問題児たちが異世界から来るそうですよ? ━魔王を名乗る男━   作:針鼠

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黒ウサちゃんの胸の大きさが知りたい

 信長、黒ウサギ、十六夜、飛鳥、耀、ついでに三毛猫の5人と1匹はとある商店を目指してペリペット通りを歩いていた。

 

 ガルドとの一件の後、世界の果てとやらから帰ってきた十六夜と黒ウサギと合流。何故か上機嫌だった黒ウサギに、ジンが事のあらましを説明すると彼女は一転泣いて叫んだ。

 

「なんであの短時間に《フォレス・ガロ》のリーダーに喧嘩を売る状況になってるのですか!? しかも日取りは明日!!? 敵のテリトリー内で戦うのですか!!!? 一体どういう心算があって――――ちょっと聞いているのですか!!!!?」

 

『ムシャクシャしてやった。今は反省してます』

 

「黙らっしゃい!」

 

 およよ、と崩れ落ちる黒ウサギにジンが慰めるように声をかけるのだった。

 

 そんなやり取りの後、黒ウサギはジンを先に本拠に帰して信長達をある場所に案内すると言い出した。目的地の店は《サウザンドアイズ》という名のコミュニティが運営する支店。黒ウサギ曰く、《サウザンドアイズ》は箱庭の東西南北・上層下層全てに精通する巨大商業コミュニティで、ギフトの鑑定などもしているらしい。

 明日、ガルドとの遊戯にあたって己の力を正しく理解することは必須だと黒ウサギは主張する。

 

 しかし、本音をいえば信長はその『己の力』というやつにさして興味はなかった。故に必要性を感じていない。

 おそらく他の面々も同じような思いなのか、その顔にやる気はみえない。

 

「それにしても、十六夜ってばずるいなー」

 

 道中に箱庭に関する質問を黒ウサギにしながら歩いていた一行。

 信長はジト目で先ほど合流した少年へ向ける。

 

「抜け駆けだなんて。僕も行けばよかった」

 

 世界の果てを見るために一時集団を離れていた十六夜は、一足先にギフトゲームをクリアしてきていた。相手は水神と呼ばれる蛇で、無論勝利してきた戦果は黒ウサギが大切そうに抱える水樹の苗。なんでもあの苗は無限ではないものの貴重な水を生み出せる代物らしい。

 どういった構造なのか、信長には想像もつかない。

 

「そりゃ悪かったが、ありゃ成り行きでな」

 

 ヤハハと気軽に笑う十六夜。

 

「だけどお前らだって俺をのけ者にゲームを取り付けたんだ。これで相子だろ」

 

「のけ者って……なにを言ってるのですか?」

 

 先頭を歩いていた黒ウサギが、なにやら不審なその会話に嫌な予感を抱きながら訊ねる。すると十六夜は当然といった顔で答えた。

 

「今回の件はこいつらが売った。奴らが買った。人様の喧嘩に手ぇ出すほど無粋じゃねえさ」

 

「あら、わかってるじゃない」

 

 飛鳥はまだしも耀までもコクコクと頷いている。

 

 そんな中で、信長だけがひとり浮かない顔をしていた。

 

「どうしたの信長君。なにか不満?」

 

「んーまあねー」

 

「そうです! その通りです! 信長さんの言うようにここは皆さんで力を合わせて――――」

 

「やる気が起きなくてさぁ。それにあれぐらいなら飛鳥ちゃんと耀ちゃんで充分だと思うし」

 

 黒ウサギには悪いが、信長はすでにガルドとの戦いに興味は失っていた。すでにガルドの底は見えすぎるほどに見えてしまった。

 勝負はやってみないとわからないというが、今更あれ程度に士気は上がらない。

 さらに今回は飛鳥や耀もいる。彼女達2人だけでも充分おつりがくるというのが信長の分析だった。そしてそれはおそらく正しい。

 

「そう……まあ信長君がいなくても問題ないわ。実際私ひとりでも平気でしょうし」

 

