魔法戦史リリカルジェネレーション   作:nanase

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今回はちょっとブレイクタイムです。


第8話 支える仲間

1

 

 

 

 ジェネシスの無力化により、地球圏に束の間の安息が訪れる。

 だがその代償は決して安いものではなかった。

 根源と考えられるバルバドロを逃がしてしまった。それにSpirits所属のモビルスーツがことごとく大破ないし中破している。極めつけが母艦であるディーヴァの大破だ。

 このままでは満足に戦う事も出来ない。人も機械も全てが疲れきってしまっていた。

 そこで現在、第00遊撃隊Spiritsは補給と休暇を兼ねて地球連邦宇宙基地の1つ、キャリーベースに入港している。休暇と言ってもそれは機体の修理が完了するまでの短い期間だが、心身共に疲れた彼らには貴重な休暇であった。

 

 パイロット達が休暇を取っている間もせわしなく働かなくてはいけない者は存在する。

 メカニックリーダーの少女、カチュア・リィスがその1人だ。

 幸いキャリーベースには優秀なメカニックが多数いる為に、実際彼女がする事と言えば各班のリーダーに指示を出し、作業の最終チェックを行う事。しかしこれを馬鹿にしてはいけない。何せ、大事な友人達を守るモビルスーツ達だ。整備のチェック1つも疎かにせず、状態を確かめていく。勿論他の機体にもオーバーホールをかけている。友人達が無事に帰って来てくれる事を願って、まだ幼い天才少女は仲間の機体を整備していた。

 

「カチュア、そろそろ休んだらどうだ?」

「ん~? あ、もうそんな時間?」

 

 モビルスーツの状態を示した画面を見つめていた所、不意に声をかけられた。振りかえるとラナロウがジュースとハンバーガーを持って立っている。時計を見れば午後2時を回っていた。そう言えば朝からずっと働きっぱなしだ。集中していれば気にならない空腹も一度気付いてしまえば、急激に襲ってくるもの。

 きゅるると少女にとって恥ずかしい事この上ない程の音を立てた自分の腹の音に、思わず顔が赤くなる。

 照れ隠しに笑って誤魔化したが、頭にバンダナを巻いた青年。ラナロウ・シェイドは呆れた顔だ。

 

「えへへ。ご飯すっかり忘れてた。ラナロウ、それちょーだい♪」

「俺らの為に頑張ってくれるのは良いんだけどよ、それでお前が倒れでもしたら元も子もないんだぞ?」

「分かってるよ~。でもさ、皆の機体は完璧に仕上げるのがあたしのモットーなの!」

 

 格納庫の隅に座りハンバーガーを頬張り、頬を膨らませる姿はさながらリスだ。

 それだけ見ていれば年相応の少女。実際の所、カチュアはシュテル達と同い年に当たる。本来なら今頃キャリーベースの居住ユニット内にショッピングに出かけているシュテル達とも遊びたいだろう年頃だ。

 だがそれを押し殺して機体の整備を行っている姿に、ラナロウは素直に感心する。

 

「へいへい。んで? その整備の方はどうなんだ? 順調かっておい、もうちょっと落ち着いて食え。口の周りに付いてるぞ」

 

 ならば年長者の一人として、少しでもそれらしい事をしてやるのが大人の務め。ラナロウはカチュアの口の周りについたケチャップを拭いてやりながら頬を緩めた。カチュアも素直にそれを受け入れて、ハンバーガーを食べながらPCに状況を映し出す。

 

「ん~、大体終わりかな。ここなら部材に困らないしね。でも正直な話、ハイゼンスレイは厳しいよ。コアユニットは生きてるけど、問題はそれ以外。もういっその事、初めから作り直した方が早いくらいだよ」

「そんなに酷いのか」

「酷いなんてもんじゃないよ。まー、それはディーヴァも同じ。正直よくキャリーベースまで運転できたよねってレベルなのさ~。正直お手上げ。むしろ乗り換えた方が早いってか~んじ」

 

 机に突っ伏して両手で降参のポーズ。

 ラナロウもPCを見て驚いた。映し出されたディーヴァの損傷状態を見れば、嫌でも彼女の言う事が分かる。

 それほどまでにディーヴァが受けたダメージは甚大な物だった。フォトンブラスターキャノンは勿論のこと。そもそもフォトンブラスターは艦の推進エンジンに直結したもので有る為、破壊時のフィードバックによりエンジンにも不具合が生じている。更に先のジェネシスのガンマ線レーザーをバリアフィールドで防いだとはいえ、防ぎきれなかったエネルギーは確実にディーヴァを蝕んでいた。そもそも、これまでの損傷の分もある。

 とてもじゃないが、短期間で修復できるというレベルを越えたダメージだった。いかに天才少女とはいいえども、これではどうしようもない。

 

