IS仮面ライダーの力を持つ男はアベンジャーズの一員!?   作:バケツ頭

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最終決戦序章!亡国企業またもや襲来!

亡国企業の秘密研究所。

 

シロウはDr.グリムの研究所から帰るところだった。今日はベルトの調整のためにこの研究所によっていたのだ。研究所は各国に設置されているらしいが詳しいことはあまり知らされていない。

 

「……しまった。ハリケーンは修理中だったな」

 

仕方がない歩いて帰るとするか。それに少し考えたい事もあるしな。最近俺が見る夢の事だ、恐らく………というより間違いなく俺の両親に関しての記憶だ。不思議なことに古臭い曲を聞くたびに思い出す。何か関係しているのか…………

 

「おいこんな所に捨てるのかよ?」

 

「Dr.の命令だ、可哀想だが仕方がない」

 

「何をして、る?」

 

俺は男達が廃棄用のゴミ箱に捨てたものを見て目を疑った。男達が捨てたのは注射針の痕が多く残った少年の遺体だった。あまりにも酷い状態に俺は思わず口を押さえた。その瞬間俺の中で何かが音を立てて崩れ去っていった。

 

「こ、これは」

 

「Dr.グリムの実験台にされた小僧だ」

 

「あの野郎はマッドサイエンティストとかいう生易しいレベルじゃねえ」

 

「本物のサイコパスだ」

 

男達が去った後も俺は少年の亡骸を眺めていた。この子はきっと何も知らないまま恐怖と悲しみと怒りでいっぱいのまま死んでしまったのだろう。この光景は二度と忘れないだろう、忘れたくても忘れられるものではない。

 

底知れない怒りがこみ上げてきた。亡国企業はこんな事までしてたのか…………そう思うと今まで俺がやってきた行いが全て馬鹿馬鹿しく思う。こんな組織のために俺は戦ってきたのか…………

 

その後俺は少年の墓を質素ながら作り冥福を祈った。そして俺はチームのみんなを集めてこの事を話した。

 

「俺はこの組織が正しい目的の為にやってるんだと思い込んでた。その為には法に触れる道も仕方がないと思っていた。けど、奴らがやってるのはそれを遥かに超えた外道のやる事だった」

 

俺はずっとこの理不尽な世界を変えるためにこの組織に身を委ねたんだ。でも本当はこの組織がやってる事はど畜生以下だ。これなら形だけ世界を守っているアベンジャーズや加賀山サムの方がまだましだ。

 

「で、でもそれじゃあオータムさんやスコールさんの二人もこれに関係してるって事ですか?」

 

「それは分からない。だが一つ言えるのはこの5人を除いて亡国企業の人間は信用できないって事だけだ」

 

「これからどうする?」

 

「少なくとも俺はもう亡国企業を抜ける」

 

「正気かよ!?亡国企業はヒドラと繋がってるって噂だ。裏切り者は始末されるぞ」

 

「関係ない。こんな所にいたら死んでるも同じ、俺と来たいやつは?」

 

俺の問いにみんなはゆっくりと手を挙げた。みんなこの組織が狂っていることを薄々感じていたんだろう。どちらにせよ俺は達はもう駒として使われるのもこんな腐敗した事の片棒を担ぐのも嫌だ。先ずはここ以外のところに行こう、それから亡国企業を叩き潰す作戦を練る。

 

「何の話をしているんだ?」

 

声の方を見るとグリムとスコールとオータムが部屋に入ってきた。だが明らかにスコールとオータムの様子がおかしかった。まるで体から自分の意思が抜けているようだ。

 

「正式に辞表を出しに行く所だ。俺達は組織を抜ける」

 

「こんな所いるわけには行きません」

 

「世話してもらった義理はあるがあんたらがこんな事してると知った以上はな」

 

「………実に残念だ。だが」

 

とその時、部屋にガスがいきなり散布された。ガスを吸い込まないように俺たちは口を塞ぐが意味はなかった。次々と倒れていく中俺はグリムの胸ぐらを掴んだ。当のグリム達はガスマスクをつけてガスを防いでいた。

 

「ゴホッ、ゴホッ。グリ、ム………貴様」

 

「安心しろ。次に目覚める時は私に忠誠を誓うようになる」

 