「もうちょっと、もうちょっとチームワークとかをですね……」

 

 ウサ耳をしなだれさせた黒ウサギがしくしく泣いていたのを、問題児達は気付いていながら無視するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まっ」

 

「待ったなしでお客様。うちは時間外営業はしていません」

 

 蒼い生地に向かい合う女神の絵が描かれた旗を掲げる商店――――《サウザンドアイズ》支店の店前で箒を手にしていた割烹着姿の女性店員は、伸ばされた黒ウサギの手をにべなく払って店の札を『本日閉店』にひっくり返した。

 

 この通り、信長達はまったくもって歓迎されていなかった。

 

「閉店時間の5分前に客を締め出すなんて!」

 

「文句があるなら他所へどうぞ。ついでに今後貴方達の出入りを禁止します。出禁です」

 

「このぐらいで出禁とか御客様を舐めすぎなのですよ!」

 

「世知辛いねー」

 

 冷めた目と侮蔑が込められた声ではっきり拒絶を示す女性店員。その間も店仕舞いの手を止めないのだから容赦が無い。

 

 ウルウルと涙目の黒ウサギが可愛いくも可哀想で、信長は少しばかり口を出すことにする。

 

「けど商売人ならもう少し商売根性見せないと。この店の底が知れるよ?」

 

 ピクリと店員の眉根が跳ねる。

 明らかな挑発に対して、割烹着の店員は嘆息つく。

 

「いいでしょう。確かに『箱庭の貴族』と呼ばれる兎を無碍にするのは失礼でしたね。店内で入店許可を行いますのでコミュニティの名を伺ってよろしいでしょうか?」

 

 一度は入店を許可する言葉をもらえてぱぁ、と顔を明るくする黒ウサギだったが、店員の後半部分の言葉に言葉を詰まらせる。

 

(ああ、なるほどね)

 

 その反応に信長は疑問を抱くものの、すぐに理由に思い当たる。

 

 十六夜は一向に名乗らない黒ウサギに代わって堂々と名乗りをあげる。

 

「《ノーネーム》だ」

 

()()()、《ノーネーム》でしょうか?」

 

 《ノーネーム》というのは正しくはコミュニティの名前ではない。名を失ったその他大勢を示す総称に近しい。おまけにジンのコミュニティは旗すら無い。つまりそれは、自分達を証明するものが何ひとつ無いということだ。

 

 商売というのはなにより信用で成り立っている。それはいつの時代も、どんな世界も変わらないはずだ。

 名も無い。旗も無い。自分達を証明するものを何ひとつ持たない相手に商売など出来るはずがない。それが多くの信用と信頼を集める大手の商業コミュニティであるなら尚更。

 

「…………」

 

 それでも、これから先を思えば一時の恥など忍ぶべきだと。

 黒ウサギが強く引き結んだ唇を開こうとした瞬間、

 

「いやあああああほおおおおおおお!! 黒ウサギィィィィ!!」

 

 着物風の服を着た真っ白い髪の少女が店の扉を蹴り破って飛び出してきた。そのまま黒ウサギの腰辺りに抱きついて勢いのまま黒ウサギ諸共街道を転げ、最終的に向こう側の浅い水路に落ちた。

 

「おお! また可愛い女の子が!」

 

「信長君てあんな小さな女の子までありなの?」

 

「……不潔」

 

「誤解しないでよ二人とも。可愛ければ年齢なんて関係ないよ!」

 

「「いや誤解してない」」

 

「そう?」

 

 飛鳥と耀、2人からの冷たい視線を浴びながらずぶ濡れになりながら組んず解れつの和装美少女と黒ウサギを温かく――――本人的には――――見守る。

 

「ちょ、ちょっと白夜叉様! いい加減離れてください!」

 

 むんずと白夜叉と呼んだ白髪少女の頭を掴み、黒ウサギは全力投擲する。流星のような勢いで戻ってくる少女を十六夜が足で受け止めた。

 

「お、おんし、飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ」

 

