ダンジョンにキリトが潜ってるのは間違っているだろうか 作:ボストーク
皆様、こんばんわ。
思ったより早くエピソードが完成したので今夜アップしました。
さて、このエピソードで第002章はとりあえず終わりです。
そして……いよいよキリトの”隠しスキル”が明らかに……?
追伸:文章に誤字と表記ミスがあったので修正しました。
キリト・ノワールの
謎とツッコミどころの多いスキル【
†††
【
・黒色系の武器/防具/装備との相性が種類を問わず”最高”に固定される。また銀色系のものは半減するが同じ効果が得られる。
・基礎アビリティから算出される最終攻撃力/防御力/回避率/クリティカル率が、隠しパラメータ【
・一度の戦闘で敵を倒すたびに基礎アビリティ数値が加算される(1体倒すごとにランダムで基礎アビリティ数値のいずれかが1上昇)。ただし戦闘終了後、数値はリセットされる。
・首が弱点や急所にならない。
・冒険者Lvの上昇に伴い、スキル内容が変化する可能性がある。
†††
と明かされた。
だが、まだ残る謎はある。
それは言うまでもなく、
「ところでさ、ヘスティア……」
「なにかな?」
「この掻き消されたような”隠しスキル”は、一体なんなんだ?」
キリトが言うのは……
†††
冒険者Lv:Lv.1
基本アビリティ
力 :704(B) → 740(B)
耐久:513(D) → 518(D)
器用:801(A) → 833(A)
敏捷:847(A) → 891(A)
魔力:598(D) → 613(C)
魔法
【
【
スキル
【
【=/=/=/=/=(←何か書き潰されたような痕跡)】 ← ココ注目!
†††
のことである。
「チョット手元ガ狂ッタンダ。イツモドオリ、タダノ空欄ダヨ?」
妖しい。この上なく妖しいヘスティアの棒読みであった。
「ほほ~う。ヘスティア、君は自分がアビリティ・チェックをするたびに書き損じる、不器用な神だといいたいのかね? ん?」
「自分、不器用ですから……」
キリトは相手が女神様だけに米神の辺りを押さえ、
「どっからそのネタを聞いたかは置いておくとして……謝れ! 今は亡き昭和を代表する名優に謝るんだ!!」
***
「というわけで、そろそろ教えてくれないか?」
「イーだ! 絶対に教えてあげないよーだ!!」
ただでさえ胸以外は幼い容姿だというのに、舌を突き出す姿はヘスティアをいっそう子供っぽく見せた。
「なんでだ?」
「……間違いなくキー君のためにならないからだよ」
どうもそれは、あながち嘘でもなさそうなのだが。
(絶対に教えてなんかやるもんか……! だってキー君に顕現したスキルはよりにもよって、)
ヘスティアはキリトに
ただ、”このスキル”を見た瞬間に泣きたくなったのは内緒だ。
(【
***
【
正確には【
言うまでも無く欧州文化の一つの頂点とも言える、ローマ帝国最大の英雄である。
実際、彼は皇帝になることなく彼を恐れた元老院に暗殺されてしまうのだが、例えばドイツ語で皇帝を意味する”
また歴史には彼が残した名言がいくつもあり、誰でも聞いた事のある有名なものだけでも、
『
『
『
などがある。【不退転の大きな決断をする】を意味する諺『ルビコン川を渡る』は、上記の『賽は投げられた』と対になる、同じシチュエーションを現したものだ。
暗殺の時の台詞「ブルータス、お前もか」まで明言として残ってしまうあたり、確かにローマ最大の英雄たる所以だろう。。
ユリウス・カエサルの偉業を上げればきりが無いが、こと女性関係に関しては自由放埓で、こんなエピソードが残っている。
・元老院議員の3分の1が妻をカエサルにNTRれた。
・愛人に美女で有名なクレオパトラ。
・愛人を巡る修羅場がほとんどなかった。
まさに凄まじいまでのプレイボーイっぷりで、ラノベで御馴染みハーレム体質の主人公の元祖、あるいは『英雄色を好む』という言葉の元ネタと言っても、あながち間違いじゃない。。
暗殺された本当の理由は、妻を寝取られた元老達の嫉妬と恨みという説があるのも頷ける。
さて、これがスキルという形になればどうなるのかと言えば……
†††
スキル【
・同じパーティーの女性の数が多ければ多いほど、一人一人の好感度や愛情値が高ければ高いほど戦闘時の獲得
・同じパーティーの女性の数が多ければ多いほど、一人一人の好感度や愛情値が高ければ高いほど戦闘時の魔法やアイテム使用時の回復量や自然回復量が大きくなる。
・同じパーティーの女性の数が多ければ多いほど、一人一人の好感度や愛情値が高ければ高いほど、戦闘時のクリティカル値と命中率が高くなる。
・好感度や愛情値が高い女性が多いほど、冒険者Lvアップ時にスキルが変化し易くなる。
・好感度や愛情値が高い女性が多いほど、大成する。
†††
さて……どこからツッコんでやろうか?
