暦「鬼柳が勝ったか…、これでシグナーの全敗が、決定したな。
お前の計画が、どんどん遠ざかってくぞ?」
鬼柳と遊星とのデュエルを見届けた暦は、嬉しそうに笑いながら男の方を見た。
暦「まぁ…龍亞達を倒して、全てを自分の思い通りにする事自体が、最初から無謀としか言いようがないな。」
「うるさい、うるさい!
お前ごときに、私の何がわかると言うんだ!
お前達みたいな、世界を支配者になれる資格を持つ者に、私の全てを否定するな!」
男は、興奮しながら暦の胸ぐらを掴んで、今にでも殴りそうな雰囲気だった。
暦「おいおい。間違えてるぜ。
支配者になれる資格を持ってるのは、俺達じゃ無くて“龍亞”ただ1人だけだぞ。」
暦はそう言うと、カウンター気味に男を殴り付けた。
男は、殴られた衝撃で座っていた椅子に、勢い良くぶつかっていった。
暦「けど、元ダークシグナーの面々も龍亞以下だけど、資格ありだから、あながち間違いじゃないか。」
と、今の雰囲気に似合わない笑顔で、暦はその男を見下ろしていた。
そして男は、殴られて出てきた血を袖で拭いながら、ゆっくりと立ち上がった。
その足は、ダメージでフラフラだった。
「お前はいつも、そうやってヘラヘラ笑いながら、私の計画を邪魔してくるな。
あの時も、お前さえいなければ今頃は、私がこの世を支配していたのに!」
「いや…、お前だけじゃ無い!
あのガキもそうだ!今も昔も、私の全てを壊してくる。
お陰で、私はこれ迄の地位も金も、壊滅寸前にまで追い込まれたんだぞ!」
暦「地位と金?あぁ、あの時のあの事か。
お前って、つくづく不運だな。」
暦はそう言って、近くの窓から外の風景を眺めた。
暦「けどよ、もう俺達みたいな人間は、表舞台に出るべきじゃ無いんだよ。サイスの口癖だったな。
これからの時代を創るのは、俺達過去の人間じゃ無くて、龍亞達みたいな若い人間だ。
……って、俺はまだ23歳だけどな。」
「過去の人間か…、お前にしては的確な言葉選びだな。
だが私は違う!
サイスやお前が、人並みの幸せを掴んでいる間にも、ずっと我慢をして耐えてきたんだ。」
「サイスでは出来なかった事。お前でも出来なかった、この世の支配者となる為に、残りの全てをかけてきたんだ!
お前とは、覚悟が違うんだ!」
男の言葉に、暦は腹を抱えて大笑いをした。
「な、何がそんなに面白いんだ!」
暦「ハッハハハハハ!
いや~面白いよお前。はぁ~最高だよ。」
暦「我慢してきた?全てをかけた?
違うだろ、お前は俺達みたいに幸せになれなかっただけだ。
それに、お前のは覚悟じゃ無い。ただの、言い訳だよ。
なぁ、“ディヴァイン”よ。」
男の正体は、まさかのディヴァイン!
わかりやすかったかな?
ディヴァインと暦とサイスに、どのような過去があったのか。
謎が謎を呼びますね。