「ああ、僕のところに来てくれれば優しく受け止めてあげたのに」

 

「おおう……何故だ? 久方振りに身の危険を感じたぞ」

 

 信長の視線にもぼやきにも気付かず、されどブルリと少女は体を震えさせる。

 

「貴女はこの店の人?」

 

 一連のやり取りに呆れたようにため息を吐いて眉間の押さえた飛鳥が白夜叉へと話しかけた。

 白夜叉は飛鳥を見るなりちんまりとした胸を張る。

 

「おお、そうだとも。この《サウザンドアイズ》の幹部様で白夜叉様だよご令嬢」

 

 見た目と違いまるで老獪な口調で答える。その目がいやらしく細められた。

 

「仕事の依頼ならおんしの発育の良い胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

「引き受けません」

 

「是非とも見学させてください!」

 

「引き受けませんと言ってるでしょう」

 

 目を輝かせて挙手する信長。

 割烹着の店員だけが冷静にツッコミ続けた。

 

「ほほう、おんし見所があるな。名はなんというのだ?」

 

「信長だよー」

 

 ニコニコと笑顔を振りまく信長。

 白夜叉は頭の天辺から足下までねぶるように見ると、ニヤリと口端を上げて笑った。

 

「なかなかどうして、面白そうな童子だな」

 

 白髪の少女はそれから十六夜達も見回して益々笑みを深めると、装飾見事な扇子を開いて踵を返す。

 

「まあいい。話があるなら店内で聞こう」

 

 どうにかこうにか入店を許可された信長達。その背中を、割烹着の店員だけが憮然とした顔で睨んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黄金の穂波が揺れる。白い地平線を丘が覗く。森林の湖畔。

 

 足元から呑み込まれる。景色が変わる。

 

 流転。流転。流転。

 

 投げ出されたその先には何者にも踏み荒らされていない純白の雪原。凍った湖畔。

 

 水平に太陽が廻る世界。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 思い出すだけで信長は感嘆のあまり吐息を漏らす。

 

 先ほど白夜叉に見せられた光景はそれほどまでに衝撃的で、そして心震えるものだった。まさか世界そのものを所持しているなんて思いもしなかった。

 あれが白夜叉。大きく7つに区切られるこの箱庭の世界で、四桁以下最強を自称する階層支配者。

 

 はたして、元の世界で小さな島国を奪い争っていたなどと言ったら彼女はどういう反応をするのだろうか。

 

(笑われちゃうかな。それとも呆れられるかな?)

 

 肌が泡立つ。心音が五月蝿い。体が疼いて堪らない。

 

 この感情に名前をつけるならなんなのだろうか。知っているはずなのに、もう遥か昔のことで思い出せない。

 ただ、ひとつだけ言えることがある。それは、今の自分では白夜叉には勝てないということだ。

 

 かつての世界ではそんな相手に巡り合うことなどなかった。そもそんな相手がいたなら箱庭の招待に応じる必要などなかった。

 それはきっと十六夜達も同じ。

 信長達は皆、元の世界が窮屈で仕方なかった。挫折も敗北も知らない。故に達成感も勝利も知らない。

 それはなんて退屈な日々なことか。

 

「信長さん、なにを笑っているのですか?」

 

「うん? 笑ってる……そっか、僕は今笑ってるのかぁ」

 

「???」

 

 首を傾げて気遣うような目を向ける黒ウサギ。優しい彼女に信長は指をさして教えてあげる。

 

「なんでもないよ黒ウサちゃん。それよりもうすぐ決着がつくみたいだよ」

 

 示したその先で、大空を駆ける鷲の翼と獅子の下半身を持つ獣――――グリフォンと、その背に乗る信長とはまた異なる世界からやってきた少女、耀の対決が決着しようとしていた。

 

 ゲームの山場に必死に声援を再開する黒ウサギ。

 

 信長は耀の応援をしつつ、もうしばらくこの名前のつけられない感情に身を委ねることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ギフトゲーム名《鷲獅子の手綱》

 

