ACE COMBAT Shining Merteor 作:vangence
なのはさんたちと別れた後、六課の周囲をぐるぐるランニングしていた。
不思議とトレーニングに身が入っている気がするなぁ・・・えへへ
少しいい気分で曲がり角を曲がると、向こうで誰かが話しているのが見えた。
あれは・・・
「げぇ・・・」
急いで方向転換をして逃げようと向きを変える。
曲がり角を再び曲がろうとすると、後ろから声をかけられた。
「どうしたんですかカザマ二佐。なぜ私を避けるのです?」
「ひゃあ!?」
振り向くと、すぐ後ろに巨乳ピンク・・・もといシグナムさんがいた。
一瞬だったから目測を間違えたのだろうか? 確か100mぐらい距離があった気がするんだが・・・。
「なに言ってるんですか。な、なんで俺がシグナムさんを避けるんですか?」
「いや、悪気があって聞いたわけではありません。ただ、そう感じたので」
「・・・すいません」
「いえ、こちらこそ」
・・・確かに、俺は少しシグナムさんに苦手意識を持っている。
例外として、シグナムさんの立派なものに関しては大変興味があるんだけど。
ただ、ここ一週間やけに模擬戦を申し込まれるのが原因だろうな。
美人からのお誘いは嬉しいが、どつき合いは勘弁だ。
「そ、それで何かご用でしょうか?」
「いえ、特には。ただ先ほどのことについて聞きたかっただけです」
「模擬戦のことですか?」
「ええ、戦闘機のことについていろいろと尋ねたいのです」
「・・・もしかしてシグナムさん」
一歩踏み込んで顔をズイッっと近づけ、手を取る。
「・・・戦闘機に興味あるの!!?」
「・・・・・」
「そうかあ、シグナムさんも分かるクチの人だったんですね。うんうん分かりますよ。初めての空戦は生で見たんですしね、やっぱり見た目のかっこよさに惚れたんですか、それとも戦闘の勇姿? まあいずれにしても任せてください。説明とか絵を描くのは得意ですから、頼まれれば手取足取りあんなことからこんなことまで」
「あの、すまないがカザマ二佐。手を離してくれませんか?」
「へ? あぁすいませんッ」
つい興奮してしまって暴走してしまった。
気を取り直して聞き直す。
「えっと、シグナムさんは戦闘機のことについて聞きたいんですよね?」
「ええ、先ほどの模擬戦を見ていろいろと気になったので」
「でも、普通だったら俺よりもヴィムを頼りません? どうして俺なんですか」
「ええ最初はそう思って彼に尋ねたのですが」
「やっぱね・・・」
あっちの方が頼りがいありそうだもんね・・・
別に寂しくなんてないぞッッッ
「彼曰く、自分よりユウスケの方が専門だ。と言われました」
「・・・まぁ、俺オタクだしな。しょうがないか」
「今何か言いましたか?」
「いや、別に。気にしないでください。で、シグナムさんは何について聞きたいんですか?」
「はい、戦闘機の詳しい知識や、パイロットである二佐にいろいろと体験談や戦術について聞きたいのです」
「あぁなるほどね」
確かにヴィムの専門外と言えなくもないな。
あいつ集団戦とかマジで無理だしな。
「じゃあ立ち話もなんだし座れるとこに・・・」
「なら、あそこのベンチにしましょう」
少し開けた所に木製のベンチがあったので腰掛けて話し始める。
・・・なんでこんなんあるんだ?
「で、何から話します?」
「そうですね・・・戦闘機のパイロットにかかる負担などはどうなんでしょう」
「負担かぁ・・・やっぱGかな」
「G・・・ゴk「いやそっちじゃない」重力ですか?」
こ、この人やっぱり侮れねぇぜ・・・
「あぁ、戦闘機乗りの最初にして最大の試練だ」
「見ている限りそこまでの影響は無さそうですが・・・」
「外から見てるからそんなこと言えるんですよ」
「Gと言われても、感覚が分かりかねます」
まあ普通そうだよね。
俺も魔法を使用したときの疲労なんて分からないし。
「バリアジャケットってヤツの保護機能でGなんてほとんど感じないんですよね。うらやましい限りですよホント」
「やはり最初の頃はつらいのでしょうか?」
「いやもう辛いなんてもんじゃないですよ。俺やヴィムが新人の頃はよく吐いてました」
「そこまで辛いものなんですか」
少し驚いたかな?
