魔法戦史リリカルジェネレーション   作:nanase

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第51話 悪夢再び

1

 

 

 

 ゆっくりと上昇を続ける聖王のゆりかご。その映像をヴェロッサからの通信を通して見ているはやて達。

 それが何であるか、はやて達には皆目見当もつかなかったがそれでも分かる事はある。

 あれを起動させたのはスカリエッティで、遂に彼の計画が大詰めを迎えたのだという事。

 はやてはすぐに帰還指示を出した。あんな物が動き出した以上打てる手はそんなに多くない。

 ヴェロッサ達の情報と共に、早急に対策を練る必要がある。

 と、そこで気付いた。そう言えばヴェロッサの後ろにシャッハの姿は見えるが、もう一人の姿が見えない事に。

 

「そう言えばロッサ。シュテルは何処に行ったんや?」

 

 その問いにビクリとヴェロッサが肩を震わせた。その顔はすっかり青冷めている。後ろでシャッハも目を逸らした。

 まさか。はやての脳裏に最悪のシナリオが思い浮かぶ。

 

「ロッサ、もう一度聞くで? 怒らんから正直に答えてな? ……シュテルは何処に行ったんや?」

『多分、あの艦の中……だと思う』

「ロッサ!!」

『怒らないって言ったじゃないか!!』

「それにしたって限度ってもんがあるわ! 一体何がどうしてそんな事になってるんや!? シスター・シャッハもなんで止めてくれんかったんですか! いくらなんでもそらあんまりやわ!」

『はやてさんの言いたい事は分かります。しかしこれが現状として最も効率が良かったんです』

 

 ヴェロッサを押しのけたシャッハが語る。スカリエッティのアジト捜索も大詰めを迎え、彼女達は最も可能性の高い場所を探り当てた。だが確証を得るには誰かが中に入らなければならない。ヴェロッサのレアスキルでもある程度は可能だが、十分な確証にはもう一手が必要だった。そうなると個人としての戦闘能力の高いシュテルかシャッハという選択肢になる。二人いっぺんでは外に残るヴェロッサを守る者がいなくなるからだ。そうして話し合いをした結果、シュテルがヴェロッサの放ったレアスキル無限の猟犬と共に中に踏み込んだ。

 あの艦が姿を見せたのはその直後だ。入り口だった洞窟は崩落した上に、無限の猟犬の反応はあの艦から。となれば共に行動しているシュテルもまたあの艦にいると考えるのが道理だろう。

 シャッハの言葉にはやては溜息を吐くしかなかった。もうこれは事故だと思うしかない。そうでなくても本来なら二人を責める事もできないのだ。後一歩の所まで迫っていたのだから、本来はねぎらうべきなのである。

 頭を切り替えるしかない。臨機応変に、まずは現状を打破する事から考えよう。

 

「分かった。怒鳴ったりしてごめんな。ロッサの無限の猟犬がまだあの艦から反応があるんならまだ大丈夫やろ。シュテルもそう簡単にやられるタマやないしな。そんなら引き続きロッサとシスター・シャッハは付近と崩落した場所の探索を。もしかしたらまだ何かあるかもしれん。こっちはこっちで打てる手を打つとするわ」

『了解しました。何か分かったら随時報告します』

「頼みます」

 

 ブツンと映像が切れる。どっかりと椅子に座りはやてはガリガリと頭を掻いた。

 ああは言った物の、さてどうしたものか。

 

「マリアさん、主要メンバーを作戦会議室へ集めて下さい。リィンはユーノ君に連絡を取ってあの艦が何なのか無限書庫で調べてもらって。私はカリム達に状況の報告をしてから向かうから」

「了解!」

「了解であります!」

 

 マリアとリィンが駆け足で部屋を出て行く。だが一人残っているマークにはやては首を傾げた。

 

「マークさんどうしたんや? マークさんも早ぅ作戦会議室に向かって下さい」

「いや、少し手伝おうと思ってな。あれだけのもん、地上本部もいい加減気付いているだろ。レジアス中将には俺から連絡を取って状況確認をするよ」

「そうか? それなら助かるわ。頼みます」

「了解」

 

 確かにレジアスにはマークから連絡を取った方が早いかもしれない。はやてが連絡するよりもきっと円滑に情報を引き出す事ができるだろう。適材適所という奴だ。

 さてこうしてもいられない。はやてはクロノとカリムへの緊急回線を開くと空中のディスプレイに二人の顔が映った。流石にこの短時間でも情報が走っているのか、二人とも難しい顔をしている。そらそうやろなぁ。心中お察しします。はやてが心の中で合掌をすると、クロノが口火を切った。

 

『このまま黙っていても仕方がないな。はやて、そろそろ連絡が来る頃だと思っていたよ。ヴェロッサから話は聞いているし、状況はこちらでも確認している。やはりスカリエッティが動き出したと見るべきなんだろうな』

