朝起きると布団が暖かかった。
それは当たり前なのだが1つ疑問に感じたのは人肌を感じた。
1人で寝ているのにおかしいと思い布団をひっぺがすと
「さむい…」
客間に寝ているほむらが自分のベッドにはいっていた。
「ほ、ほむらさん!どうして僕のベッドにはいっているんですか!」
「えっと…夜、トイレに行きたくなって。戻るとき寝ぼけてエミルの部屋に入ったかもしれない」
自分からはいってきたと口が裂けても言えない。
「あ、そうなんだ」
彼女の嘘にエミルは疑問を感じなかった。
「ほむらさん…なぎさちゃんのことなんだけど」
朝ご飯を一緒に食べているときエミルはなぎさのことについて聞いてきた。
「心配しないであれから百江なぎさは魔女退治に参加させてないわ」
「いや違うんだ。ワルプルギスの夜のことで聞きたい。なぎさちゃんを戦力として参加させたいんだよね?」
「えぇ、けどあなたは百江なぎさのことを心配しているから参加はさせない」
あの言葉が胸に突き刺さったのかお茶会のあとからなぎさには魔法少女と同じ戦いはさせてない。
エミルは悩んでいるが意を決したのかほむらに話す。
「ほむらさん。ワルプルギスの夜を倒せばなぎさちゃんはもう戦わなくていいんだよね?」
「そうね。ワルプルギスの夜を倒せればあとはどうなってもいい」
「それなら…なぎさちゃんを魔女退治に参加させてもいいよ」
「本当にいいの?」
エミルの発言にほむらは驚く。
自分達より年下の子供を戦わせたくないと思っているエミルがなぎさを魔女との戦闘にさせて良いと言った。
「その代わりワルプルギスの夜を倒したあとは二度と魔女退治をさせないとここで誓って」
「もちろんよ」
「ありがとう」
エミルは安心したように微笑む。
「(やっぱりエミルは優しいわね…)」
安心しきったエミルの姿にほむらは優しく微笑んだ。
食器を洗い終わり学校に行く準備をしたあと玄関を出ると家の前にはマミがいた。
「おはようございますマミさん」
「おは…暁美さんどうしてエミル君の家に…?」
「昨日エミルの家に泊まったのよ」
「泊まった?」
マミの表情が固まった。
「エミル君…暁美さんを泊めたの?」
「はい。暁美さんが泊まりたいって言ってきまして」
「ねぇ、エミル君…もしかして暁美さんが来るのを知ってたから呉さんのことを…」
マミの声のトーンが低くなる。
「それは…」
「勘違いしないで巴マミ。エミルは私が来るのを知らなかった。私が勝手にエミルの家の前で待ってたの」
これ以上は不味いと思ったほむらはすかさずフォローにはいる。
「本当にエミル君?」
「は、はい。ほむらさんが家の前にいるとは思わなかったので」
嘘は言っていない。
ほむらは連絡をしないで家の前で待っていたのでエミルが知るよしもない。
「そうなの…そうよね…」
固まった表情が解け、納得するようにうなずいた。
「エミル君がそんなことするはずないものね…」
なにか納得するといつものマミに戻り、笑顔をみせる。
「ごめんなさい私ちょっと勘違いしちゃって」
「それじゃあ行きましょうか」
エミル達は学校の道のりを歩く。
「エミル君が暁美さんを呼ぶはずないものね…」
午前の授業が終わるとマミはキリカを連れてエミル達がいる教室に行く。
「エミル君、今日は一緒に…」
ほむらは鋭い眼孔で睨みキリカはマミの後ろに隠れてしまう。
「ひぅ…」
「ほむらさん。呉先輩を怖がらせちゃ…」
「ごめんなさい…けどあいつだけは…」
「私…君になにか悪いことをしたかい?」
「いえ、まだなにもしてないわ」
「そ、そうかい…」
ビクビクしながらマミの背中からひょっこり顔をだすがすぐ隠れてしまう。
「暁美さん。今日は呉さんと一緒にお昼とっていいかしら?」
「構わないわ」
ほむらはこれ以上いたくないのか教室を出る。
「エミル君。暁美さんのことお願いしてもいいかしら?」
