「さやかちゃん。今日も魔法少女見学ツアーに行こう。」
「あ、ごめん。今日はちょっと用事があるから」
「もしかして上条君のお見舞い?」
「うん、だからマミさんにごめんって言っといて」
「わかった」
まどかは一人で教室に出る。
下駄箱に行くとエミルと出会う。
「あれ、美樹さん。鹿目さんと一緒じゃないの?」
「今日は恭介のお見舞いに行くの」
「僕もいいかな?最近会ってないから様子をみようかなって」
「いいよ、恭介喜ぶと思うし」
エミルとさやかは一緒に学校を出て病院に行く。
見滝原病院に着いて恭介がいる病室にはいる。
「さやか?エミルも来たんだ」
「久しぶり恭介」
ベットに寝ていた恭介は上半身を起き上がらせる。
恭介は日本に移住したエミルに日本語を教えてくれたり日本の文化を見せてくれたりした。
お互い呼び捨てで呼び合いエミルにとって親友のような存在。
「ちょっと気になってね。邪魔だったかな?」
「ううん、お見舞いはさやかだけだったからエミルが来て嬉しいよ」
「ちょっと、私が邪魔って言いたいの?」
「ごめんごめん。そういう意味じゃないから」
さやかは詰め寄ると恭介は片手で謝る仕草をする。
「あ、そうだ!恭介これ」
バックからCDを取り出して恭介に渡す。
「ありがとうさやか」
「いいのいいの。さっそく聴こ!」
CDプレイヤーにいれて音楽聞く。
誰も話さずただ曲を聞くだけで時間が過ぎる。
「じゃあね恭介」
「時間があればまた来るよ」
「うん、またね」
恭介の病室を出る。
「恭介まだ治らないの?」
「うん…お医者さんから聞いたけど…難しいって…」
恭介は事故に遭い片手を負傷し二度とバイオリンを引けない身体になってしまった。
「もし魔法少女になるなら恭介の腕を治してもらおうかなって考えているの」
「そうなんだ」
「昨日マミさんの魔法少女見学ツアーに行ったけど少し怖かった。使い魔が私達を襲ってきたけどマミさんが助けてくれて」
「使い魔…化け物と戦うのはそうとう勇気が必要だよね」
テネブラエと出会わなかったらこんな事は言わないだろう。
エミルは自分がいた世界で魔物と戦っていた。
だからマミが魔女と戦うのにすごい勇気を持っていると思っている。
「これ以上マミさんに迷惑かけたくないし契約しようかなって考えてるの」
「まだ恭介の腕が治らないと決まった訳じゃないし、ゆっくり考えなよ」
「そうね…」
病院の入口を出ると黒い玉のような物が病院の壁に刺さっていた。
「これはなに?」
「グリーフシード!なんでこんなところに!」
「グリーフシード?」
「魔女を倒したら落とすやつなんだ。それと魔女の卵だから孵化するんだ」
いつのまにか二人の近くにキュゥべぇがいた。
「産まれる!?」
産まれるということは魔女が出てくるんじゃないのかとエミルは思った。
「ど、どうしよう!」
「まどかに連絡するわ!」
さやかはスマホを取り出してまどかに電話する。
「もしもしまどか、大変なのグリーフシードが!えぇ…うん、お願い!」
さやかは通話を切る。
「まどかがマミさんを呼んで来るって」
「僕達はどうすれば…」
「このまま放ってはおけない。卵が孵化しないか見張るわよ!」
「えぇ!」
「男でしょ!女の子をほったらかしにして逃げるの!?」
「わ、わかったよ!僕も見張るから!」
エミルはさやかと一緒に見張ろうとしたら魔女の結界にのまれる。
「これって…」
「魔女の結界ね」
周りにはお菓子があり、床や壁もお菓子で出来ていた。
「(エミル様。)」
「(テネブラエ!?)」
頭の中からテネブラエの声が聞こえる。
