魔法少女まどか☆マギカ ラタトスクの騎士   作:如月ユウ

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レトルトよりも人が作ったご飯のほうが美味しいですよね


38話 優しさと暖かさ

「ほむらさんは今までずっと家の前で待ってたの?」

 

「いえ、さやかと佐倉杏子と魔女退治をしたあとエミルの家に向かったわ」

 

「もしかしてご飯食べてない?」

 

ほむらのお腹からぐぅ~と鳴った。

 

「食べてないわ…」

 

顔を真っ赤にして身を縮こませる。

 

「ちょっと待ってね。今、簡単なもの用意するから」

 

エプロンを付けてキッチンに行き料理を作る。

 

 

 

 

 

 

 

 

テーブルには茶碗に盛られた白米。卵焼きとウィンナー。お碗には豆腐の味噌汁が置かれていた。

 

「エミルは食べないの?」

 

「織莉子さん家で食事したから遠慮しないで」

 

「そ、そう…ならいただくわ」

 

箸を持ってほむらは食事をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほむらside

本当は美国織莉子と呉キリカを殺す手立てを一緒に考えるつもりだったのだが

 

 

 

 

 

ほむらさんは僕と同じ間違いをしようとしている

 

 

 

 

 

 

間違い?

いえ、あの二人を殺すのは間違いじゃない。

あいつらはまどかを殺した。

あの時もしかしたらワルプルギスの夜を倒せるかもしれないと思っていたのに

 

 

 

 

 

 

歩み寄っていけばお互い納得いく答えが見つかる

 

 

 

 

 

 

答えが見つかる?

あいつはまどかが魔女になるのを防ぐ為、殺すことしか考えなかった。

そんな考えしかしないやつが納得する答えなんてあるはずない。

 

 

 

 

 

 

もしかしたら101人助かる可能性があるかもしれないんだ。

 

 

 

 

 

 

そんなの不可能よ

私はまどかを助けるために他を犠牲にした。

それがまどかを救う方法だっただから

 

 

 

 

 

 

一人で解決出来ないな二人で。二人で無理なら三人、四人で考えれば必ず見つかる

 

 

 

 

 

 

 

それが出来るならこんなに苦しい思いなんてしなかった!

魔法少女の真実を話しても誰も信じてくれなかった。

 

だから私は…

 

 

 

 

 

 

 

「ほむらさん?泣いてるの?」

 

「えっ…」

 

エミルに言われると水のようなものが頬に触れていた。

 

「もしかして不味かった?」

 

なんで…エミルはそんなに…

 

「いえ、美味しいわ…心に響くぐらい…とても…」

 

こんな考えしか出来ない私には食べる資格なんてない。

 

エミルが作る料理は暖かい。

 

エミルが作ったお弁当が食べたいから学校に行っているんじゃないかって最近思いはじめた。

 

「とても美味しいわ…」

 

私は泣きながらご飯一粒残さずに食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べたあとソファに座ってくつろいでいた。

エミルは私が食べ終わった食器を洗っている。

 

「(不思議ね…)」

 

本当ならワルプルギスの夜の対策をしなければいけないのに今はゆっくりしていたい気分。

 

「(エミルがいたから気持ちに余裕を持てたのかもしれない…)」

 

この時間軸でエミルと出会ったときは驚きの連続だった。

本来ならまどかが保健委員なのにエミルが保健委員になって

巴マミが魔女に殺されるはずなのにエミルが倒して

さやかが佐倉杏子に倒されるはずだったのにエミルが勝ち

魔法少女の真実を聞いた巴マミが自決するのを止めて

決闘の際さやかのソウルジェムが離れると思ったのにそれを防いだ

さやかが上条恭介に告白して

魔女になる運命だったのに元の魔法少女に戻したり

新たな魔法少女が現れたり

 

エミルがいたおかげで誰一人犠牲にならないでここまでこれた。

 

「(エミルがいればワルプルギスの夜も…)」

 

そう考えた瞬間身体全身から寒気を感じた。

 

「(ワルプルギスの夜を倒したらエミルはどうなるの?)」

 

エミルは本来この世界にはいない。

ワルプルギスの夜を倒したらエミルはどうなる?

もし倒した瞬間エミルがいなくなっていたら…?

 

「ほむらさんこれ飲んで」

 

洗い物が終わったエミルは私にココアを渡すと私はそれを飲む。

 

暖かい

 

「エミル」

 

「なに?」

 

「もしワルプルギスの夜を倒したらあなたはどうなるの?」

 

考えるより直接聞いたほうがいい。

それが残酷な結果であっても

 

「それは…わからない」

 

「そう…」

 

いえ…嘘ね

エミルはこの世界の人じゃないから…私があなたをこの世界に呼んだのだから…

 

「ねぇエミル…」

 

多分これ以上答えないと思う

だから今は違うことを言う。

 

「今日…泊まっていいかしら?」

 

「えっ?」

 

「今日誰も家に帰って来ないの?いいかしら?」

 

「まあ…いいけど…」

 

「ありがとう…」

 

あれから特に話すことはなく時間が過ぎていく。

なにか話題の1つを話せば良かったけどあいにく私が話せる話題はなにもなかった。

ふと疑問というより少し気になったことを思い出した。

 

「エミル、少し聞きたいことがあるけどいいかしら?」

 

「なに?」

 

「契約について聞きたいの」

 

「契約?」

 