 

 

数十分、数時間とどれくらいの時間が経過したのか定かではなかった。目を覚ました俺をひどい頭痛が襲う。体を動かそうとすると何かが俺の動きを遮った。よく見ると両手両足を拘束されていた。重いまぶたをゆっくり開けると俺とクリスは手術台に乗せられていた。既にマドカとレオとセルビアは既に拘束を解かれていたが目が虚でさっきのスコールとオータムのような感じだった。そして隣には泣きじゃくり両手両足を拘束され薬を打たれたクリスが白衣を着た男達にベルトを弄られていた。

 

「うう……もう、やめてくだ、さい」

 

「クリス!貴様ら一体何をしたんだ!?」

 

「何って、君たちのパワーを上げているんだよ」

 

「グリム貴様っ!!」

 

必死に飛びかかろうとするも拘束器具が邪魔で身動きが取れない。するとグリムは一本の杖を持ち出してきた。そしてその杖の矛先をクリスの胸に当てた。杖から青白い光がクリスの体内に流れ込んでくるのが分かった。

 

「ああ………あ…………」

 

「流石はアスガルドの代物、脳改造より簡単だな」

 

青白い光を流し終えるとグリムはクリスの拘束を解いた。解かれたクリスもまたあの3人と同じように目が虚になっていた。まさかあれは人間を洗脳できる杖だとでも言うのか?

 

「さて次は君の番だ。先に君のパワーを上げてやろう、ただし尋常じゃない痛みを伴うがせいぜい死なないでくれよ」

 

白衣を着た男達は俺の周りに立ち器具を持ち出した。そしてチューブなどを俺の体に突き刺し準備をし始めた。そのチューブからは以前投与された血清と同じ色をした液体がが流し込まれていた。液体が俺の体内に入った瞬間俺の体に激痛が走った。

 

「ぐうっ…………がああああアアアア!!」

 

 

 

 

「あー、最終回も近いと言うのに何も起きやしない。いやこれからか」

 

俺は今自分の部屋のベッドの上で賢者タイムを迎えていた。今日のネタは催眠に挑戦してみた。言っとくが俺だって普通の高校生だ、それにルームメイトがいない時にしか出来ないからさ、大変だよ。そういえば一夏とそんな話あまりしないな。あいつマジでそっちの趣味でもあるんじゃないか?

 

話を変えよう実は最近俺はとあるアニメにハマっていてね。俺はさ、二話まで見て見るか見ないかを決めるんだけどそのアニメはもう全話見たね。そのアニメとは、

 

『私の銃弾は何を撃ち抜けばいいの?ただれた悪意?醜い終末?…………にじよめ学園ズキューーン葵!』

 

いやー、やっぱ葵たん可愛いなあ。これは俺の知ってるアニメでNo. 1の神アニメだ。そうだ、今度久しぶりにアキバに出かけよう、最近あの店にも顔出してないし。博世ちゃん元気してるかな?

 

「ただいまサム」

 

「おかえり一夏。そうだ今度のタッグトーナメントの事なんだけどさ」

 

「あー悪いサム。俺もう相手決めてるんだ」

 

「把握。でもそうなると俺多分溢れるな」

 

人数的には恐らく奇数になるだろうからな、どうしたもんかね。最悪ミッドナイトシャドー使って分身の誰か呼びだせばなんとかなりそうだけどそれはそれで悲しいな。

 

「ところで一夏は誰と組むんだ?」

 

「楯無さんの妹さんとだ」

 

「あの人に妹がいたの?」

 

「4組の更識簪さん」

 

またすごい名前だこと。簪って、キラキラネームに入るのかな?でもこの学園てすごい名前の人が多いよな。箒とか楯無とか俺この学園に来るまでそんな名前の人がいるなんて知りもしなかったよ。

 

 

 

数日後、結局タッグトーナメントの相手も見つからず俺は分身を使って出場する事にした。まあ手続きが大変だったけど出ないよりはマシだ。タッグトーナメントまではまだ日があるから整備室でドライバーのメンテナスをしとかないと。コーカサスゼクターが壊れてから使用頻度が明らかに多くなったのは言うまでも無い。蓄積されたダメージも相当なものだろう。

 

「整備室、整備室と」

 