「わかりました」
屋上
「ほむら、あの人…呉先輩だっけ?あんたになにかしたの?」
マミはキリカと一緒にいるので屋上では4人でお弁当を食べていた。
「いえ、呉キリカはなにもしていないわ」
「ほむらちゃん。なんであんな怖い顔したの?呉先輩すごく怯えてたよ」
「というか昨日とか銃取り出してかなり怒ってたじゃん」
「気に入らないのよ」
「気に入らない?」
エミル達は首をかしげる。
「人の目をみて怯えてまるで」
昔の私に似ているからよ…
魔法少女ではない頃のほむらは自分に自信を持てずオドオドしていた。
キリカを見ているとまるで自分自身を見ているんじゃないかと錯覚してしまう。
「それとさエミル。いい加減あたし達のこと名前で呼んでくれないかな?」
「いきなりだね」
「いやだってあたしとまどかは付き合い長いのに苗字じゃん。付き合い短いほむらとかマミさんは名前で呼んでるし」
「二人に名前で呼んでって言われて」
「ならあたしのことさやかって呼んでよ」
「さやか…さん」
「なんで呼び捨てじゃないの…」
「エミルに呼び捨てで呼んでと言っても無理よ。彼なりの意地らしいわ」
「ちぇ~」
「エミル君…私のことまどかって呼んで?」
「まどかさんでいいかな?」
「エミル君がそれでいいならいいよ」
「まどかを見習いなさいさやか。まどかは呼び捨てでいいと言ってないわよ」
「ひいきだ!えこひいきだ~!」
快晴の空のなか、さやかは叫んだ。
放課後
授業が全て終わり魔女退治に向かおうとしたらキリカが教室にきた。
「エミル君ちょっと時間あるかい?」
「えっと…」
ほむらに視線を送ると彼女はため息をついてテレパシーを送る。
「(魔女退治は私達に任せて行きなさい)」
「(ありがとうほむらさん)」
「大丈夫ですよ呉先輩」
「良かった。今日の放課後織莉子が呼んでてね」
「織莉子さんが?」
「なんか大事な話があるんだって」
エミルはキリカと一緒に教室を出た。
織莉子の豪邸
客間
「すみません。急にお呼びして」
紅茶を淹れるとエミルとキリカの前に置いた。
「それで話ってなんですか?」
「昨日お父様に説得しまして。今日会見を開いたのです」
「開いたって?なんで?」
「お父様のことをみなさんにわかってもらうために賄賂疑惑を否定して宣言したんです。必ず自分を陥れようとした人物を捕まえると」
「おぉ…大胆に言ったね」
キリカは驚きながら紅茶を飲む。
「エミルさん。キリカ、本当にありがとうございます。お父様が会見を開いて賄賂疑惑の否定をすることを発言できたのは」
「織莉子さんのお父さんは自分の意思で言ったんですよ。僕達はなにもしていません」
「いえ、二人のおかげです。エミルさんの言葉とキリカの後押しのおかげでお父様が会見の前に立てたのです。二人がいなければお父様はずっと疑われてその苦痛で…」
「織莉子さん」
エミルは織莉子の手を握る。
「織莉子さんのお父さんは勇気を出して言ったんです。僕達はただきっかけを作っただけですよ」
「エミルさん…」
「ちょっとお二人さ~ん。良い雰囲気だけど私もいるよ」
キリカはエミルの腕に絡み付く。
「く、呉先輩?」
「いちゃつくのもいいけど私もいれて欲しいな」
「いちゃつくって…」
「嫉妬したのキリカ?」
「し、嫉妬してない!私だけ仲間はずれなんて酷いじゃないか!」
「まるで子供ね」
織莉子はくすくす笑うとキリカは顔を真っ赤にする。
「子供じゃない!」
「呉先輩。年齢的からみて僕達まだ子供ですよ?」
「いや、そういう意味じゃなくてね…」
それからお茶会は続いて空は夕焼けに染まる。
「織莉子さん。時間があればまた来ます」
「はい。エミルさんまたいらしてください」
「織莉子、私は~?」
「キリカもいつでも来ていいからね」
少し拗ねているキリカに織莉子はふふっと笑った。
マミさんがちょっと怖い