「確かにこれじゃあなぁ。ま、その辺は艦長にも連絡行ってるだろうし、どうするかは艦長に任せるしかないって事だ」

「そうだねぇ~。これはあたし達でどうこうできる問題じゃないもんね。あ! そうだラナロウ、ちょっとこれ見てちょ」

「ん? どれどれ」

 

 急にカチュアがPCを弄りだした。そしてラナロウに見せるのはモビルスーツの設計図。最初は特に大きな興味も無く見ていたラナロウだったが、その図面が何の図面であるかを理解すると急に食い入るようにそれを凝視し始める。それをカチュアがニヤニヤしながら眺めていた。

 

「お、おい。これって……」

「そ。スカルハートの強化プラン。徹底的に防御と格闘武器の強化をした正に鉄壁の機体だよ!」

 

 スカルハートは格闘に重点を置いた機体だ。高出力のビームザンバーを始め、それを振りまわすシザーアンカー。高速回転で機体を削り取るスクリューウィップがそれを物語っている。そこにビームシールドとアンチビームコーティングされたABCマントと防御も充実していた。だがそれを更に強化するプランが今、ラナロウの目の前にある。

 クロスボーンガンダムX1・フルクロス。元々高い攻撃能力に、更に堅牢な防御能力を付加したクロスボーン系列最終進化系である。

 

「すげぇ……。これぞ究極のクロスボーンガンダムだな」

「そう言ってくれると頑張ってプランを組んだ甲斐があるってもんだよ。んで~、後は艦長から許可を貰うだけなんだけど……」

 

 そう言って上目づかいでラナロウを見るカチュア。容易に意図を察し、ラナロウは肩を竦める。

 

「わーったよ。俺から艦長に言っておいてやる」

「やたっ! でねでね! 他にはこんなの考えてたんだ!」

「まだあんのかよ!」

 

 言質が得られて気分が良くなったのか、カチュアは次々と他の機体への開発プランをPCに映し出した。

 しかしどうせ乗りかかった船だ。ラナロウは諦めて楽しそうに語るカチュアの言葉に耳を傾けていた。

 

 

 パイロットとメカニック。それだけで艦は動かない。勿論それ以外の人間も艦には乗っている。

 その代表例が軍医という存在だろう。いくらパイロットと言っても所詮は人。疲れもするし怪我もする。

 モビルスーツにメカニックが居る様に、人間にも医者は必要だ。

 勿論Spiritsにも軍医は搭乗している。

 

「……これは驚きましたね。まさかこんな効果が出ているとは」

「全くだ。レンは今、急速に意識の拡張を行っている。正直、脳に大分負荷がかかっているはずだ」

 

 その軍医の名はフローレンス・キリシマ。彼女と話をしている艦長ニキ・テイラーの同期である。

 そして2人の前。モニターに映し出されているのは何かの波形パターンだった。緑色の線が曲線を描き、画面の右から左に推移していく画面が2つ並んでいる。その画面の下には「レン・アマミヤ」と「マーク・ギルダー」とあった。

 

「こいつを見た時、本当に驚いたよ。確かにあいつには兆候というか、素質はあった。でもまさかあいつがこの短期間でマークと同じ脳波パターンを示すなんてな。これがデルタカイにある『ナイトロ』の効果って奴なのかい?」

 

 椅子に座りこみ、ミニのタイトスカートからスラリと伸びた足を組む。キリシマはそのまま隣に立つ同期に視線を向けた。そしてその視線の相手、ニキもまた何かを考えるように唇に手を当てている。

 

「正直私も驚いていますよ。ナイトロは確かに搭乗者の意識を拡張させる装置です。それによりレンの素質が引っ張られた。そう考えるのが妥当ですが……」

「そう。さっきも言った通り、今レンの脳は急速にその拡張を行っている。正直、あいつに休みが取れてホッとしているよ。今あいつに必要なのは休息だ。そうでもしなけりゃ、あいつの脳はいつかぶっ壊れちまう。ま、今の所これくらいで済んでるのは一重にキリエのおかげだろうな。あの子が上手くナイトロをコントロールしている。だからレンはレンのままでいられるって訳だ」

 

 キリシマは最後にそう付け加えた。ニキもそれについては同意できる。

 ガンダムデルタカイに搭載されているシステム。それが『n_i_t_r_o』。ニキとキリシマが語った通り、この装置はパイロットの脳に干渉して意識の拡張を行う。それにより適正の無いパイロットでも強い感応波を得る事ができるのだが、当然副作用がそこにはあった。それはパイロットの脳がそれに耐えられないという事である。

 ナイトロの一番恐ろしい所は機械が脳に干渉し、強制的に意識の拡張を行うことだ。人間の脳はデリケートな物。それを半ば強制的に拡張させる事は強い負担をパイロットに強いる事になるのは当然の事。事実、レンもキリエがパートナーになるまではこのナイトロを起動させてはいなかった。しかし今はキリエが居る。ゼロシステムをシュテルがルシフェリオンを介して使用しているように、彼もまたキリエを通してナイトロを使用している状態なのである。

