「ゼロスの家よりすごいかもしれない」
織莉子の豪邸で過ごすことにしたエミルは食事を終えた後浴場に案内されて旅館のように広い浴場を独り占めしていた。
身体を洗ったあと自分の家より広い風呂に足をいれて湯船に浸かる。
「なんで織莉子さんとキリカさんが魔法少女に…」
理由はわかっているがどうしても呟いてしまう。
「僕がキリカさんと一緒にお茶会に行っていたら止められたかもしれなかった」
今さら言っても過去を変えることは出来ない。
「明日の決闘でどうにかするしかない」
嘆いていても仕方ない。
今のエミルに出来るのはほむらと織莉子が衝突するのを防ぐこと。
織莉子がまどか、ほむらは織莉子とキリカを始末するのを諦めてくれるように説得するしかない。
浴場の入口から足音が聞こえて扉を開ける音が浴場に響く。
「あ、エミル君まだはいってたね」
「私の読み、あたったでしょう?」
「お、織莉子さんにキリカさん!?」
織莉子とキリカが浴場にはいってきた。
幸いタオルを巻いているがキリカは年頃の中学生からみてなかなかのサイズで
織莉子はキリカよりも膨らみが一回り大きかった。
もしかしたらマミと同等かもしれない。
「な、なんではいってきたんですか!」
二人の裸体を見ないように手で目を覆い隠すが
目に焼き付いてしまい忘れられなかった。
「なんでってエミル君と一緒にはいりたかっただよ」
「ご一緒してもいいですよね?」
そう行って浴場まで歩いて湯船に浸かる。
「女の子って羞恥心がないの…?」
思わずそう呟いてしまった。
「異性とはいるのはとても恥ずかしいわ。けど…エミルさんとなら…」
「私もエミル君とならいいかなって思ってる。ほかの男とはいるなんて考えられないし」
織莉子は顔を真っ赤にしてキリカは気にしてはいなかった。
「こんなの目に毒だよ…」
思わずチラリと見るとタオルが水分を吸って身体に張り付き、二人の膨らみがより鮮明に見えるようになった。
「(お、大きい…)」
ゴクリと唾を飲んだ。
精霊とはいえ今のエミルは人として産まれて成長した第二次性徴期の男子。
女の裸体を見て興奮しない訳がない。
「(キリカさんはともかく織莉子さん…あなたは中学生なんですか?どう見てもその大きさは…)」
「エミル君?」
「は、はい」
胸を凝視していて反応が遅れる。
「見てた?」
「な、なにをですか?」
「ん~女の子の象徴?」
「そ、その…」
「ねぇ、見てたの?私の胸をしっかり見てたの?どうなのエミルく~ん」
ニヤニヤと笑いエミルにゆっくり近付いている。
「あの泥棒猫よりは大きいと思うよ?触る?」
「い、いえ…触りません」
「ぺったんこが好みなの?」
「えっとそういう意味では…」
「そういえばタオルを巻いてお風呂にはいるのはダメでしたね」
「あ、なら取らないと」
「待って!待ってください!」
織莉子のわざとらしい発言でキリカも便乗してタオルに手をかけようとしたがエミルはそれを制止させる。
「お願いします。タオルだけは絶対外さないでください。ただでさえ、二人のその姿だけでもう理性が限界で」
タオルまでなくなったら耐えていた理性が壊され最後は最低な人間として生きていかなければならない。
「私はいいよ…」
キリカは静かに答えた。
「エミル君は私と織莉子の裸をみて興奮してるんだよね?その…エッチな目でみてるんだよね」
「あの…キリカさん」
「いいよエミル君…エミル君がシタいなら私がエミル君の性欲をからっぽになるまでシテあげるから…」
キリカがエミルの身体に触れようと-
「やっぱり先にあがります!」
したがエミルは立ち上がって湯船から離れて浴場の扉を開けて出た。
「キリカ、先走り過ぎよ?」
「むぅ…」
なにも出来なかったキリカは湯船に顔を沈めてブクブクと息を吐いていた。
お風呂の騒動のあと織莉子の部屋でお茶会をしていた。
