女学生の豪邸に招かれて客間に案内された。
「どうぞゆっくりなさってください」
客間に案内させるとエミル達はソファに座る。
「紅茶を用意しますので少しお待ちください」
女学生は扉を開けて客間を出た。
「なんかすごい部屋だよね…」
「えぇ…」
キリカとマミは少し戸惑っていたが
「こんな大きな屋敷に招かれるのは久々だなぁ」
「ゼロスの屋敷以来ですね」
エミルとテネブラエはそれほど驚いていなかった。
「エミル君は慣れてるの?こういう家とか」
「はい。以前仲…友達がこんな屋敷に住んでいましてたまに招待してもらったりしました」
「エミル君は本当はお金持ちの人じゃないのか?」
「いえいえただの庶民ですよ」
手を振って否定する。
「エミル様の仲間で貴族の者がいまして、屋敷に招待してもらったことがあるです」
テネブラエはキリカに聞こえないようにマミに耳打ちする。
「だからエミル君はそんなに驚かなかったのね」
「はい。このことはキリカさんには言わないでください」
「わかったわ」
女学生はティーセットを持って扉を開ける。
「お待たせしました」
テキパキとカップに紅茶を用意をする。
「砂糖とジャムがありますがどうしますか?」
「僕は砂糖を1つ」
「私はジャムにします」
「砂糖3つジャム3つ」
「私はなにもいれません」
エミル、マミ、キリカ、テネブラエがそう言うと女学生は紅茶に砂糖やジャムをいれてエミル達に渡し自分の分も用意してソファに座った。
「自己紹介しますね。私は美国織莉子と言います。白女学園に通っています三年生です」
「私は巴マミ。見滝原中学校の三年生です」
「呉キリカ…マミと同じ学校でクラスメイト…」
「エミル・キャスタニエと言います。マミさんと同じ学校で二年生です」
「テネブラエと申します」
「改めてまして言いますね。先ほど壁を綺麗にしてもらいありがとうございます」
織莉子は頭をさげた。
「あの…美国先輩はもしかしてあの美国議員の…」
「えぇ、お父様の名前は美国久臣。私は美国議員の娘よ」
あまり詳しくないが経費の改竄をしている噂をエミルは耳にした覚えがあった。
「美国先輩…気分を害すると思いますが…美国議員の賄賂疑惑は…」
「あんなのはデタラメです!お父様は一生懸命、国を変えようとしています。そんなお父様が賄賂のようなものなんて絶対しません!」
立ち上がって父親の不正疑惑を否定するとばつを悪そうに顔をふせる。
「ごめんなさい…はしたないところをお見せして…」
「謝るのは僕のほうです。美国先輩のお父さんを悪く言ったのですから」
織莉子はゆっくり座る。
「お父様は本当に真面目な方なんです。私はそのことを誇りに思っています」
「ならそのことを発表すればよろしいかと」
「こんなことを言っても誰も信用しません…」
自分の手を触れて暗い表情になる。
「いや、言うべきだよ」
「呉先輩?」
「織莉子のお父さんは国を変えようとしている。ならそのことをみんなに伝えるべきだよ」
「でも…」
「勇気は夢を叶える魔法なんだ!」
先ほどおどおどしていた姿はなくなり堂々した姿をしていた。
「この言葉はエミル君が私にくれた言葉なんだ」
「エミルさんが?」
「私はこの言葉のおかげで少しづつ変われるって感じた。勇気を出して言うことも大事なんだ。そのおかげでマミとも友達になれた」
「呉さん…」
マミは友達として認めてくれたキリカの言葉に胸をうたれた。
「今すぐとは言わない。けど言う勇気も必要なことだけは忘れないでほしいんだ」
キリカの言葉で織莉子は決意した。
「お父様を説得してみます。このままにしても事は変わらないと。お父様の気持ちを皆さんに伝えるべきと」
織莉子はエミルに頭をさげた。
「ありがとうございますエミルさん。私は何が出来るか分かりました」
「僕じゃなくて呉先輩にお礼言ってください」
「なに言ってるんだよエミル君。エミル君が私にくれた言葉のおかげでこう言えたんだよ?」
「キリカがこう仰ってますよ?」
「ここは折れるべきですよエミル様」
「えっと…その…はい」
エミルは折れてお礼を受けとる。
「そうだ、食事はまだですよね?皆さんの分も用意します」
「あの、いいのですか食事まで?」
「いえ、これぐらいのおもてなしはさせてください。お客様の分も作ってほしいと言ってきます」
織莉子は客間を出た。
「これは一本取られましたねエミル様」
「ふふん」
「ははは…」
キリカは鼻をならして威張っている姿をエミルはただ笑うしかなかった。
「呉さん、私のことを友達って言ってたけど」
「えっ、友達でしょ?」
当たり前のことだとキリカは思っていた。
「そのね…友達って言ってくれたときすごく嬉しかった。私、エミル君と会うまでずっと一人だったから…」
「マミは高嶺の花だからね。まあ私もボッチだったからあまり人のこと言えないけど」
「そうなんですか?」
「そうなのってエミル君知らないのかい?」
「日本語覚えるのに必死でして」
「ずっと気になったけどエミル君は海外育ち?」
「一昨年に親の都合で日本に来ました」
「海外の学校はどうなの?」
二人はエミルが通っていた学校に興味津々だった。
「僕がいた国は学校に下駄箱はありませんでしたね」
「もしかして靴を変えないで授業受けたの?」
「はい。あと掃除もありませんでした。教室で給食を食べませんでしたし食べるときは食堂に行って食べてました」
「食堂で食べるのね」
「あと留年がありましたね」
「り、留年!?」
留年という言葉でキリカが驚く。
「もし成績が悪かったらもう一度その学年で勉強しないといけません」
「エミル君は勉強は出来るほうなの?」
「えっと…あまりできません。ですので日本に移住して良かったと思ってます。留年あるのは高校生だけなので」
「私が勉強教えてあげるね」
「マミさんは出来るほうなんですか?」
「成績は良いほうよ。みんなの手本にならないとね」
「私はそこそこ…かな?」
自信なさげに言っているので多分あまり良くない成績だろう。
「みなさん、食事の用意が出来ました」
織莉子が食事が出来たことを伝え、エミル達は客間から出る。
少しやり過ぎ感がありました
エミルが通っていた小学校についてですがアメリカの学校にしました