 今回の事はその副産物と言えるだろう。

 言うなれば、レンにはそれに適応できるだけの適応力があったということか。故にレンは少しずつではあるが、覚醒していったのである。

 それでも脳に負担をかけているという事実は変わらない。酷使すれば壊れるのは道理。そんな中、今回の休暇は渡りに船であったと言えた。

 

「そんで、今急速に意識の拡張をしているのがもう1人。ったくこいつらはこんな所まで似なくて良いのになぁ?」

「ふふっ。同感ですね。彼らはなんだかんだとライバル同士ですから、こういう所でも負けたくないのでしょう」

 

 次にキリシマが開いたモニターもまた脳波パターンを示した物。それはマークとレンと同質のパターンだ。しかもそこに書かれていた名前は「キール・アルド」である。

 

「しかしキールについてはどう説明します? 彼にはナイトロの様なシステムはありませんよ?」

「そいつは簡単だ。エクシアのGN粒子だよ」

 

 首を傾げたニキにキリシマはコーヒーを一口含むと、次にエクシアのデータを引き出した。

 それと一緒に映し出されるのは、かつて彼女達がオーバーワールドシステムで擬似体験した別世界の映像。そこにはエクシアに似た機体が戦いを繰り広げていた。

 

「エクシアの上位機種に乗っていたパイロットは高濃度のGN粒子を浴びたことでイノベイターって新人類になった。まぁ実際は本人の意識改革みたいなものもあったみたいだけど、きっかけはGN粒子である事に間違いはない」

「しかしキールはそれに乗っていませんよ? ……いえ、待って下さい。まさかアヴァランチですか?」

「ご明答」

 

 モニターに次に映ったのは、エクシアとそのフルアーマー装備であるアヴァランチエクシア。横にはその機体から発せられるGN粒子量が円グラフで示されている。その円グラフは通常のエクシアよりも、アヴァランチエクシアの方がより円に近い形をしていた。

 

「確かにエクシアだけだったら、キールもここまではならなかったろうけどさ。あいつが今メインで乗っているのはアヴァランチだ。アヴァランチにはGNコンデンサーが大量に搭載されているから必然的にエクシアよりはGN粒子の量が多い。後はまぁやっぱり本人の意識の問題もあるんだろうね」

 

 ここまで来ると生物学的にどうなんだろうとキリシマは肩を竦めて見せた。ニキもやれやれと同じ様に苦笑いをしている。皮肉にもニューロモビルスーツの出現はマークに続き、2人もの少年を自分達には理解できない高みにあげようとしている。彼女達にはそれが嬉しくもあり、同時に畏怖さえ覚える程だ。

 ニュータイプ、イノベイター、Xラウンダーと言う人の意識を拡張させた者達。果ては強化人間からコーディネイターに代表される、人の手によってより強固な存在になった者達。一昔であれば夢物語のような話だ。最初にマークが覚醒した時は思わず目を疑い、偶然であろうと思ったものだがこうして第二第三の覚醒者が出てくると認めざるを得なくなってしまう。

 

「様々な要因が複雑に絡み合った結果なんでしょうけどね。まぁ、『魔導士』と呼ばれる人がいるんです。こういう事だってあり得るのでしょう」

 

 勿論シュテル達である。彼女達と初めて会った時の事を思い出し、ニキはうっすらと笑みを浮かべた。

 キリシマも同様に思いだしたのか、口元をニヤつかせている。

 System-∀を破壊したあの日。シュテル達を保護し、魔法の存在を直にこの目で見た時は酷く興奮したものだ。が、自分達には使えないと知り、2人共こっそりと肩を落としたのは当人達だけの秘密である。

 

「この世の中はまだまだ知らない事が多い。そういう事ですね」

「全くだ。目下の問題はニューロって所か?」

「そうなります。そしてアプロディアもまた、我々の知らない『何か』という事で間違いないでしょう」

 

 現在これが一番ニキの頭を悩ませている要因だ。

 今になってもニューロの正体は分からず、そこにアプロディアが出現した。同様にコードフェニックスとバルバドロも加わり、戦況は混迷を極める一方だ。こうしてキリシマとブレイクタイムを取れるのも後どれくらいあるのだろう。

 

「差し当たってはディーヴァと各モビルスーツの状況ですね。モビルスーツはカチュアが頑張ってくれているので心配はしていないのですが……」

「上に掛け合ってるんだろ? まだ許可は下りないのか?」

「そうですね。そろそろ結果が出てもおかしくは無いのですが……」

「お待ちかねの情報。持って来てやったぜ」

 

 空気の抜ける音と共に扉が開く。そこには資料を両手に抱えたラナロウがいた。予期せぬ来訪者に2人は目を丸くする。

 