最初は織莉子のバラ園について聞いていたがエミルの趣味や休みはどう過ごしているか質問され、漫画を読んでいると答えると
「織莉子さんって漫画とか部屋にないんですか?」
「そうね…絵本とかはお母さまに読んでもらったことはあるわね」
そういえばゼロスも庶民的な趣味を持ってはいなかったと思い出す。
「お金持ちってそういうの読まないんだね」
「キリカは読んでるの?」
「最近はあまり読んでないかな。新しいのが出ても同じ展開ばかりで飽きたし」
「キリカさんって古い漫画のほうが好きなんですか?」
「どちらかといえば古いほうかな?新しいので良い漫画はあるけど」
「その漫画って面白いんですか?」
「面白いかはその人次第だけど。興味あるなら何冊か貸すよ?」
「ぜひお願いするわ」
そのあとキリカが読んでいる漫画を話をして時間が過ぎてゆく。
「織莉子さん、1ついいですか?」
「なにかしら?」
「僕はここで寝るんですか?」
「えぇ、私とキリカと一緒にね」
エミルが寝る部屋は織莉子の部屋でしかも彼女のベットだった。
「3人だとベットは狭いと思いますし」
「ベットは三番目に大きいクイーンサイズで大人2人なら余裕で寝れます。子供3人なら狭くありませんよ?」
エミルは反論は出来なかった。
「さぁ、エミル君。明日に備えて一緒に寝ようか」
「1人で寝れますので」
「私と一緒に寝たくないの?」
「異性と寝るのはちょっと…」
「私と織莉子が明日死ぬかもしれないんだよ」
エミルは黙ってしまう。
「あの泥棒猫は私達を殺すつもりでいる。実力なんて火を見るより明らか。でも私は負けるつもりなんてない。エミル君と一緒に過ごす毎日がほしいから。私がほしかったものがようやく掴めたから」
無邪気な笑顔がなくなり真剣だった。
「けどあの泥棒猫に負けたら私は死ぬかもね」
「僕は2人を死なせません」
キリカの言葉を否定する。
「僕は誰一人犠牲にしません。それが間違いなら僕はそれを否定します」
「出来るならそうしたいね…」
ポツリとそうキリカは呟いた。
「さ、明日に影響するからはやく寝ないとね」
「やっぱり寝るんですか」
「当たり前じゃないか」
ポーンとエミルをベットに突き飛ばす。
「うわっと」
ベットに倒れるとキリカは覆い被さるように抱き付く。
「ん~エミル君の匂いがする」
顔を胸板に押し付けて擦りつけて幸せそうにする。
「キリカは大胆ね」
織莉子は横からはいってエミルの腕に抱き付く。
「今の私はこれが限界かしら」
「それも大胆だと思いますが」
特にいま着ているそのパジャマが
エミルは客人用のスエットタイプのパジャマを着ており
織莉子とキリカはネグリジェを身に纏っていた。
2人のスタイルから見てエミルには大変目に毒である。
狙っているのかはさておきそんな格好で寝ると
「春になったとはいえまだ寒いですね」
「そりぁそうですよ…」
エミルは呆れていた。
「だからエミル君に抱き付いて暖まるんだよ」
「普通に僕が着ているパジャマに変えれば良いと思いますが」
「そのパジャマですと胸がキツくて着れないんですよ」
そんな立派な胸部をお待ちですからね。
「ですけど…」
強く抱き付くとエミルの腕は織莉子の胸の谷間に埋もれる。
「こうして抱き付いていれば暖かいです」
大人びた印象はなくなりとても安心している少女のようだった。
彼女もマミと同じように無理をして大人っぽい印象を演じていたのだろう。
「出来るならエミルさんとの毎日を過ごしたいです。
けど…いえ、そのことは明日にしましょう」
気持ちを切り替えてエミルの腕の温もりを噛み締める。
「エミルさんおやすみなさい」
「エミル君おやすみ」
偶然魔法少女に関わってしまった二人の少女は明日死ぬかもしれない。
だが誰も死なせたりしない。
エミルはその思いを胸に眠りにつく。
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