魔法少女まどか☆マギカ ラタトスクの騎士   作:如月ユウ

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43話 織莉子の真実

放課後

授業が全て終わるとキリカはエミルの教室にやってくる。

 

「エミル君さっそくだけど行こっか」

 

「え、あの…」

 

「ほら時間は有限なんだから」

 

朝の登校と同じようにまどか達を無視してエミルの手を引っ張って一緒に教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織莉子の豪邸

「ごきげんようエミルさん」

 

「どうも織莉子さん」

 

何処かに出掛けるのかと思いきや織莉子の豪邸に真っ直ぐ向かって行った。

 

「キリカ、エミルさんと仲いいわね」

 

「いや、あの…」

 

エミルの腕にはキリカが抱き付いていた。

 

「私とエミル君は愛し合っているからね!」

 

「あら羨ましいわね」

 

くすくす笑っているとエミルに近付いてキリカの反対側の腕に抱き付く。

 

「お、織莉子さん!?」

 

「私もエミルさんの愛を分けてもらえないかしら?」

 

「エミル君の愛を二人で育むということかい?」

 

「それもいいかもしれないわね」

 

二人に拘束されながら客間に移動(連行)される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

客間

「どうぞエミルさん」

 

三人用のソファに座ると織莉子はエミルとキリカの紅茶を用意してテーブルに置いた。

 

「はい、エミル君あーん」

 

キリカはケーキをフォークに刺してエミルの口元に近付ける。

 

「その…自分で食べれますので…」

 

「遠慮しないの、ほらあーん」

 

「あ、あーん」

 

結局押しきられてケーキを口に含む。

 

「美味しい?」

 

「はい…美味しい…です」

 

味なんてわからなかった。

 

座って腕に抱き付いているのかキリカの身体がより密着している。

 

「(キリカさんって…なんか最初の頃のマルタと似てるな)」

 

あの頃のマルタは積極的でエミルを困らせることもあった。

結婚してからある程度落ち着いた態度をとっていたが相変わらずベッタリしていた。

 

「(マルタはぺったんこだったからなんとかなったけど…)」

 

キリカはマルタより年下なのにスタイルが良く、腕に密着しているのか当たっていた。

 

「(そういやマミさんとさやかさんも良かったような…)」

 

この世界の女の子はなんでスタイルが良いんだろうと少し気になっていた。

 

「エミル君どうしたの?」

 

「いえ…その…今日はなんか積極的ですね」

 

「そうかな?」

 

「一昨日より積極的になったような…」

 

「私はいつも通りだと思うけど?」

 

「キリカ、戯れはそこまでにして本題にはいるわよ」

 

「え~もうちょっとだけ~」

 

「ダメよキリカ?エミルさんに大事な話をしなかったキリカの責任もあるのよ?」

 

「はーい」

 

不満になりながらもしぶしぶ腕から離れる。

 

「大事な話?」

 

「うん、お昼に話そうとしたけどね」

 

「エミルさんは魔法少女を知っていますか?」

 

一瞬ビクリと反応したが平静を保ちつつ質問に答える。

 

「魔法少女ってあれですか?週末の朝からはいるアニメの話ですか?織莉子さんそういうの見ていたなんて意外-」

 

「エミルさん?」

 

織莉子は笑顔をみせるが目が笑っていなかった。

 

「その魔法少女はある生き物と契約して生まれるの」

 

なんかと平静を保とうとしているが心臓はバクバクと音を鳴らしながら動く。

 

「魔法少女は魔女というとても恐ろしい化け物と戦う運命に課せられて最終的には魔法少女はみんな…」

 

「魔女になるんだよ…」

 

キリカがエミルの瞳を覗きながら声を低くして言う。

その表情に恐怖を感じた。

 

「あの、ちょっとトイレに」

 

少しでも離れたいと立ち上がるが織莉子とキリカはエミルの腕を掴んで無理矢理座らせる。

 

「まだ紅茶を飲んでいないのにお花を摘むのはまだはやいと思いませんか?」

 

「そう…ですね」

 

「(魔法少女が魔女になることを知っている…ということは…)」

 

あなたがいない時間軸で美国織莉子という魔法少女がいたわ

 

「(だけど織莉子さんは魔法少女になる材料なんて…)」

 

聞いてしまえば今の関係が崩れてしまう。

敵同士になるかもしれない。

 

「(勇気は夢を叶える魔法)」

 

だがここで聞かなければ最悪の展開が起きるかもしれない。

それだけはなんとかしたい。

 

「織莉子さん、単刀直入に聞きます」

 

「なにかしら?」

 

「あなたは魔法少女ですか?」

 

魔法少女を知っているのかではなく魔法少女なのかと答える。

手に持っていたカップをテーブルに置いてソファから立ち上がりエミルから離れると

 

「えぇ、そうよ…私は魔法少女よ」

 

魔法少女に変身してその姿をエミルにみせた。

 

「どうして…魔法少女なんかに…」

 

信じたくなかったが魔法少女になった理由を聞く。

 

「私はなんのためにいるかわからなくなったの」

 

「わからなかった?」

 

「お父様のあの会見から学校の人達はただ逃げる口実をつくったと悪口を言う人がいました。けどお父様のことを良く言ってくれる人もいました」

 

そこで一区切りする。

 

「けど問題はそこじゃありません」

 

「そこじゃない?」

 

「クラスメイトも教師もみんな美国家の娘、美国家の娘と…私のことは美国家の人間としてみてなかった!」

 

大人びた印象とはかけ離れた感情を二人にみせた。

 

「私は織莉子、織莉子なの!誰も私のことを織莉子としてみてくれなかった!そのときようやくわかったの…私を美国家の一部としてみていなかったと」

 

