問題児たちと箱庭最強が異世界から来るそうですよ?   作:shu.

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やっとペルセウスが絡んで来ました。もうすぐで一巻が終わります。ここまで意外と長かったな~と思いながら書いてます。これからもどんどん書いていくのでよろしくお願いします。


牙を抜かれた吸血鬼

「“ノーネーム”が魔王に対抗できるか不安で仕方がない。なら、その身で確かめたら良い。――どうだい、元・魔王様?」

 

スッと十六夜が立ち上がる。レティシアは一瞬唖然とした。しかしすぐにフッと笑いそして立ち上がる。

 

「ふふ……なるほど。実に分かりやすい。最初から下手な策を弄せず、初めからそうしていれば良かったな」

 

「ちょ、ちょっとお二人様!?」

 

黒ウサギが制止の声を上げるが、二人は無視して会話を進める。

 

「ゲームのルールはどうする?」

 

「どうせ力試しだ。手間も掛ける必要もない。双方が交互に撃ち合い、受け合う」

 

「足が地についていた方が勝ち。いいね、シンプルイズベストって奴だな!」

 

互いにルールを決めると、窓から中庭へ飛び出す。黒ウサギも慌てて中庭へ出る。

二人は窓から離れた場所で天と地に別れ、対峙していた。

 

「へえ、箱庭の騎士様には翼が生えているのか」

 

「ああ、翼で飛んでいるわけではないがな。……制空権を支配されるのは不満か?」

 

「いいや、ルールにはそんなの無かったしな」

 

(なるほど。気構えは十分。後は実力が伴うかどうか……)

 

満月を背に飛んでいるレティシアは、自分のギフトカードを取り出す。そしてギフトカードから収納していたギフトを顕現させた。

光の粒子はレティシアの手に長柄の武具を形作った。

 

「互いに一打投擲し、受け手は受け止められなければ敗北だ」

 

レティシアにそう言われ十六夜達はお互いの顔をみる。

 

「あぁ、了解だ!」

 

そして十六夜は前に出る。

 

「では………先攻は譲ってもらうぞ」

 

「好きにしな」

 

「ふっ――――――!」

 

ランスを大きく掲げ、レティシアは全身を使いランスを投げるために体をしならせて、ランスを投げる。

 

「ハァァァア!!!」

 

怒号と共に放てられたランスは、ものすごいスピードで十六夜に襲い掛かる。

 

「ハッ!――――――しゃらくせえ!!」

 

十六夜はものすごいスピードで襲ってくるランスを見てもなお牙を向けて笑い、そして殴りつけた。

 

「「・・・・は!!??」」

 

十六夜がとった行動にレティシアと黒ウサギは自分の目を疑った。

 

(ま、不味い……!)

 

殴りつけられたランスは無数の破片に破壊され、凄まじい破壊力を持つ破片となってレティシアに向かっていく。

しかし、突然のことに思考と体が追い付かず、レティシアは避けることが出来なかった。

 

(こ……これほどとは……)

 

レティシアは凄まじい破壊力を持った破片が迫ってくるのを見て失笑する。それと同時に安堵の息を漏らす。

 

(これ程の実力なら、コミュニティを任せられる)

 

自分が血まみれになることを決意をして、レティシアは目を閉じた。

しかし、来るはずの痛みは来なかった。ゆっくり目を開けてみると、純白の翼を背にレティシアを抱えている悠がいた。

 

「まったく。神格がないくせに見栄を張りやがって」

 

「まさか!」

 

「黒ウサギ!何を!?」

 

黒ウサギは悠の言葉を聞いた瞬間、レティシアが手にもっていたギフトカードを掠め取った。

 

「ギフトネーム・“純潔の吸血姫(ロードオブ・ヴァンパイア)”……やっぱりギフトネームが変わっている。鬼種は残っているものの、神格が残っていない」

 

「っ………!!」

 

今まで己が隠していたことを見破られレティシアは悠と黒ウサギから目をそらす。

すると、遠くから十六夜が近づいてくる。

 

「なんだよ、元・魔王様のギフトってもしかして吸血鬼のギフトしか残ってねえの?」

 

「……はい。武具は多少残してありますが、自身に宿る恩恵はひとつもありません……」

 

十六夜は隠すこともせず舌打ちをする。

万全ではない状態で相手をされなかったのが許せないのだろう。

 

「通りで歯応えが無いわけだ。人に所有されるとギフトまで奪われるのか?」

 

「いえ、魔王が奪ったのはあくまでも人材です。武具などとは違い、恩恵は修羅神仏や精霊から授けられた云わば魂の一部。所有者の合意なしでは奪うことは出来ません」

 

レティシアは黒ウサギから苦い表情で目をそらす。

 

「レティシアは昔、純血の吸血鬼と神格を合わせ持つ事で魔王だと自称していたんだが……今はそのギフトがないから昔みたいな実力は殆どない。どういうことか説明して貰うぞ」

