奥の部屋は、研究所らしく、色々な機械が置いてあった。
「ディヴァイン、例の装置は出来ているな。」
男からの問いかけに、ディヴァインは誇らしげに胸を張っていた。
ディヴァイン「勿論です。今回のために、改良を重ねた特別製です。」
すると、白衣を着た人たちに押さえられ、俺は椅子に、固定された。
龍亞「おい、どうする気だ、離して。」
「ディヴァイン、説明を。」
そう言われたディヴァインは、俺の目の前に立ち塞がった。
その手は、謎の液体が入った注射器が握られていた。
ディヴァイン「この薬は、人の心の奥底にある、悲しみや、憎しみなどの、負の感情を何倍にも、倍増させる薬です。」
そう説明をしている顔は、まるで壊しがい
のある玩具を前にした、子供のようだった。
俺は心の底から、感じたことの無い恐怖に、襲われていた。
龍亞「いや、止めて、止めてください。」
涙を流して、訴えた。
けど、泣けばそのぶん、嬉しそうに近づいてきた。
ディヴァイン「大丈夫、ちょっとチクッとするだけだから。」
そう言って、俺の首にその薬を、注射した。
すると、体の奥から熱くなってきた。
胸が、頭が痛い。苦しい、呼吸が出来ない。
これまでの、自分の感情で押し潰されそうになる。
重い。そして、黒い。
そんな何かに、自分が支配されそうな気がした。
「ダークシグナーになって、人の心の闇が見れるようになったが、これ程の闇は、見たことがない。」
ディヴァイン「時間的に、もうすぐです。」
もうだめだ、そう思ってしまった。
けど、何故か暖かくて、優しい何がそれの支配を止めた。
龍亞(何だ、何が起きたんだ。 あれは、人影、二人の人だ。)
誰かはわからなかったが、その二人のお陰で、俺は助かった。
龍亞「ハァ、ハァ、ハァ、」
ディヴァイン「そんな、失敗したのか!ありえない。」
がっかりするディヴァインとは逆に、男はとても、満足そうだった。
「いや、成功だ。後は我々が最後の希望を壊す。」
そう言って、俺を椅子から解放した。
けど、あまりの苦しさに、俺は動けずにいた。
「ディヴァイン、龍亞様を丁重に家まで御送りしろ。」
俺は、必死に体を動かして、二人から逃げた。
ディヴァイン「逃げたか、まぁいい。」
「我らの王に、栄光あれ。」
~~~公園~~~
龍亞「ハァ、ハァ、ハァ、」
体が、自由になる頃には、この前の公園に来ていた。
会社の外に出ると、誰もいなかった。
龍亞「置いてかれたのか、当然だよな。」
そう思うと、さっきの黒いものが出てきたような気がした。
龍亞「ハァ、帰らなきゃ。」
俺は、自分の身に、起こった事の重大性に、いまひとつわからないまま、帰ることにした。
龍亞がダークシグナーにならなくて良かった。
にしても怖い大人たちですね。
けど、龍亞を助けた二人って、やっぱりあの二人なのですかね。
これからシグナーと、ダークシグナーとの本格的な戦いに、入っていくのか。
龍亞が心配な私です。