もし仗助が3部にいたら?   作:しろた

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区切りが悪いので2話投稿です。


スキューバダイビングをしよう!1

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美しい岩礁に彩られた紅海を、一艘のクルーザーが疾走する。

向かうはアラビア半島沖数キロの場所に位置するごく小さな島。人気の無い浅瀬に乗り付け、そこからアヴドゥルが手配した熱帯魚のような姿をした潜水艦に乗り換えるジョセフたち一行。

 

乗り物に乗る前にはもはや恒例となっている乗船前のスタンドチェックにじっくりと時間をかけ、アヴドゥル不在時、潜水艦になにか仕掛けがなされていないかを入念に調べていく。

 

その巨大さもあり、異常なしと確認した彼らがようやく潜水艦を発進させる頃には夜になっていた。

 

 

「まさか潜水艦まで用意するたぁ、金のかかる旅だなぁ。」

「潜水艦って割には色が派手だし、やっぱり〇エロー・サブマリンかよ。」

「想像してたよりも、閉塞感がありませんね。」

「金持ちの道楽用のものだからな。冷蔵庫やコーヒーメーカー、衛星電話まであるぞ。」

 

アヴドゥルの発した「衛星電話」という単語に反応したジョセフが電話に目を向け、そのまま仗助を見やってそっと苦笑いをこぼした。その一方で他の面々が潜水艦の備品に気を取られている隙に、承太郎はちゃっかり窓の外が見える特等席を確保している。何も言わないが、未来の海洋冒険家の琴線に窓から見える景色はクリーンヒットしたらしい。

 

わしにもできるというジョセフの主張を総スルーして、アヴドゥルの操縦で海の底を進んでいく潜水艦。

 

「?どっかに電話してぇなら、すりゃあいいじゃあねぇか。」

「いや、だが・・・。」

 

チラチラと電話を気にする様子のジョセフに、仗助が声をかける。どうにも煮え切らないジョセフの態度から、仗助もなんとなくジョセフが電話をかけたい相手に想像がついた。

 

「あー・・・、そういうことね。『向こう』で承太郎さんにも話したけどよー、俺のせいで

 家族にトラブルが起きるなんてのは望んじゃあいねぇんスよ。だーいじょーぶ、あんた

 が電話をかけてる間、大人しくしてっから。」

「・・・すまん。」

 

仗助は気にしていない様子だが、ジョセフがこれから電話をかけようとしているのはジョセフの妻、スージーQだ。

ジョセフも電話中に仗助が割って入るとは思っていない。これまで共に旅をしてきたのだからそれくらいはわかる。ただ隠し子の目の前で本妻に電話をかけるのが後ろめたかったのだ。

 

仗助の好意をありがたく受け取り、自宅に電話をかけるジョセフ。今はまだ仗助の出自を明かすことはデメリットしかない。だがしかし、この旅が終わったその時は・・・。

 

 

 

少しだけ操縦桿を握らせてもらったポルナレフが盛大に海底にこすらせはしたが、何事もなく紅海を北上していく。

明け方近く、眠気と倦怠感を覚えた花京院が、コーヒーでも飲もうとカップを用意しはじめた。

 

「あ、カップが5つしかないな。」

「俺はコーラでいいや。手伝いますよ。」

 

引き出しを開け、花京院がカップが5つしかないことに気付く。近くに居た仗助が、手持無沙汰だったのか手伝いを申し出た。

 

ちょうど飲み物の準備をする二人の背後で、一時的に操縦をポルナレフに任せ、潜望鏡から海上の様子を伺っていたアヴドゥルが、遠くにアフリカ大陸の海岸をみとめていた。

 

部屋の中央に設置された小さな机をぐるりと囲むように集合し、机の上に用意したコーヒーと地図をひろげ、通過予定の海底トンネルの位置とそこまでの距離を確認する一同。

 

これでついに、念願のエジプトに辿り着くことができるのだ。地図から顔を上げ、旅の仲間と目を合わせて力強くうなづく。

 

広げた地図をたたみ、コーヒーを飲もうとジョセフがカップを持ち上げた。

 

「あれ、いつの間にカップが6つ出てるんだ?仗助、君がどっかから出してきたのか?」

「わしらは6人じゃから、人数分ぴったりじゃないか。」

「いや俺もしらねぇっ・・・」

 

