ACE COMBAT Shining Merteor 作:vangence
何とか投稿です。
――― 音速飛行をやめ通常巡航にはいる。
体にかかっていたGが軽くなってゆく。
大きく息を吐いてレーダーディスプレイを確認すると、マーカーは未だに同じ座標を示していた。
『全く動いていないようだな』
IFF――― 敵味方識別装置はマーカーを敵とも味方とも表示しない、俗に言う『国籍不明機』という奴だ。
「民間の飛行機が不時着したのかも」
『どうだかな、レーダーがイカれていなければオープン回線でも使って助けを呼ぶものじゃないか?』
「確かに・・・」
とにかく得体の知れない奴だ、警戒しておいて損は無いだろう。
『HQよりペレグリン、もう一度言っておくが命令があるまで発砲は禁ずる』
「あ~わかってるって。ったく・・・何度も言わなくても分かってるっての」
『HQ、もうすぐ目標の空域に到着する・・・なに?』
『ペレグリン2どうした?』
「HQ、よく分からんがマーカーが消滅したぞ」
突然ディスプレイからマーカーが消えてしまった。
計器の故障かとも思ったが、今乗っている機体は俺のもヴィムのも整備したばかりなので可能性は低い。だとすると・・・
「HQ、一つ聞きたいんだが」
『どうした、ペレグリン1?』
「確か、ベルカ事変の時はユークトバニアの電子戦機はレーダー欺瞞で偽のマーカーを表示させてたよな?」
『あぁ、そうだ』
やっぱり。あの頃、まだ俺はパイロットになりたてで、あまりでかい戦闘には参加できなかった。
なので、戦場の状況などを帰還してきた先輩パイロットからよく聞いていた。
今のも先輩から聞いたことのある話だったのだが、だとすると今危なくないか?
「どうする? さっきのが偽のマーカーだったら俺たち完全に罠に誘い込まれてるぜ」
『『灰色の男達』の残党か・・・しかしなぜ今まで見つからなかった?』
『確かに・・・サンド島は完全な孤島だ、オーシア側から出たなら電子戦機だとしてもレーダーをくぐり抜けてくることができるとは考え辛い。ユーク側から来たなら、空中給油を使ったとしても何度給油する必要があるんだ・・・』
ヴィムがぶつぶつ言っているが、とりあえず罠って可能性も低いってことか。
「おいヴィム。考え事もいいが・・・・サンド島が見えてきたぞ」
真っ青な海の真ん中にぽつんとある孤島・・・それがサンド島だ。
『ペレグリン、警戒を怠るな』
『「了解」』
とりあえず周囲を見渡して見るが敵影と思えるものは見あたらない。
『レーダーに反応は無し・・・完全にロストしたな』
「上にもなにもありませんなぁ」
こういう時、高々度にいることもあるのだが、上にもなにも無かった。
完全に見失ってしまった。
電波でも目視でも見あたらない・・・だとして他に考えられるとしたら ――――
「HQ、サンド島内を捜索したい着陸許可をくれ」
『待て、ペレグリン1。まだ安全とは決まっていない。着陸は許可できない』
「まぁ、止められても降りるんだけどな」
『ペレグリン1、命令だ着陸は許可できない』
『HQ、私も島内を捜索すべきだと考えます』
ヴィムが口を挟む。冷静を装ってはいるが、相棒である俺には分かる。
ヴィムはサンド島に行きたいのだ。
ヴィムは基本冷静ではあるが、時折子どもっぽい時がある。
このあいだは、テレビの特撮を食い入るようにして見ていたのを目撃した。
きっと今、心の内はドキがムネムネのはずだ。絶対そうだ。
彼もまた『英雄』にゆかりのある土地に興味があるのだろう。ま、俺もなんだけど。
『―――― 分かった。着陸を許可する。だが、警戒は怠るな』
「サンキューHQ 」
礼言った後、通信を切る。
じゃあ早速 ―――― 聖地巡礼といこうじゃないか。
―――― ということがあって、俺たちはサンド島にいるわけだ。
って。俺はいったい誰に説明してるんだ?
