魔法少女まどか☆マギカ ラタトスクの騎士   作:如月ユウ

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41話 言葉の履き違い

路地裏

魔女を倒すと結界がなくなりグリーフシードが地面に置かれた。

 

「あれ?契約しないのエミル?」

 

「ある程度集めてからのほうがいいかなと思う。マミさんやほむらさん、佐倉さんは僕と契約していないからグリーフシードがないと」

 

「あ、そうだったね」

 

ソウルジェムはグリーフシードに穢れを移さないと魔女に変貌する。

さやかはそのことを忘れていた。

 

「いやぁ…エミルと契約してグリーフシードが必要ないからそのことすっかり忘れてた」

 

エミルはグリーフシードを拾うとほむらに渡す。

 

「ソウルジェムのほうは大丈夫?」

 

「あなた達三人が活躍しているおかげで魔力が節約出来ているわ」

 

ほむらはソウルジェムを見せると少し濁っているが魔女になるほどではなかった。

 

「しばらくは持ちそうよ」

 

「危ないと感じたらすぐ使ってね」

 

「えぇ、けど魔女になってもエミルと契約すれば-」

 

「そんな風に言わないで…」

 

「ごめんなさい…今のは失言だったわ…」

 

ほむらは顔をふせてしまいエミルはうつむく。

 

「僕が救えるのは絶望して魔女になった魔法少女だけ。魔法少女自体は救えない」

 

「それでも魔法少女を救えるのはあなたにしか出来ないことよ」

 

エミルの手に触れる。

 

「インキュベーターの契約から解放できるのはエミルの契約だけ。エミルと契約したおかげでさやかと百江なぎさは魔法少女に戻った」

 

「そうだよエミル。あんたがいたから恭介に告白出来た。あたしがまたみんなと一緒にいられるようになったんだから」

 

「お兄ちゃんがいたからなぎさはまたチーズが食べれるようになったのです」

 

「私はエミル君のために戦う。この気持ちは今も変わらない」

 

「エミル、あんたがいたからあたし達がいるんだよ」

 

「ありがとう」

 

ほむら達の言葉が胸に染みた。

 

「呉さん大丈夫だったの?どこか怪我はしてない?」

 

「う、うん。大丈夫だよマミ」

 

「キリカさんはどうして魔女の結界に?」

 

「エミル君のことを尾行してたんだ。それで…」

 

「魔女の結界に巻き込まれたと」

 

尾行していた罪悪感でキリカがばつを悪そうにする。

 

「ごめんエミル君…女の子いっぱいいたからもしかしたら」

 

「いやいや僕はモテませんから」

 

「女の子に囲まれても説得力がないと私は思うけど?」

 

「それは…その…」

 

「エミルも慌てるのね」

 

ほむらに言われるとエミルはなにも言えなくなり、ほむらは悪戯っぽく笑った。

 

「エミル君…その…ありがとう。私を助けてくれて」

 

モジモジしながらキリカはお礼を言う。

 

「あの時エミルがいなかったら…私…」

 

「怖かったですよね」

 

「うん…すごく怖かった…でもエミル君が助けてくれたときすごく嬉しかった。エミル君はすごくかっこよくて、勇敢で…エミル君はまるで…」

 

頬が赤く染まりそれ以上は言えなかった。

 

「気分悪そうだけど?キリカさん、家まで送ろうか?」

 

「う、ううん。大丈夫だよ1人で帰れるから」

 

今のキリカにはエミルと一緒にはいられない。

エミルを見るだけで顔は真っ赤に染まりもしかしたら倒れてしまいそうになるから

 

「呉キリカ」

 

帰ろうとしたらほむらに呼び止められる。

 

「あなたには大切な人はいる?」

 

「大切な人?」

 

首をかしげてしまう。

 

「その人のためになにかしたいと思ってる?」

 

「私は…私が出来ることなら…」

 

小さな声だがはっきりと答える。

 

「その気持ちが本当なら今後、魔法少女に関わらないことよ」

 

エミルとは違って彼女の言葉は

 

「さもなければ、大切な人が悲しむわ」

 

とても冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

路地裏からの出来事のあとキリカは一人で歩いていた。

 

「あ…織莉子の家に行くの忘れてた」

 

謝ろうとしてスマホを開くと織莉子からメールが送れられていた。

 

「えっと…大事な話があるから家に来てほしい?」

 

話したいことがあるのがわかったけどそのメールは『ついさっき』送られてきた。

 

「話ってなんだろう?」

 

スマホをしまって織莉子の豪邸まで歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織莉子の豪邸

「ごめんねキリカ、急に呼び出して」

 

「気にしないでよ織莉子。話ってなに?」

 

織莉子が用意した紅茶を飲む。

 

「キリカ…魔法少女は知ってる?」

 

「魔法少女?」

 

「ある生き物と契約して魔女と戦う人のことよ」

 

エミル達のことを言っているのかとキリカは思った。

 

