魔法少女まどか☆マギカ ラタトスクの騎士   作:如月ユウ

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37話 犠牲が必要ならそれを否定する

織莉子の屋敷

玄関前

 

「食事までありがとうございます美国先輩」

 

「いえ、皆さんにはお世話になりました。これぐらいは当然です」

 

あれから食事をして時間がかなり経った。

外は真っ暗に染まっていた。

 

「機会があればまた来ます」

 

「あのエミルさん」

 

帰ろうとしたら織莉子はスマホを出した。

 

「もしよろしかったらメールアドレスと電話番号を教えてもらえますか?」

 

「いいんですか?美国議員の家族の電話番号を交換してもらっても…」

 

「私にとってエミルさんは特別なんです!」

 

「と、特別って…」

 

「もちろんキリカとマミも交換してくださいますよね?」

 

「いいんですか?美国議員の家族の人と交換しても…」

 

マミもエミルと同じように交換してもいいのかと感じた。

 

「私達は友達です。友達とは連絡し合うものですよね?」

 

「織莉子がこう言ってるからいいんじゃないかな?」

 

キリカはスマホを取り出して交換した。

 

「ほらエミル君とマミも交換しよう」

 

キリカに流されるまま織莉子と交換する。

 

「また来る際はぜひいらしてください」

 

「はい。美国先輩また…」

 

「出来れば…織莉子と呼んでください」

 

「えっと…織莉子先輩」

 

「呼び捨てでもいいですよ」

 

「いえ、先輩なんですから呼び捨てなんか出来ませんよ」

 

「なら織莉子さんと呼んでください」

 

「それなら…織莉子さんまた遊びに来ます」

 

「はい、お待ちしてます」

 

エミル達は帰路まで歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織莉子side

「エミルさん…」

 

不思議な方だった。

まだ会って間もないのにとても親密になれた。

 

「キリカが言ったあの言葉…」

 

勇気は夢を叶える魔法

 

エミルさんからもらった言葉だと

エミルさんが考えた言葉と思っても納得がいく。

 

「よし、お父様を説得しないと」

 

この言葉を嘘だと信じたくない。

お父様の誇りをみんなに分かってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリカのことはマミに任せてエミルは自宅に帰ると玄関にはほむらがいた。

 

「遅かったわね」

 

「ほむらさん…」

 

「用事は終わったのでしょ?はいっていいかしら?」

 

 

 

 

リビング

「それで呉先輩を殺す計画を立てるのですか?」

 

「それとは別よ。今回は呉キリカのことについて話にきた」

 

否定してもエミルは信用しないと考えたほむらはまどかを殺したキリカと織莉子について説明する。

 

「あなたがいない時間軸で美国織莉子という魔法少女といたわ」

 

「美国って…あの美国議員の…」

 

「えぇ。呉キリカは彼女の手下よ」

 

信じたくなかったがほむらは未来から来た存在だと理解しているエミルは言葉が出なかった。

 

「美国織莉子はまどかが魔女になる未来を見た。まどかを魔女に…いえ魔法少女になる前に殺害した」

 

まどかを殺した二人に恨みがあるのか憎しみがこもっていた。

 

「魔法少女になった理由はわかる?」

 

「いえ…それはわからないわ」

 

「それがわかれば魔法少女にさせないで解決出来たのに…」

 

「魔法少女にさせない?」

 

「織莉子さんと呉先輩を魔法少女にさせなければ鹿目さんを殺されないと思う」

 

「ダメよ。魔法少女の素質があるあいつらは始末しないと」

 

まどかが殺されたことを経験したほむらはキリカと織莉子を殺害することを譲らなかった。

 

「ほむらさん1つ質問してもよろしいでしょうか?」

 

「なにかしら?」

 

「1人を犠牲にして100人が助かるのと100人を犠牲して1人が助かる。どちらが正しいと思いますか?」

 

「それは1人が犠牲になって-」

 

「それがまどかさんでもあってもですか?」

 

「っ…」

 

「以前旅をしていたときこの質問をされました。エミル様はどう答えたと思いますか?」

 

「いえ…わからないわ」

 

1人を犠牲にして100人が助かることが間違いだと言われたほむらには分からなかった。

 

「もしかしたら101人助かる可能性があるかもしれないんだ」

 

エミルの発言に耳を疑った。

端からみればとんでもない持論だ。

 

「エミル…それ本気で言ってるの?」

 

「僕は本気で言っています。1人を犠牲にして100人が助かってもその1人が犠牲になるのはおかしい」

 

その1人が犠牲になったらその人の大切な仲間が悲しむ。

 

「ほむらさん。今のあなたは僕と同じ間違いをしようとしている」

 

「同じ間違い?」

 

「僕は家族の仇であるロイドを殺そうとした。けど真実を知ったときロイドは僕と同じように世界を救おうとしていた。僕の家族じゃなかったけどロイドはその家族を殺してなかった」

 

「…」

 

「ほむらさん。あなたは織莉子さんと呉先輩が鹿目さんを殺されたから過去に戻って二人を殺そうとするのは間違いなんだ」

 

この後ロイドならこう言うだろう

 

目的のために犠牲が出てもいいなんて思えないし死んでいい命なんてない

死ぬために生まれる命なんてあってはいけないんだ

 

だがエミルはロイドじゃない

なら彼はどう言う?

 

エミルはこう答えた

 

「お互い分かり合えるんだ。たとえすれ違っても歩み寄っていけば必ず納得いく答えが見つかる」

 

「そんなの無理よ!そんな-」

 

「そんなこと出来るわけないと?」

 

ほむらが思ったことをエミルが口にする。

 

「それは一人で考えているからだよ。一人で解決出来ないなら二人で。二人で無理なら三人、四人と考えれば必ず見つかる」

 

真実を話したあのときのようにエミルはほむらに手を差し伸べる。

 

「僕は誰一人犠牲にしない。それが間違いなら僕はそれを否定する」

 

「どうして…どうしてそんな風に考えられるの?」

 

ほむらには理解出来なかった。

なぜまどかを殺そうとしている人なのにその人も助けようとするのか。

 

「呉キリカと美国織莉子はまどかを殺そうとする存在なのよ?なんであんなやつも…」

 

「ほむらさんが織莉子さんと呉先輩を憎む気持ちも分からなくもない」

 

「だったら!」

 

「二人と会ったからだよ」

 

「大丈夫だったの!?あの二人になにかされなかった!?」

 

「落ち着いてほむらさん」

 

ほむらは驚いてエミルの身体に触れるとエミルは彼女の腕を掴んで落ち着かせる。

 

「二人は『まだ』魔法少女じゃない。ならそのまま魔法少女に『させない』ことだって出来るんだ」

 

「魔法少女にさせない?」

 

「鹿目さんと同じように魔法少女にさせなければ鹿目さんを殺すことはしない。彼女達も魔法少女という過酷な運命に囚われることもない」

 

その瞳には揺るぎはなかった。

ほむらはゆっくり手を触れた。

 

「エミルには勝てないわね…戦いでも言葉でも」

 

「言ったでしょ?みんなを救うって」

 

「あなたが言うとなんとなく出来そうな気がする」

 

負けを認めたが気持ちが晴れた気分だった。

 

「(呉キリカと美国織莉子が魔法少女にならないなら手出しはしない。もし魔法少女なったら…そのときは…)」




ほむらはまだ織莉子とキリカの殺害は諦めていません
魔法少女になったら今まで以上に執拗になります
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