 プレイヤー一覧、逆廻 十六夜、織田 三郎 信長、久遠 飛鳥、春日部 耀。

 

 クリア条件、グリフォンの背に跨がり、湖畔を舞う。

 クリア方法、『力』『知恵』『勇気』のいずれかでグリフォンに認められる。

 敗北条件、降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 宣誓、上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

 《サウザンドアイズ》印。

 

 

 

 

(この小娘……)

 

 グリフォンは笑うとも驚くともつかない感情を背の少女に抱いていた。

 単なる人の娘。そう侮っていなかったかといえば、間違いなく侮りはあった。ましてやそんな少女に己の誇りを賭けろとまで言われては尚更。

 彼女が命を賭けると言い出したときは少々驚いたが、少女の命と自身の誇りが同等であるなど考えられなかった。

 

 このグリフォン――――名をグリーという――――は《サウザンドアイズ》の正式なメンバーではない。とある事情からこの東区へ流れつき、白夜叉の好意でここに身を置かせてもらっている客分に過ぎない。

 故に、恩人が連れてきた客人の命を奪う気などグリーには到底無かった。無論試練に手を抜くつもりもないが、勝ったとしても見逃すつもりだった。

 

 しかし、それは自身の驕り以上に侮辱であったと気付かされる。何らかの奇跡を宿しているのは間違いないとはいえ、少女はその細い体でグリフォンの飛行に堪え、山脈を越え、そして今こうして湖畔まで試練をやり遂げた。

 それだけではない。少女はなんとグリフォンの大気を踏みしめる恩恵まで得てしまう。

 

 少女だけが、最初から最後まで純粋だった。心の底からグリー(相手)を尊敬し、その誇りを尊重し、この試練にひたむきに挑んでみせた。そしてなにより、

 

「ありがとう。とても気持ち良かった」

 

 少女は、春日部 耀は笑ってそう感謝の言葉を伝えてきた。

 彼女はこのゲームを楽しんでいた。

 

『私の負けだ。全てにおいて』

 

 仲間のもとへ戻る耀の背を見送る。彼女のギフト、その源である首飾りに白夜叉が並々ならぬ興味を示していた。

 

 ふと、こちらに近付く気配に気付く。

 

「近くでみるとまた一段と大きいなー。迫力も凄いや」

 

 それは耀の仲間らしい少年だった。白い羽織と紺の袴の道着姿。後ろで束ねた髪を尻尾のように跳ねさせて、幾分幼げな眼差しでグリーをジロジロと見て回る。

 その視線に悪意も敵意も無く、ただただ子供のような好奇心だけが伝わってくる。

 別段見られることに嫌悪を感じないグリーは為すがままにしていた。

 

「凄いなー。空を踏むんだっけ? こう?」

 

 よっ、はっ、とその場で跳んだり跳ねたり。

 どうやら耀がそうしたように、グリフォンの大気を踏むギフトを再現しようとしているらしい。

 

 思わず苦笑が漏れた。これもまた嘲りのつもりは無く、むしろ目の前の少年の純真な姿に親が感じるような温かな感情。

 

「うーん違うな」

 

 それは次の瞬間、戦慄に変わる。

 

「えっと――――こう?」

 

『!?』

 

 グリーの双眸は自然上を追った。その目で見たものが信じられなかった。信長が空を()()()

 

 数秒の浮遊の後、信長は音もなく着地した。

 沈黙を、彼の恥ずかしそうな笑顔が破る。

 

「やっぱり君や耀ちゃんみたいにはいかないや。僕じゃあ跳ねるのが精一杯だよ」

 

(精一杯だと……?)