「十中八九そうやろな。ロッサ達が突き止めたアジトから出てきた所を見る限り、そう考えるのが妥当だと思うよ。それにこっちもリィンからユーノ君にあれが何なのか検索してもらう様に指示は出した。形状しか情報が無いから時間はかかると思うけど、多分ユーノ君なら見つけてくれると思う」

『それについてなんだけど、私の方に少し心当たりがあるの』

「心当たり?」

 

 カリムの言葉にはやてとクロノは首を傾げる。

 

『そちらにいるヴィヴィオさんは聖王のクローンなのよね。となるとあれはもしかしたら古代ベルカの兵器、聖王のゆりかごなのかもしれないわ』

「聖王のゆりかご? なんやそれ?」

『古代ベルカ戦乱期、聖王が所有していた戦船と呼ばれる強力な戦艦よ。聖王家はこの船の中で一生を過ごす事からゆりかごなんて呼ばれ方をしているの。でも戦乱の終結と聖王家の断絶によってずっと消息不明になっていたのだけれど……』

『それをスカリエッティが復活させた?』

『その可能性は高いわ。でもおかしいの。聖王のゆりかごの起動には聖王そのものが必要だと聞いているのだけれど、聖王の血を受け継ぐのはヴィヴィオさんだけ。起動できるはずがないのよ』

「スカリエッティの技術力を舐めたらアカン。あいつの技術力は私らの斜め上で、しかも遥か上を行くからな。それに奴の後ろにはアメリアスもいる。何が起こっても不思議じゃないよ」

 

 スカリエッティの技術力は悔しいが認めざるを得ない。そして彼の所にはアメリアスがいる。

 その聖王のゆりかごとやらの起動に聖王が必要だからと言ってもそれは最早過去の話だ。そこになんらかの改造を加えて起動させる事だって可能に違いない。

 しかしカリムは良い情報をくれた。あれがまだ発見されていない世界の遺物であったり、スカリエッティとアメリアスの建造したものでなく、古代ベルカの兵器であるのであれば無限書庫に必ず情報がある。

 はやてはリィンに連絡を取り、今の情報をユーノに送る様に伝達。まずは一手。大事なのは一つ一つ潰していく事だ。

 

「マークさん、レジアス中将の方はどうや?」

「それなんだがな。かなりマズイ事になってきたぞ」

「なんや。もう大抵の事じゃ驚かへんで」

「そうか。そいつは良かった。……アインヘリアルが全て陥落した」

「んなっ!?」

 

 前言撤回。やっぱり驚く。

 画面の向こうでカリムとクロノも驚きのあまり席を立っていた。

 その様子に「ほらな?」と言いたげなマークだった。

 

 

 

 

 

 

 静かに目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。

 ここはデルタカイのコックピット。レンはそこに座し、出撃の時を静かに待っていた。

 ノイズは……大丈夫だ。先ほどまで頭が割れるように痛かったが、今は落ち着いてくれている。できればこのまま収まって欲しいがそれは欲張りだろうか。

 何にせよ、今は落ち着いていて欲しい。それにかまっている暇はない。

 何かが自分を呼んでいるのだ。強くなった感応力のせいなのか、目的地に近づくにつれてその感覚が強くなっているのが分かる。

 ジェネレーションシステムが近い。その感覚はレンにそう確信させていた。

 

『レン、ちょっと良いですか?』

「艦長? どうしたんです?」

『いえ、実はこれを見てほしいのですが……』

 

 ニキにしては珍しい。レンは指示に従いモニターにミネルバの船外カメラを映し出す。

 荒野が広がっていた。生物の気配もなく、ただただ静寂に包まれた荒野が画面いっぱいに広がっている。

 モニターを見れば間違いない。ここがアプロディアの指定ポイントだ。だが何も無い。センサーの類もここには何もないと告げている。

 そういう事か。確かにこれではお手上げだろうと納得する。しかし彼は一向に驚く事をしなかった。

 声が、感覚が告げている。ここで正解なのだと。

 

「艦長、出撃許可を。俺が外に出て確かめてみます」

『……了承しました。直ちにデルタカイは発進を。準備は出来ていますね?』

「勿論。何時でも行けますよ」

 

 流石ニキだ。話が分かる。

 慣れた手つきでセットアップを進める。既にアイドリング状態だったデルタカイに本当の火が灯る。

 画面に走るn_i_t_r_oの文字。レンの感覚がクリアになると共に一気に広がる。レンがデルタカイで、デルタカイがレンになる瞬間。

 そして各関節から噴き出す蒼炎。これで準備は全て整った。

 

『レンさん、聞こえますか?』

「ティアナ? CICになんか座ってどうしたんだ。危ないから部屋で待ってなきゃ駄目じゃないか」

『いいえ、今日は私がレンさんのオペレートをします』

「なんだって!?」

『ティアさんだけじゃありませんよ。機動六課フォワード全員でレンさんのフォローをする許可をニキ艦長から頂きました』

「キャロまで!?」

 