「(テネブラエどこにいるの?)」
「(あなたの隣にいます。見られたら不味いので姿を消しています。) 」
エミルは周りを見ると透明だが輪郭だけ見え、テネブラエがいることを確認する。
「(姿が見えないのに声を出したらおかしいのでエミル様にテレパシーを通して話しかけています)」
「(そうなんだ。良かった無事で…)」
「(あのキュゥべぇという魔物。私達センチュリオンと同じように人の言語を理解しているようですね)」
「(テネブラエも見えるの?)」
「(はい。もしかしたらマナ…この世界でいう魔力が反応して見えるのでしょう)
」
「(だから僕も見えたんだ)」
「(それよりどうします。このままだとグリーフシードという卵が魔女になるそうですよ?)」
「(わかっているけど…僕達二人じゃなにも…)」
「(エミル様だけなら大丈夫です)」
「(契約しろって?)」
「(はい。エミル様が契約してグリーフシードを破壊すれば…)」
「(けど僕は…)」
「(逃げてはいけません。今のあなたはラタトスクとして目覚めたのです)」
「(だけど…)」
「さやかちゃん!」
後ろからまどかと魔法少女に変身したマミが来た。
「大丈夫二人とも!」
「は、はい」
「マミさんグリーフシードがあって…」
「わかってるわ。私に任せて」
グリーフシードが孵化して魔女が現れる。
キャンディのような顔をしだぼだぼの服を着てマントを羽織っていた。
「(これが魔女…かわいらしいですね)」
「(感心している場合じゃないよ)」
マミはマスケット銃を召喚させて魔女を撃つ。
魔女は反撃せずにただマミの攻撃を受けている。
「すごい…これが巴先輩の力…」
エミルはマミの攻撃に見惚れていた。
テネブラエは魔女の動きに疑問を感じる。
「(エミル様。魔女の様子がおかしいです)」
「(おかしい?)」
「(普通なら攻撃の一つぐらいはすると思いますがあの魔女はなにもしてません)」
「(それがどうしたの?)」
「(推測ですがあの魔女は相手を油断させていると感じます)」
「(じゃあ…)」
「(あのマミという魔法少女が返り討ち…最悪死ぬ可能性が…)」
「(そんな!)」
「(エミル様!はやく契約しないと彼女が!)」
「(けど…)」
「(リヒターが言った言葉を思い出してください)」
勇気は夢を叶える魔法
えっ?
昔、頭のネジが緩んだ人間がほざいていた台詞だ。
「(そうだ…僕が今、生きているのは勇気を持って立ち向かったからだ。巴先輩だって勇気を持って魔法少女になったんだ)」
「(エミル様…)」
「(テネブラエ、僕はもう逃げない)」
「(わかりました)」
マミは魔女をバットのフルスイングのように振り、魔女を吹き飛ばす。
「これでとどめ!」
マミはマスケット銃を巨大化されて魔女を狙う。
「ティロ・フィナーレ!」
巨大な砲弾が発射され魔女が撃たれる。
魔女の口からピエロのような芋虫が出て来てマミの目の前に近づいた。
「えっ…」
マミを食べようと口を大きく開いた。
「やらせるかぁぁぁぁぁ!!!」
背後からエミルの声が聞こえ黒い物体が目の前に現れる。
「『砕覇双撃衝』!」
突進して剣を突き、斬りつけたあと衝撃波が放たれ魔女が吹き飛ぶ。
「先輩大丈夫!?」
魔女を吹き飛ばしたのはエミルだった。
「え、えぇ…」
「ここは僕に任せてください」
「でも…」
「大丈夫です。戦いには慣れてます」
魔女は体勢を整えた。
「はやく行って!」
「わかったわ…」
マミはまどか達のところへ行く。
「さあ、次は僕が相手だ」
エミルは剣を構える。
リヒターさんってエミルにとってマミさんみたいに憧れの存在ですよね