つぎの日からの動きにほとんど特筆すべき点はないな。
動きといえば、起きて、筋トレして、能力の練習をしての毎日だ。
能力の練習はちょっとずつものを変えていって大きさや質量なども調整していく。
毎日これをやっているせいか終わる頃にはとても疲れてしまう。
おかげで毎日早く寝て次の日早く起きれる。早寝早起き朝ごはんの規則正しい生活がおくれているしだいだ。
そして、明日から新学期を迎えるに至る。
まぁやることは変わらんがな。
明日の支度をして、さっさと寝た。
そして、今日は始業式というわけだ。
おれは今日から高校二年生、妹のめいは中学三年生というわけだ。
めいは今年受験だし、なにかと大変だろう。そこんところは兄であるおれがしっかりサポートしてやらないといけない。
どうしても、親には言えないことや親では理解しにくいものというのがあると思う。
そうこうしているうちに学校についてしまう。
…ちっ…心の中で舌打ちをして、敷地へ入っていった。
登校中も見かけたがやはり敷地内に入ると多いな…まぁ当然か。
何が多いっていったらもちろんここの学校の生徒だ。
教室へ向かうにつれておれのテンションは右肩下がりに落ちていく。
そして、そうこうしているうちに2Bの教室へついてしまった。
中へ入ると数人の生徒が、ちらりとこちらをみるがすぐに会話に戻っていく。
教室の喧騒の中を突き進み、ようやく席へたどり着く。
さほど距離はないのだが、おれにとってはとてつもなく長く感じた。
席へつくなり音楽プレイヤーとイヤホンを出して音楽を聴き始める。
それから何分経っただろうか…突然、右耳のイヤホンを抜かれる。
びっくりした俺はだれだよ…と思いながら右側に顔を向けて睨みつける。
おっと…めんどくさいやつだった…
「ちょっと!葵!きいてんの!?」
半端なくうるさいな…
「なんだよ?てか、最初は挨拶からだろ?」
「あ、おはよ…」
そういうとこは律儀に挨拶するんだな。
だがおれは挨拶を返さない。
しばらく俺が黙っているとしびれをきらしてまた話しかけてくる。
「ちょっと!なんで挨拶返してくんないの!?おかしいでしょ!普通挨拶されたら返すでしょ…」
「あーわかったわかった。そんなにまくし立てるな…で、誰だお前」
「は、はぁ!?私のこと忘れたの?」
「悪い…記憶にないな」
「最低だね…葵、私は何度もメッセをおくったのに…全部無視したでしょ!」
あぁ、送られてきたさ…全部無視したよめんどくさい。
しかも怖かったぞ、何通も送ってきやがって…
「いや、そんなメッセージは来た覚えはないぞ」
「うそ…履歴に残ってるはず!ちょっと見せてよ」
そういうのでおれの携帯をメッセージの画面を開いて渡す
「ほら、そんな記録ないだろ?」
もちろん、あるわけない。履歴は削除した。
「ほんとだ…てか、履歴消したでしょ!絶対消したよね!」
「そんなことよりもお前誰なんだって」
「夢咲空桜です…履歴消さないでよ…」
諦めたように自己紹介をした彼女は夢咲空桜。
学校で友達がいない俺にしょっちゅう話しかけてくる物好きだ。
困ったことにこいつの容姿がまた整っていて、こうしてふざけた会話をしている間にも複数の鋭い視線がこちらに向いている。
自己紹介をした空桜は若干涙目になる。
あ、視線が増した。痛い痛い…まったくアホな男どもだ。
空桜は少し暗めの茶髪で結び目に赤いリボンがついている。
よく見ると、腕のとこにもシュシュやらヘアゴムやらをつけている。
スタイルもいいし、性格も社交的でこの学年に彼女のことを嫌いなやつは一握りいるかいないかというほどの人気者である。
今日はポニーテールということもあり、クラスの空桜信者(仮)の目を一層引いている。
というのも、空桜は髪型をころころかえるため、信者たちの間で好みがあり、内部抗争などもあるらしい…馬鹿かあいつら。
その中でもポニテは主力な訳だ。
まぁ、小耳に挟んだ話だけどな。
「そんで、お前はなんで俺にそんなに連絡してきたんだよ」
「それは…えっと…ちょっと宿題を、教えてもらおうかと…」
空桜はそういいながら恥ずかしそうな仕草をする。
だからそういうのやめろってただでさえおれの評判が悪いのに、更に落ちるだろうが…まぁ気になんかしてないが。
俺は、立ち上がり空桜の耳元で囁くといういたずらをかんこうする。
「じゃあ今度家で教えてやるよ」
「えっ、あっありがとう…」
空桜は顔を紅潮させてどこかに行ってしまった。
…やってやったぜ…信者共の視線が痛いが、一言いってやりたいね。
ざまぁみろ!…ははは
心の中で吐き捨てそのままトイレに向かった。
トイレに入ると後から入ってきた二人組に突然絡まれた。
「おい、お前あんま調子のるなよ?」
彼らは脅しているつもりなのだろうか。
こいつら確か同じクラスだった気がしなくもないな。
じゃあ挨拶しなければ…ついでに何の話か聞いてみよう。
「おう、何の話だ?」
「とぼけてんじゃねぇぞ!」
後ろにいたやつが声を荒らげる。
何を熱くなってんだが知らねぇが言いたいことだけは言っておこう。
「何の話だが知らないけどそんなのはおれの勝手だろう。お前らに言われる筋合いもない」
おれの冷静な態度にだいぶ腹が立っていただろうがそれ以上熱くなることはなく、
「覚えとけよ」
とかいう小物臭のするセリフをはいて消えていった。
なんだあいつら?朝から馬鹿まみれだな…だから嫌いなんだよ学校なんて。
この後はだれになにを言われるわけでもなく、始業式を終え、帰路についた。