 ティアナに続いてキャロの顔が通信モニターに映る。その後ろにはスバルとエリオまでいた。

 なんてこった。ヘルメットのバイザーを叩き、レンはがっくりと項垂れる。再び画面にはティアナの顔。

 嘆くレンだったが、それを見る彼女は彼女でレンに悲痛の顔を向ける。

 そしてぽつり呟いた。

 

『心配なんです。貴方の事が』

「は?」

『嫌な予感がするんです。なんかこう、胸の奥がざわざわする嫌な感じ』

「ティアナ……」

 

 予感。実はレンもそれを感じていた。レンをここ最近苦しめるノイズも元々は彼に危険を報せていたアラームの様な物。デルタカイに乗るまでそれはレンの頭で鳴り響いていたのに、今はそれが嘘の様に静まっている。逆にそれが恐ろしい。何かあるのでは勘潜ってしまい、嫌な予感へと繋がる。

 まるで嵐の前の静けさと言わんばかりだ。

 それをティアナも感じたというのだろうか。そう思ったレンだったが、画面を見てすぐに頭を振った。

 ティアナの後ろのスバル達も彼女と同じ目をしていたから。どうやら予感を感じ取ったのは彼女だけではないらしい。だからこそニキも彼女達を自分のサポートに回す事を了承したのだろう。

 

『それにレンさんは一人で突っ走るから。目を離すとどんどん先に進んじゃって、そのまま見えなくなっちゃいそうだから。……そんなのは嫌なの。もう何も分からず置いて行かれるのは嫌なの。だから少しでも貴方の近くにいたい。背中が見える所にいたい。繋がっていたい。許してほしいなんて言いません。ここに私達がいるのは私達の意思なんですから』

「参った。完敗だよ」

 

 そこまで言われてはもうそれしか言えない。どの道ここまで来たのだし、考えてみればミネルバにいる以上本当に安全な場所などない。本当なら何も起こらない事が一番なのだが、そんな事誰も知りはしないのだ。だったらまだそこにいてくれた方が良いのかもしれない。

 それに一人で突っ走らないと決めたではないか。正直自信は無いが、ティアナ達の存在がブレーキになってくれるかもしれない。

 

「バックアップ、頼んだぞ」

『はいっ!』

 

 ティアナの返事にレンは軽く親指を立てた。そして外に向けて発進準備が整った信号を出す。

 それを見てオットーとチンクが機材を操作しているのが見えた。彼女達にもデルタカイの手で親指を立てると、同じ様に返してくれる。そして前方のハッチが開いた。カタパルトに乗り、前傾姿勢を取る

 目の前に広がる月の荒野と、宇宙の闇が画面に広がった。

 

『デルタカイ、発進どうぞ!』

「レン・アマミヤ、ガンダムデルタカイ! 出る!!」

 

 機体を乗せたカタパルトが一気にデルタカイを押し出した。瞬間的な加速によるGが体を押し付ける。

 しかしそれもすぐに緩和した。デルタカイが宇宙に出たのだ。すぐさまバーニアを噴かし、デルタカイは蒼炎の尾を引きながら宇宙に飛び出していった。

 

 

 

2

 

 

 

 そこは確かに何もない荒野だ。センサー類も何も示さない。

 ミネルバから出撃したデルタカイは一度バーニアを止め、その荒野へとゆっくり降り立つ。

 東の海と呼ばれる場所である。月の海としては最も新しい物と言われており、周囲は三重のリング構造になっている。そもそも東の海は小惑星レベルの衝突によってできた巨大なクレーターであり、三重のリング構造はその時の衝撃で月表面が脈打った結果だという。しかし直径が約三百kmもある場所だ。その中心に位置する場所に立つと広過ぎてよく分からないなとレンは思う。

 デルタカイは何も言わない。しかしレンはしっかりと感じていた。宇宙に出た事で更に強まった感覚が教えてくれる。

 間違いない。ここがアプロディアの指定ポイントだ。

 だが感覚とは裏腹に何も視覚に捉える事ができない。感覚に任せて出撃してみたものの、どうしたものか。アプロディアが指定してきた場所なのだから何かしらあるはずなのだが……。

 どうする。どうすれば良い。必死に頭を巡らせて方法を模索して、そのまま数分。レンは息を吐きだした。そして瞳を閉じて自分の感覚に全てを委ねたのである。

 要は考えても無駄だという結論に達したのだ。どうせセンサーにもカメラにも映らず、頼りになるのは自分の感覚だけ。ならばいっそそれに全て委ねてしまおうというのである。

 ナイトロは最初から起動させている。賭けるに値する物があるというのであれば、これしかないだろう。

 

「頼むぞ、サイコフレーム」

 