「その魔女の正体は魔法少女なの」

 

「魔女?」

 

「あまり信じてないようね」

 

織莉子は立ち上がると魔法少女に変身した。

先ほど着ていた制服から純白のドレスに変わり、頭には円柱状の帽子。

肩にはカーディガンを羽織っていた。

 

「私も魔法少女なのよ。といってもキュゥべえと契約したのはついさっきだけど」

 

「キュゥべえ?」

 

「キュゥべえ、出てきなさい」

 

「織莉子、君が言った魔法少女の素質がある子が彼女なのかい?」

 

ソファの後ろからキュゥべえが出て来た。

 

「喋った?」

 

「僕の名前はキュゥべえ。織莉子と契約して魔法少女にしたのさ」

 

「契約?魔法少女?」

 

まるで週末の朝にはいるアニメみたいな話だ。

 

「魔法少女の契約をする代わりに君が叶えたいことを1つだけ叶えてあげる」

 

「叶えたいこと?」

 

「何だっていいよ。君が願いたいことなら」

 

「願いたいこと…」

 

願いたいことはたくさんあったがあの魔女と戦うと思うと恐怖に染まる。

 

「戸惑うのも無理はないわ。けど近いうちに魔法少女…いえエミルさんでも勝てない魔女が現れるの」

 

「織莉子…エミル君が魔法少女みたいに戦えること知ってたの?」

 

エミルを尾行していたキリカは偶然、魔女の結界に巻き込まれて彼に助けてもらった。

もしエミルを尾行しないで織莉子の家に行ったらこのことは知らずに過ごしていた。

 

「なんで織莉子はそのことを知ってるの?」

 

「私の能力は未来予知。簡単に言えば未来が見えるの」

 

「未来がみえる?」

 

「キリカが魔女に襲われるのもエミルさんが魔女と戦うのも知っていたわ」

 

「じゃあ…」

 

「キリカが私の家に来るのもね」

 

ニコリと笑う。

 

「私がみた未来で一人の少女が魔法少女になり魔女になった瞬間、世界を滅ぼす運命を見てしまった」

 

「世界を滅ぼす運命?」

 

「ピンク色の髪をして両サイドにリボンを結んだ女の子。その子を殺せば破滅の運命が回避出来る」

 

「それってまどかのこと?」

 

「まどか?」

 

「エミル君のクラスメイトなんだ」

 

「そう…まどか…」

 

彼女の口が三日月のように歪んだ。

 

「ありがとうキリカ。あなたのおかげで破滅の運命から解放できるかもしれない」

 

「織莉子…?」

 

「キリカ…あなたはエミルさんのことをどう思ってる?」

 

「どうって…その…」

 

「私はね。異性として意識しているわ。私のことを『美国家』の織莉子ではなく『ただ』の織莉子とみてくれた。そのことがとても嬉しかった」

 

よく見ると顔を赤らめていた。

 

「キリカはエミルさんのことをどう思っている?」

 

「私は…」

 

コンビニではじめて出会った変われると言ってくれたとき自分を理解してくれ人。

一緒にお弁当を食べようと屋上に行ったときほむらから守ろうとした姿は憧れを感じた。

エミルの写真をしばらく眺めていたときは心が奪われていた。

魔女の結界に巻き込まれエミルに助けられたときにはもう…

 

「(そっか…私はエミル君こと…)」

 

好きになっていた。

 

織莉子もエミルのことを好きだと思う。

それは些細なことだ。

二人でエミルのことが好きだと告白して一緒に過ごせればそれで良い。

 

「私もエミルのことを愛してる。そのためなら…」

 

魔法少女になる。

 

エミルと過ごす毎日を得られるなら魔女を…魔法少女やまどかを殺せる。

 

「キリカ。君はどんな願いで魔法少女になるんだい?」

 

臆病なままでは魔女とは戦えない。

ならばこんな臆病な性格を変えればいい。

 

「違う自分になりたい。臆病なままの私じゃない自分に!」

 

「君の願いはエントロピーを凌駕した。受け取るといい。それが君の運命だ」

 

「がぁ…うぅ…」

 

痛みを感じて胸からなにかが出て来た。

 

「これは…?」

 

「それはソウルジェム。あなたの魂で魔法少女の証よ」

 

「私の魂…」

 

両手でソウルジェムを受け取る。

 

「キリカ、私にみせて…あなたが魔法少女になった姿を!」

 

身体全身が光に包まれ光が弾けて消える。

 

胸元が大きく開いた黒地の燕尾服に変わりミニスカートを履いていた。

右目には眼帯を付けており

白のブラウスとハイソックス。

白と黒の服装にネクタイだけが唯一赤く染まっていた。

 

「これが私…」

 

キリカは魔法少女になった。




あぁ…ついに織莉子とキリカが魔法少女になってしまった
ほむらが執拗に二人を殺しにきます

頑張れエミル
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