 

「………それは」

 

レティシアは何度か口を開こうとするが、そこで戸惑ってしまい、口を開けなかった。するといきなり悠が立ち上がる。

 

「まったく。こっちの被害も考えてくれないかな。お前ら絶対にそこを動くなよ」

 

「え?」

 

「どうしてですか?」

 

いきなりの事に訳がわからないという顔をするレティシアと黒ウサギ。

その直後、遠くで光る一筋の光が目に入る。

悠が気づいた数秒後に十六夜たちも光に気づいた。

 

「あ、あれは、ゴーゴンの威光!?見つかったか!!」

 

レティシアは声を上げた。しかし、悠に言われたとおりに誰も動こうとはしなかった。

 

「アル……次会ったらお仕置きだからな」

 

ぶつぶつ言いながらも迫ってくる光を睨み付ける。そして。

 

「よっ」

 

光を軽く蹴った。その瞬間、悠に迫っていた光はガラスが割れるように砕けた。

 

「「はっ!!?」」

 

あっさりとした結末に十六夜と黒ウサギは開いた口が塞がらなかった。すると光の発生源の方から翼が生えている靴を履いた男達が出てきた。

 

「なっ!?石化していないだと!?」

 

「“ノーネーム”の奴らもいるがどうする?」

 

「所詮”ノーネーム“だ邪魔するやつは全員切り捨てるぞ!!」

 

突如表れた男達は、十六夜、悠、黒ウサギを無視してレティシアを回収しようとする。それを見ていた黒ウサギはレティシアを助けようとするが。

 

「来るな黒ウサギ!ここで白夜叉と問題を起こすつもりか!」

 

レティシアにそう言われ黒ウサギはハッとなり苦虫を噛み潰したような顔でレティシアが縄に縛られるのを見ている。そして、男達はレティシアを囲み、安堵の息を漏らしながら縄を縛り終える。

 

「これでよし……危うく逃がすとこだったな」

 

「ギフトゲームを中止してまでの取引だ。これが中止になったら゛サウザンドアイズ″に“ペルセウス”の居場所が無くなっていたからな」

 

「それだけじゃない。箱庭の外とはいえ、相手は一国規模のコミュニティだ。もし奪われでもしたら―――」

 

「箱庭の外ですって!?」

 

男達の会話に信じられないような言葉が聞こえてきた。

箱庭の騎士と呼ばれる吸血鬼は箱庭の天幕の中でしか生活出来ない。太陽の光を直に浴びれないからだ。

 

「一体どういうことです!彼らヴァンパイアは――――“箱庭の騎士”は箱庭の中でしか太陽の光を受けれないのですよ!?そのヴァンパイアを箱庭の外に連れ出すなんて――――」

 

「我が主が取り決めたこと。部外者は黙っていろ」

 

「こ、この……!これだけ無遠慮に無礼を働いておきながら、非礼を詫びる言葉も無いのですか!?よくそれで双女神の旗を掲げていられますね、貴方達は!!!」

 

今までの無礼を働いた男達に激怒する黒ウサギ。

そんな黒ウサギを男達は鼻で笑う。

 

「ふん。自分達の旗を守れなかった“ノーネーム”に礼儀を尽くしていては我々の旗に傷がつく。身のほどをわきまえろ、この“名無し”が」

 

男達の言葉を聞いた黒ウサギの怒りは頂点に達する。

 

「な、何ですって……!」

 

「ふん。戦うというのか」

 

「自軍の旗を守れなかった“名無し”など敵で、ゴハッ!」

 

突然、一人の男が吹き飛んだ。

 

「黙って聞いてりゃあ好き放題いいやがって」

 

悠の手には手頃な石が握られていた。

 

「な、何者だ貴様は!」

 

「“エレフセリア”のリーダー様ですよっと」

 

そう言いながら石を投げ、男を吹き飛ばす。それと同時に悠はレティシア方を向く。するとレティシアは悠が伝えたいことが分かったのか小さく首を縦に振った。

 

「お前ら、死にたくなかったら倒れている奴ら連れてさっさと行け」

 

悠は言葉と同時にプレッシャーを放つ。すると男たちは恐怖のあまり一目散に逃げていった。

 

「……黒ウサギ、サウザンドアイズ″に行くぞ。白夜叉に話を聞きに行く。飛鳥達を呼んでこい」

 

「あっ、はい!」

 

黒ウサギは駆け足で屋敷へ向かう。

 

そして飛鳥達が来ると、悠たちは“サウザンドアイズ″に向かった。




もしかするとのアルゴールも悠のハーレムになるかもです!
悠の周りに女が増えてくぜ!これは番外編を書かないと悠のハーレム全員出せないかもです。なのでもしかしたら番外編を書くかもしれません。

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