整備室に行くと眼鏡をかけたセミロング女子生徒がモニターと睨めっこしていた。この時間に人がいるとは、まあ集中してるみたいだし邪魔しないでおこう。俺は女子生徒が座っている場所の反対側に行き作業を始めた。

 

「さてとimmortalsでも聞きながらやるか」

 

『They say we are what we are …………』

 

俺はドライバーをコンピュータに接続し爆熱デッドヒートドライブのスーツを台車に乗せた。正直なところドライバーを弄るよりアイアンマンスーツ見たく整備した方が楽だ。エネルギーはアークリアクターからの供給で余裕だけど今ひとつリパルサーの威力がなあ。もう一段階くらいは威力を上げれないものかな。現状はドライバーをつけると腕や足の部分のみならアーマーが展開できるようになっている。もう一つ欲を言えばつけた瞬間に1秒もかからず変身したい。シフトカーやシグナルバイクを予めつけておくってのもありかな。

 

「…………」

 

さっきから視線を感じると思ったら眼鏡の女子生徒が台車の上のドライブをじーっと眺めていた。俺はヘッドホンを取り女子生徒に声をかけてみた。

 

「えーとどうかした?」

 

「え?………いや、その……アイアンマンみたいでカッコいいなと思っ、て」

 

「アイアンマン好きなの?」

 

「う、うん……アベンジャーズの中ではアイアンマンが好きかな」

 

ショック〜!なかなか胸に突き刺さる。俺よりトニーがいいなんて、確かにトニーは金持ちだし天才だしスーパーヒーローで…………凄いな完璧すぎじゃん。まあ俺は世間に正体を明かしてないからな。掲示板では仮面ライダーは超ミステリアスヒーローって書かれてた位だし。

 

「俺は加賀山サム。君の名は?」

 

そういやあの映画長い事映画館でやってたよ。本当、すごいよね。

 

「更識、簪」

 

「ああ、君が会長さんの妹さんか。所で結構集中してたみたいだけど何してるの?」

 

「その………専用機作ってるんだけど、中々上手くいかなくて」

 

「どれ、ちと見してみ」

 

更識さんのモニターを見て現在の状況を確認した。成る程、駆動部の反応がやや悪いがこれを一人で作るなんて大したもんだよ。

 

「簡単な事だよ。このサイクルを上げるんだ、もしよかったら手伝うけど?」

 

「別に……いい」

 

「……把握、手伝いが欲しかったら言ってあっちにいるから」

 

見た感じこの子は一人でやりたい派なんだろう。例えば出来過ぎる姉と比べられたせいでストレスを感じてるとか。俺は再びヘッドホンをつけ作業に戻った。

 

その後数時間俺はドライブと向き合っていた。疲れるけど楽しいよ、ただ最近アイアンマンの装着方法にも憧れてる。俺のは大抵ドライバーやベルトからスーツが形成されるだろ?アイアンマンのガチャガチャした装着法もカッコいいなと思うんだよ。それは別として近いうちにでもドライブのテストとチェイサーの動作もチェックしないと。そろそろチェイサー使わないと埃かぶるな。

 

 

数日後、

 

「よし、僅か数行空けたら数日後だ。全くもって素晴らしい、退屈な授業はすっ飛ばせるから」

 

ドライバーのテストのため俺はアリーナにきていた。俺はドライバーを腰に当てた。立ち上がりは部分展開から行くとしよう。両腕両足のアーマーを展開した。展開時間は僅か1秒弱、以前より早くはなっている。

 

「流石は俺……………駄目だ、トニーみたいな典型的ナルシストになって来てる…あれ誰か飛んでる」

 

空を見上げるとI見たことのないISと共に一夏が空を舞っていた。よく見て見る打鉄に似ていた。あれは更識さんか。すげえ、もう飛ばせるようになってんじゃん。今の所問題なく動いてるようだし良かったよ。しかし右脚部のブースターのジェットの様子がおかしい。とその時である。

 

「………!?」

 

簪さんの機体のブースターが突如爆発した。片方のブースターを失っいバランスを崩した簪さんは機体ごと中央タワーの外壁へと一直線に突き進んでいく。あのままじゃ壁に激突するぞ!