少なくとも【
(まず、発動能力の全てが女がらみってなんなんだいっ!?)
まあ普通、最初はそこだろう。
(大体、戦闘時の発動能力が三つとも究極的には、『戦いの時に、いかに女の子の前で格好つけるか?』に終始してるじゃないかっ!!)
まさに鋭い指摘だった。
エクセリアの獲得値が増えるのは『女の子の前だから努力できる』、回復量が大きくなるのは『女の子の前だから頑張れる』、クリティカル値や命中率が高くなるのはまんま『女の子の前で格好つけたい』という意味だろう。
さらに問題なのは……残る二つ。
(それにスキルが変化したり成功するには、好感度の高い女の子の数次第ってなんなのさっ!? それじゃあまるでキー君が女の子がいないとまるで成長しないみたいに聞こえるじゃないかっ!! しかもパーティーとか制限ないしっ!!)
ヘスティアの脳裏には、なぜか白髪頭に立派な髭をたくわえたマッチョな老人が、『ガハハッ! でかした! さすが我が孫、男が漢になるのは
(こんなスキルを知られたら、キー君の日常が爛れまくって駄目人間まっしぐらだいっ!!)
もういっそ、この【ユリウス・カエサル】のほうがよっぽど【ダーク・デュラハン】より悪質な呪いなのでは?とヘスティアは考えてしまう。
ある意味、ユリウス・カエサルという存在を端的によく表しているというか……女誑しにまつわる部分を煮詰めて抽出したようなスキルではある。
だから、これは絶対の秘密。
基本的に死のない自分はともかく、キリトが墓場に行くまで絶対に話すまいと、ヘスティアは今夜も固く誓うのであった。
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「ねぇ、キー君……やっぱり、もうしばらく
「別にそれはいいけど……急にどうしたんだ?」
どうやら今夜もヘスティアの頑固な口を割らせられなかったキリトだったが、別に大して気にする様子も無い。
まあ、そこまで無理に聞き出したいほど知りたいわけでもなし、なにより『ヘスティアが知れば俺のためにならないというなら、その通りなんだろう』と自然に思えるぐらい彼女を信頼している(信頼しきってる?)のもまたキリトだった。
なのになんでステイタス確認のために毎度毎度、聞き出せないのをわかってて聞くのかと言えば……「ヘスティアのリアクションがいちいち可愛いから、それを見たくなる」という理由は口が裂けてもいえない。
相手は一応、女神だというのに怖いもの知らずというか……ともかく、意外と
「う~ん……上手くは言えないけど、強いて言うなら女神の予感?」
「なるほど。確かにそれは当たりそうな予感だ」
そう優しく微笑みながらヘスティアの自分好みの色の髪を撫で、
「ヘスティア、今日はもう遅いし……寝よっか?」
「うん♪」
***
いつものようにあまり広くないベッドに二人は仲良く寝転び毛布を被る。
キリトの抱き枕がヘスティアで、ヘスティアの抱き枕がキリトなのもいつものことだ。
「キー君、明日も朝からダンジョン?」
「いや。午前は”リズの店”に顔を出すつもりだから、ダンジョンに潜るのは午後からになるかな?」
「むー。なんでわざわざ
「今回のクエストでちょっと盾を意識してさ。俺が知ってる中で盾に一番詳しいのが”リズ”なんだ」
「盾? 『敵の攻撃は避けるか流すもの』が信条のキー君が、一体どういう心境の変化だい?」
キリトは苦笑し、
「その信条は変える気はないし、盾だからって真正面から攻撃を受け止める必要はないよ。とはいえ防御主体装備の必要性も感じたんだ。俺のイメージだと盾としては結構、変則的な使い方になると思うけど」
「へー。キー君のことだから、単純な盾として使う気はないだろうけどさ」
「今以上深くに潜るつもりだから……しばらくソロで潜るなら、持久戦を考えて防御力の強化も悪くない」
「うん♪ ボクも盾の装備は賛成だよ。何よりもキー君が無事に戻ってくるのが、一番だしねっ!」
それは平和な夜……
ピロートークと呼べるほど色気のある話じゃないが、それでもお互いの体温が温かくて、心が暖かくて、だから二人は幸せだった。
「明日の朝は、いつもとは逆に俺がヘスティアを送り出す側だな。朝食はまかしてくれ」
「それはすっごく楽しみだよ♪」
皆様、ご愛読ありがとうございました。
【ダーク・デュラハン】に引き続き登場したとんでもスキル、【ユリウス・カエサル】に存分にツッコんでいただけたでしょうか?(笑)
実はキリトの隠しスキルは最初からコンセプトがあって『同じようなコンセプトでもベル君の憧憬一途となるべく正反対になるように』と『ヘスティア様が他の神様の娯楽から守るためではなく、絶対にキリト本人に喋りたくなくなるようなスキル』でした。
そして気が付いたらこんなスキルになってしまいました(^^
では皆様、次回でまたお会いしましょう。
次の章でもよろしくお願いします。