「ラナロウ、どういう事です?」

「いやな、カチュアから頼まれごとをしたんで、あんたを探してたんだ。んでブリッジに行ったら更にミラから伝言を頼まれてな。メールも届いてるはずだから、後は自分で確認してくれや」

 

 そう言って資料を手渡す。それに目を通したニキの口元。口角が僅かばかり釣り上がる。

 

「成程。了解しました。フローレンス。申し訳ありませんが私はここで失礼しますよ」

「ああ。その様子だと、念願叶ったりって所かい?」

「そう思って貰って結構です。それにカチュアのプランも検討しなくてはなりませんからね。では、私はこれで失礼。コーヒー。美味しかったですよ」

「また何時でも飲みに来な。ニキなら大歓迎さ」

 

 ひらひらと手を振るキリシマと、普段はあまり見られないニキの笑顔。そして急ぎ足でニキは医務室を出て行った。残されたラナロウはそんな彼女の代わりに椅子に座って、自分でコーヒーをコップに注いでいる。

 

「なんだい。まだ居たのか?」

「おいおい、つれねぇなぁ。俺だって休憩する権利はあるんじゃねぇの? センセイ」

 

 辛辣なキリシマの言葉に流石のラナロウも顔をしかめて見せる。が、すぐにキリシマは笑って見せた。

 さっきの言葉が冗談だと言わんばかりに自分のコップにもコーヒーを注いでいく。

 

「そりゃそうと、カチュアの奴。まーた、モビルスーツのプラン考えてやがったのかい? まったくまだ子供なんだし無理は止めろとあれほど言ったのに」

「そいつは俺からも言っておいた。今頃は自分の部屋に戻ってぐっすりだよ。っていうか、無理矢理ベッドに縛り付けてきた所だ。つーか、その子供にメカニックリーダーやらせてる俺達が言えた義理じゃないけどな」

 

 実際言葉の通りである。ラナロウにプランを見せたカチュアはすぐに仕事に戻ろうとしたのだ。当然彼女の頑張りを知っているラナロウがそれを許すはずがない。無理矢理抱え上げると、彼女の部屋まで直行しベッドに押し付けてきた所である。そしてカチュアも布団の誘惑には勝てずに、ものの数秒で眠りについてしまった。

 そしてその光景が簡単にイメージできたキリシマは、コーヒー片手になんとも言えない苦笑いを浮かべる。

 

「おいおい、あまり手荒にするんじゃないよ? あの子だって女の子だ。もちっと丁寧に扱ってやんな。後、手ぇ出したら犯罪だかんな。勿論同意しててもだ」

「するかっての!」

 

 ちっとも冗談に聞こえないキリシマの発言にラナロウは頬杖をついて口を尖らす。そんな彼を見て、キリシマはくくくっと意地の悪い笑いを浮かべていた。

 

 

 

2

 

 

 

「そう! 落ち着いてルート守って! ポジションキープそのまま!」

「うん!」

 

 早朝の訓練校グランド。そこに響く軽快なモーター音。

 そして少女の指示と返事の声。

 ティアナとスバル。毎朝自主的に訓練を行う2人の日常光景だ。

 

「これで来月分までの予習完了! 教えた通りちゃんと全部できたでしょ?」

 

 息を切らせてティアナがスバルに駆け寄る。そしてそれを言われたスバルは「えへへ~」と頭を掻いていた。2人がこうして明朝から自主訓練を行っているのには理由がある。

 

「結局あんたは自分のバカ力をちゃんと使えてなかったのよね。早めに矯正できて良かったわ~」

「ごめんね。要領悪くって……」

 

 それはスバルがきちんと力を調整できるようにすること。

 初日にシュテルに言われた事をティアナなりに考えて、行動した結果だ。そのおかげもあり、スバルとの連携も最近では上手くこなせるようになってきた。同時に注意される事も無くなり、こうして予習に専念することもできる。

 

(まったく。こんなのキャラじゃないのよ)

 

 タオルで汗を拭きながら、ティアナは目の前でニコニコしている相方を見る。

 シュテルの言葉の通り、確かに素質は申し分ない。むしろそれほどの素質を持ちながらも、それを活かす術を知らないという事が驚きだ。誰しも最初は力の制御を覚える事から始めるのがセオリー。 しかし目の前の少女はそれを飛び越して、取り合えず詰められるだけ詰めてきましたと言わんばかりの状態でこの訓練校に入学してきたことになる。

 ティアナにしてみればなんと羨ましく、恵まれた状況だろうか。素質だけで生き残れる程甘い世界ではないというのに。

 ある意味、謎過ぎる。理解できない。それがティアナのスバルに対する見解だった。

 

「2人共、お疲れ様です。はい。差し入れのスポーツドリンクです」

「シュテル姉! うわーい! ありがとー♪」

「ほらよティアナも。水分補給はきっちりやっとけよ」

「あ、ありがとうございます……」

 