 サイコフレーム。サイコミュの基礎構造を持つチップを金属粒子レベルで組み込んだ素材。デルタカイにはそれが使用されていた。だが最初から組み込まれていたものではない。ニューロに回収された際にナノスキン構造に変わる形で使われたのだ。ナイトロを積んだデルタカイに更にサイコフレームを使う。それがどんな相乗効果を出すかをレンは直に体験している。

 宇宙に上がる直前に起こったデルタカイのオーバーブースト。それはおそらくナイトロとサイコフレームの相乗効果による物と彼は分析していた。

 だがそれも副産物に過ぎないだろう。サイコフレームの真の能力は感応力の増幅にある。要は感覚が更に鋭敏になるという事だ。しかも今のレンの感応力は大戦時よりも強くなり、更にはナイトロもある。

 故に賭けた。

 意識の方向を外へ向け、ほんの些細ない事も見落とさないようにする。うまくいけばその意識をキャッチしてくれるかもしれない。

 デルタカイの蒼炎が更に燃え上がり、レンの意識が周囲に広がった。

 

 さぁ俺はここにいるぞ。俺を見つけてみせろアプロディア。

 いや、ジェネレーションシステム!

 

 それはデルタカイを中心に波紋のように広がる。感覚が東の海を走り、レンの意識がその動きをキャッチするやデルタカイの計器が異常を告げた。

 揺れている。月の地面が僅かにだが揺れ始めたのだ。そしてそれはゆっくりと、だが確実に大きくなり、最終的にそれは大きな揺れへと変貌する。

 すぐさまレンは作業を中断し、デルタカイを飛び上がらせた。眼下に広がる東の海の荒野。そこに訪れた変化はミネルバとリーンホースJr.からも確認できる。

 

「おいおい、東の海って小惑星の衝突できたんじゃなかったっけ?」

 

 頬をひきつらせてしまうのも無理はない。最早何でもアリかよとさえ思う。

 眼下、東の海が真っ二つに割れ、荒野の下から姿を見せたのはあまりに機械的なだだっ広い空間。東の海表面が収納されていくのだ。

 一体どれくらいの時間が経っただろうか。漸く揺れが収まった。ゆっくりとレンはデルタカイをその床に降ろし、周りを見渡す。人工物であるのは間違いない。どうやら賭けには勝ったと見て良いだろう。しかしなんと広い空間であろうか。

 おそらく東の海全部とまではいかなくても、大部分がこの機械的場所へと変貌しているに違いない。最早驚きを通りこして呆れてしまうスケールだ。

 

 ジ……。

 またノイズが走った。

 

「……ティアナ。聞こえるか?」

『は、はい! 聞こえます!』

「艦長にモビルスーツ全機の緊急発進要請。並びに第一種戦闘配備だ」

『え? そ、それって』

「早く! 間に合わなくなる!!」

『はいっ!』

 

 レンの声に急かされ、ティアナがニキにレンの要請を伝える声が聞こえた。彼はそのままデルタカイに武装を構えさせる。最初は小さなノイズ。しかしそれがどんどん大きくなり、レンは思わず頭を抑えた。

 まだだ。こらえろ。静まれ。

 呼吸を整え、魔力を集中させると幾分か頭痛が引いていく。

 ふぅと息を吐いた瞬間、警戒のアラームが鳴り響いた。

 

「来たか!!」

 

 瞬時にレンはデルタカイを発進させた。同時に前方から飛来する物がある。間違えるはずもない。それは金属と粒子の弾丸だ。まるで豪雨だが構わずにウェイブライダーに変形したデルタカイを突っ込ませる。

 どうやら悪い予感というのは的中するものらしい。

 ズラリとモビルスーツ達が並んでいた。ザクⅡ、ジン、ゾロ、リーオー。そして背後に巨大な砲台、ガーダーⅡ型。

 自身の感覚がそれを告げている。あれはニューロだ。ニューロが攻撃してきているのだ。

 

「どういう事だ! 何故お前達が俺達を攻撃する!! 答えろニューロ!!」

 

 このままみすみすやられる訳にはいかない。何かきっと理由があるはずだ。レンはニューロに呼びかけたが攻撃は止まない。仕方なくレンはデルタカイをモビルスーツに変形させ、敵陣に降り立たせた。

 そこを狙って銃弾とビームが放たれる。しかしデルタカイもバーニアで床を滑るようにそれを避けると、今度はリーオーにロングメガバスターを向けた。画面がロックオンの表示を示す。撃つのか? 撃って良いのか? 一瞬の躊躇い。それが隙になった。リーオーのビームライフルとザクⅡのバズーカがデルタカイの周囲に着弾。爆発の衝撃がレンとデルタカイを襲う。

 

「ぐうううっ!」

 