俺も新人の頃は4Gとかで気持ち悪くなったもんだ。
「でも何度も乗ればなれますよ」
「そうですか、では他に――――――――――」
「―――――――では、機体の推力偏向ノズルで機体の機動性を上げているんですね?」
「はい、俺の機体にもついているんですがあれは二次元推力偏向式と言って上下に可変するんですがこれが見てて可愛いんですよ!」
「――――――― お二人さん、二人で何熱くなってるんですか?」
「「うわっ」」
突然横から声をかけられ、俺もシグナムさんも驚いてしまった。
声をかけてきたのは・・・
「確か輸送ヘリのパイロットの・・・ヴァイス陸曹ですよね?」
「はい、模擬戦見ましたよ。いや凄いですね戦闘機ってヤツも」
顔合わせの時何気にいたのを憶えている。
なんか六課って何気に女性多いから、男性は憶えやすい。
「恥ずかしいな、結局俺負けてるし」
「いやいや、十分凄いですって。少なくとも俺には真似できない」
「簡単に真似されても困るさ。本職なんだしな」
こちとら吐きながら訓練にたえてやっと身に付けた技なんだ。
ヘリパイロットと言えどもこれは簡単にやられちゃ困る。
「ヴァイス陸曹はヘリのパイロットなんだろ? 今度機体見せてくれよ。この世界の輸送ヘリ興味あるぜ」
「かたっ苦しいからヴァイスでいいよ。ほとんど年も近いんだしため口でいこう」
「おっならため口でいくぜ。すげぇ見てみたい」
するとヴァイスは嬉しそうな顔をした。
何となく分かるぜ。
俺も相棒を褒められれば嬉しい。きっとヴィムもだろう。
誰だって自分の大事なものを褒められたいんだ。
「もちろん、俺の自慢の相棒こんど見に来い。その代わりお前の相棒も今度見せてくれよ?」
「OK、お前も戦闘機の虜にしてやんぜ」
「是非私にも見せて貰いたい。F- 22・・・先ほどの話を聞いてますます興味が沸いた」
「なっユウスケお前、まさかシグナム姉さんを!」
「フフ、すでに彼女はこちら側の人間さ」
「な、なんて野郎だ。ユウスケ・カザマ・・・恐ろしいヤツ!」
なんだこの小芝居。
「とにかく、いつでも見に来いよ。俺はトレーニング以外基本向こうにいるから」
そう言って少し離れたところの施設を指す。
「あぁ、あれって最近工事してたけど、お前等に関係してる施設だったのか」
「滑走路だよ。俺たちの機体少し飛ばのに距離がいるからな」
「へえ、けっこう面倒だなそれって」
「言ってくれるな、それだけでかなり縛りがキツイんだから」
場所取るから誘致とか面倒だからなあ。
「しかし、戦闘機って憧れるな。すげぇ格好いいよ。俺も乗ってみたいしな」
「いや、ヘリもあなどれんぞ。輸送ヘリ、イイじゃないか!」
互いの機体について褒め合う。
なんか久しぶりだなこの感じ。
シグナムさんが少し笑っているのが見えた。
一時の穏やかな時間それを無粋な音が一瞬で遮った
「アラート!?」
すると、端末に管制から通信が入る。
『みなさん、協会本部からの要請です。協会調査団が追っていたレリックの可能性がある物を移送していたリニアレールがガジェットの襲撃により制御を奪われ暴走、エイリム山岳丘陵地帯を走行中です。』
「へえ、リニアレールなんてあるんだ」
「「何悠長なこと言ってるんだ!」」
二人に盛大に怒鳴られた・・・。
別にいいじゃん、少しぐらい驚いたって。
『話は聞いてた?』
「八神司令」
端末に八神の顔が表示される。
「主はやて、私たちはどう行動しましょう?」
『今回の任務は新人のみんなの実力を見てみたいから、シグナムは現場付近で待機』
「わかりました」
『ヴァイス陸曹はヘリでみんなを現場上空まで向かってください』
「了解」
『カザマさんとヴィムさんは、なのは・フェイト両隊長と共に制空権の確保をお願いします』
『「了解」』
実に素早い指揮だな。
訓練時代に良い指導教官に出会えたと見える。
これなら、人員不足を差し引いても十分二佐としての実力はあるな。
「それでは私は行く。カザマ二佐、武運を」
「じゃ、現場上空で会おうぜ」
二人は別れを言って駆けてゆく。
「じゃ、俺も行くとしますか」
走っていると、途中ヴィムと合流し滑走路を目指す。
『二人とも聞こえとるか?』
「ああ、問題ない」
「ちゃんと聞こえてるよ。どしたの?」
八神が真面目な顔をして言葉を続ける。
それを滑走路に向かいながら聞く。
『今回の戦闘で、二人は初めてのガジェット・ドローンとの戦闘になる。二人とも気をつけてな』
「八神司令、俺たちを誰だと思ってるんですか?」
「たかが機械。問題ありません」
そう答えると、八神が苦笑する。
『そっか、いらん心配やったな。二人とも、頑張ってな』
「おう」
「了解」
八神の激励を最後に俺たちは通信を切ったのだった。