 謎と言えば、この2人もまた別の意味で謎だ。

 自分達の訓練を見ていたのか、突然姿を見せたシュテルとレン。彼から受け取ったスポーツドリンクの蓋を開けつつ、ティアナはスバルがじゃれつく2人を見る。

 この2ヶ月の間に得た情報と言えば、この2人が色々と規格外だと言う事だ。2人共、妙に場馴れしている。それは同様にディアーチェとレヴィにも言える事だが。魔力の処理速度、状況判断、コンビネーションの精度。どれも一級品レベルだった。それはもう訓練校に入る意味があるのかと思えてしまうほどに。

 そしてそんなレベルを叩きだす2人がそれを別のパートナーで行っているというにも驚きだ。

 スバルからレンとシュテルが本来のパートナーだと聞いた時は耳を疑ったものだ。

 しかし言われてみれば、なんとなく納得できる。確かに仲は良いようだし。今朝だって現在のパートナーと一緒ではなく、この2人がセットでこの場に居る。

 あの2人には自分達とは違う深い絆がある、と言っていたのはレヴィだったか。

 その割に1日1回はレンがシュテルに殴られているが、それもまた仲の良さを示すバロメータだと以前、ディアーチェも言っていた。同時にあの2人が組めば、自分と組むよりももっと高成績を収めることもできる。そんな事もあの子は言っていた。

 だからこそ、スバルが自分の力を制御できていなかった事が不思議で仕方ない。

 あの4人を見ていれば自然と力の使い方を覚えても良いだろうに。

 あれか? レベルの高い人達を見ているからそこに基準ができてしまっているのか?

 

(はぁ……。才能の塊って怖いわ~。ま、凡人のあたしには縁の無い事だし。それに他人の事なんてあたしにはどーでも良い事だけど)

 

 ティアナが目指すは訓練校の主席。その為には目の前の壁を越えなければならない。そしてそれを成し遂げるにはパートナーであるスバルのレベルアップは必須事項だ。だから訓練も付き合うし、多少なりとも意思疎通の為に世間話程度もする。全てティアナにとっては通過点。だからこれはその為に必要な事。スバルがどう思っていようとも、彼女にとってはそれ以上でもそれ以下でもない。

 そう彼女は割り切っていたつもりだった。

 

 

 その日の訓練が終わった夜。ロビーは訓練生でにぎわっていた。訓練開始から2ヶ月。入学からこれまでの成績が評価され、第1回目の順位が張り出される。それを見に多くの訓練生が集まっていたのだ。

 当然評価が気になるティアナも、スバルと共にそれを見に行っていたのだが……。

 

「み、見えない……」

 

 余りの人に全く掲示板に近づけないでいた。一刻も早く順位を確認したい彼女は、その人数にいい加減辟易してしまう。

 

「ふぇ~。こんなんあるんだぁ」

「当たり前でしょ。訓練校の中でも競争はあるんだからね。まぁ最近の手応えから行けば、そうそう悪くはない筈なんだけど。う~、やっぱり見えない……」

 

 終いにはぴょんぴょん跳ねてみるが、如何せん無理がある。前にいるのは自分より背の高い人達ばかりだ。そんなに背の高い方ではないティアナではなかなか見る事ができない。それでも懸命に跳ねる。諦めずに何度も跳ねる。こうなれば意地でも見てやる。オレンジのツインテールが何度も揺れていた。

 

「そんなにぴょんぴょん跳ねて兎かお前は」

「いや、それに違いますよレン。私が思うにティアナは猫ですね。しかもデレると相当甘えてくるタイプと見ました。典型的なツンデレですね。ごちそうさまです」

「じゃースバルはワンコだね! ご主人さまー♪ってスリスリしてきそう。う~ん、これってデレデレ?」

「お前らいい加減にしろ。ほれ、ティアナが睨んでるぞ?」

 

 後ろからは聞き慣れた声。誰が猫だと睨みながら振り返るが、全く動じない4人組。

 むしろ楽しんでいる。シュテルが手首を曲げて「にゃーん」と言っているのが更に頭に来る。

 猫はむしろアンタでしょ! っていうか、むしろその台詞をあんたにそっくり返してあげるわ。

 ティアナがそう思ったのは間違いじゃないはずだ。

 

「ったく。あたしは猫でもツンデレでもないっての。って、あんたも少しは言い返しなさいよ!」

「ん~? まぁレン兄達だしねー。っと、ねぇねぇランスターさん、見えたよ!」

「えっ!? あんたこの距離で!?」

「うん。視力には自信があるんだー。えーっとね、32号室ナカジマ&ランスター……総合3位!」

「うそっ!!」

 

