ACE COMBAT Shining Merteor 作:vangence
―――― ミッドチルダ航空武装隊第第13群司令部 ――――
敵の襲来を告げる
管制室にいる管制官達が目の前のコンソールに向かい、敵の情報解析を始める。
「総員警戒態勢、情報解析急げ!」
基地の司令官が部下に指示を飛ばし、スクリーンに目をやる。
数え切れないほどの敵を示すマーカーは、海の上を示している。
だとすれば、予想される敵はおのずと絞られてくる。
「解析終了! 敵はガジェット・ドローンⅡ型と思われます!」
・・・やはりか。
ガジェット・ドローンⅡ型は、いくつかあるガジェット・ドローンで飛行能力をもつタイプだ。
海上を渡るような長距離の移動をできるのは、Ⅱ型ぐらいだろう。
「映像、出します!」
管制官がマーカー地点の映像をディスプレイに表示する。
海上上空を飛行している、青色の全翼機がたのⅡ型が多数確認できた。
「司令、指示を」
「わかっている・・・航空武装隊出撃準備、座標は・・・」
部下に指示を飛ばそうとすると、通信管制官が突然口をはさんできた。
「司令、他局から通信が入っています」
「何だ!この非常時に!」
これから戦闘を行おうとしているところに、いったいどこ馬鹿だ。本局の奴らか?
「機動六課 総部隊長 八神はやて二等陸佐です」
「機動六課?・・・あぁ、例の
―――― 機動六課 先日、新たに新設された。
正式名称 『古代遺失物管理部 機動六課』
古代文明の造り出した、世界を破壊しかけない遺産 ロストロギアの関連の仕事をする専門部隊。
しかし、危険な仕事とはいえ過剰な戦力が配備されている。
気味の悪い部署だ。
「どうしますか?」
「・・・繋げ」
「了解、回線つなぎます」
機動六課 総部隊長・・・どのような奴か、見てみる価値はあるだろう。
目の前のコンソールに相手の顔が表示される。
『緊急事態時に失礼、機動六課 総部隊長 八神はやて二等陸佐であります』
「かまわん、航空武装隊 第13群司令部司令官 アンドリュー・ゴールトン一等陸佐だ」
表示された画面に映っていた女性は、まだどこかあか抜けない少女のような顔立ちをしていた。
聞いた話によればまだ十代だという。
管理局の魔導師不足もなかなか深刻なものだな。
「で、用件は何だ? まさか、部署新設の挨拶回りというわけでもあるまい」
『はい、では単刀直入申し上げさせていただきます・・・今回の襲撃の対応は私たちに一任していただきたい』
「なんだと?」
『あなたたちには、私たち機動六課の支援をお願いしたい』
これはまた・・・ずいぶんな『お願い』じゃないか。
「我々に、君たちの後塵を拝せとは・・・ずいぶん大きく出たものだな」
『差し出がましいようで恐縮ですが、無理を承知でお願いします』
「・・・」
見た目にそぐわず、なかなか剛毅な娘だな。
実際、創設時には陸上部隊本部のトップであるレジアス・ゲイズ少将からは相当な圧力がかかられたようだしな。
「―――― そこまで言うんだ・・・当然失敗は許されんぞ」
『もちろん、ご期待に沿えるよう、やらせていただきます』
「おもしろい・・・許可しよう。君たちの好きなようにやりたまえ」
『御協力感謝します。ゴールトン一等陸佐』
礼を言うと、通信は終了を終了した。
「司令、よかったのですか?」
「かまわん、責任は私が取ろう。まぁ、私たちはゆっくり傍観していようじゃないか」
迎撃に成功したのが機動六課主導であったとなれば、多少は有用性を証明できるだろう。
この戦闘は彼女達にとって、重要な試金石になる。
見せてもらおうじゃないか。彼女達の実力とやらを――――
―――― ミッドチルダ海上 ――――
―――――――― うっ・・・うぅぅぅ・・・
いったい何が起こった?
ここは・・・どこだ?あの世か?