今まで抑えていた感情を全て吐き出すように

なにかに絶望したように

 

「そんなときキュゥべえが現れたの。キュゥべえは契約の代わり願いも叶えてあげると言った。そのとき私はキュゥべえにこう願ったの。

『自分の生きる意味が知りたい』と」

 

キュゥべぇと口にした瞬間、エミルは立ち上がる。

 

「インキュベーターいるんだろ!姿をみせろ!」

 

ソファの下からキュゥべえが出てくる。

 

「どうして織莉子さんに契約を持ちかけた」

 

「僕達は彼女の意思を聞いたあと契約をした」

 

「魔法少女が魔女になる運命になることを話したはずなのにどうして契約したと言っているんだ!」

 

「ラタトスク、君は1つ勘違いしている」

 

「勘違い?」

 

「僕達は魔法少女が魔女になることは一言も話してない。そんなデメリットを話したら契約する人が減るだろ?」

 

キュゥべえは聞かれなかったことは伝えない。

そのことはエミルも理解していた。

だが魔法少女が魔女だと知るには魔法少女が魔女に変貌する瞬間をみるかキュゥべえから聞くしか方法はない。

 

「織莉子さんは魔法少女の正体を知っている。インキュベーターが話さないかぎりそれを知るすべない」

 

「だから僕達はそんなことを-」

 

「だったらどうやったら魔法少女が魔女になる真実を知ることが出来るんだ!」

 

「簡単な話よエミルさん」

 

キュゥべぇの代わりに織莉子が説明をする。

 

「私の能力は未来予知。未来がみえる能力なの。その能力である未来をみたの」

 

「ある未来?」

 

「ある魔法少女が魔女になった瞬間、世界が崩壊する未来を」

 

その未来を見たのか恐怖に染まり肩が震えて怯えていた。

 

「けど…その未来を変えられる方法があるの」

 

「変える方法?」

 

「その魔法少女を魔女に…いえ契約する前に殺すことよ」

 

魔法少女の素質がある女の子を殺す。

それは人の命を奪うということ。

 

「そ、そんなこと-」

 

「そんなことはさせないわ」

 

エミルと同時に他の人の声が聞こえ、窓が割れると一人の魔法少女が現れる。

 

「ほむらさん…」

 

ほむらが窓を割って侵入し拳銃を織莉子に向けていた。

 

「エミル、魔法少女だと確信した以上二人を殺すわ」

 

「だ、ダメだよ。それだけは」

 

ほむらが持っている拳銃を奪おうと彼女に近付く。

 

「美国織莉子は魔法少女の素質がある女の子を殺すと言った。まどかが狙われる」

 

「なぜそのことを知っているのかしら?」

 

「あなたが知る必要はないわ。エミル、私の手を握って」

 

「えっ?」

 

「いいから!」

 

痺れを切らしたほむらはエミルの手を掴んだ瞬間

 

「泥棒猫がきやすく触るな!」

 

キリカが魔法少女に変身してカギ爪を召喚してほむらを切り刻もうと飛びかかるがエミルがラタトスクの騎士に変身して剣で防いだ。

 

「エミル君どいて!そいつ殺せない!」

 

「ダメですキリカさん。ほむらさんは傷付けさせません」

 

キリカはバックステップをして距離をとり、ほむらの手を離したエミルは剣をキリカに向けて構える。

 

「ほむらさん逃げてください」

 

「ダメよエミルも一緒に」

 

「キリカさんは接近戦に特化しています。ほむらの武器では勝てません」

 

「それぐらい知っているわ。でも-」

 

「テネブラエ」

 

姿を消していたテネブラエが現れる。

 

「ほむらさんと一緒にここから離れて」

 

「よろしいのですか?」

 

キリカから視線を外さずうなずくとテネブラエは人の姿に変化してほむらの膝下と腋下に腕を回して持ち上げる。

 

「な、なにをするの離して!」

 

じたばたと暴れるがほむらを落とさずしっかり支える。

 

「エミル様の命令は絶対です。申し訳ありませんがここは退いてもらいます」

 

「いや、エミルと離れたくない!エミル!エミルゥゥゥゥ!」

 

テネブラエとほむらは侵入した窓から脱出する。

 

「キリカ」

 

「わかってる」

 

ほむら達を追いかけようと割れた窓に行こうとするがエミルに腕を掴まれる。

 

「エミル君。君はあの泥棒猫に惑わされているんだよ。私が始末するから離して」

 

「ほむらさんを追いかけたいのでしたら僕を倒してからにしてください」

 

掴んでいた腕を離して窓の前に立って剣を構える。

 

「ほむらさんを殺させません。ほむらさんがキリカさんを殺そうとしたときのように僕がほむらさんを守ります。そのためなら僕はキリカさんと戦います」

 

ほむらがキリカを殺そうとしたときと同じように立ちふさがる。

 

「…」

 

したにうつむいたキリカはカギ爪を消した。

キリカにはエミルを傷付けることは出来ない。

「出来るわけないだろ…私はエミル君のこと…」

 

「キリカには無理のようね」

 

この状況を知っていたかのか諦めた表情をする。

 

「私だけではエミルさんには勝てないようね。でも…この数を相手に出来ますか?」

 

水晶玉を大量に召喚してエミルを逃がさないように囲みエミルの周りを不規則に移動する。

 

「私も戦いたくありません。剣を収めてくださいエミルさん」

 

「…わかりました」

 

お互い戦いたくないと理解したエミルは剣を鞘に収める。




織莉子が魔法少女になったのは父の死が関係していなく
自分自身のことを美国家の一部しか見ていなかったことに絶望したのかと思います
本編と違うのは織莉子の父の死がないことですね
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