 思わず叫んでしまった。そんな事を聞けば是が非でも見たい。なんとか人波を掻い潜り、掲示板の前に立つティアナは少し呆けた後、小さくガッツポーズを取る。スバルの言葉は真実だった。そして普段あまり見る事の無いその笑顔にスバルも笑顔を浮かべ、後ろで見ていたレン達も自分達の様に喜んでいた。

 が、総合1位と2位を見たティアナは、途端にその笑顔を曇らせる。

 総合2位。33号室、スタークス&ラッセル。

 総合1位。34号室、アマミヤ&クローディア。

 見事にレン達が1位と2位を独占していたからだ。

 

「はぁ。やっぱりあの人達が持ってっちゃったかぁ。分かってたとはいえ、素直に喜べないわねぇ」

「おいおい、そんなに悲観する事ないと思うぞ? むしろ、この時点で俺らがトップ取れるのは当然なんだからな」

 

 呟いた言葉が聞こえたのか、ティアナの頭をレンが軽く叩いた。それを振り払いながらティアナはむっとした顔でレンを睨む。どう考えても嫌味にしか聞こえない。

 

「どういう事ですか? これが出来レースだとでも?」

「それは違いますよティアナ。私達はそれぞれのパートナーを良く知っている。これはそれ故の結果です」

「そうそう。もうボクらはなんとなく相手がどう動くか分かっちゃう。だから出来が良いのは当たり前」

「だからな、この短期間でスバルと連携を組みたてたティアナ達の方が凄いという事だ」

 

 ティアナには言っている意味が分からなかった。むしろ4人を見る顔は更に怪訝さを増している。

 納得がいかない。ティアナの顔はそう物語っていた。

 4人は互いに顔を見合わせると、代表してシュテルがティアナの前に出る。

 

「ティアナ、結論から言いましょう。今回の結果、本当のトップは貴方達です」

「だからその意味が分からないのよ」

「そうですね。ならばティアナ。こう考えましょう。先ほど、私達はそれぞれのパートナーを良く知っていると言いましたね。ではティアナとスバルは? ほんの2ヶ月前まで貴方達は他人だったでしょう?」

「……あ」

 

 漸く合点にいった。

 つまりシュテルはこう言いたいのだ。

 自分達はこれまで積み重ねてきた実績がある。だがティアナ達に限らず、この訓練校の生徒達はそれをゼロから組み立てている最中だ。しかもこの2ヶ月という短い期間の中で。故にこのシュテル達が総合のトップを取れるのは必然であり、逆に考えればティアナ達が本来のトップであると。

 

「総合3位。素晴らしい成績です。ティアナ、貴方はもっと胸を張っていいのですよ」

「はぁ……」

「うわーい! ランスターさん聞いた? あたし達がトップだってよ!」

「ええい、くっつくな! うっとおしい!!」

 

 その言葉を聞き、ティアナにじゃれついてきたスバルをぐいぐいと押しやるも、スバルも今回は負けじと食い下がる。そんな様子をシュテル達は微笑ましく見ていた。

 しかし、そんな事を言えばどうなるか。

 上が居ると言う事は同時に下も居ると言う事。彼女達はそれを完全に失念している。

 

 

「……何よアレ。トップ取れて当然ってふざけてんの?」

「しかも実質あの子達がトップ? だってあの子、士官学校も空隊も落ちてるんでしょ?」

「相方はコネ入局。陸士士官のお譲だし。格下の陸士部隊ならトップ取れると思ってんじゃない?」

「それにあの人達だって元々次元漂流者だっていうじゃない。あんな事言って恥ずかしくないのかしらね」

 

 

 囁くように聞こえる会話。

 シュテルの言葉に納得した瞬間これだ。ティアナは声の聞こえた方を睨みつけるが、当然誰が言ったか等分かる訳も無く、彼女はただ固く拳を握りしめるしかない。

 

「……ティアナ。休憩行くぞ」

「レンさん! レンさんだって今の聞こえたでしょ!」

 

 レンに肩を叩かれ、睨みつけたのも一瞬。ティアナはすぐに表情を変えた。

 今まで見た事も無いレンの顔がそこにあった。怒りと悲しみ。それが混ざりあい、生み出した能面の様な無表情。ただただ光の無い瞳がティアナを見ていたから。

 

「うん。ランスターさん。ここはレン兄の言う通りにしよう。ね? 休憩行こ?」

「でも!」

「はい、とっとと休憩行くよ~」

「ちょっとレヴィまで! 痛いって!」

 

 言い返そうとするが、レヴィが手を取り半ば引き摺るようにティアナを外に連れ出して行く。

 そしてその後を追うように、レン達もその場から離れて行くのだった。

 

 

 

「言われっぱなしじゃ駄目じゃない!」

 

 外にあるベンチにどっかりと座りこむと同時にティアナは開口一番そう声を張り上げた。

 

「言われたらちゃんと言い返さなきゃ!」

「んー、あたしはそう思わないかなぁ」

「間違った事を言われた。それは正さなきゃ。正しいって証明させなきゃ駄目じゃない!」

 