 けたたましくアラームが鳴り響く。とっさにレンはデルタカイを後方に滑らせた。だが執拗に攻撃は続き、デルタカイの退路を断とうとしている。再び爆発がデルタカイを襲った。それにバランスを崩し倒れるデルタカイ。放たれるビームライフルとバズーカ。避ける事は不可能だった。

 ジ……。

 再びノイズが走る。そして聞こえた。ニューロの声が。

 そして爆発と閃光がレンの視界を埋める。

 

『何をぼさっとしている。やる気がないのならさっさとミネルバに戻れ。邪魔だ!』

 

 衝撃は来なかった。代わりに浴びせられた罵声におそるおそる目を開ける。画面には銀色の背中が映っていた。

 レンはその背中を知っている。Spiritsの誰も使いこなす事ができなかった機体の背中。

 真騎士ガンダム。エルフリーデの新しい機体。それがデルタカイの前に立ち、レンを守っていたのである。

 すると今度は飛来した小型兵器から縦横無尽にビームの雨が降り注いだ。距離を取ろうとするニューロ・モビルスーツだが光の檻からは逃げられない。貫かれ、爆散するのみだ。一糸乱れぬ動きで光の檻を作りだしたそれはファンネル。しかしそれを放った主はエルフリーデに少し困ったような声を向ける。

 

『そ、そこまで言わなくても良いと思いますよ?』

『ふん。レイチェル、甘いぞ! この馬鹿の事だ。どうしてニューロと戦わなければいけないとか余計な事を考えていたのだろうよ。だがそんな事を言っている場合ではないのだ。現に奴らは攻撃してくる。やらなければこちらがやられるだけなのだぞ!?』

『それはそうなんですけど、もう少し言い方が……』

『馬鹿だから馬鹿と言ったまで!』

 

 真騎士ガンダムが飛び出した。右手に構える電磁スピアをそのままザクⅡに突き立てると、一気に電撃を放つ。ザクⅡが動かなくなったと見るや、すぐに別のザクⅡに詰め寄り再び槍を突き立てる。

 そしてレンの隣に薄紫色の機体が降り立ち、彼を守るように展開されたファンネルとその機体から放たれるビームライフルがリーオーとゾロを撃ち抜く。その鮮やかさにレンは目を丸くした。

 

「タイタニア……。レイチェルなのか?」

『はいっ!』

 

 PMX-004 タイタニア。ジ・Oをベースにした感応力者対応の機体。

 そこからレイチェルの元気な返事が聞こえた。見れば続々と味方がニューロを攻撃している。セリカのブラストインパルス、エリスのF91、ビリーのF90、クレアのデュナメス。ミネルバとリーンホースJr.も戦闘を開始していた。

 みんな戦っている。本来なら自分も参加するべきなのだろう。しかしレンの耳には聞こえてきたニューロの声がこびりついている。あれは自分だけに聞こえた幻聴なのか? いや、もしかしたらという思いと共にレイチェルに尋ねる。

 

「……レイチェルには聞こえるかい? ニューロの声が」

『はい。あ、私だけじゃないですよ。エリスとクレアにも聞こえたみたいですけど。……やっぱりそれで躊躇していたんですね。』

 

 やはりか。どうやら幻聴ではないらしい。エリスとクレアにも、という事は聞こえているのは感応力を持つ者だけなのだろう。

 タイタニアの手を借りてデルタカイが立ち上がる。だが目を伏せたままだ。

 

『戦え。力を示せ。それが門を開く鍵になる、ですよね』

「ああ。ったく冗談きついよ。なんでこんな……」

『意味がない、なんて言わないで下さいね。もしそんな事を言ったら私、貴方を軽蔑しますよ』

「いっ!?」

 

 それは彼女からは考えられないほど痛烈な言葉だった。画面に映ったレイチェルの顔はいつにもなく厳しく、レンを睨みつけている。

 

『意味はあります。きっと。でなきゃ私達は何の為にここまで来たんですか? 私達をここに送る為に戦ったエイブラム艦長達はどうなるんですか? 意味がなかったって言うんですか?』

「それは……。そうだね。君の言う通りだ」

 

 言葉の終わり際、レンはデルタカイを旋回させた。盾の先端からビームサーベルを伸ばすと、重斬刀を振り上げていたジンの胴を薙ぐ。ついでにもう一度機体を回転させ、もう一機に突き立てる。

 ガシャンと音を立てて盾に装備されたリボルバー型のオプションが展開。爆発音と共にそれが一気に炸裂した。オプションから放たれた無数のボルトがクレイモア爆弾の様にジンの装甲を撃ち抜く。同時にデルタカイもその衝撃を利用して離脱。再び爆発がデルタカイの目の前で起こった。

 レイチェルの言葉に目が覚めた気分だ。一体自分は何をしにここまで来た? それを思いだし、レンはゴンと自分のヘルメットを叩いて前を見据える。

 ニューロ・モビルスーツに退く気配はない。力を示せと彼らは言った。ならばそれに応えるのが道理というものだろう。何を迷う事がある。

 

