龍亞「そんな事よりも、速く止血とかの処置をしなきゃ!」
暦「だから、心配するなって!むしろ、お前達の方が心配だ。これから、スイッチは俺が押す。」
暦は立ち上がり、足を進めた。
その場から少し歩くと、今度は緑色のスイッチが現れた。
暦「また、このスイッチ1つだけか…。お前達、なるべく俺から離れておけよ!」
龍亞とルイズが離れたのを確認して、暦はそのスイッチを押した。
すると、地面から虎ばさみが飛び出し、暦の右の足首を捉えた。
まるで、木が折れるような、鈍い音が響いた。
暦「ウグッ!グァァァァァァ!
だ…大丈夫だ!こ…、こんなも…んは、何とも無い…ぜ。」
暦は、声にならない程の苦しそうな声をあげた後直ぐに、龍亞とルイズを心配させないように、強がった。
ルイズ「大丈夫な訳無いでしょ!さっきの音、貴方の右足、折れてるはずよ!」
暦「だから!これは、捻挫だわ!」
そう言いながら、暦は力ずくで虎ばさみを引きばかした。
暦の右足は、おびただしい出血、そして足首は有らぬ方向に曲がっていた。
龍亞「もう、これ以上は無理だよ!これ以上、暦兄ちゃんが傷つく所を、見たくないよ!」
ロデニア「いや~、まさかそこまで、自分の体を犠牲にするとは、予想外だよ暦。」
暦「やはり、ずっと見てたのかロデニア。随分と、趣味が悪いな。」
龍亞「ロデニア!速く、出口のスイッチを出せ!」
すると、ロデニアは嬉しそうに笑い始めた。
ロデニア「そんなに出して欲しいなら、そうだな……、決めた!
暦、今すぐここで、自分の左目を取れ。そしたら、スイッチを出してやる。」
ロデニアからの、狂気に染まった要求に、龍亞の顔は真っ青になっていた。
ロデニア「フハハハハハ!流石に、そこまでは出来まい!一生この部屋で、苦しむが良い。フハハハ…!」
ロデニアが、高らかに笑ったが、その笑いが止まるほど、衝撃的な事が起きた。
暦「おい、お前の望み通りにしたぞ。さっさと、スイッチ出せや。」
暦の右手には、何かが握られて、血がついていた。
なんと、自分の左目をこの場で取ったのである。
暦の行動に、龍亞とルイズ…そしてロデニアは声を出せないほど、驚いていた。
暦「なんだ?左目だけじゃ、満足しないのか?だったら、次は何だ?右目か?足か?それとも、内臓か?」
ロデニア「な…お前、自分が何をしたのか、わかってるのか!」
暦「うるさいな。お前がやれって、言ったんだろうが…。」
龍亞「ロデニアの言う通りだよ!どうして本当に、実行するんだよ!」
龍亞は泣きながら暦に聞いたが、当の本人は無邪気に笑っていた。
暦「気にすんなよ龍亞。俺の体1つで、この部屋から出れるなら、安い物だぜ?」
ロデニア「じ…上等だよ!面白い。お前のその行動に免じて、スイッチを出してやる。
最後まで、お前達を見てたいが、そうも行かないらしい。残念だ。」
ロデニアの声が終わると、3人の目の前に青色のスイッチが乗った、台が現れた。
暦「どうやら、これが出口のスイッチらしいな。」
ルイズ「暦!こんなの、間違ってるよ!
お前は…、お前は、これで良いの!本当にこれが、お前の望んだ幸せなのか!」
ルイズは泣きながら暦に抱きついた。
抱きついた…、と言うよりこれ以上歩かせない様に、止める様だった。
暦「ルイズ、前も言っただろ?俺は、運命を受け入れたって。例えそれが、死ぬ運命だとしても、大切な人を護れるなら、それ以上の幸せは無いさ。」
な!なんて事なんだ!
まさか、暦に待っていた運命が、死だったなんて…。
そんなの、残酷すぎる!