 スバルから受け取った缶コーヒーを強く握りしめ、ティアナは怒りを隠そうとしない。

 しかしスバルは言葉の通り、さほど気にもしていないように首を傾げてみせる。

 

「ってゆーか、あんなの軽口とかちょっとした憎まれ口の類でしょ? そんなのに正しいとか間違ってるとかないよ。それにランスターさん、あの子達が言ってたような事思ってないでしょ?」

 

 スバルがティアナの顔を覗きこんでくる。その真っ直ぐな視線にティアナは目を逸らした。

 全て見透かされているような真っ直ぐな瞳。ティアナはこの瞳が苦手だ。この少女は時折このような視線を向けてくる。ひねくれている自分とは大違い。それをまざまざと見せつけられているようで。

 

「……さぁね」

 

 だから、馬鹿正直には答えてなんかやらない。敢えて、話をはぐらかそうとする。

 だがスバルは引き下がらない。尚もその真っ直ぐな視線でティアナを射抜く。

 

「ランスターさん、本当は士官学校や空隊とかに行きたくって、ここなら楽勝と思って入ってきた?」

「どうしてあんたにそんな事……」

「教えて。あたしとランスターさんは仮とはいえ、今はコンビだよ? パートナーのプライドを守る役目があたしにはある……と思うんだけどなぁ……。駄目?」

「スバル。そこは自信持って良い所だぞ?」

 

 尻すぼみになってしまったスバルの肩を叩いたのは呆れ顔のディアーチェ。レン達も苦笑いしている。

 どうやら逃げ場はないらしい。ティアナはそれを悟ると、溜息混じりに語りだした。

 

「……落第は事実よ。士官学校も空隊も両方落ちた。だけど今居る場所を卑下する程腐ってないわよ!」

 

 その言葉には力がある。ティアナは拳を固めると立ちあがり、空の月を見上げた。

 

「いつかは空に上がる。だけど今は誇りを持ってここに居る。一流の陸戦魔導士になる! ここをトップで卒業して陸戦Aランクまではまっすぐに駆けあがる。それが今のあたしの目標よ!」

 

 そう熱く語るティアナを見てスバルは微笑んでいた。漸く本音を引き出せた。いつも感じていた若干の壁。それを今乗り越え、ティアナの本質を見られた事が嬉しくて。

 だからスバルも両手を広げて、力いっぱい宣言する。

 

「じゃあ証明していこう! 正々堂々、陸戦で凄い所を見せればきっとみんな認めてくれる! もしかしたら頼られちゃったりするかも!」

「……アホらし。そんなもんそうそう上手くいくわけ……」

「いく! ランスターさん絶対すごいもん! あたし保障する!」

 

 またあの目だ。他人を信じてやまない真っ直ぐな瞳。

 唖然とした後、くしゃっと自分の前髪を掴み、俯くティアナ。その顔は腕に隠れて見えない。

 そしてスバルは胸を張ってドヤ顔。自分は言い切ったぞと言わんばかりだ。

 

「……ったく。あんたはホントお節介ね。でもま、実力で黙らせれば良いってのも確かにそうだわ。気にしない事にするわよ」

「うん! うん!」

 

 やれやれと遂にティアナがスバルに折れた。頭を掻きつつも呟いた言葉はスバルを笑顔にするには十分過ぎる。むしろ喜び過ぎてスバルの背後にお花畑が見えるかという程だ。

 

「話はまとまった?」

「まぁね。なんかこの子に押し切られたって感じだけど。レヴィ達にも迷惑かけちゃったわね」

「いいよいいよ~」

 

 近くの石段に座っていたレヴィ達。まとまった所でレヴィが声をかける。ティアナはばつが悪そうに頬を掻きながら答えると、レヴィはひらひらと手を振りながら、気の抜けた声で返した。

 これはティアナとスバルの問題である。そう判断した4人はただ何も言わずにこの状況を静観していた。

 勿論大きくこじれるような事があれば、助け舟を出すつもりではいたがどうやらそれも杞憂になったようだ。なんにせよ、1つの山を越えた。4人はそう確信する。

 

「しかしあんた、本当にお譲だったのね……。最初適当に言ったつもりだったんだけど……」

「うちのお父さん、確かに陸士部隊の部隊長だけどコネとかじゃないよ?」

「分かるわよ、それくらい」

 

 その程度ティアナにだって分かる。もしもコネを使うのであれば士官学校が定番だ。わざわざ陸士訓練校に入れる理由が全くない。士官学校ならば卒業と同時にエリートの道が待っているのに、同じく卒業と同時にハードワークが待っている訓練校に進んで入れる親などいないはずだ。

 

「うちはお母さんも陸戦魔導士だったし、陸戦も子供の頃からの憧れではあったんだ」

(だった……?)

