こうして、おれの新学年が始まった。
毎日、授業をうけ、帰る。
友達などいないので誰と話すわけでもなく過ぎていく日常。
俺の癒しは妹のめいだけだ…しかし、ゴールデンウイークを過ぎたあたりからその大事な大事なめいの様子がちょっと変な気がする。
他の人には分からないかすかな変化だがおれには分かる。
といっても、詳しくはわからない…情けない兄貴や…
だが、悲観していても何も始まらない。
ある日の夜、能力の練習を終えた後にめいの部屋に行ってみた。
ドアの前に立ち、ノックをする
「めい、いまちょっといいか?」
「お兄ちゃん?ちょっと待ってて」
返事は即座に返ってきた。ちょっと待っててということなので壁によりかかり5分程まっていると部屋のドアが開いた。
「お待たせ〜入って入って〜」
「おう、お邪魔するぞ」
今思ったんだけど年頃の妹ってお兄ちゃんに部屋に入られるのってどう思うのかな…
うちは普通に入れてくれるから普段考えもしないがほかの家はやっぱり入れたがらないとかあるのだろうか。
…まぁいいか、入れるんならそれに越したことはないな、うん。
座ってと促され座布団に座る。
そして、めいが座るのをまちとりあえず聞いてみる。
「めい、最近学校どうだ?」
「ん?あ、ああ楽しいよっ」
「そうか、それならよかったぞ」
「うん」
それっきり会話が止まってしまう。
まぁとりあえず学校で何かあったわけでは無さそうだ。
まぁ、学校でいじめられたなんて聞いた日には学校ごといじめた生徒を全員先の代まで根絶やしにしてやる。
…冗談だけどな。
こんなだけで部屋を出ていっては怪しまれるのでそのまま宿題を教えることになった。
めいの部屋を出るころにはすっかり遅くなってしまい、風呂は明日、朝入ることにした。
その後はこれと言って変わったことはなく、このままおれの思い過ごしとして流れていくはずだった…
事件は数日後に起きた。
おれはいつも通りぱっぱと帰ってきた。
この日は水曜日なので部活が休みのはずのめいも早く帰ってくるはずだが何故か帰ってこない…こんな時異常に心配になるのが妹大好き兄貴ってもんだ。
真面目な話、嫌な予感がしたんだ。
それで、おれが通っていた…現在めいが通っている中学校までの道筋を記憶を頼りに進んでいく。
そして、ふと横を見ると…いた。めいがいる。
おれは少し安堵して、めいに近づこうとするがその足が止まる。
めいの目の前に数人の女子が立っている。
…なんだこれは…よく分からないが穏やかではなさそうだな。
「…!」
その時、一人の女子がめいの肩を押す。
めいは壁に叩きつけられ痛そうだ。こころなしか涙目にもみえる。
これは許しちゃおけんな。
とりあえずそちらに再度向かい女子とめいの間に割って入る。
「おい、お前ら」
「なんだよ、あんた」
相手はおれを誰と知ってかは知らんが横柄な態度だ。
…ここはひとつ縦社会の生き方を教えてやらんとな?
「お兄ちゃん…」
めいが泣きそうな声でささやく。
我が妹よ、いまこの害虫どもを駆除してやろう。
「お前ら、うちの妹とここで何してたんだ。」
「あ?遊んでただけだよ」
「遊んでた?…ほう、俺にはうちの妹がいじめられているようにしかみえなかったが?」
「なにそれうける」
「それは被害妄想だよシスコン」
…最近の中坊ってのは口が悪いんだな…お兄ちゃん怒るぞ、手が滑ってこいつら殺すぞ。
「とりあえずお前らやめろよ。何が原因なんだよ、あ?」
一人が怯んだのか若干震え声で話す。
「そいつが、男に色目ばっか使ってっからむかつくんだよ!」
舐めたこといってくれるなこいつら。
「ははん…それできれてんのか、あほが。そんなもんお前らの方が被害妄想っていうんじゃないのか?」
「…っ、そいつがビッチなんだよ!」
「はいはい、おつおつ。今度っからそうゆうひがみはやめてね?」
「なんだこいつ…!」
「それと、口が悪いのは直した方がいいよ?男の子にもてないし何より…泣かされても文句がいえねぇぞ?」
少々脅してやったら女子達は逃げるように立ち去っていった。
「大丈夫か?めい」
「うん、ごめんね?心配かけて」
「いいんだよ、お兄ちゃんはお前の味方だ。どんどん頼れ」
「うんっ!ありがと!」
「おうよ!よし!帰ってご飯にしよーぜ」
おれとめいは手をつないで夕日が傾くを眺めながら家に帰った。