会っていなかったらずっと臆病なままでした」

 

エミルは暗い表情をして地面をみる。

 

「私も君みたいになれるのかな?」

 

「なれますよ」

 

暗い表情が消えていつもの明るい表情に戻る。

 

「先輩が勇気を出せば出来ると思います」

 

そろそろ家に帰ろうとベンチから離れようとした。

 

「待ってエミル君」

 

キリカが呼び止めるとポケットからスマホを取り出した。

 

「良かったらメアドと電話番号交換してくれないかな?」

 

彼女の顔は少し赤くしていた。

 

「いいですけど…」

 

驚きながらもスマホを取り出してキリカと交換した。

 

「良かった…勇気を出して言ってみるものだね」

 

スマホを抱きしめながらエヘヘと笑っていた。

 

「じゃあ僕は行きますね」

 

今度こそ行こうとしたが

 

「エミル君!」

 

またキリカに呼び止められる。

 

「明日!また学校でね!」

 

先程うじうじしていた姿はなく年相応の笑顔を見せて手を振っていた。

 

「はい、また明日」

 

エミルも手をあげてそのまま帰路まで歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段は公園に行くことがなかったので家まで長い距離だった。

 

「こうしてみたら色んなものがあるんだな」

 

たまにまどか達と一緒に過ごすが放課後は基本どこにも寄らず家まで一直線で帰る。

 

「あれって…」

 

少し散策しながら家までの道のりを歩くと壁がスプレーで落書きされていた。

 

「えっと…税金泥棒?」

 

なんとなく壁に書いてある言葉を読んだ。

それ以外に汚職議員や酷い言葉などスプレーで書かれていた。

 

「ひどい…」

 

汚職議員と言われた人はなにをしたのか分からなかったがこんなことを書いてはいけないとエミルは思った。

それに壁にスプレーをかけるのは犯罪でもある。

 

「この壁をどうにかにしたいけど…」

 

夕陽はもう落ちていて蛍光灯から光が現れる。

 

「もう遅いから明日にしよう」

 

仕方ないが今日はこの壁の落書きを無視して家へ帰る。




今回からおりこ★マギカがはいります
キリカの性格が変わってますがエミルとの親近感を湧かせるために変えました
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