「そうだよな。意味がないなんて事はないんだよな。……悪ぃ! もう大丈夫だ! レイチェル、援護頼めるか?」

『任せて下さい!』

 

 いつもの屈託ない笑顔に戻ったレイチェルの返事を聞き、レンはプロト・フィン・ファンネルを起動。

 追ってレイチェルもファンネルを起動させた。二機は互いに背中合わせでファンネルのオールレンジ攻撃を仕掛ける。更にロングメガバスターとビームライフルを上乗せし、周りのニューロ・モビルスーツを瞬く間に殲滅。爆発の中、レンはデルタカイをウェイブライダーに変形させた。

 

「乗って! ここを突破してガーダーまで一気に行くぞ!」

『ガーダーってあの砲台ですか?』

「ああ。あれはジェネレーションシステムのファイアーウォール。防衛システムみたいなもんで撃たせると厄介だ。だから速攻で叩き潰す!」

『了解です!』

「ティアナ、聞こえるか!?」

『はいっ!』

「俺達がガーダーを潰す。けれど一機がやっとだから、他の皆にもガーダーに攻撃指示を出してくれ。それに奴がチャージを始めたらすぐに全員に退避を指示するんだ! 当たったらアウトでも射線上にいなけりゃなんとかなる」

『分かりました!』

 

 そんなに力を示せというのならば示してやる。

 タイタニアを乗せ、群がるニューロ・モビルスーツを協力して撃ち落としながらウェイブライダーが宇宙を駆ける。その数の多さにレイチェルが息を飲むのが聞こえたが、レンは至って冷静だった。

 惑わされるな。布陣をよく見ろ。彼らの配置はガーダーを守る様に配置されているではないか。即ちあれが本丸。ニューロ達の要だ。

 ニューロ達もレンとレイチェルの動きに気付き一斉射撃を開始。乱れ飛ぶ銃撃の雨の中でもウェイブライダーは止まらない。タイタニアを乗せているというのに、速度は一向に落ちる気配がなかった。

 そしてそれをセリカ達の機体が援護する。ケルベロスとヴェスバーの同時射撃がニューロ達を蹴散らし、一気に道が開けた。ウェイブライダーが更に加速する。

 

「見えた! 行くよレイチェル!」

『は、はい!』

 

 ウェイブライダーからタイタニアが下りる。レンもデルタカイをモビルスーツ形態へと変形させる。

 加速のついた二機がその勢いのまま床を滑る。時には並び、時には背中を合わせ、デルタカイはロングメガバスターとビームキャノンを、タイタニアはビームライフルをニューロへと撃ち込む。息の合った連携攻撃は長年の相棒を思わせるほどだ。

 しかしこれは二人共意図して行っているのではない。レンがレイチェルをフォローし、レイチェルがレンをフォローするという意識の結果が生み出した即興の連携。勿論二人の感応力が高く、お互いの動きをそれとなく理解できるというのもあるだろう。だがそれ以上に個々の能力が高いからこそできる芸当だ。

 ようやくガーダーが射程距離に入ると、二機は同時にライフルを撃つ。宇宙の闇を裂き、二条の閃光がガーダーを直撃した。だがこれくらいでは崩れる気配はない。ファイアーウォールの名は伊達ではない。

 そして近づけまいとガーダーがスタークマシンガンをばら撒く。画面越しのアイコンタクト。デルタカイとタイタニアが左右に展開した。目標が分散したことでスタークマシンガンの弾幕が薄れる。しかしそれは悪手だ。攻撃が前面から側面になったという事は自慢の砲台が意味を失うことと同じ。たとえどちらかを狙って砲台を回転させたとしても、もう一機の攻撃を受けることになる。

 そしてガーダーⅡ型が選択したのはレンへの砲撃だった。

 台座が動き、砲身がレンへと向けられる。レイチェルが叫んだが、レンは彼女に攻撃を続けるように指示。自分は回避を選択する。

 だが誤算が起きた。ガーダーに集中するあまり、他のニューロ・モビルスーツの動きを察知するのが遅れてしまった。レンが選択した回避コースにはジンが陣取っている。撃破とまではいかなくてもせめてコースだけでも確保できれば。ロングメガバスターを向けた瞬間、ジンのキャットゥス500mm無反動砲が火を噴いた。

 交差する閃光と弾丸。ロングメガバスターの光がジンを貫く。だが同時のデルタカイの足元にも着弾し、爆発が起こった。攻撃の直後。しかもバランスを崩していた所に爆発の衝撃。流石のレンも立て直す事は不可能。衝撃にあおられ、デルタカイが床に倒れる。

 マズイ! ノイズが一気に走る。ガーダーはもうエネルギーチャージを終わらせている。

 間に合うか!? とっさにレンはペダルを踏み締めていた。

 