 

「ヤバイな!変s」

 

「簪いいいいっ!」

 

俺が変身しようとした刹那、一夏が瞬時加速(イグニッションブースト)による最大出力で簪さんと壁との間に割り込んだ。そして一夏は簪さんを抱きしめ背中から壁に激突した。

 

「ぐう…………」

 

「おり……むら、くん?」

 

「大丈夫……か、簪さん?」

 

どうやら二人とも無事らしい、まあ怪我しなくて良かった良かった。でも壁はかなりへこんでいて一部が割れている。て事は毎度のごとく報告書を出すパターンになりそうだな…………よし、見なかったことにしよう。俺はアーマーを解除してソロリソロリとその場をはなれた。テストはまた後日することにしよう。

 

 

その夜の事、俺一夏簪さんの3人で晩御飯を一緒に食べていた。やっぱり報告書を提出しないといけないらしい。触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものだ。とそんな中簪さんが俺の財布のストラップを目視していた。そのストラップは限定生産のズキューーン葵のストラップだった。

 

「…………加賀山君、その……ストラップ、限定版ズキューーン葵の?」

 

「ズキューーン葵知ってるの!」

 

「……神アニメだから」

 

おお、こんな近くに同士がいたとは。これは今度アキバに行く時には是非簪さんを誘うとしよう。その後俺と簪さんの話は歪んだ。途中一夏でも会話に参加できるよう俺ら世代の戦隊やアニメの話を沢山した。いやー、チャットでやるよりはるかに楽しいよ。そしてようやく一夏は本題を持ち出してきた。

 

「なあサム、もし良かったら簪の機体を直すのを手伝ってくれないか?」

 

「ああ、別に良いよ」

 

「よ、よろしく……お願いします」

 

こうして俺は簪さんの専用機を完成させる手伝いをすることになった。俺が今いる場所は第二整備室、この場にいるのは整備課の黛先輩とのほほんちゃん。そして黛先輩が連れてきた京子っていう人とフィーって呼ばれている人がいた。整備課のエースばかりだしこれなら直ぐに終わりそうだ。

 

「揃ったしそろそろやる?」

 

「言っておくけど私は高いわよ〜?独占インタビュー……ううん、デート一回ね」

 

「か、勘弁してくださいよ黛先輩!」

 

「はーい、はーい。私もおりむーとデートがいいなぁー」

 

「じゃ俺も一夏とデートで!」

 

「なんでそうなる!?」

 

「「「……え?」」」

 

のほほんちゃん以外ドン引きじゃんか。マジで受け取らないでよ。

 

「まあ早速作業に入ろうや?」

 

墓穴を掘った俺は強引に作業を開始した。ハードウェアとソフトウェア、両方に問題が山のようにあった。そこで俺たちは分担して作業を行うようにした。勿論一夏は雑用だけどな。

 

「織斑くん、そっちのケーブルカー持ってきて!」

 

「一夏悪いけど特大レンチ持ってきて!」

 

「空中投影ディスプレイが足りないので、液晶ディスプレイ取ってきてくださいなぁ。8個ほど。あと小型発電機も借りてきてねえ」

 

数十分後、

 

「織斑君髪留め付け直して!」

 

「織斑ジュース飲ませろ!」

 

「おかしとってくださぁぃ」

 

「ハンバーガー作って!」

 

「は、はいいい!!」

 

一夏は集中してやってるからこっちが何言っても言うこと聞いてくれる。これは利用できそう。みんなもだんだんノリを分かってきたのか遂には全く関係のない事まで頼み始めてきた。

 

「織斑、この本図書室に返してこい!」

 

「シャンプー切れてたから購買で買ってきて!ハーブの匂いのやつね!」

 

「一夏、次の戦隊のアイテム買ってくれない?」

 

「全部関係ないでしょうが!それもこれもあれも!」

 

「あ、引っかからなかった」

 

「チッ、賢い奴だぜ」

 

俺は割とマジな方で頼んでるのになあ。あれ揃えるだけで一体いくらいかれるのか考えたくもないね。とはいえ結局全部揃えるんだけどね。

 

 

 

 

「基本部分はこれでいいんじゃない?」

 

「そうね。更識さん、機体の動作に違和感はない?」

 

