龍亞「勝った…、俺は勝ったんだ!やったー。とうとう、勝ったんだ!」
龍亞は、さっきまでのダメージや疲れが感じられない位に、喜びを感じていた。
龍亞「これで、龍可達は助かるし、遊星とクロウも解決したはずだね。
多分、これを押せば良いのかな?」
近くにあったボタンを押すと、全ての階の映像が巨大なモニターに映し出された。
その映像では、2階の龍可達は牢から救出され、1階の操られたデュエリスト達は、正気を取り戻していた。
そして、3階の映像が映し出されると、龍亞は静かに目を閉じた。
そこには、暦が映っていたからだ。
龍亞「暦兄ちゃん、全てが終わったよ。これで、安心して眠れってくれるね?」
すると、倒れていた破壊神が無理やり立ち上がった。
破壊神「俺が…、負けるなんて…。あり得ない!ウグッ!」
立ち上がった破壊神だが、余りのダメージのせいで体を保てずに、溶け始めていた。
破壊神「痛い…苦しい…辛い…。これが、死か。」
龍亞「破壊神、もうお前は助からない。後はこの世からいなくなるだけだよ。」
龍亞は、溶けている破壊神を哀れむ訳でなく、かといって見下す事をしなかった。
ただ、目の前で起きている事を受け入れ、そして何も言わずに全てを認めていた。
破壊神「チッ!相変わらず、お前のその優しさが嫌いなんだよ。誰に対しても、必ずお前は愛を持って接する。
それがあの、糞みたいな両親でもな。」
破壊神も全てを悟り、龍亞に向かって笑いかけた。
龍亞「破壊神お前は、本当は何が欲しかったんだ?お前にとって、世界の支配者になる事って、そんなに大切な事じゃ無いはずだよ。」
破壊神「何もかもお見通しって訳か。なるほどな、少なくとも俺が長い間、心の中に潜んでいたからか。」
破壊神「その通りだよ!俺の目的は、世界の支配なんかじゃないんだよ!欲しかったんだよ俺も!
お前達が言う、仲間や絆が!でも、昔から闇その物だった俺に、仲間なんて無い。絆なんて無い。」
破壊神「だから否定したんだ!そうしなきゃ、俺の存在の意味が無くなるんだよ!
クソ…、もう限界みたいだな。あぁ~あ、最後の最後まで夢が叶わなかったな。それにしても、やっぱり仲間と絆は素晴らしい…。」
破壊神はそれだけ言うと、体が完全に溶けて無くなってしまった。
龍亞「これで、本当に終わりなんだ…。もし、お前が産まれ変わったなら、俺の所においでよ。
その時は、俺の仲間として…、大切な存在として迎え入れるから。
待ってるからね。」
破壊神が溶けた所を見て、龍亞は静かに微笑んだ。
その微笑みは、優しく、哀しそうだった…。
もしかしたら、破壊神の本当の目的について、色々と言いたい事があるかもしれません。
ですが、この事は最初から決めていた事です。
ですので、何も言わずに見守って下さい。