「どうしたユウスケ? 戦闘機酔いでもしたか?」
「馬鹿言え、もうそんなの克服済みだっての」
そんなぺーぺーの新人じゃあるまいに・・・・
「しかし、ざっと散策してみたが何もねぇな」
「異常なまでに片付いていたな」
恐らく、廃棄するときに徹底的に廃棄されたのだろう。
―――― ウォードック隊についての情報漏洩を防ぐために。
「やっぱ、レーダーの故障かぁ? クソッあの整備のクソジジィ、賭けに負けたからって腹いせに手ぇ抜いたんじゃねぇだろうな」
「いや、彼は普段だらしないが仕事は手を抜かない。確かにここで反応があったはずなんだ」
「でも何もないじゃんか」
やっぱり機械も完璧ではない。きっと誤作動でも起こしてしまったのだろう。
まったく。無駄足を踏んでしまった。
「そうだな。これ以上探しても無駄なようだしな」
「さっさと帰ろうぜ、今日は密林から注文したのが納品されるんだ」
「・・・またいつもの趣味か・・・今回は何を買ったんだ?」
「F15―Cを2機」
「イーグルか・・・それも2機・・・・『円卓の鬼神』と『片羽の妖精』か」
「ご明察」
これで円卓が再現できるぜぇ、ぐぇっへっへっへ。
あの二人の話は格好良すぎるからなぁ。憧れるよなぁ。
「ユウスケ・・・散財するのも大概にしとけこの間なんてゴルト部隊作って財布が尽きたんじゃ無かったか?」
「漢なら、願いを果たせれば本望よ・・・」
「羨ましいよ、趣味を持ってて」
お前は特撮見てただろ・・・と、つい口から出そうになってしまった。
ヴィムの奴は隠したがっているみたいだし、黙っていてやるか。
愛機である灰色のF― 22に乗り込み携帯していた自動拳銃MK― 23を座席下にしまう。
ハーネスで体を固定しエンジンに火を入れる。
コックピットのディスプレイに情報に表示された機体情報を確認する
「システムチェック・・・オールグリーン」
酸素供給用マスクを装着し、ヘルメットのバイザーをおろす
「油圧計異常なし・・・よしOKだ、滑走路に障害物も無し。先に上がってるぞ」
『了解』
ヴィルの機体に目を向ける。
ヴィルの機体は黒のSu― 47だ。
ステルス性能はF― 22に勝るとも劣らないことに加え、機動性もなかなか高い。
そして何より前身翼が最高にイカしていると思う。
「離陸準備完了・・・離陸する」
エンジン・スロットルレバーを押し込むと、それに呼応してF119エンジンが唸りを上げて機体を加速させる。
短時間で離陸速度に達し、大地を蹴り上げ飛翔する。
それに続いてヴィルが離陸する。
「さっさと家に帰ろうぜ」
『あぁ、身が引き締まる体験だったな』
「・・・ヴィル、俺の話聞いてる?」
けっこう無視って傷つくんだけどなぁ・・・ん?
レーダーに反応いったい何だ?
ディスプレイを見るとそこには ――――
―――― 俺たちの機体のマーカーの真上に『国籍不明機』のマーカーが表示されていた ――――
「―――― ヴィル!!」
『ユウスケ! ブレイク! ブレイク!』
すぐさま機体を散開させ、エンジンを吹かす。とにかく距離をとらなけらば・・・喰われる。
F119エンジンが咆吼をあげて機体を加速させる・・・はずだった。
「なっ・・・機体が動かない!」
『こちらもだッ、機体が言うことを聞かないッ』
ヴィルの方も同じ状況のようだ。
ありえない、確かにエンジンは作動しているはずなのに、機体がまったく動いていない。
1㎝すら進んでいないのだ。
「クソッ! なんだってんだよッ!」
このままじゃただの的だ。どうにかしなければ。
ハーネスを緩めて機体後方を確認する。
後ろから虹色の光が迫っていた。
「はぁあああああッッッ?」
なんだあれは?虹か何かか、目の錯覚だと思いたい。
とにかくよく分からない光の様なものが俺たちに迫ってことだけは分かった。
「ヴィル、なんかよく分からんものが近づいて来てる!」
『こっちにも見えている! クソッ飲み込まれ〃〃〃』
「ヴィル!」
ヴィルのSu― 47が光に飲み込まれていく。
「くそがッ! 動けよ畜生!」
いくらレバーを引いても無駄だった。
光が機体をつつんでゆく。
「うっっうわああぁぁぁぁぁぁ!!!」
光が機体を完全につつみこまれた――――――――
俺は死ぬのだろうか?
こんな訳の分からない理由で?
まだやってないこと、けっこう残ってたんだけどな・・・
意識がゆっくりと沈んでいく
まだ、恋愛だってしたこと無かったのになぁ・・・
ヴィルの奴は大丈夫だろうか・・・
あぁ・・・もう・・・あたまが・・まわら・・・な・・・・
そして俺は完全に意識を失った
ついに次回、物語が始動する(はず)!!
次回始動詐欺ににならないよう頑張ります