「だ、大丈夫……です。あの……気になったことが、一つ…………この白のマフラー、何ですか?」

 

「それは俺からのプレゼントさ。デンジマンやサンバルカンと同じものを作ったつもりだけど?」

 

「ほ、本当だ……よく見たら……ありが、とう加賀山君」

 

「火器制御システムは?結局、マルチ・ロックオン・システムは諦めたのか?」

 

「は、はい。通常のロックオン・システムを使います」

 

今の打鉄弐式には内臓火器に高性能誘導ミサイルを搭載。計六基になるそれらは、一度に八発の高性能小型ミサイルを備えた武装ポッドだ。最大で同時48発の一斉射撃を行えるという代物だ。しかし、マルチ・ロックオン・システムが完成しなかったので本来の高命中率、高火力の性能が引き出せていない。

 

それでも一週間でここまでやりゃ十分でしょうよ。先輩達やのほほんさん達の腕も中々なものだった。そしてこの一週間で一つ分かったことがある。それは簪さんが一夏に好意を抱いていることだ。あのフラグメーカーはまた何処かでやったらしい。全く天性の才能というか何というか。でも現実はそんなに甘くないぞ〜!

 

「それじゃあ後片付けは一夏に任せて帰るかいお嬢さん方」

 

「「「おー」」」

 

「て全部俺任せ!?」

 

「当たり前だろ?それじゃあ俺らはお先に戻るね。簪さんうまくやってね」

 

俺が帰り際に小声で伝えると簪さんは耳まで赤くなりうつむいた。そしてダラダラと汗が出始めているのがわかる。青春って感じがするね。

 

 

時刻はすでに夜の9時を回っていた。俺はさーっと風呂に入り部屋に戻ろうとしていた。途中シャルロットとばったり会ったので手を繋ぎながら戻ってきていた。実はシャルロットがお母さん直伝のラタトゥイユを作ってくれたんでこれからご馳走になりに行ってくる。

 

「ラタトゥイユなんて何年ぶりだろう」

 

「昔はサムが僕の家に泊まりに来た時は大抵ラタトゥイユだってよね」

 

「そういえば4歳の時にシャルロットが作ったピザ覚えてる?」

 

「忘れたくても頻繁に言われたら忘れられないよ」

 

「ハハッ、正直あれは不味かったよ」

 

「うー、美味しいって言ってたじゃん!」

 

「嘘ついてた。君うる目になってたから」

 

頰を膨らませて怒るシャルロットも愛おしいな〜。全てが愛おしいよ。

 

ドンッ!

 

「あいた!」

 

廊下の曲がり角を曲がった瞬間俺は誰かとぶつかり尻餅をついた。見るとそこには少々涙ぐんでいた簪さんだった。よっぽど急いでたのか。

 

「簪さん大丈夫?」

 

「え……う、うん。ごめんなさい」

 

「どうかしたの?」

 

「な、なんでもない」

 

「何でも無いようには見えないよ」

 

「…………だ、大丈夫だから」

 

「何か悩みでもあったら聞くよ?そうだ!今からシャルロットが作ってくれたラタトゥイユを食べに行くんだ。簪さんもどう?」

 

「え……で、でも……私は」

 

「シャルロットは別に構わないよね?」

 

「僕は全然構わないよ。沢山作ったから簪さんの分もちゃんとあるよ!」

 

と言うわけで半ば強引にシャルロットの部屋に引き入れた俺は机を囲んでラタトゥイユを皿に取り分けていた。部屋に戻ったシャルロットは上のジャージを脱ぎ半袖一枚になった。美味そう………あっ、ラタトゥイユね…シャルロットも美味そうだけど…………ラタトゥイユの匂いにつられ寝ていたラウラも目をこすりながら起きてきた。

 

「い、いただきます……もぐもぐ……美味しい」

 

「どれどれ俺も………美味しい!」

 

そうそうこの味よ!懐かしの味、叔母さんが作ったラタトゥイユと同じ味だ。手が止まらないよ。皿のラタトゥイユも半分以下になり俺は簪さんにズバリ何があったか聞いた。

 