 

 グリーは呆然と呻く。

 

 今、信長は確かにグリフォンのギフトを使った。信長自身が言うように、それは拙く、グリーや耀のように空を踏みしめるとまではいかなくとも、しかし確かに大気を掴んで跳んだ。

 この箱庭で、他者のギフトを模倣するギフトは稀有ではあるものの存在する。実際耀はグリーのギフトをコピーしてみせている。

 だが、はたして信長のそれは模倣なのだろうか。

 

 何かが、どこかが違って思える。

 違和感を覚えるグリーは、そこにもうひとつの疑問を抱く。何故自分はその程度の違和感がこうも無性に気になっているのか。

 

『貴様は、何者だ?』

 

 耀や『箱庭の貴族』とは違い、幻獣であるグリーの言葉は信長には通じない。それを忘れるほどグリーの心は乱れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「信長も私と同じギフトを持ってたの?」

 

 なにかを言いたげなグリフォンから目を切って振り返ると、こちらはどこか期待に似た眼差しを向ける耀が詰め寄ってきた。

 彼女達も途中からだが信長のしでかしたことを見ていたのだ。

 

「違うよ。僕のはただの真似事。耀ちゃんみたいにこの子とも喋れないしね」

 

 グリフォンを指して苦笑する信長。

 

 耀は『そう……』と、ほんのちょっぴり残念そうだった。

 

「よくもまあ、これほどキワモノが揃ったものだ」

 

 傍目から見ていた白夜叉が、呆れたとばかりに額を叩く。

 そんな彼女へ黒ウサギがそろりと伺う。

 

「白夜叉様でも鑑定出来ないのですか?」

 

「ぐ……鑑定は専門外どころか無関係なのだが」

 

 改めて4人を観察する白夜叉。

 間違いなく4人とも素養は高い。けれど自分にはその素養を正しく測る物差しが無い。

 

「おんしらはどこまで自分のギフトの力を把握しておる?」

 

「企業秘密」

 

 まず十六夜が即答する。

 

「右に同じく」

 

「以下同文」

 

 続いて飛鳥、耀と並び。最後に信長が真面目な顔で、

 

「黒ウサちゃんの胸の大きさが知りたい」

 

「うむ。黒ウサギの胸のサイズは――――」

 

「話が逸れすぎでしょう!?」

 

 何処から取り出した黒ウサギのハリセンが諸共はたく。

 

 コホン、と咳払いで仕切り直す白夜叉は信長達を正面から見据える。

 

「何にせよ主催者として、星霊のはしくれとして。試練をクリアしたおんしらに恩恵を与えねばならん」パチンと扇子を閉じて「ちょいと贅沢だが、コミュニティ復興の前祝としては丁度良かろう」

 

 白夜叉が柏手を打つと、4人の前に光り輝く札が現れる。そこにはそれぞれの名前と恩恵を示す呼び名が刻まれていた。

 

 コバルトブルーのカードに逆廻 十六夜・ギフトネーム《正体不明(コード・アンノウン)》。

 

 ワインレッドのカードに久遠 飛鳥・ギフトネーム《威光(いこう)》。

 

 パールエメラルドのカードに春日部 耀・ギフトネーム《生命の目録(ゲノム・ツリー)》《ノーフォーマー》。

 

 そして信長の前にも彼等同様にカードが現れた。

 

 他の光を呑み込まんとするほど一層強く放たれる光の色は黒。そこには信長の名前と共に、彼のギフトネームを示すもうひとつの名が刻まれていた。

 

 ――――《他化自在天(たけじざいてん)》、と。




ストック考えずに更新飛ばしまくりでこんばんわ。無論ずーとこのままのペースは無理でしょうが、気分が乗ってるときはバンバカ書いてしまうというのが私なので。
四月になればおのずとペースは落ちるのだし、今のうちにテンションあげて行こうぜ!おー!

>作者が初めて知った豆知識!(読まなくてもなんの問題なし)
これを書くにあたって信長さんを色々調べて書いているわけですが、信長さんといえば魔王!それでギフトネームもそれにあやかった名前にしようと調べた結果……《他化自在天》となりました。
これは坊さん達に呼ばれ、後に自身も名乗った第六天魔王という呼び名の別称とでも思ってください。欲界の六欲天、最高位の名です。

これだけじゃわけわかんないですよね!けど大丈夫です。つまりかっこいいだね!これで万事解決です。

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