 

 懐かしそうに語るスバルの言葉にティアナは引っ掛かりを覚える。

 何故過去形なのか? 尋ねようとしたが、何故かそれを躊躇ってしまう。

 無闇に触れてはいけないような気がして……。

 だから別の話題で茶を濁す事にした。

 

「そういえばレンさん達も元次元漂流者って……」

 

 これも気になっていた事の1つ。先ほどの陰口にあったこと。しかしいくら茶を濁す為に別の話題が必要だからといっても、これは悪手だとティアナは言ってから後悔する。

 次元漂流者の大半が元の世界から何らかの事故で、このミッドチルダに来た人達だ。その事故は偶発的なものから、多くの犠牲者を出した事故まで実に多彩。だが次元漂流者という人達はある確実な結果故に、そう呼ばれている。

 それは元の世界に戻れなくなった人達だということだ。

 その事を言ってから思いだし、ティアナは慌てて頭を下げて4人に謝罪した。

 

「ご、ごめん! ついうっかりこんな事聞いちゃって!」

「あ~、気にするな。その辺り我らも割り切っておる。それに世界を越えるなど、初めての事でもないからな。まぁこの世界に来たのは流石に驚いたが、むしろ幸運だったかもしれん」

「え? えぇ!?」

 

 特に気にした様子でもないディアーチェの声にティアナは驚きと共に顔を上げる。むしろ4人は笑っていた。ディアーチェの言う通り、全く気にしてないと言いたげに。

 また訳が分からなくなった。世界を越えるのは初めてではないとはどういう事か。

それになんだろう。この元からミッドチルダ知っていたようなこの素振りは。

 とりあえずスバルを肘で突きながら現状の説明を求める。お願いだからこの状況をきちんと教えてほしい。でないとティアナは頭がパンクしそうだった。

 

「ん~。レン兄達は事故でこっちに来たってのは間違いないんだけどね。でもレン兄以外は3人とも元々魔法が使えたんだって。私のご先祖様と同じ地球から別の世界に行って、こっちに戻ってきたって感じらしいよ」

「はぁ? 元々魔導士だったってこと? それに何よ、レンさん以外って」

「言葉のまんまさ。ディアーチェ達は元々フリーの魔導士。ちょっと事情があって俺の世界に居たんだけど、今度は俺がこっちに引きこまれたってわけ」

「何故我らまでが次元漂流者扱いになっているのか、納得できないのだろう?」

 

 コクリと頷く。隣にいるスバルもだ。4人は顔を見合わせる。そろそろ話してもいいかもしれない。

 頷きあうと、掻い摘んでではあるものの彼女達は語り出した。

 レンが潜り抜けてきた戦いの日々。そしてシュテル達との出会いと、再び始まった戦い。その結末まで。

 それはティアナとスバルにとっては文字通り別世界の出来事。実感も湧いて来ないし俄かには信じられない。けれどもそれを嘘だと否定することもできない。

 

「よしんば、元の世界に帰る方法があったとしてもまだ帰ることはできない。仲間をまだ見つけてないからな。その為にはどうしても管理局の力が必要だ。個人で動くには限界がある。だから俺達はここに居る。ま、後は折角の力だし、それで誰かの笑顔が守れたら最高じゃん?」

「個人で動くにしてもそれなりにやりようはあるんですけどね。ええ。手段さえ選ばなければ、ですが」

「うぉい! 折角良い感じに纏まったと思ったのに!!」

 

 目の前の喧騒も耳に入らない。ティアナは隣のスバルを見る。しかし彼女も首をフルフルと横に振るのみ。どうやら、ここまでは知らされていなかったようだ。しかし理解できたこともある。それだけ密度の濃い時間を共にしたのだ。他とレベルが違うのも納得できる。

 才能云々の話ではない。そもそも経験が違う。それでは差があって当たり前だ。

 それがティアナの結論。

 だが、だからと言って彼女の目標が絶たれた訳ではない。

 ただ越えるべき壁が『少しだけ』高くなっただけだ。

 

「上等よ。目標は高い方が俄然やる気になるってもんよ!」

「そうそう、その意気だよ! あ、そうだランスターさん! ならさ、シューティングアーツちょっと教えてあげるよ。何かの役に立つかもよ?」

「えー? いいわよ、そんなの。慣れ合うつもりはないってのに」

「慣れ合いじゃないよ。経験と学習! ほら、こう構えてね」

「人の話を聞け――ッ!」

 

 有無を言わさずティアナの手を取り、基本のパンチとキックだけでもとスバルが熱心に教え始める。

 最初は文句を言っていたティアナも、一発良い音のするパンチが決まると次第に夢中になってスバルの教えに耳を傾けている。それにレンとレヴィも加わり、スバルの熱は一層増していく。

 やれやれとシュテルとディアーチェは互いに苦笑し、それを見守る。

 

 月明かりの下、笑い声がいつまでも響いていた。

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