簪さんは昔から優秀すぎる姉の楯無さんに対して強いコンプレックスを抱いていたらしい。だから自分で専用機を組んでコンプレックスを解消しようとした。けど一夏が持ってきたデータは楯無さんが予め用意していたものだったそうだ。これはキツイな、楯無さんも妹である簪さんのためを思っての事だろうけど。

 

「………私は、一……織斑君が、身を呈して守ってくれた時私のヒーローだって思ったの……でも実際は、お姉ちゃんに頼まれてやってた事………どうせ裏で、何か手渡されたはず…………やっぱり現実のヒーローなんてこの国はいないんだ」

 

「それは違うよ簪さん」

 

「………え?」

 

「一夏は言ってたよ、戦うよりも逃げる方が怖いってね。ヒーローは変身できるからヒーローじゃないんだ。誰かのために自分を投げ出して戦えるからヒーローなんだよ。だから一夏は絶対にそんな奴じゃないし第一そこまで頭が回るやつじゃないよ笑」

 

「それとこの国にもヒーローはいるんだよ?凄く近くにね」

 

シャルロットが俺を見ながらそう言うと俺はかすかに微笑んだ。何のことか分からない簪さんは首を傾げていた。

 

「ともかく、悪く捉えるんじゃなくてもっと違う見方をしてみたらどう?」

 

「………………ありが、とう……加賀山君、デュノアさん。少し考えて……みる」

 

そう言って簪さんは自分の部屋へと戻っていった。後は簪さん次第だろうな。これで少しは姉妹の輪が深まってほしいものだ。

 

「それじゃあ俺も部屋に戻るよごちそうさまー」

 

「待ってサム…………チュッ」

 

「おお……ど、どうした!?」

 

「お休みなさいのキス♪」

 

ヤバイ…………可愛すぎる。作者よ……………この作品を何故18禁にしなかったのだ!この大バカものめ!!ティーンエイジャーの俺がこういうのされたら一線越えぞまじで!

 

「おやすみシャルロット」

 

 

 

そしてタッグトーナメント当日。先ず偉いさんの話が…………もう挨拶なんて1分で済ませればいいじゃんか。どうせ専用機持ちなんて11人しかいないんだから。

 

その数分後、一回戦の対戦表が張り出された。俺俺vs一夏.簪さんペアだ。対戦表を確認し終えると俺はアリーナへと向かった。とその時である。学園内に警報が鳴り響いた。オイオイオイ、またかよ!一体年に何回襲撃したら気がすむんだよ。例によって恐らくアリーナから侵入されてるだろうな。

 

俺は混乱している生徒の間をすり抜けていった。そして生徒の波を抜け俺はアリーナへと一直線に走り出した。更に俺は走りながら腰にトルネードを出現させる。

 

「スカーイ変身!!」

 

走っている俺の体をベルトから展開されるスーツが装着される。最後に仮面の複眼が発光し変身完了の合図を出した。急いで焦って参ろうか!俺は腰横にあるレバーを倒し重力低減装置を起動してアリーナに向かった。

 

「セイリングジャンプ!」

 

重力低減装置を使ってアリーナに入るとゴーレムがアリーナに侵入していた。俺は空中にいるゴーレムの前にに立ちはだかった。

 

「お前の運、試してやるぜ!」

 

『直ぐにパクんなよ』

 

「スカーイハーイ!!」

 

俺は体を高速回転させそのままゴーレムの飛行制御装置に向かって叩き込んだ。飛行制御装置が故障したゴーレムはバランスを失い地に墜落した。俺は重力低減装置を停止し降り立った。

 

「覚悟しろ!そして覚悟しろ!」

 

今までより防御力が遥かに上がっているが逃げ足を無くせば余裕だ。そして俺は声高らかに愛車スカイターボをアリーナ内に呼び寄せた。

 

「スカイターボ!」

 

スカイターボは僅か十数秒でアリーナへと入り俺の目の前で停車した。よしよし、いい子だ。俺はスカイターボに跨りアリーナの端まで下がった。そしてスカイターボの前輪周辺にある超振動発生装置を作動させた。

 

スロットルを回しスカイターボをゴーレムに向かって走らせる。スカイターボはスピードがどんどん上がり僅か数秒でマッハ1まで到達した。ゴーレムは砲口をこちらに向けて放つがスカターボには掠りもしなかった。スカイターボの前輪を上げゴーレムに体当たりした。

 

「ライダーブレイク!!」

 

ゴーレムに前輪がぶつかった瞬間、超振動がスカイターボからゴーレムに送られる。超振動によりゴーレムの機体がボロボロと崩壊していく。スカイターボが通った後にはゴーレムの残骸だけが残っていた。流石の無人機もライダーブレイクにかかればチリに同じよ!