『させるかぁぁぁっ!!』

 

 レイチェルの声がコックピット内に木霊する。ガーダーがエネルギー砲ハイメガスコアを放つ直前、タイタニアのビームソードが砲座に突き刺さった。同時にハイメガスコアが放たれ、青白い砲撃が一直線に走る。その威力は凄まじく、その跡は真っ赤に溶解しているほどだ。

 ビームソードを抜き、追い打ちにライフルを撃ち込み後退するタイタニア。しかしレイチェルはやっとレンがティアナに出した指示の意味を痛烈に理解していた。

 こんな砲撃、直撃したらモビルスーツでは耐えられない。だがそれがレンに向けて放たれてしまった。

 とっさにビームソードで突撃したというのにガーダーはまだ健在だ。もしかして間に合わなかったのだろうか。未だ放たれているスタークマシンガンの銃撃から逃れつつ、必死にセンサーで探るが砲撃の所為でセンサーが一時的に狂ってしまっている。まさかそんな。レイチェルの顔に焦りが見えた時だった。

 

『まだですレイチェルさん! まだあの人は健在です!!』

「えっ!? エリオ君!?」

 

 突如エリオから通信が入ったのだ。そしてそれはまだ彼が健在である事を報せるもの。

 その声に導かれるように顔を上げたレイチェルの目に、大きく旋回しながら突っ込んでくるデルタカイの蒼炎が見える。

 

「レイチェル、俺に合わせろ! 一気に決めるぞ!」

『っ!! ハイ!』

 

 かかる挟撃の指示に体は不思議とすぐに動いた。タイタニアの手からビームソードが再び伸びる。

 そしてデルタカイも盾からビームサーベルを伸ばし、ガーダーの正面。砲台の真下から一気に垂直に飛び上がった。砲台を切り裂くデルタカイの光刃。真一文字に切り抜けるタイタニアのビームソード。だがまだ二人の攻撃は終わらない。切り抜けると同時にタイタニアが反転し、振りむき様にビームライフルとファンネルを一斉発射。ガーダーが爆発に包まれる。

 レンもガーダーの上空でデルタカイのバーニアを最大噴出させながらプロト・フィン・ファンネルを起動させた。上方から降り注ぐビーム散弾の雨に爆発は尚も大きくなる。

その中、デルタカイがバーニアの推力の全てを乗せて、盾まで突き刺せとばかりにビームサーベルを突き立てた。続けて炸裂ボルトを次々と起動させてすぐに離脱。ロングメガバスターを構える。狙うはビームサーベルと炸裂ボルトで薄くなった装甲部。

 

「これで終わりだぁぁぁっ!!」

 

 気合い一閃。垂直に閃光が走った。ガーダーを真上からロングメガバスターの粒子砲が、レンの狙い通り薄くなった装甲部を突き破る。そうして内部に侵入したエネルギーはガーダーの内部で一気に膨れ上がり、爆発と共にガーダーを内側から食い破った。

 凄まじい轟音と共に衝撃が駆け抜けた。

 

「ふぅ。なんとかなったかな」

 

 爆発の余波から機体を守り、粉々になったガーダーの前にデルタカイを着地させてレンはやっとの思いで一息ついて考える。随分と手こずってしまった。こちらも随分強化されているが、それ以上にガーダーも強化されているという事か。それにニューロ・モビルスーツ達も随分と底上げされている。確実に難易度は四年前より跳ね上がっているということだろう。なんとも頭の痛い事だ。

 だが朗報もある。やはりガーダーを要と見たレンの読みは正しかった。ガーダーを撃破した途端ニューロが姿を消したのだ。さすがにこのまま連戦は厳しい。条件はクリアできたと見て良いのだろうか?

 レイチェルのタイタニアもやって来る。今回の勝利は彼女の援護があったからだと言っても良い。もしも一人なら今の結果は無いかもしれない。二人は互いの無事と健闘を称えあう。

 

『心配しましたよ~。あの砲撃に巻き込まれたかと思ってすっごく焦ったんですからね!』

「正直俺も焦ったわ。あれはほんとマジでヤバかったんだって。バーニアのタイミングとレイチェルの攻撃があともう少し遅かったらもう俺ここにいる自信ないもん」

『ないもん、じゃないわよ! 見てるこっちだって冷や汗モンだったっつーの!』

 

 けらけら笑うレンの所へティアナの怒りの通信が入って来た。

 いやはやごもっとも。本来なら笑いごとではない。

 

「悪かったって。そんなに目くじら立てんなよ。ま、今回はほんとレイチェルに感謝だな」

『そ、そんな! 恐れ多いです……』

「いやいや、あの攻撃もそうだし、とっさに組んだ連携もちゃんとできたし言う事無し! 胸張って良いって!」

『私からもお礼を言わせて下さい。レンさんを守ってくれてありがとうございました』

『ティアナちゃんまで……。あ! 私の方こそお礼言わなきゃね。エリオ君、あの時通信入れてくれてありがと。あれがなかったら私焦ったままだったよ』

『え? 僕ですか?』

『うん。だからありがと』

 