「あなたの契約は魔女になっていない魔法少女にも通用するの?」

 

エミルの契約は魔法少女にとって救済と言っても過言ではなかった。

魔女から魔法少女に戻り制限があるもの魔女には二度ならない。

もし魔法少女のまま契約して魔女にならないで戦えるなら魔女になっていない私達も契約する価値がある。

 

「それはわからない。それに魔女と契約して魔法少女に戻る自体が偶然だから」

 

「そうよね…」

 

少し焦ったわね。

エミルの契約は魔女にならないと結論していた。

それに関してはワルプルギスの夜のあとにゆっくり考えよう。

けどもう1つ聞きたいことが思い付いた。

 

「マルタって人もエミルと契約したの?」

 

「契約というより呼ばれたからかな」

 

「呼ばれた?」

 

「マルタが僕には助けを求めたんだ。僕はそれに答えて…偽物のラタトスクを…」

 

「ごめんなさい…私はそんなことを言いたくて言ったんじゃ…」

 

「気にしないでとは言えないかな。僕のせいでマルタが危険な目にあったから」

 

後悔というより悲しんでいるわね

自分の身勝手なせいでマルタって人を

 

「そのラタトスクコアはどれくらいすごいの?」

 

「人間でも魔術を使えることが出来るんだ」

 

「そうなの?」

 

「基本魔術が使えるのはエルフとハーフエルフだけなんだ。マルタは人間だからラタトスクコアがなければ普通の女の子」

 

「エルフ?」

 

「僕の世界にはエルフやハーフエルフ以外にドワーフという手先が器用な種族がいるんだ」

 

「不思議な世界ね」

 

前の私なら素っ気なく返すが今の私は興味が湧いていた。

別の種族がいる世界なんて空想の話だったから

 

「ドワーフってなにが器用なの?」

 

「工芸品や遺跡の修復とかしているらいし」

 

「工芸品?」

 

「見たことはないけど色んな物をつくれるんだって」

 

「見てみたいわね。その工芸品」

 

「ほむらさんが僕の世界に来れればね」

 

もし行けるならエミルがいた世界にも行ってみたい。

エミルがいた世界はどんな人が住んでどんな生活をしているか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほむらさん客間に布団しいたから」

 

「ありがとうエミル」

 

ソファから起き上がり私はエミルがしいてくれた布団がある客間に行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

客間

「なんであんなこと言ったのかしら…」

 

あのとき泊まると言ってしまったかわからなかった。

 

「私はエミルに特別な感情はないのに…」

 

本当にそうなのかしら…?

ならなぜ泊まっていいか聞いたのか?

 

「エミルと一緒にいたかったから?」

 

最近のエミルはさやかの修行で会うことは少なくなってしまったが…

 

「だからなのかしら…私が泊まりたかったのは…」

 

エミルと一緒にいると心強い

誰より戦い慣れて

みんなをまとめてくれて

一人一人ちゃんと声をかけて

 

私にはない強さを持ってる

それに惹かれたかもしれない。

 

「もしエミルがいなかったら…」

 

巴マミは魔女に殺され

さやかは絶望して魔女になり

佐倉杏子はさやかと一緒に心中

まどかは魔法少女に…

 

「いや…」

 

みんないなくなるのはもういや…

ようやく…ようやく私が求めたものが…

誰一人欠けずにみんなで過ごせる未来が…

 

「エミルがいたから…」

 

エミルならあの永遠の迷路を終わりにすることが…

 

「けどエミルはどうなるの?」

 

みんなと過ごせる未来にエミルはいるの?

エミル一人だけいなくなるの?

 

「それもいや…」

 

エミルも一緒にいてほしい。

 

 

 

 

 

 

いてほしい?

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ…」

 

なんて言えばいいのかしら

心が暖かくなるような

力が抜けていくような

まるでぬるま湯に浸かっているような気分

 

「私…エミルのこと…」

 

好きなのかもしれない

 

こんな歪んだ私を理解して手を差しのべてくれて

私のことをみてくれたことがとても嬉しかった

 

「エミル…」

 

今なら彼に近付くことも出来る

エミルの暖かさに触れたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エミルの部屋

私はエミルの部屋に入ると彼はベットに寝ていた。

 

「一緒に寝てもいいよね…?」

 

頭ではなにも考えずベットにはいる。

 

「暖かい…」

 

エミルの体温が私に伝わってきて身体だけじゃなくて心まで暖かくなる。

 

「私はこの暖かさを求めていたかもしれない…」

 

誰かに優しくされることはなかった

もしその優しさに甘えたら一人で生きていられなくなるかもしれないから

 

「けどエミルなら…」

 

エミルだったらいいかもしれない

あの優しさは他の人には絶対ない優しさだから

 

「ふふっ…」

 

巴マミがエミルのために戦うのがわかる気がしてきた

こんなに優しくされたら離れなくなってしまう

 

「今だけでいいから一緒にいていいよねエミル…」




まどマギのなかでほむらが一番依存しやすいのかと思います
マミさんもかなり依存しやすいですがほむらの場合だとまどかの為に何度も時間を繰り返して一人で戦って誰にも理解されず孤独に耐えて
優しさや愛情に飢えていたときエミルが親身に接したことで好意を抱いたのではないかと思います
マミさんもほむらも愛情に飢えていると考えてます

エミルの存在が二人とって心の支えで在り所ですから

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