 

「さてとここから近いのは箒たちがいるアリーナか」

 

スカイターボを箒たちがいるアリーナに走らせた。アリーナの中央では血まみれの楯無さんを簪さんが抱えていた。そしてその上空では一夏と箒がゴーレムと応戦していた。あの出来損ないの無人機どもが、スクラップにしてパーツをガレージセールで売ってやる。

 

「私……やっぱりダメだったよ…………お姉ちゃん」

 

『ダメなんかじゃないわ』

 

「え……?」

 

姉の声が聞こえた気がして慌てて腕の中の楯無を見つめる。しかし、意識を失っている楯無はピクリとも動かなかった。確かに聞こえる楯無の声。もしかしたらいつもの幻なんだろうかと思う。

 

『いいじゃない。弱くても、汚くても、卑怯でも、みっともなくても。人間なんだもの。だからね、簪ちゃん。弱さも小ささも、受け入れなさい。受け入れたら立ち上がれるわ。だって……』

 

「人間、だから……」

 

『そうよ。それに……私の自慢の妹だもの

 

そんな簪さん達をゴーレムが無常にも狙う。まだ簪達はゴーレムの事に気付いていない。このままではやられる!一夏は瞬時加速を発動しゴーレムに迫った。

 

「簪危ない!!」

 

「ライダーブレイク!」

 

ゴーレムの砲口が簪さん達に向けられた瞬間、スカイライダーが必殺技のライダーブレイクでゴーレムを弾き飛ばした。振動波を受けたゴーレムはパチパチと火花を散らし壁際まで吹っ飛ばされた。俺はスカイターボを停車させ簪さん達に歩み寄った。

 

「か、仮面ライダー!?」

 

「シャルロットが昨日言った通り日本にもスーパーヒーローはいるだろ?」

 

「ま……まさか、加賀山君?」

 

「もう……遅いじゃな、い。加賀山君」

 

「悪いね、あの鉄屑を倒すのに手間取って。それより急いで簪さんのお姉さんを運ばな」

 

とその時である、俺の声を輸送ヘリの轟音が一瞬でかき消した。輸送ヘリはアリーナの真ん中に堂々と停泊した。輸送ヘリからコマンドーファイブとドクロのマスクをつけた武装集団がアリーナに降り立った。無人機は前座ってわけか、今回はまた人数が多い事多い事。そしてその中央にいるのは新顔だろうか、見たことのない奴だ。全身が銀で覆われており顔はどことなくアイアンマンに似ていた。更にはそれを指揮している白衣を着た男の姿もいた。

 

「はぁ、またお前らか!いい加減にしろ、出番が少ないからって行事のたびに来やがって!」

 

スペシャルの時にしか出ない特殊刑事かよ。

 

「目標を補足………」

 

「これより加賀山サムの排除する」

 

「加賀山サムを排除する………馬鹿じゃねえの!?そんな命を狙う君達にはターミネーター2をお勧めするよ。何回倒しても追いかけるからあの執念は尊敬に値するね」

 

まあ最終回近くにありがちのパターンだ。敵組織が総力を挙げて潰しにかかる。もし可能ならカーレンジャーみたいに明るい最終回を希望したいね。

 

「みんなまだ行けるか?」

 

「もちろんだ!」

 

「う、うん」

 

「亡国企業…………IS学園を舐めるなよ!!」

 

「…………ジュウオウジャー」




「よお!寒い日には暖房の効いた家に引きこもってパソコンの前で元気いっぱいイこうぜ!次回はこれだッ!」

遂に現れた亡国企業の幹部Dr.グリムは最終決戦を持ちかけてきた。グリムが開発したアダプタイドリバースとは何か?明かされる驚愕の正体と目的とは、そして見え隠れするあの組織の影!

次回、Dr.グリム恐怖の正体!今までで一番ヤバいかも…
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