 どうやら矛先はエリオに向かったらしく、レイチェルから向けられた礼と笑顔にエリオが顔を赤くしている姿が画面に映っている。更にスバルから肘で突かれている所を見て、レンもニヤリと笑う。フェイトに良い土産話ができた。あちらに戻ったらはやてと一緒に弄ってあげよう。そうしよう。うん。決まりだ。

 それに向こう側ではもう一基のガーダーがセリカ達に撃破されていた。スクラップになったガーダーの上で真騎士ガンダムが高々と電磁スピアを掲げている。

 なるほど、トドメをさしたのはエルフリーデという事か。きっと彼女はどうだとばかりにドヤ顔をしているに違いない。

 さて、それはさておきこれで条件はクリアだ。ニューロの言葉では力を示す事が鍵になるというが。

 レンは何が起こってもいいように再び周囲の警戒に入った。

 そしてその時は訪れる。

 

『ん? これって……、ぜ、全機退避を!』

「どうしたティアナ……ってうおおおおおっ!?」

 

 ティアナの酷く焦った声の通信にレンが呼びかけようとした時だ。再び地面が大きく揺れ始める。直ぐに全員がセリカの指示でミネルバへ緊急退避をしなければ、立っていることさえできない程の大きな揺れ。

 一体何が起ころうとしているのかと全員が固唾を飲んで揺れる地面を見つめた。するとどうだろう。地面を構成していた面に次々と爆発が起こり始めるではないか。それによって地面がいくつものブロック単位に細かく分断されていく。まるで不必要になった区画をパージしているようだ。

 いや、実際それはパージそのものだった。ガラガラと崩れる床の下から姿を見せたのは巨大な大空洞。

 ブロック単位ごとになった床がその大空洞に一つ、また一つと崩落していくのだから。

 大空洞の直径は戦艦が一隻は軽く入るほど。しかし二隻となると流石に無理だろう。だが問題はその深さだ。いくら待っても崩落した床が底に落ちた反応がない。全て闇に飲まれて消えてしまったみたいだ。

 ここを行けという事なのか。レン達は尚更、ニキも判断を下すことに躊躇いが生まれる。

 しかし状況はそんな暇を彼女達に与えることすらしなかった。

 

 

 トリガーゲート 強制開口。

 システムロック 解除。

 

 

「何事ですか!」

「分かりません! ですがシステムが強制介入を受けています!」

 

 ミラの言う通りシステムが何者かの強制介入を受けている。それはミネルバに限らず、リーンホースJr.や各機体にも起こっていた。どの機体の画面にも同じ文面が何度も表示されている。

 文面から察するにこれが扉であるのには間違いない。だがそれくらいならレン達も焦る事はない。むしろここが入り口だと教えてくれているようなものだ。不安な場所に突っ込むよりもまだ気分的には良い。

 だが、次に現れた文面と現象でそれも一気に吹き飛んでしまった。

 

 

 シーケンス プログラム チェック。

 落下プログラム >>>>> 確認。

 

 

 ガクン、とミネルバとリーンホースJr.が揺れた。そして何か大きな力が二隻を引っ張り始めたのである。

 ニキはすぐに逆噴射を命じたが、二隻はすでに落下プログラムなるものに捕まってしまった。ゆっくりと、確実に二隻は大空洞へ引き寄せられてしまう。ミネルバの逆噴射でも抗えないほどの力だ。

 

 

 警告! 落下プログラム 起動中>>>

 警告! 落下プログラム 起動中>>>

 警告! 落下プログラム 起動中>>>

 

 

 文面は尚も警告を続ける。しかし警告をしたからといってどうなると言うのだ。二隻は完全に制御を離れ降下をしている。できるのは精々位置を調節し、空洞の縁に衝突しないようにするくらいだろう。

 こうなればもう流れに身を任せるしかない。どうせここが入り口である以上進むしかないのだと、ニキは半ば諦め気味にこの状況を受け入れることにする。

 ミネルバを先頭に、リーンホースJr.が少し遅れて大空洞へ降下していき、二隻の戦艦はそのまま大空洞の闇に飲まれて消えて行った。

 東の海に再び静寂に包まれる。先ほどまでここが戦場であったとは思えないほどの静寂。

 残されたのは明らかに人工物である巨大な平地と、そこにぽっかり空いた大空洞。

 しかしそこに近づく一隻の戦艦がある。ゆっくりとその戦艦が大空洞に近づいていく。

 だが次の瞬間、その戦艦は宇宙の闇に紛れるようにその姿を消してしまったのだった。

 

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