仗助の言葉が終らないうちにジョセフの持ち上げていたカップが爆発し、ジョセフの左手が吹っ飛んだ。いや、爆発したのではなく、正確には一瞬でカップが形を失い、そこから生えてきた小さな腕が、カップを持っていたジョセフの手首を切り落としたのだ。

それは更にジョセフへ攻撃しようと刃を振り上げたが、横から迫るクレイジーダイヤモンドのコブシに気付き、義手を捨てテーブルに着地する。

 

「なッ・・・スタンドだと!?いつの間に!」

 

テーブルに着地したのも一瞬で、着地と同時に反動を利用して腕のみの力で天井まで跳躍する「それ」は、蓑のような体毛から青白い腕と顔だけが生えたスタンドだった。天井に逃れたスタンドが、一行を威嚇するかのように奇声を上げる。

 

「オラァッ!!」

「クレイジーダイヤモンド!!」

 

承太郎が敵に向けスタープラチナを繰り出すが、敵はさっと後退し、見る間に機械の中に姿を消していった。敵が距離を取ったのを見計らい、仗助がジョセフの左手を元に戻す。運よく義手を切断されただけで済んだため、意識もしっかりしている。

 

アヴドゥルが敵スタンドの行動から、相手が『女教皇』の暗示を持つスタンドであると述べる。本体は「ミドラー」という名前の女で、スタンド能力はあらゆる鉱物に化けること。今のも消えたのではなく計器の一つに化けたのだと。

 

部屋中にある無数の計器類を見渡し、警戒態勢を取るジョセフたち。

ふいに大きな爆発音が室内に響き渡り、つづいてエレベーターが急降下するような独特な浮遊感に見舞われる。

 

「やつめ、わしらを沈没死させるつもりか!この部屋に侵入する前に、気蓄機やバラスト

 タンクにヒビをいれておったな!」

「そのキチクキってのはどこにある!?俺が治して・・・」

「いくらタンクを治しても中に圧縮された空気は戻らないッ!この潜水艦は浮上する力を

 失ったのだ!」

 

潜水艦はある場所に海水や空気を出し入れすることにより、潜航、浮上が可能となる。潜水艦の種類によっては積み込んだ重しを投棄することで緊急浮上できるものもあるが、無駄に高性能なこの潜水艦はバラスト水での制御システムを採用していたようだ。

 

「緊急用の浮上システムとかないのかよ!」

「あるにはあるが・・・やはりダメじゃな。船底にも水が入っておるんじゃろう、重すぎ

 て浮かん。」

「・・・と、いうことは・・・。」

「どこかに掴まれ!海底に激突するぞッ!!」

「結局、俺らが乗る乗り物はこーなるわけね・・・。」

 

ズズン、という不吉な振動が沸き起こり、それまでの浮遊感は消え去ったが、今度は船内の至るところから海水が雪崩込みジョセフたちの足元を濡らす。開けられた穴をクレイジーダイヤモンドが瞬時に治していくがそれも焼け石に水。少しずつ水位は上がっていく。

計器の一点を確かめた花京院が声を上げた。

 

「いつの間にか酸素がほとんど無いぞッ!徹夜で眠くなっていると思っていたが、少しず

 つ艦内の酸素が薄くなっていたせいだったのかッ!」

「アヴドゥル、確かこの船はスキューバ用の装備も積んでいたな?」

「はい、たしか緊急脱出用のハッチのある小部屋に備え付けられていたはずです。」

「しかたあるまい。みんな、すぐにこの潜水艦から脱出するのだッ!!」

 

じわじわと室内を満たしていく海水、浮上不可能な潜水艦、あと数分もすれば尽きる酸素。

この機械だらけの部屋の中で、機械類に化けることのできるスタンドを制限時間内に倒しきるのはあまりにも困難と判断したジョセフが、潜水艦を廃棄する決断を下す。

 

「俺たちが脱出するのを敵が『はいどうぞ』と見逃してくれるとは思えないがな。」

「時間稼ぎが必要っつーわけっスね。」

 

承太郎の言葉に、コーラの瓶を掌の中でもてあそびながら仗助が答えた。

 





時間がかかるということは、原作以外の展開を思いつかないということで。。。
何か色々すみません。
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