目を開くとそこは ――――
―――― 青一色の世界だった ――――
あぁ、やっぱ死んだわ、俺。
ここって・・・あれだろ。死後の世界ってやつだろ?
でも、なんで機体ごとなんだろう?
そりゃ相棒と一緒ってのは心強いが、こいつ機械じゃん。
機械にも死後の世界とかあったのか?
なんか耳がキーーンってなってる。
やべぇなんか頭まわらねぇ・・・ん?
なんか聞こえてくるような・・・
耳を澄ませてみる。耳鳴りの億から聞こえてくるのは・・・アラート?
他に何か聞こえてくる・・・これは・・・ヴィムの声?
次第に声が鮮明になっていく。
『…ウ…ケ…………首を…げ…』
でかい声で怒鳴っている。てか、あいつも死んだのか?
なんて言ってるんだろ。
『ユウスケ!急いで機首を上げろッッ!! 失速してるぞッッ!!』
機首?じゃあこのアラームは・・・俺、今失速してる?
高度計を確認すると、急激に数値が下がり続けている。
じゃあもしかして目の前の青って・・・海?
「って、やべぇぇぇぇぇぇぇ!!」
エンジン・スロットレバーを少しだけ押し込み、急いで機首を上げる。
機体の急激な機動の変化で凄まじいGが体を圧迫する。
「上がれぇぇぇぇ!!」
機体が海面ぎりぎりを通過する。
機体下部を少しすったらしく、機体が大きく揺れる。
主翼が海面にぶつかりそうになるのを、繊細な機体さばきでなんとか乗り切る。
水平になった機体を徐々に上昇させた。
やばかった、今のはやばかった。
『目が覚めたか』
ヴィムから無線が入る。あたりを見回すとずっと高度の位置をヴィムのSu― 47が飛行していた。
「サンキュ、ヴィム。・・・てか、俺たち生きてるんだよな?」
『恐らくはな。しかし、場所がわからない。恐らくまだオーシア領空内だと思うが』
「はぁ?どゆこと?」
『GPS確認してみろ』
GPSに目をやるとエラーが表示されていた。
「なるほど、機器の故障かな?」
『他の機能は問題なく作動している。お前の場合は自動で水平になる機能がイってしまったようだがな。あとどの周波数で連絡してもどことも繋がらない』
「・・・それってヤバくね?」
『・・・お前風にいうなら、マジヤバだ。このままだと燃料切れで落ちる』
「はぁ・・・」
思わず口から盛大にため息が漏れる。
なんだってこんなことに・・・。
「他にはなんか無いのか?レーダーとか」
『今のところ何もない、と言いたいが、ここから20キロ先に多数反応がある。IFFじゃ識別してないがな』
「国籍不明?しかもなんだこの数」
レーダーにはおびただしい数のマーカーが離れた所を示していた。
「どうする?行くか?」
『この部隊の隊長は一応お前だお前が決めろ』
「丸投げかよっ!そうだなぁ・・・俺は向かうべきだと思う。民間の場合助けてもらえる可能性がある。」
『攻撃してきたら?』
「逃げられるようなら、アフターバーナー点火で即離脱」
『ウィルコ・・・まったく・・・お前らしいよ、その大胆なとこ』
「それが俺の取り柄ですから。それじゃ行こうか」
『念のため、一応アフターバーナーは使わないでおこう。帰れなくなるかもしれんし、相手に気取られるのもまずい』
「了解、それじゃ通信も切っておくか、それじゃアウト」
エンジン・スロットレバーを押し込んで
はてさて、鬼が出るか、蛇が出るかおもしろいことになってきたな。
危険な状況と分かっていながら、ユウスケは口元の笑みを抑えることができなかった
一部改変ですが、ヴィムのSu― 47 ベルクートですが、F― 22 ラプター同様にアフターバーナー無しで音速巡航できることにしました。
あと、ヴィムの言っていた自動に水平になる機能とは、F― 22Aにはブラックアウト・レッドアウト時に意識を失ってしまった時のために、操縦桿を離すと自動で水平飛行になると言う機能がありますがそのことです。
・・・上司との通信とはいえ、はやての性格ってむつかしいなぁ・・・